問1弁理士の使命と職責e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士の使命及び職責に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって文化の発展に寄与することを使命とする。
- イ.弁理士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 知的財産の専門家として制度の適正な運用に寄与→目的は経済及び産業の発展に資すること→文化の発展に寄与するとする記述は誤り
弁理士法第1条「もって経済及び産業の発展に資することを使命とする」一次資料を確認
- イ.正しい
- 弁理士は常に品位を保持→業務に関する法令及び実務に精通→公正かつ誠実に業務を行う
弁理士法第3条「常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」一次資料を確認
ひっかけ「文化の発展」は著作権法の目的の言い回しで、弁理士の使命の言い回しとは違う。
解説弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを使命とする(弁理士法第1条)。職責として、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実に業務を行わなければならない(第3条)。使命の最後の部分(経済及び産業の発展に資する)は、知的財産法の目的規定の言い回しと取り違えやすいため、条文の文言で確認する。
補足第1条と第3条の規定は、弁理士法人にも準用される(第37条第2項)。
問2弁理士の業務(特許庁における手続の代理と鑑定)e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士の業務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士は、他人の求めに応じ、特許、実用新案、意匠若しくは商標に関する特許庁における手続についての代理を行うことを業とする。
- イ.弁理士が業とする事務は、特許庁における手続についての代理に限られ、その手続に係る事項に関する鑑定その他の事務は含まれない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 他人の求めに応じて特許・実用新案・意匠・商標等に関する→特許庁における手続について代理→これを業とする
弁理士法第4条第1項「弁理士は、他人の求めに応じ、特許、実用新案、意匠若しくは商標又は国際出願」一次資料を確認
弁理士法第4条第1項「に関する特許庁における手続」一次資料を確認
- イ.誤り
- 第4条第1項は代理と並べて→手続に係る事項の鑑定その他の事務を掲げる→含まれないとする記述は誤り
弁理士法第4条第1項「これらの手続に係る事項に関する鑑定その他の事務を行うことを業とする」一次資料を確認
ひっかけ弁理士の仕事を「出願書類の代理提出」だけだと考えると、条文が業務に挙げる範囲を狭く見積もる。
解説弁理士は、他人の求めに応じ、特許、実用新案、意匠若しくは商標又は国際出願等に関する特許庁における手続の代理と、これらの手続に係る事項に関する鑑定その他の事務を行うことを業とする(弁理士法第4条第1項)。この第1項の業務のほかに、同条第2項・第3項に別の事務が定められている。第4条第1項が最も基本になる業務の規定である。
補足弁理士法人は、第4条第1項の業務を行うほか、定款で定めるところにより、同条第2項及び第3項の業務の全部又は一部を行うことができる(第40条)。
問3弁理士となる資格と登録e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士となる資格及び登録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特許庁において審判官又は審査官として審判又は審査の事務に従事した期間が通算して7年以上になる者であって、実務修習を修了したものは、弁理士となる資格を有する。
- イ.弁理士となる資格を有する者は、弁理士登録簿への登録を受けなくても、弁理士となることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 三つの類型のいずれかに該当→実務修習を修了→弁理士となる資格を有する
弁理士法第7条「特許庁において審判官又は審査官として審判又は審査の事務に従事した期間が通算して七年以上になる者」一次資料を確認
弁理士法第7条「実務修習を修了したものは、弁理士となる資格を有する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 弁理士となる資格を有するだけでは足りない→日本弁理士会に備える弁理士登録簿に登録を受けなければならない→登録不要とする記述は誤り
弁理士法第17条第1項「弁理士となる資格を有する者が、弁理士となるには、日本弁理士会に備える弁理士登録簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地その他経済産業省令で定める事項の登録を受けなければならない」一次資料を確認
ひっかけ資格を取れば自動的に弁理士を名乗れると考えがちだが、「資格を有する」ことと「弁理士となる」ことは別の段階である。
解説弁理士となる資格は、弁理士試験に合格した者、弁護士となる資格を有する者、特許庁で審判官又は審査官として審判又は審査の事務に従事した期間が通算して7年以上になる者のいずれかで、実務修習を修了したものが有する(弁理士法第7条)。そのうえで、弁理士となるには、日本弁理士会に備える弁理士登録簿に登録を受けなければならない(第17条第1項)。資格の要件と登録の手続は別の条文に分かれている。
補足弁理士登録簿の登録は、日本弁理士会が行う(第17条第2項)。
問4弁理士でない者の業務の制限と名称の使用制限e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士又は弁理士法人でない者に対する制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士又は弁理士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て行うときは、特許料の納付手続についての代理であっても、これを業とすることができない。
