工場で必要になる資格の受験順
公害防止管理者と乙種第4類の違いと受験順(試験区分・合格率)
公害防止管理者は排ガスや排水、騒音などの公害防止の体制を工場に整えるための資格、危険物取扱者乙種第4類はガソリンや灯油などの引火性液体を扱うための資格です。工場に配属されたとき、どちらが先に必要になるかは、その工場が設置している施設で決まります。公式情報をもとに判断材料を整理します(確認日:2026年10月12日)。
工場で必要になる場面の違い
公害防止管理者
特定工場における公害防止組織の整備に関する法律で、公害防止組織の設置(公害防止管理者の選任)が義務付けられている工場が対象です。対象は、製造業(物品の加工業を含む)、電気供給業、ガス供給業、熱供給業のいずれかで、ばい煙発生施設、粉じん発生施設、汚水等排出施設、騒音発生施設などを設置している工場です。設置している施設に応じて必要な区分が決まります。
危険物取扱者乙種第4類
消防法の危険物のうち、ガソリン、灯油、軽油などの引火性液体を取り扱うための資格です。危険物を貯蔵・取り扱う工場やガソリンスタンドなど、扱う危険物の種類に合わせて必要になります。
試験区分・受験資格・受験手数料の違い
公害防止管理者
実施は産業環境管理協会で、年1回、10月初旬ごろに全国主要9都市で行います。大気関係第1種から第4種、水質関係第1種から第4種、騒音・振動関係、粉じん関係、ダイオキシン類関係、公害防止主任管理者などの試験区分があり、区分ごとに受験します。五者択一式のマークシート方式で、受験資格は年齢・実務経験などの条件や制限がありません。受験手数料は区分により11,600円または12,300円(非課税)です。
危険物取扱者乙種第4類
実施は消防試験研究センターで、日程は都道府県ごとの全国一覧で確認します。筆記試験のみで、危険物に関する法令15問、基礎的な物理学と基礎的な化学10問、危険物の性質と火災予防・消火の方法10問、試験時間は2時間です。科目ごとの成績がそれぞれ60%以上で合格となり、受験手数料は5,300円です。
合格率の違い
公害防止管理者の令和7年度は、受験者19,845人、合格者7,175人で、全試験区分の平均合格率は36.2%でした。区分別では、大気関係29.7%、水質関係40.1%、騒音・振動関係30.6%、粉じん関係27.8%、ダイオキシン類関係57.8%、主任管理者25.5%と開きがあります。受験者の半数以上が科目免除の申請をしており、科目ごとに合格を積み上げられる制度です。
どちらを先に受けるかの目安
公害防止管理者を先に受ける人
自分の工場が特定工場にあたり、ばい煙発生施設や汚水等排出施設を設置していて、公害防止の担当に決まっている人。年1回の試験で、令和8年度の試験は終わっているため、次回の受験案内を確かめて準備期間を長く取れます。
危険物取扱者乙種第4類を先に受ける人
工場で引火性液体を貯蔵・取り扱う部署に配属された人。都道府県ごとに試験日程が組まれ、受験資格の制限がないため、配属後に早い日程を選んで取りやすい資格です。
出題範囲が重ならず、受験順による有利不利は大きくありません。迷うときは、受験機会が年1回の公害防止管理者の日程を軸にし、都道府県の日程から選べる乙種第4類を空いた時期に入れる並べ方が組みやすい形です。電気工事士との組み合わせは第二種電気工事士と危険物取扱者乙種第4類はどちらを先に受けるかで整理しています。
よくある質問
- 公害防止管理者の前に、危険物取扱者乙種第4類に合格している必要はありますか?
必要ありません。産業環境管理協会の受験案内には、受験のための条件や制限(年齢、実務経験など)はないと書かれています。危険物取扱者乙種の受験資格も、消防試験研究センターの案内では制限が設けられていません。どちらも相手の資格の合格は条件に入っていません。 - 2つの試験は、出題範囲が重なりますか?
ほとんど重なりません。公害防止管理者は、公害総論や大気・水質・騒音振動などの概論と特論を試験区分ごとに受けます。乙種第4類は、危険物に関する法令、基礎的な物理学と化学、危険物の性質と火災予防・消火の方法です。扱う法律も、前者は公害防止組織整備法や大気汚染防止法など、後者は消防法です。 - 公害防止管理者の試験は、いつ受けられますか?
年1回で、10月初旬ごろの実施と産業環境管理協会が案内しています。令和8年度は10月4日(日)に実施済みで、次回は令和9年度の受験案内を協会のページで確かめてください。試験に代わる方法として、11月から3月に行う資格認定講習もあります。
出典
- 産業環境管理協会「公害防止管理者制度の概要」(確認日:2026年10月12日)
- 産業環境管理協会「資格取得の方法」(確認日:2026年10月12日)
- 産業環境管理協会「2026(令和8)年度 公害防止管理者等国家試験 受験案内」(確認日:2026年10月12日)
- 産業環境管理協会「令和7年度 国家試験結果の概要」(確認日:2026年10月12日)
- 消防試験研究センター「受験資格」(確認日:2026年10月9日)
- 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」(確認日:2026年10月9日)