問1知財2級 意匠商標② 秘密意匠
秘密意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる。
- イ.秘密意匠の請求は、意匠登録出願と同時に、又は第一年分の登録料の納付と同時に、所定の書面を提出して行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 秘密意匠
意匠法第14条第1項「意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から三年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 請求手続
意匠法第14条第2項「第一年分の登録料の納付と同時に特許庁長官に提出しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ秘密にできるのは設定登録日から最長3年。請求は出願時か第一年分の登録料納付時のどちらか。
解説意匠は登録により内容が公報で公開されるが、模倣防止や製品発表時期の調整のため、出願人は意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求できる(秘密意匠。意匠法14条1項)。これがアで正しい。請求のタイミングは、意匠登録出願と同時、又は第一年分の登録料の納付と同時に限られ、所定の書面を特許庁長官に提出して行う(同条2項)。これを述べるイも正しい。期間の起算が出願時ではなく『設定登録日』である点が問われやすい。
補足秘密意匠は内容が公報に載らないため、侵害に対しては特許庁長官の証明を受けた書面を提示して警告した後でなければ差止請求できない(意匠法37条3項)。
問2知財2級 意匠商標② 意匠権の効力
意匠権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。
- イ.意匠権の効力は、登録意匠だけでなく、これに類似する意匠の実施にも及ぶ。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 効力の範囲
意匠法第23条「意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 類似範囲
意匠法第23条「意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する」e-Gov原文
ひっかけ守備範囲は登録した意匠そのものに止まらず、類似する意匠まで届く。
解説意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する(意匠法23条本文)。アはこの条文そのもので正しい。イは効力が類似意匠の実施にも及ぶとするが、本文が『及びこれに類似する意匠』と明記しているとおりで、これも正しい。特許権がクレームに記載した技術的範囲に及ぶのに対し、意匠権は登録意匠と類似する範囲まで効力が届く。ただし専用実施権を設定した範囲では意匠権者自身も実施できない(同条ただし書)。
補足意匠の類否は需要者の視覚を通じて起こさせる美感を基準に判断する(意匠法24条2項)。
問3知財2級 意匠商標② 意匠登録出願
意匠登録出願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録を受けようとする者は、所定の事項を記載した願書に、意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない。
- イ.経済産業省令で定める場合は、図面に代えて、意匠を現した写真・ひな形又は見本を提出することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 願書と図面
意匠法第6条第1項「意匠登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書に意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 代替手段
意匠法第6条第2項「前項の図面に代えて、意匠登録を受けようとする意匠を現わした写真、ひな形又は見本を提出することができる」e-Gov原文
ひっかけ意匠は図面で表すのが原則だが、写真・ひな形・見本に「代えて」出す道も6条2項にある。
解説意匠登録を受けようとする者は、所定の事項を記載した願書に、意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出する(意匠法6条1項)。アはこのとおりで正しい。経済産業省令で定める場合には、図面に代えて、意匠を現した写真・ひな形又は見本を提出できる(同条2項)。イもこのとおりで正しい。図面は「代えて」提出できる代替手段であって、写真等を図面に追加で添える趣旨ではない。
補足願書には意匠に係る物品だけでなく、建築物・画像の用途も記載する(6条1項)。建築物と画像は2019年改正で意匠の保護対象に加わり、物品に限られない。
問4知財2級 意匠商標② 意匠権の設定の登録
意匠権の発生に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権は、設定の登録により発生する。
- イ.第一年分の登録料の納付があったときは、意匠権の設定の登録をする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 設定登録
意匠法第20条第1項「意匠権は、設定の登録により発生する」e-Gov原文
ひっかけ意匠権の起点は設定登録。出願や登録査定の段階ではまだ権利は生まれていない。