- イ.弁理士又は弁理士法人でない者であっても、特許事務所に類似する名称を用いることはできる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 弁理士でない者が他人の求めに応じ報酬を得て手続の代理を業とすることを制限→特許料の納付手続の代理などは括弧書きで除外→除外されるものまで禁止とする記述は誤り
弁理士法第75条「弁理士又は弁理士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て」一次資料を確認
弁理士法第75条「特許料の納付手続についての代理、特許原簿への登録の申請手続についての代理その他の政令で定めるものを除く」一次資料を確認
- イ.誤り
- 弁理士又は弁理士法人でない者→弁理士・特許事務所又はこれらに類似する名称の使用が禁止→類似名称を用いることができるとする記述は誤り
弁理士法第76条第1項「弁理士又は弁理士法人でない者は、弁理士若しくは特許事務所又はこれらに類似する名称を用いてはならない」一次資料を確認
ひっかけ「弁理士でなければ特許庁の手続に関する代理は一切できない」と覚えると、括弧書きの除外を落とす。
解説弁理士又は弁理士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、特許庁における手続についての代理等を業とすることができない。ただし、特許料の納付手続についての代理、特許原簿への登録の申請手続についての代理その他の政令で定めるものは除かれる(弁理士法第75条)。また、弁理士又は弁理士法人でない者は、弁理士若しくは特許事務所又はこれらに類似する名称を用いてはならない(第76条第1項)。業務の制限と名称の制限は別の条文である。
補足弁理士は、第75条又は第76条の規定に違反する者に自己の名義を利用させてはならない(第31条の3、非弁理士に対する名義貸しの禁止)。
問5弁理士の秘密を守る義務と懲戒の種類e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士の秘密を守る義務及び懲戒に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士又は弁理士であった者は、正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
- イ.弁理士が弁理士法に違反したとき、又は弁理士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、経済産業大臣は、戒告、2年以内の業務の全部又は一部の停止、業務の禁止のいずれかの処分をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 弁理士又は弁理士であった者→正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らし又は盗用してはならない→退職後も義務が続く
弁理士法第30条「弁理士又は弁理士であった者は、正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 弁理士法違反又は重大な非行→経済産業大臣が懲戒処分できる→種類は戒告、2年以内の業務の全部又は一部の停止、業務の禁止
弁理士法第32条「弁理士がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反したとき、又は弁理士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、経済産業大臣は、次に掲げる処分をすることができる」一次資料を確認
弁理士法第32条第2号「二年以内の業務の全部又は一部の停止」一次資料を確認
弁理士法第32条第3号「業務の禁止」一次資料を確認
ひっかけ守秘義務は在職中だけの義務だと考えると、条文の「弁理士であった者」を見落とす。
解説弁理士又は弁理士であった者は、正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない(弁理士法第30条)。弁理士がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反したとき、又は弁理士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、経済産業大臣が、戒告、2年以内の業務の全部又は一部の停止、業務の禁止の処分をすることができる(第32条)。守秘義務の違反は、この法律違反として懲戒の対象になり得る。義務の規定と処分の規定をセットで押さえておく。
補足弁理士の使用人その他の従業者又はこれらの者であった者にも、業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務がある(第77条)。
問6日本弁理士会の設立と会員資格e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の日本弁理士会に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士は、弁理士法の定めるところにより、各都道府県ごとに一個の弁理士会を設立しなければならない。
- イ.弁理士は、日本弁理士会に入会の申込みをして承認を受けた時に、はじめて弁理士会の会員となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 弁理士会の設立は全国を通じて一個→都道府県ごとに設立するとする記述は誤り
弁理士法第56条第1項「弁理士は、この法律の定めるところにより、全国を通じて一個の日本弁理士会」一次資料を確認
- イ.誤り
- 弁理士及び弁理士法人は当然、弁理士会の会員→入会の申込みや承認は要件でない→はじめて会員となるとする記述は誤り
弁理士法第60条「弁理士及び弁理士法人は、当然、弁理士会の会員となり」一次資料を確認
ひっかけ任意団体の感覚で「申込みをして入会する」と考えると、条文の「当然」を見落とす。
解説弁理士は、弁理士法の定めるところにより、全国を通じて一個の日本弁理士会を設立しなければならない(弁理士法第56条第1項)。弁理士及び弁理士法人は、当然、弁理士会の会員となる(第60条)。退会も同様で、弁理士がその登録を抹消されたとき及び弁理士法人が解散したときに、当然、弁理士会を退会する。
補足弁理士会は、弁理士及び弁理士法人の使命及び職責に鑑み、その品位を保持し、業務の改善進歩を図るため、会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行い、並びに弁理士の登録に関する事務を行うことを目的とする(第56条第2項)。
