問1民法(先取特権・賃貸借)の不動産賃貸の先取特権
民法の先取特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する。
- イ.建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- イ.正しい
- 313条2項のとおり → 正しい
民法第313条「賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する」e-Gov原文
ひっかけ不動産賃貸の先取特権は賃借人の未払賃料等について『賃借人の動産』に及ぶ。建物賃貸人は賃借人が『備え付けた動産』(312条・313条)。
解説不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する(312条)。不動産賃貸の先取特権を押さえる。
補足不動産賃貸の先取特権は賃料その他賃貸借関係から生じた賃借人の債務について賃借人の動産に及ぶ(賃料滞納時の担保として賃貸実務で重要)。建物賃貸人は賃借人が建物に備え付けた動産に先取特権を有する。
問2民法(先取特権・賃貸借)の不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲
不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲及び賃借権の譲渡又は転貸の場合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。
- イ.賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産には及ばない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 313条2項のとおり → 正しい
民法第313条「賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 賃借権の譲渡・転貸の場合、賃貸人の先取特権は譲受人・転借人の動産にも及ぶ → 『及ばない』は誤り
民法第314条「賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ」e-Gov原文
ひっかけ建物賃貸人の先取特権は賃借人が『備え付けた動産』に及ぶ。賃借権の譲渡・転貸では『譲受人・転借人の動産にも』及ぶ(313条・314条)。
解説建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する(313条2項)。不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲を押さえる。
補足建物賃貸人の先取特権は賃借人が建物に備え付けた動産に及ぶ。土地賃貸人の先取特権はその土地等に備え付けられた動産・土地の利用に供された動産・賃借人が占有する土地の果実に及ぶ。賃借権の譲渡・転貸では譲受人・転借人の動産にも及ぶ。
問3民法(先取特権・賃貸借)の先取特権の内容
先取特権の内容及び物上代位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
- イ.先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 303条のとおり → 正しい
民法第303条「他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 304条1項のとおり → 正しい
民法第304条「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる」e-Gov原文
ひっかけ先取特権は法律上当然に生じ『優先弁済』を受ける。目的物の売却・賃貸・滅失等の代替物にも『物上代位』(303条・304条)。
解説先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する(303条)。先取特権の内容を押さえる。
補足先取特権は法律の定める債権について当然に生じる法定担保物権で、債務者の財産から優先弁済を受ける。目的物の売却・賃貸・滅失・損傷による金銭等にも物上代位できる(払渡し前の差押えが必要)。
問4民法(先取特権・賃貸借)の物上代位
先取特権の物上代位及び一般の先取特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
- イ.共益の費用、雇用関係、葬式の費用等の原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産についてのみ先取特権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 304条1項のとおり → 正しい
民法第304条「その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 一般の先取特権は総財産について生じる → 『特定の動産についてのみ』は誤り
民法第306条「債務者の総財産について先取特権を有する」e-Gov原文
ひっかけ物上代位には『払渡し前の差押え』が必要。一般の先取特権は『総財産』について生じる(304条・306条)。
解説先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない(304条1項)。物上代位を押さえる。
補足物上代位は目的物の代替物(売却代金・賃料・保険金等)に及ぶが、払渡し又は引渡しの前に差押えを要する。一般の先取特権は共益費用・雇用等の債権につき債務者の総財産に生じる。
問5民法(先取特権・賃貸借)の賃借権の譲渡又は転貸の場合の先取特権
賃借権の譲渡又は転貸の場合の先取特権及び不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。
- イ.賃借人の財産のすべてを清算する場合には、賃貸人の先取特権は、前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 314条のとおり → 正しい
民法第314条「賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ」e-Gov原文
- イ.正しい
- 315条のとおり → 正しい
民法第315条「前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する」e-Gov原文
ひっかけ賃借権の譲渡・転貸では先取特権は『譲受人・転借人の動産にも』及ぶ。財産清算時は被担保債権が『前期・当期・次期の賃料等』に限定(314条・315条)。
解説賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭についても、同様とする(314条)。賃借権の譲渡又は転貸の場合の先取特権を押さえる。
補足賃借権の譲渡・転貸の場合、賃貸人の先取特権は譲受人・転借人の動産にも及ぶ。賃借人の財産をすべて清算する場合は被担保債権が前期・当期・次期の賃料等と前期・当期の損害賠償債務に限定される。
問6民法(先取特権・賃貸借)の不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲
不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲及び敷金がある場合の先取特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借人の財産のすべてを清算する場合には、賃貸人の先取特権は、前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する。