解説意匠権は、設定の登録により発生する(意匠法20条1項)。登録査定後、第一年分の登録料の納付があったときに意匠権の設定の登録がされる(同条2項)。アは権利発生を設定登録とする20条1項どおりで正しく、イは第一年分の登録料納付を設定登録の契機とする20条2項どおりで正しいため、『アー正、イー正』。設定登録があると、意匠権者の氏名、出願番号、登録番号、図面等が意匠公報に掲載される(同条3項)。ただし秘密意匠の請求があるときは図面等の掲載が秘密期間の経過後となる。出願しただけでは権利は生じず、登録料の納付と設定登録があってはじめて意匠権が立ち上がる。
補足意匠権者は設定登録の日から3年以内の期間を指定して意匠を秘密にできる(秘密意匠。14条)。この間は図面等の公報掲載が後ろにずれる。
問5知財2級 意匠商標② 組物の意匠
組物の意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同時に使用される二以上の物品等であって経済産業省令で定めるもの(組物)を構成する物品等に係る意匠は、組物全体として統一があるときは、一意匠として出願し意匠登録を受けることができる。
- イ.組物の意匠は、組物を構成する各物品ごとに別々に出願しなければ、意匠登録を受けることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 組物の意匠
意匠法第8条「組物全体として統一があるときは、一意匠として出願をし、意匠登録を受けることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 一意匠一出願の例外
意匠法第8条「組物全体として統一があるときは、一意匠として出願をし、意匠登録を受けることができる」e-Gov原文
ひっかけセット物は、全体に統一があれば一つの意匠としてまとめて登録できます。
解説意匠は意匠ごとに出願するのが原則(一意匠一出願。意匠法7条)だが、その例外が組物の意匠である。同時に使用される二以上の物品・建築物・画像であって経済産業省令で定めるもの(組物)を構成する物品等に係る意匠は、組物全体として統一があるときは、一意匠として出願し意匠登録を受けられる(同8条)。ディナーセットや一組の事務用品などがこれにあたるため、アは正しい。各物品ごとの別々の出願を必須とするイは、この例外と相反するので誤りであり、『アー正、イー誤』となる。
補足店舗・事務所などの内部の設備・装飾も、内装全体として統一的な美感を起こすときは一意匠として登録できる(8条の2、令和元年改正で新設)。組物と並ぶ一意匠一出願の例外。
問6知財2級 意匠商標② 意匠権の存続期間
意匠権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権(関連意匠の意匠権を除く)の存続期間は、意匠登録出願の日から25年をもって終了する。
- イ.意匠権の存続期間は、設定の登録の日から20年をもって終了する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 25年(出願日起算)
意匠法第21条第1項「意匠登録出願の日から二十五年をもつて終了する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 起算点・年数
意匠法第21条第1項「意匠登録出願の日から二十五年をもつて終了する」e-Gov原文
ひっかけ25年を数え始めるのは登録の日ではなく、出願の日から。
解説意匠権(関連意匠の意匠権を除く)の存続期間は、意匠登録出願の日から25年をもって終了する(意匠法21条1項)。もとは設定登録の日から20年だったが、2019年改正で起算点が出願日に、年数が25年に変わった。アはこの条文どおりで正しい。イは『設定の登録の日から20年』とするが、起算点も年数も誤っており、誤り。なお関連意匠の意匠権は、その基礎意匠の意匠登録出願の日から25年で終了する(同条2項)ので、起算点は関連意匠自身の出願日ではない。
補足関連意匠は自分の出願日ではなく『基礎意匠の出願日』から25年で切れる(21条2項)ため、後から出した関連意匠ほど残り期間は短い。
問7知財2級 意匠商標② 他人の登録意匠等との関係(利用・抵触)
登録意匠の実施と他人の権利との関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権者であっても、その登録意匠が意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠・特許発明等を利用するものであるとき等は、業としてその登録意匠の実施をすることができない。
- イ.意匠権を取得すれば、その登録意匠が他人の先願の権利を利用・抵触する場合であっても、当然に自由に実施することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 利用・抵触
意匠法第26条第1項「業としてその登録意匠の実施をすることができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 権利取得と実施は別
意匠法第26条第1項「業としてその登録意匠の実施をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ意匠権を取っても、出願前の他人の先行権利を利用・抵触するなら実施できません。
解説意匠権者・専用実施権者・通常実施権者は、その登録意匠が出願日前の出願に係る他人の登録意匠(類似意匠を含む)・特許発明・登録実用新案を利用するものであるとき、又はその意匠権のうち登録意匠に係る部分が出願日前の出願に係る他人の特許権・実用新案権・商標権・出願日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業としてその登録意匠の実施をすることができない(意匠法26条)。意匠権はあくまで他人の実施を排除する権利であって、自己が自由に実施できることまで保証しない。アはこの条文どおりで正、イは権利取得と自由実施を同視しており誤り。判断の分かれ目は、26条が登録意匠の取得後も先行権利との関係で実施を止める条文だという一点にある。