問7弁理士法人の社員の資格と業務の範囲e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士法人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士法人の社員は、弁理士でない者であってもなることができる。
- イ.弁理士法人は、弁理士法第4条第1項の業務を行うほか、定款で定めるところにより、同条第2項及び第3項の業務の全部又は一部を行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 弁理士法人の社員の資格→弁理士であることが必要→弁理士でない者もなれるとする記述は誤り
弁理士法第39条第1項「弁理士法人の社員は、弁理士でなければならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 弁理士法人は第4条第1項の業務を行う→第2項・第3項の業務は定款で定めるところにより行える→全部又は一部でも可
弁理士法第40条「弁理士法人は、第四条第一項の業務を行うほか、定款で定めるところにより、同条第二項及び第三項の業務の全部又は一部を行うことができる」一次資料を確認
ひっかけ法人の社員というと出資者一般を思い浮かべがちだが、弁理士法人の社員には資格の限定がある。
解説弁理士は、弁理士法の定めるところにより、弁理士法人を設立することができる(弁理士法第37条第1項)。弁理士法人の社員は、弁理士でなければならない(第39条第1項)。弁理士法人は、第4条第1項の業務を行うほか、定款で定めるところにより、同条第2項及び第3項の業務の全部又は一部を行うことができる(第40条)。第4条第1項の業務は法人にとって基本の業務であり、第2項・第3項の業務は定款の定めがあって初めて行える。
補足第39条第2項は、第32条による業務停止処分を受けてその期間を経過しない者などが、社員となることができない者として挙げられている。
問8弁理士が業務を行い得ない事件e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士が業務を行い得ない事件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士は、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件については、その業務を行ってはならない。
- イ.受任している事件の相手方からの依頼による他の事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、弁理士はその業務を行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 相手方の協議を受けて賛助し又は依頼を承諾した事件→第31条第1号に該当→弁理士は業務を行ってはならない
弁理士法第31条第1号「相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件」一次資料を確認
弁理士法第31条本文「弁理士は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行ってはならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 第3号の事件は原則として業務を行えない→ただし受任している事件の依頼者が同意した場合はこの限りでない→同意があれば業務を行える
弁理士法第31条第3号「受任している事件の相手方からの依頼による他の事件」一次資料を確認
弁理士法第31条ただし書「ただし、第三号に該当する事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ利益が相反する事件は一切引き受けられないと考えがちだが、第3号にだけ依頼者の同意による例外がある。
解説弁理士は、第31条各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行ってはならない。第1号は、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件である。ただし、第3号(受任している事件の相手方からの依頼による他の事件)に限り、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない(弁理士法第31条ただし書)。例外が置かれているのが第3号だけである点を条文で確認する。
補足第31条には、このほか、公務員として職務上取り扱った事件(第4号)や、仲裁手続により仲裁人として取り扱った事件(第5号)も掲げられている。
問9弁理士の登録の取消しと通知e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士の登録の取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.日本弁理士会は、弁理士の登録を受けた者が、偽りその他不正の手段により当該登録を受けたことが判明したときは、当該登録を取り消さなければならない。
- イ.日本弁理士会は、登録を取り消したときは、その旨を当該処分を受ける者に口頭で伝えれば足り、書面による通知を要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 偽りその他不正の手段により登録を受けた→それが判明→日本弁理士会は登録を取り消さなければならない(義務)
弁理士法第23条第1項「日本弁理士会は、弁理士の登録を受けた者が、偽りその他不正の手段により当該登録を受けたことが判明したときは、当該登録を取り消さなければならない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 登録を取り消したとき→その旨を処分を受ける者に書面により通知する義務→口頭で足りるとする記述は誤り
弁理士法第23条第2項「日本弁理士会は、前項の規定により登録を取り消したときは、その旨を当該処分を受ける者に書面により通知しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ「取り消すことができる」と裁量の規定だと思い込むと、条文の「取り消さなければならない」を読み違える。
解説日本弁理士会は、弁理士の登録を受けた者が、偽りその他不正の手段により当該登録を受けたことが判明したときは、当該登録を取り消さなければならない(弁理士法第23条第1項)。取り消したときは、その旨を当該処分を受ける者に書面により通知しなければならない(同条第2項)。取消しは日本弁理士会が行い、通知の方式は書面と定められている。
