登記系資格の受験順
土地家屋調査士と司法書士はどちらを先に受けるか(業務範囲・試験時期・合格率・午前の部の免除)
土地家屋調査士は土地や建物の「表示に関する登記」のための調査・測量と申請を、司法書士は登記・供託の手続の代理や裁判所に提出する書類の作成を扱います。どちらも受験資格はなく、試験を実施するのも法務省です。条文と公式の結果をもとに、受験順を決める材料を整理します(確認日:2026年10月9日)。
業務範囲の違い(法律の条文)
土地家屋調査士(土地家屋調査士法第3条)
業務の中心は、不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量、その登記の申請手続の代理、提出書類の作成です。このほか、筆界特定の手続の代理や書類の作成、これらの相談も業務に含まれます。
司法書士(司法書士法第3条)
登記又は供託に関する手続の代理、法務局又は地方法務局に提出する書類の作成、裁判所若しくは検察庁に提出する書類の作成などが業務です。簡易裁判所での一定の手続の代理も、法律上の業務に含まれます。
どちらも不動産登記に関わりますが、調査士は土地・建物の物理的な状況を登記簿に表す「表示」を、司法書士は権利関係を扱う登記などの手続を担うという分担です。
試験時期と受験資格の違い
土地家屋調査士
実施は法務省(各法務局・地方法務局)。受験資格の制限はありません。令和7年度の筆記試験は令和7年10月19日、口述試験は令和8年1月22日でした。令和8年度の受験申請書等の交付期間は7月1日から8月7日まで、出願者数は6,076人で、前年度より255人(4.4%)増えました。
司法書士
実施は法務省(各法務局・地方法務局)。受験資格の制限はありません。令和8年度の筆記試験は7月5日、口述試験は10月13日で、受験案内書・申請書の交付期間は4月1日から5月18日まででした。筆記試験の合格発表は10月1日です。
司法書士の筆記は7月、土地家屋調査士の筆記は10月と、時期がずれています。同じ年に両方を受けることもできますが、試験の準備期間が重なります。
合格基準と合格率の違い
土地家屋調査士(令和7年度 10.1%)
受験者4,824人に対し合格者489人。午前の部を受けた人は、午前の部が満点100点中70.0点以上、かつ午後の部が満点100点中76.0点以上でした。午前の部を免除された人は、午後の部の76.0点以上が基準です。
司法書士(令和7年度 5.2%)
受験者14,418人に対し合格者751人。令和8年度の筆記試験は、満点350点中258.0点以上が合格点で、午前の択一式・午後の択一式・記述式のどれか1つでも基準点に届かないとそれだけで不合格です。
試験範囲の重なり
本サイトが土地家屋調査士の問題として収録している法分野は、不動産登記法、土地家屋調査士法、民法で、午後の部の択一で問われる法律論点が対象です。司法書士では不動産登記法と民法も収録しており、この2分野が重なります。一方、司法書士は商業登記法・会社法・民事訴訟法なども問われ、土地家屋調査士は午前の部で測量などの専門分野が問われます(午前の部・測量・作図・記述式は本サイトの収録対象外です)。
どちらを先に受けるかの目安
土地家屋調査士を先に受ける人
土地や建物の測量・調査を含む表示登記を仕事にしたい人。合格率は令和7年度で司法書士より高く、一級建築士又は二級建築士となる資格を有する人は、午前の部の免除を使える場合があります。不動産登記法と民法は司法書士の試験範囲とも重なるため、先に学んだ分が後の準備に生きます。
司法書士を先に受ける人
権利に関する登記、会社の登記、裁判所に提出する書類まで幅広く扱いたい人。筆記が7月で調査士より早いので、1年の学習計画は司法書士の7月を基準に組むと、調査士の10月が秋に控える形になります。受験資格はないので、調査士を経由する必要はありません。
司法書士試験の側から見た近い資格との比較は、行政書士と司法書士はどちらを先に受けるかにもまとめています。
よくある質問
- 司法書士に合格していないと、土地家屋調査士は受けられませんか?
そんなことはありません。法務省の司法書士試験・土地家屋調査士試験共通のよくあるお問合せは、受験資格の制限はなく、居住地や国籍にかかわらず誰でも受験できると回答しています。逆に、土地家屋調査士に合格していなくても司法書士を受けられます。 - 土地家屋調査士試験の午前の部は、誰が免除されますか?
法務省の案内には、一級建築士又は二級建築士となる資格を有することを証する書面による筆記試験の一部免除の項目があります。免除の対象者の細かな条件は受験案内書で確認してください。免除されない人は、午前の部を受けずに午後の部だけを受けることはできません。 - 2つの試験の合格率はどれくらい違いますか?
令和7年度は、土地家屋調査士が受験者4,824人・合格者489人で合格率10.1%、司法書士が受験者14,418人・合格者751人で合格率5.2%でした。合格率は年度により変わりますが、令和7年度は司法書士のほうが低くなっています。
出典
- e-Gov法令検索「土地家屋調査士法」第3条・「司法書士法」第3条(確認日:2026年10月9日)
- 法務省「司法書士試験・土地家屋調査士試験共通 よくあるお問合せ」(確認日:2026年10月9日)
- 法務省「令和7年度土地家屋調査士試験の最終結果について」(確認日:2026年10月9日)
- 法務省「令和8年度土地家屋調査士試験受験案内書」・「令和8年度土地家屋調査士試験の出願状況について」(確認日:2026年10月9日)
- 法務省「土地家屋調査士試験」(確認日:2026年10月9日)
- 横浜地方法務局「令和8年度司法書士試験について」(確認日:2026年10月9日)
- 法務省「令和7年度司法書士試験の最終結果について」・「令和8年度司法書士試験筆記試験の合格点等について」(確認日:2026年10月9日)