補足利用関係にとどまる場合は、後願者から先願権利者へ協議を求め、不成立なら特許庁長官の裁定で実施のための通常実施権を得る道がある(意匠法33条)。抵触関係にはこの裁定はない。
問8知財2級 意匠商標② 建築物・画像の意匠
意匠法上の保護対象に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠法上の意匠には、物品の形状等だけでなく、建築物の形状等も含まれ得る。
- イ.画像は、機器の操作の用に供されるものや機器の機能発揮の結果として表示されるものに限られず、すべての画像が当然に意匠法上の意匠となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 正しい記述
意匠法第2条第1項「建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等」e-Gov原文
- イ.誤り
- すべての画像とする点が誤り
意匠法第2条第1項「画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り」e-Gov原文
ひっかけ画像意匠は広がったが無制限ではない。『すべての画像』という言い切りが誤り。
解説令和元年改正後の意匠法では、物品だけでなく建築物や一定の画像も意匠の対象に含まれる。もっとも画像は無限定ではなく、機器の操作に使われるもの又は機器の機能発揮の結果として表示されるものに限られる。したがって、建築物を含めるアは正しく、すべての画像を当然に含めるイは誤りである。
補足建築物・画像が加わったことで保護対象は広がったが、定義条文の限定文言まで見る必要がある。
問9知財2級 意匠商標② 関連意匠
関連意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.関連意匠の意匠登録出願は、本意匠の意匠登録出願の日から期間の制限なく、いつでもすることができる。
- イ.本意匠に類似する意匠(関連意匠)は、本意匠の意匠登録出願の日から10年を経過する日前である場合に限り、意匠登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 出願期間
意匠法第10条第1項「当該本意匠の意匠登録出願の日から十年を経過する日前である場合に限り」e-Gov原文
- イ.正しい
- 関連意匠
意匠法第10条第1項「当該本意匠の意匠登録出願の日から十年を経過する日前である場合に限り」e-Gov原文
ひっかけ関連意匠の出願には本意匠の出願日から10年という期限がある。『いつでもできる』とするアが誤り。
解説意匠は類似範囲が不明確になりやすいため、自己の本意匠に類似する意匠を関連意匠として登録できる制度がある(意匠法10条1項。先願・新規性等の例外)。この関連意匠が登録を受けられるのは、本意匠の意匠登録出願の日から10年を経過する日前である場合に限られる。これを述べるイは正しい。アは『期間の制限なくいつでも出願できる』とするが、いまの10年の期間制限に反するので誤り。2019年改正で出願可能期間が本意匠の出願日から10年へと大きく拡大された経緯がある。
補足2019年改正で、関連意匠にのみ類似する意匠も連鎖的に関連意匠として登録できるようになった。その場合も出願期間は最初の本意匠の出願日から10年で測る。
問10知財2級 意匠商標② 意匠の先願
意匠登録出願の先願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一又は類似の意匠について異なった日に二以上の意匠登録出願があったときは、後の出願人であっても意匠登録を受けることができる。
- イ.同一又は類似の意匠について異なった日に二以上の意匠登録出願があったときは、最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 先願主義
意匠法第9条第1項「最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 最先のみ
意匠法第9条第1項「最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる」e-Gov原文
ひっかけ意匠も早い者勝ちで、最先の出願人だけが登録を受けられます。
解説意匠法も特許法と同じく先願主義を採る。同一又は類似の意匠について異なった日に二以上の意匠登録出願があったときは、最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる(意匠法9条1項)。したがって後願者でも登録できるとするアは誤り、最先の出願人のみとするイが正しく、『アー誤、イー正』となる。なお同日に二以上の出願があったときは、出願人の協議により定めた一人のみが登録を受けられ、協議が成立しなければいずれも登録を受けられない(同条2項)。特許と違い、意匠は類似の範囲まで先願の対象に含む。
補足ただし同一人なら、本意匠に類似する意匠を、本意匠の出願日から10年経過する日前までは関連意匠として登録できる(10条)。これは9条の先願主義の例外。
問11知財2級 意匠商標② 意匠登録を受けることができない意匠
意匠登録を受けることができない意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠であっても、新規性があれば意匠登録を受けることができる。
- イ.物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠等は、意匠登録を受けることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 公序良俗