補足弁理士登録簿の登録は、日本弁理士会が行う(第17条第2項)。登録の取消しも同じ日本弁理士会の事務である。
問10虚偽の登録申請等に対する罰則e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の罰則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士となる資格を有しない者が、日本弁理士会に対し、その資格につき虚偽の申請をして弁理士登録簿に登録させたときは、100万円以下の罰金に処せられるが、拘禁刑には処せられない。
- イ.弁理士法第75条の規定に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 資格がないのに虚偽の申請で登録させた→法定刑は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金→罰金のみとする記述は誤り
弁理士法第78条「弁理士となる資格を有しない者が、日本弁理士会に対し、その資格につき虚偽の申請をして弁理士登録簿に登録させたときは、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 弁理士でない者の業務制限(第75条)に違反→第79条第3号に該当→1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
弁理士法第79条「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」一次資料を確認
弁理士法第79条第3号「第七十五条の規定に違反した者」一次資料を確認
ひっかけ資格の不正取得と業務制限違反は別の場面の違反だが、法定刑は同じ水準にそろえられている。
解説弁理士となる資格を有しない者が、日本弁理士会に対し、その資格につき虚偽の申請をして弁理士登録簿に登録させたときは、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられる(弁理士法第78条)。第79条は、第31条の3(名義貸しの禁止)の違反、第32条又は第54条第1項による業務停止処分の違反、第75条(弁理士又は弁理士法人でない者の業務の制限)の違反を同じ法定刑で処罰する。条文ごとに、どの行為がどの条で処罰されるかを対応させておく。
補足第79条第1号は、第31条の3(非弁理士に対する名義貸しの禁止)の規定に違反した者を掲げている。第75条違反と同じ条の別の号にある。
問11信用失墜行為の禁止と研修の受講義務e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士は、弁理士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。
- イ.弁理士は、経済産業省令で定めるところにより、日本弁理士会が行う資質の向上を図るための研修を受けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 弁理士の信用又は品位を害する行為→第29条で禁止→信用失墜行為の禁止
弁理士法第29条「弁理士は、弁理士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 弁理士は経済産業省令で定めるところにより→日本弁理士会の研修を受けなければならない→資質の向上を図る義務
弁理士法第31条の2「弁理士は、経済産業省令で定めるところにより、日本弁理士会が行う資質の向上を図るための研修を受けなければならない」一次資料を確認
ひっかけ研修は任意の自己研鑽だと考えると、条文の「受けなければならない」を見落とす。
解説弁理士は、弁理士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない(弁理士法第29条)。また、経済産業省令で定めるところにより、日本弁理士会が行う資質の向上を図るための研修を受けなければならない(第31条の2)。第3条の職責(品位の保持、法令及び実務への精通、公正かつ誠実な業務)と合わせて、弁理士が個人として負う義務として整理できる。
補足研修を行うのは日本弁理士会であり、受講の方法は経済産業省令で定める。
問12実務修習の実施主体と講師・指導者の要件e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の実務修習に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.実務修習は、弁理士となる資格の類型に該当する者に対して、弁理士となるのに必要な技能及び高等の専門的応用能力を修得させるため、経済産業大臣が行う。
- イ.実務修習の講師及び指導者は、弁理士であって、その実務に通算して3年以上従事した経験を有するものでなければならないとされている。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 第7条各号に掲げる者が対象→弁理士となるのに必要な技能及び高等の専門的応用能力を修得させる→経済産業大臣が行う
弁理士法第16条の2第1項「弁理士となるのに必要な技能及び高等の専門的応用能力を修得させるため、経済産業大臣が行う」一次資料を確認
- イ.誤り
- 実務修習の講師及び指導者は弁理士→実務に通算して7年以上の経験が必要→3年以上とする記述は誤り
弁理士法第16条の2第2項第3号「実務修習の講師及び指導者は、弁理士であって、その実務に通算して七年以上従事した経験を有するものであること」一次資料を確認
ひっかけ実務修習は日本弁理士会が行うものと思いがちだが、実施主体は経済産業大臣である。
解説実務修習は、第7条各号に掲げる者に対して、弁理士となるのに必要な技能及び高等の専門的応用能力を修得させるため、経済産業大臣が行う(弁理士法第16条の2第1項)。実務修習は、毎年1回以上行うこと、弁理士の業務に関する法令及び実務について行うこと、講師及び指導者は弁理士であってその実務に通算して7年以上従事した経験を有するものであること、という定めに従って行う(同条第2項)。資格の類型(試験合格者・弁護士となる資格を有する者・審判官又は審査官の経験者)にかかわらず、実務修習を修了することが弁理士となる資格の要件になっている(第7条)。
補足実務修習を経済産業大臣が行うと定める第16条の2第1項に対し、弁理士登録簿への登録は日本弁理士会が行う(第17条第2項)。実施主体が異なる。