- イ.賃貸人は、敷金を受け取っている場合であっても、賃料債権の全額について先取特権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 315条のとおり → 正しい
民法第315条「前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 敷金がある場合は敷金で弁済を受けない部分についてのみ先取特権を有する → 『賃料債権の全額について有する』は誤り
民法第316条「その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する」e-Gov原文
ひっかけ財産清算時は被担保債権が『前期・当期・次期の賃料等』に限定。敷金がある場合は『敷金で弁済を受けない部分についてのみ』先取特権(315条・316条)。
解説賃貸人は、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する(316条)。不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲を押さえる。
補足賃借人の財産をすべて清算する場合の先取特権は前期・当期・次期の賃料等に限定される。敷金を受け取っている賃貸人は敷金で弁済を受けない債権部分についてのみ先取特権を有する(敷金充当が優先)。
問7民法(先取特権・賃貸借)の一般の先取特権
一般の先取特権及び物上代位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.先取特権は、その目的物の売却等によって債務者が受けるべき金銭に対して行使する場合であっても、その払渡し又は引渡しの前に差押えをする必要はない。
- イ.共益の費用、雇用関係、子の監護の費用、葬式の費用又は日用品の供給の原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 物上代位には払渡し前の差押えが必要 → 『差押えをする必要はない』は誤り
民法第304条「その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 306条のとおり → 正しい
民法第306条「債務者の総財産について先取特権を有する」e-Gov原文
ひっかけ物上代位には『払渡し前の差押え』が必要。一般の先取特権は『共益費用・雇用・子の監護・葬式・日用品』の債権で総財産に生じる(304条・306条)。
解説次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。一 共益の費用 二 雇用関係 三 子の監護の費用 四 葬式の費用 五 日用品の供給(306条)。一般の先取特権を押さえる。
補足物上代位は払渡し又は引渡しの前の差押えを要する。一般の先取特権は共益費用・雇用関係・子の監護の費用・葬式費用・日用品供給の債権につき債務者の総財産に生じる。
問8民法(先取特権・賃貸借)の動産の先取特権
動産の先取特権及び即時取得の規定の準用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.即時取得に関する規定は、不動産賃貸の先取特権等の動産の先取特権については準用されない。
- イ.不動産の賃貸借、旅館の宿泊、動産の保存、動産の売買等の原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 即時取得の規定は動産の先取特権に準用される → 『準用されない』は誤り
民法第319条「第百九十二条から第百九十五条までの規定は、第三百十二条から前条までの規定による先取特権について準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 311条のとおり → 正しい
民法第311条「債務者の特定の動産について先取特権を有する」e-Gov原文
ひっかけ即時取得の規定は動産の先取特権に『準用』される(善意の第三者保護)。動産の先取特権は『特定の動産』について生じる(319条・311条)。
解説不動産の賃貸借、旅館の宿泊、動産の保存、動産の売買等の原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する(311条)。動産の先取特権を押さえる。
補足動産の先取特権(不動産賃貸・旅館宿泊・運輸・動産保存・動産売買等)は特定の動産について生じ、即時取得の規定が準用される(第三者が善意でその動産を取得すれば先取特権を主張できない場合がある)。
問9民法(先取特権・賃貸借)の敷金がある場合の先取特権
敷金がある場合の先取特権及び賃借権の譲渡又は転貸の場合の先取特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借権の譲渡又は転貸の場合であっても、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産には及ばない。
- イ.賃貸人は、敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 賃借権の譲渡・転貸でも賃貸人の先取特権は譲受人・転借人の動産に及ぶ → 『及ばない』は誤り
民法第314条「賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ」e-Gov原文
- イ.正しい
- 316条のとおり → 正しい
民法第316条「その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する」e-Gov原文
ひっかけ賃借権の譲渡・転貸では先取特権は『譲受人・転借人の動産にも』及ぶ。敷金がある場合は『敷金で弁済を受けない部分についてのみ』先取特権(314条・316条)。
解説賃貸人は、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する(316条)。敷金がある場合の先取特権を押さえる。
補足敷金を受け取っている賃貸人は敷金で弁済を受けない債権部分についてのみ先取特権を有する(敷金充当が優先)。賃借権の譲渡・転貸では先取特権は譲受人・転借人の動産にも及ぶ。
問10民法(先取特権・賃貸借)の即時取得の規定の準用
即時取得の規定の準用及び不動産賃貸の先取特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.即時取得に関する第百九十二条から第百九十五条までの規定は、不動産賃貸の先取特権等の所定の動産の先取特権について準用する。
- イ.不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 319条のとおり → 正しい
民法第319条「第百九十二条から第百九十五条までの規定は、第三百十二条から前条までの規定による先取特権について準用する」e-Gov原文
ひっかけ即時取得の規定は動産の先取特権に『準用』される。不動産賃貸の先取特権は賃借人の未払賃料等について『賃借人の動産』に及ぶ(319条・312条)。
解説第百九十二条から第百九十五条までの規定は、第三百十二条から前条までの規定による先取特権について準用する(319条)。即時取得の規定の準用を押さえる。
補足動産の先取特権には即時取得(善意取得)の規定が準用され、第三者が善意でその動産を取得すれば先取特権が及ばなくなる場合がある。不動産賃貸の先取特権は賃借人の動産に及ぶ。
問11民法(先取特権・賃貸借)の先取特権と第三取得者
