労働法系資格の受験順
衛生管理者と社労士はどちらを先に受けるか(労働安全衛生法の重なり・受験資格・試験方式・合格率)
衛生管理者は事業場で労働者の健康障害を防ぐ職務を担う国家資格、社労士は労働・社会保険の手続と人事労務の相談を担う国家資格です。労働安全衛生法がどちらの試験にも出るため、人事・総務の担当者が両方を検討することがあります。公式情報で受験資格、試験科目、合格率を並べ、どちらを先に受けるかの判断材料を整理します(確認日:2026年10月9日)。
受験資格と試験方式の違い
衛生管理者
大学(短期大学を含む)または高等専門学校の卒業後1年以上、高等学校の卒業後3年以上、学歴を問わず10年以上の、それぞれ労働衛生の実務経験など、学歴別の区分があります(安全衛生技術試験協会の資格紹介)。試験は受験申請で第1希望日・第2希望日を選ぶ方式です。
社会保険労務士
学歴、実務経験、厚生労働大臣の認めた国家試験合格のいずれか1つが必要です。大学・短大・高専(5年制)の卒業者は学歴で満たせます。試験は年1回、例年8月の第4日曜日(令和8年度は8月23日)で、受験手数料は15,000円です。
試験科目と出題数の違い
第一種衛生管理者
労働衛生、関係法令、労働生理の3科目です。労働衛生と関係法令は有害業務に係るものとそれ以外に分かれ、労働生理10問と合わせて、試験時間は3時間です。
社会保険労務士
選択式8科目(計8問・40点)と択一式7科目(計70問・70点)です。労働基準法及び労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法が試験科目です。
重なるのは労働安全衛生法です。衛生管理者は関係法令の一部、社労士は「労働基準法及び労働安全衛生法」の科目の一部で、社労士の科目の大半を占める社会保険・年金の法令は、衛生管理者の範囲には入りません。
合格率の違い
衛生管理者(令和7年度)
第一種の合格率は46.8%(受験者66,401人・合格者31,046人)、第二種は48.7%でした(協会の統計)。
社会保険労務士(第58回)
受験者42,510人、合格率9.3%でした。前年の第57回は5.5%です。
合格率は年度によって変動します。社労士は衛生管理者に比べて合格率が低く、範囲の広さも大きく違います。
どちらを先に受けるかの目安
衛生管理者を先に受ける人
50人以上の事業場で安全衛生を担当する人、または担当になる見込みの人。選任に必要な免許で、労働安全衛生法の基本を実務と結びつけて学べます。社労士の受験資格を満たすかは別に確認が必要です。
社労士を先に受ける人
すでに受験資格があり、人事労務や社会保険の手続を仕事にしたい人。労働安全衛生法は社労士の学習のなかでも扱うため、衛生管理者は後から受けても、労働安全衛生法の復習が土台になります。
衛生管理者の種類の選び方は衛生管理者は第一種と第二種のどちらを受けるか、社労士の次の資格は社労士と行政書士のダブルライセンスの記事で整理しています。
よくある質問
- 衛生管理者に合格していると、社労士試験の受験資格を満たせますか?
今回確認した社会保険労務士試験オフィシャルサイトの受験資格の案内からは、衛生管理者の免許が受験資格になるかは確かめられませんでした。社労士の受験資格は学歴・実務経験・国家試験合格のいずれかで決まります。申込前に、最新の受験資格一覧で自分の区分を確認してください。 - 社労士の試験に、労働安全衛生法は出題されますか?
出題されます。社会保険労務士試験の試験科目の1つが「労働基準法及び労働安全衛生法」で、選択式1問(5点)と択一式10問(10点)が配点されています。衛生管理者の関係法令でも労働安全衛生法が中心になるため、この法律は両方の試験に共通します。 - 衛生管理者の試験は、年に何回受けられますか?
安全衛生技術試験協会は、受験申請で第1希望日・第2希望日を選ぶ方式を案内しています。試験日と会場はセンターごとに設定されるため、申請前に協会の試験日程で確認してください。社労士は年1回の試験です。
出典
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者のご紹介」(確認日:2026年10月9日)
- 安全衛生技術試験協会「免許試験の統計(合格率)」(令和7年度、確認日:2026年10月8日)
- 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「受験資格について」(確認日:2026年10月9日)
- 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「試験の概要」(確認日:2026年10月9日)
- 厚生労働省「第58回社会保険労務士試験の合格者発表」(社会保険労務士試験オフィシャルサイト掲載・確認日:2026年10月9日)