問13弁理士試験の方法と論文式試験の受験者e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士試験に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士試験は、短答式及び論文式による筆記の方法のみにより行い、口述の方法は用いない。
- イ.論文式による試験は、短答式による試験を受けたすべての者について行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 第9条は筆記(短答式・論文式)並びに口述の方法→口述を用いないとする記述は誤り
弁理士法第9条「及び論文式による筆記並びに口述の方法により行う」一次資料を確認
- イ.誤り
- 論文式による試験の対象→短答式による試験に合格した者→受験したすべての者とする記述は誤り
弁理士法第10条第2項「論文式による試験は、短答式による試験に合格した者につき、次に掲げる科目について行う」一次資料を確認
ひっかけ筆記試験だけで合否が決まると考えると、条文が挙げる口述の方法を落とす。
解説弁理士試験は、弁理士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、短答式及び論文式による筆記並びに口述の方法により行う(弁理士法第9条)。論文式による試験は短答式による試験に合格した者につき行い、口述試験は筆記試験に合格した者につき、工業所有権に関する法令について行う(第10条第2項・第3項)。試験は段階的に進み、前の段階に合格した者が次の段階の対象になる。
補足短答式による試験の科目は、工業所有権に関する法令、工業所有権に関する条約などである(第10条第1項)。
問14弁理士法人の解散事由と経済産業大臣への届出e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の弁理士法人の解散に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士法人は、他の弁理士法人との合併によっては解散しない。
- イ.弁理士法人は、第1項第3号及び第6号の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から2週間以内に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 第52条第1項が解散の理由を列挙→他の弁理士法人との合併も理由の一つ→合併では解散しないとする記述は誤り
弁理士法第52条第1項「弁理士法人は、次に掲げる理由によって解散する」一次資料を確認
弁理士法第52条第1項第3号「他の弁理士法人との合併」一次資料を確認
- イ.正しい
- 合併(第3号)・解散命令(第6号)以外の事由で解散→解散の日から2週間以内→経済産業大臣に届出
弁理士法第52条第2項「弁理士法人は、前項第三号及び第六号の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から二週間以内に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない」一次資料を確認
ひっかけ解散の届出はすべての解散事由で必要だと考えると、条文が除外する二つの事由を落とす。
解説弁理士法人は、定款に定める理由の発生、総社員の同意、他の弁理士法人との合併、破産手続開始の決定、解散を命ずる裁判、第54条の規定による解散の命令、社員の欠亡の理由によって解散する(弁理士法第52条第1項)。このうち合併(第3号)と第54条による解散の命令(第6号)以外の事由で解散したときは、解散の日から2週間以内に経済産業大臣へ届け出なければならない(同条第2項)。届出が不要な事由が二つあることを、番号で区別して覚える。
補足第52条第1項第6号の「第五十四条の規定による解散の命令」は、弁理士法人の違法行為等についての処分として第54条に定められている。
問15非弁理士への名義貸しの禁止と使用人等の秘密を守る義務e-Gov等の一次資料で確認済み
弁理士法上の名義貸しの禁止及び使用人等の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士は、弁理士法第75条又は第76条の規定に違反する者に自己の名義を利用させてはならない。
- イ.弁理士若しくは弁理士法人の使用人その他の従業者又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、弁理士法第4条から第6条の2までの業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 弁理士でない者の業務制限(第75条)・名称の使用制限(第76条)に違反する者→弁理士は自己の名義を利用させてはならない
弁理士法第31条の3「弁理士は、第七十五条又は第七十六条の規定に違反する者に自己の名義を利用させてはならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 弁理士・弁理士法人の使用人等(であった者を含む)→第4条から第6条の2までの業務を補助して知り得た秘密→正当な理由なく漏らし又は盗用してはならない
弁理士法第77条「弁理士若しくは弁理士法人の使用人その他の従業者又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、第四条から第六条の二までの業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない」一次資料を確認
ひっかけ守秘義務は弁理士本人だけの義務だと考えがちだが、使用人その他の従業者にも及ぶ。
解説弁理士は、第75条(弁理士又は弁理士法人でない者の業務の制限)又は第76条(名称の使用制限)の規定に違反する者に自己の名義を利用させてはならない(弁理士法第31条の3)。また、弁理士若しくは弁理士法人の使用人その他の従業者又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、第4条から第6条の2までの業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない(第77条)。本人の守秘義務(第30条)と、使用人等の守秘義務(第77条)は、別の条文で定められている。
補足第31条の3の規定に違反した者は、第79条により、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられる。