ダブルライセンスの取得順
社労士と行政書士のダブルライセンスはどちらから取るか(受験資格・試験時期・学習順)
社会保険労務士は労働・社会保険の手続と人事労務の相談、行政書士は官公署に提出する許認可などの書類作成を中心とする国家資格です。社労士には受験資格があり、行政書士の合格がその1つになります。受験資格、試験日、合格率を公式情報で並べ、どちらから取るかの判断材料を整理します(確認日:2026年10月9日)。
受験資格の違い
社会保険労務士
学歴、実務経験、厚生労働大臣の認めた国家試験合格のいずれか1つが必要です。大学・短大・高専(5年制)の卒業者は学歴で満たせます。国家試験合格の区分には「行政書士試験の合格」が含まれます。
行政書士
年齢、学歴、国籍等に関係なく、誰でも受験できます。
試験日・手数料・合格率の違い
社会保険労務士
年1回、例年8月の第4日曜日(令和8年度は8月23日)。申込は4月中旬から5月31日までで、受験手数料は15,000円です。令和8年度(第58回)は受験者42,510人、合格率9.3%(前年の第57回は5.5%)でした。
行政書士
年1回、11月の第2日曜日(令和8年度は11月8日)の13時から16時まで。受験手数料は10,400円です。令和7年度は受験者50,163人、合格率14.54%でした。
試験日は社労士が夏、行政書士が秋で、およそ2か月半離れています。行政書士の合格者が社労士の申込をするのは、翌年の申込期間(4月中旬から5月31日)です。
学習時間の目安と試験範囲
学習時間は公式の数字がなく、アガルートの目安では行政書士が500〜1,000時間、社労士が600〜1,000時間です。試験範囲は、行政書士が憲法・行政法・民法・商法・基礎法学など(行政書士試験研究センターの試験概要)、社労士が労働基準法、労災保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法などの労働・社会保険の法令で、中心となる法律の重なりは小さい組み合わせです。
社労士の年金分野の論点は、離婚時の年金分割(合意分割と3号分割)の記事でも整理しています。
どちらから取るかの目安
行政書士を先に取る人
大学・短大・高専の卒業や、労働社会保険諸法令に関する実務経験がなく、社労士の受験資格を持たない人。行政書士に合格すれば、その合格証明書で社労士の受験資格を満たせます。
社労士を先に取る人
すでに受験資格があり、人事労務や社会保険の仕事に直結させたい人。行政書士は受験資格がないため、社労士に合格したあとにいつでも受験できます。
仕事内容の違いは、行政書士と社会保険労務士の違いでも比べられます。
よくある質問
- 行政書士に合格すると、社労士試験の受験資格を満たせますか?
満たせます。社会保険労務士試験オフィシャルサイトの受験資格一覧に、試験合格による受験資格として「行政書士試験の合格」(受験資格コード10)が挙げられています。申込時には合格証明書またはその写し、合格証書若しくは証票または会員証の写しのいずれかを提出します。 - 社労士に合格しても、行政書士試験の受験資格は必要ですか?
必要ありません。行政書士試験研究センターは「年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます」と案内しています。社労士を先に取った人も、そうでない人も同じ条件で受験できます。 - 大学を卒業していれば、行政書士を経由しなくても社労士を受けられますか?
受けられます。社労士試験の受験資格は学歴・実務経験・国家試験合格のいずれか1つを満たせばよく、学校教育法による大学、短期大学、高等専門学校(5年制)などの卒業者は学歴の区分で受験資格を満たします。行政書士を先に取る理由は受験資格だけではなく、学習の順序と日程で決めることになります。
出典
- 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「受験資格について」(確認日:2026年10月9日)
- 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「試験の概要」(確認日:2026年10月9日)
- 厚生労働省「第58回社会保険労務士試験の合格者発表」(社会保険労務士試験オフィシャルサイト掲載・確認日:2026年10月9日)
- 行政書士試験研究センター「試験概要・受験案内」(確認日:2026年10月9日)
- 行政書士試験研究センター「試験結果の推移」(確認日:2026年10月9日)
- アガルート「行政書士の勉強時間」・アガルート「社労士の勉強時間」(学習時間の目安・確認日:2026年10月9日)