先取特権と第三取得者及び動産の先取特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
- イ.不動産の賃貸借、旅館の宿泊、動産の保存、動産の売買等の原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 333条のとおり → 正しい
民法第333条「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 動産の先取特権は特定の動産について生じる → 『総財産について』は誤り(それは一般の先取特権)
民法第311条「債務者の特定の動産について先取特権を有する」e-Gov原文
ひっかけ動産の先取特権は目的動産が第三取得者に『引き渡された後は行使できない』(追及効の制限)。動産の先取特権は『特定の動産』について生じる(333条・311条)。
解説先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない(333条)。先取特権と第三取得者を押さえる。
補足動産の先取特権は目的動産が第三取得者に引き渡された後はその動産について行使できず追及効が制限される。動産の先取特権は特定の動産について生じる(一般の先取特権は総財産)。
問12民法(先取特権・賃貸借)の一般の先取特権の順位
一般の先取特権の順位及び一般の先取特権の対象に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.共益の費用等の原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産についてのみ先取特権を有する。
- イ.一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 一般の先取特権は総財産について生じる → 『特定の動産についてのみ』は誤り
民法第306条「債務者の総財産について先取特権を有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 329条2項のとおり → 正しい
民法第329条「特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する」e-Gov原文
ひっかけ一般の先取特権は『総財産』について生じる。一般と特別が競合すれば『特別の先取特権が優先』(共益費用は例外)(306条・329条)。
解説一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する(329条2項)。一般の先取特権の順位を押さえる。
補足一般の先取特権は総財産について生じる。一般と特別の先取特権が競合すれば特別の先取特権が優先する(共益費用の先取特権は利益を受けた全債権者に優先する例外)。
問13民法(先取特権・賃貸借)の動産の先取特権の順位
動産の先取特権の順位及び不動産賃貸の先取特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、被担保債権額の大小による。
- イ.不動産の賃貸の先取特権は、賃借人の債務に関し、賃借人の総財産について存在する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 動産の先取特権の順位は所定の順序による → 『被担保債権額の大小による』は誤り
民法第330条「その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 不動産賃貸の先取特権は賃借人の動産について存在する → 『総財産について存在する』は誤り
ひっかけ動産の先取特権の順位は『所定の順序』(不動産賃貸等→動産保存→動産売買等)。不動産賃貸の先取特権は『賃借人の動産』について存在(330条・312条)。
解説同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う(330条1項)。動産の先取特権の順位を押さえる。
補足同一動産上の特別の先取特権の順位は、第1に不動産賃貸・旅館宿泊・運輸、第2に動産保存、第3に動産売買等の順序による。不動産賃貸の先取特権は賃借人の動産について存在する。
問14民法(先取特権・賃貸借)の一般の先取特権の対抗力
一般の先取特権の対抗力及び不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.一般の先取特権は、不動産について登記をしなければ、特別担保を有しない債権者に対しても対抗することができない。
- イ.建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産については存在しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 一般の先取特権は登記なしで特別担保を有しない債権者に対抗できる → 『登記をしなければ対抗できない』は誤り
民法第336条「不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 建物賃貸人の先取特権は賃借人が備え付けた動産について存在する → 『存在しない』は誤り
民法第313条「賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する」e-Gov原文
ひっかけ一般の先取特権は『登記なし』で特別担保を有しない債権者に対抗可(登記した第三者には対抗不可)。建物賃貸人の先取特権は賃借人が『備え付けた動産』に存在(336条・313条)。
解説一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない(336条)。一般の先取特権の対抗力を押さえる。
補足一般の先取特権は登記をしなくても特別担保を有しない一般債権者に対抗できるが、登記をした第三者(抵当権者等)には対抗できない。建物賃貸人の先取特権は賃借人が建物に備え付けた動産について存在する。
問15民法(先取特権・賃貸借)の抵当権に関する規定の準用
抵当権に関する規定の準用及び先取特権の内容に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.先取特権の効力については、この節に定めるもののほか、抵当権に関する規定を一切準用しない。
- イ.先取特権者は、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 先取特権の効力には抵当権の規定を準用する → 『一切準用しない』は誤り
民法第341条「その性質に反しない限り、抵当権に関する規定を準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 先取特権者は他の債権者に先立って優先弁済を受ける → 『優先弁済を受ける権利を有しない』は誤り
民法第303条「他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」e-Gov原文
ひっかけ先取特権の効力には『抵当権の規定を準用』(性質に反しない限り)。先取特権者は『優先弁済権』を有する(341条・303条)。
解説先取特権の効力については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、抵当権に関する規定を準用する(341条)。抵当権に関する規定の準用を押さえる。
補足先取特権の効力にはその性質に反しない限り抵当権に関する規定が準用される。先取特権は法定担保物権で、債務者の財産から他の債権者に先立って優先弁済を受ける。