不動産・法律系資格の受験順
宅建と司法書士はどちらを先に受けるか(受験資格・試験時期・合格率・学習時間)
宅建(宅地建物取引士)は不動産取引の重要事項の説明などを担う資格、司法書士は登記や裁判所に提出する書類の作成を中心とする法律系の国家資格です。どちらも受験資格はありませんが、合格率と学習時間には大きな差があります。公式情報と数字をもとに、受験順を決める材料を整理します(確認日:2026年10月9日)。
受験資格と試験方式の違い
宅建
実施は不動産適正取引推進機構。日本国内に居住していれば、年齢や学歴に関係なく誰でも受験できます。50問・四肢択一式の筆記試験で、試験時間は13時から15時までの2時間、受験手数料は8,200円です。
司法書士
実施は法務省(各法務局・地方法務局)。受験資格の制限はなく、居住地や国籍にかかわらず誰でも受験できます。試験は筆記試験(午前の部・午後の部の択一式と記述式)と口述試験の二段階で、口述試験は筆記試験に合格した人が対象です。
試験時期の違い
宅建
年1回、10月の第3日曜日(令和8年度は10月18日)です。合格発表は原則として11月下旬です。
司法書士
年1回。令和7年度は筆記試験が7月6日、口述試験が10月14日でした。令和8年度の筆記試験の合格発表は10月1日です。
宅建が秋、司法書士の筆記試験が夏にあたるため、同じ年に両方を受けると、夏に司法書士、秋に宅建という並びになります。ただし、司法書士の学習量を考えると、同じ年に両方を目指すのは現実的ではありません。
合格率と合格基準の違い
宅建(令和7年度 約18.7%)
受験者245,462人に対し合格者45,821人でした。合格率は合格者数を受験者数で割った値です。
司法書士(令和7年度 5.2%)
受験者14,418人に対し合格者751人。令和8年度の筆記試験は、午前の部(択一式、満点105点)の基準点が84点、午後の部(択一式、満点105点)の基準点が75点、記述式(満点140点)の基準点が70.0点で、満点350点中258.0点以上が合格点でした。
合格率は年度によって変動します。令和8年度の司法書士試験の出願者数は17,862人で、前年度より497人(2.9%)増えました。
学習時間の目安
学習時間は公式の数字がなく、各社が示す目安です。宅建はSTUDYingが200〜300時間、司法書士は資格の学校TACが約3,000時間を示しています。学習時間には約10倍の開きがあり、最初の1資格目にどちらを選ぶかの判断材料になります。
試験範囲の重なり
宅建の試験の内容は、宅地建物取引業法施行規則第8条で、土地・建物の権利と権利の変動に関する法令、法令上の制限、税、宅地建物取引業法などと定められています。本サイトでは、このうち権利関係の科目で民法を扱っています。司法書士の問題として本サイトが収録している法分野には、民法のほか、不動産登記法、商業登記法、民事訴訟法、民事執行法、供託法などがあります。重なるのは民法が中心で、登記や民事手続の分野は司法書士で新しく学ぶ内容になります。
どちらを先に受けるかの目安
宅建を先に受ける人
法律の学習が初めてで、まず数か月から1年程度で合格を狙いたい人。民法の基礎を宅建の学習で固めてから、司法書士へ進む順序です。司法書士試験に受験資格はないため、この順序は受験の条件ではなく、学習の積み上げ方の選択です。
司法書士を最初から目指す人
登記や裁判所に提出する書類の作成を仕事にすると決めていて、長期の学習計画を立てられる人。受験資格がないので、宅建を経由せず直接受験できます。
登記系の資格との受験順は、土地家屋調査士と司法書士はどちらを先に受けるかでも比べられます。宅建の次の資格の選び方は、宅建を起点に行政書士・マンション管理士へ広げる学習順にもまとめています。
よくある質問
- 司法書士は、宅建に合格してからでないと受けられませんか?
そんなことはありません。法務省の司法書士試験のよくあるお問合せは「受験資格の制限はありません」と回答しています。宅建も、不動産適正取引推進機構が、日本国内に居住していれば年齢や学歴に関係なく誰でも受験できると案内しています。どちらを先に受けても、受験資格の面で不利になることはありません。 - どちらのほうが合格率は低いですか?
令和7年度は、宅建が受験者245,462人に対し合格者45,821人(合格率は約18.7%)、司法書士が受験者14,418人に対し合格者751人(合格率5.2%)でした。合格率は年度によって変わりますが、令和7年度に限れば司法書士のほうが大きく低くなっています。 - 宅建の学習は、司法書士の試験に役立ちますか?
民法の分野では重なります。宅建の試験の内容は、宅地建物取引業法施行規則第8条で「土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること」などと定められ、本サイトでは民法を権利関係の科目として扱っています。司法書士にも民法があるため、宅建で固めた民法の基礎を後の学習に使えます。ただし、司法書士は登記と民事手続の比重が大きく、宅建の学習だけでは足りません。
出典
- 不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格試験の概要」(確認日:2026年10月9日)
- 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」(確認日:2026年10月9日)
- 法務省「令和7年度司法書士試験の最終結果について」(確認日:2026年10月9日)
- 法務省「令和8年度司法書士試験筆記試験の合格点等について」(確認日:2026年10月9日)
- 法務省「令和8年度司法書士試験の出願状況について」(確認日:2026年10月9日)
- 法務省「司法書士試験・土地家屋調査士試験共通 よくあるお問合せ」(確認日:2026年10月9日)
- STUDYing「宅建の勉強時間」・資格の学校TAC「司法書士の学習時間」(学習時間の目安・確認日:2026年10月9日)