意匠法第5条「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠」e-Gov原文
- イ.正しい
- 機能的形状
意匠法第5条「物品の機能を確保するために不可欠な形状若しくは建築物の用途にとつて不可欠な形状のみからなる意匠」e-Gov原文
ひっかけ新規性があっても、公序良俗に反する意匠は5条1号で登録できません。
解説意匠登録の要件(新規性・創作非容易性等。意匠法3条)を満たしても、5条に当たる意匠は登録を受けられない。公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠は同条1号で不登録とされるから、新規性があれば登録できるとするアは誤り。物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠等は同条3号で不登録とされるので、イは正しい。3号は、機能上どうしても避けられない形状を特定人に独占させない趣旨である。
補足5条はもう一つ、他人の業務に係る物品等と混同を生ずるおそれがある意匠を2号で挙げています。1号(公序良俗)・2号(混同)・3号(機能的形状)の3類型です。
問12知財2級 意匠商標② 意匠登録の要件(新規性)
意匠登録の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠であっても、工業上利用できるものであれば意匠登録を受けることができる。
- イ.工業上利用することができる意匠の創作をした者は、新規性等を欠く一定の意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 新規性
意匠法第3条第1項「意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠」e-Gov原文
- イ.正しい
- 登録要件
意匠法第3条第1項「工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる」e-Gov原文
ひっかけ出願より前に世に知られた意匠は、工業上利用できても新規性がなく登録に届かない。
解説工業上利用することができる意匠の創作をした者は、出願前に公然知られた意匠・刊行物記載や公衆利用可能となった意匠・これらに類似する意匠を除き、意匠登録を受けることができる(意匠法3条1項)。アは公然知られた意匠を登録可とする点で誤り、イは登録要件の本文どおりで正しい。さらに、当業者が公知の形状等から容易に創作できた意匠は、新規性とは別に創作非容易性を欠いて登録されない(同条2項)。新規性(3条1項各号)と創作非容易性(3条2項)は別の条文・別の判断であって、新規性をクリアしても2項で落ちることがある。
補足出願者本人が先に公開してしまった場合は、一定期間内の出願なら新規性喪失の例外を受けられる(意匠法4条)。
問13知財2級 意匠商標② 他人の登録意匠等との関係(利用・抵触・総合)
登録意匠の実施と他人の権利との関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権者は、その登録意匠が意匠登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触する場合であっても、その登録意匠を業として自由に実施することができる。
- イ.登録意匠が出願日前の出願に係る他人の特許発明を利用するものである場合でも、意匠権があれば実施に制限はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 抵触関係
意匠法第26条第1項「業としてその登録意匠の実施をすることができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 利用関係
意匠法第26条第1項「業としてその登録意匠の実施をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ「著作権と抵触しても自由に実施できる」「特許発明を利用しても制限なし」はどちらも誤りです。
解説意匠権者・専用実施権者・通常実施権者は、その登録意匠が出願日前の出願に係る他人の登録意匠・特許発明・登録実用新案を利用するものであるとき、又はその意匠権が出願日前の出願に係る他人の特許権・実用新案権・商標権・出願日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業としてその登録意匠の実施をすることができない(意匠法26条)。著作権との抵触で実施できないとは知らずに自由実施できるとしたア、特許発明の利用があっても制限なしとしたイは、いずれも26条に反して誤り。著作権は登録なしに創作時点で発生するため、意匠の出願日より前に生じていることがあり、抵触の相手になりうる。
補足抵触相手のうち著作権だけは無方式で発生する点が独特。特許権・実用新案権・商標権との抵触は出願日(先後願)で判定するが、著作権は出願日前に『生じた』かで判定する(意匠法26条1項)。
問14知財2級 意匠商標② 不使用取消審判
登録商標の不使用取消審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.登録商標は、いったん登録されれば、その後一切使用されなくても、取り消されることはない。
- イ.不使用取消審判を請求できるのは、当該商標について利害関係を有する者に限られる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 不使用取消
商標法第50条第1項「継続して三年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないとき」e-Gov原文
- イ.誤り
- 請求人適格
商標法第50条第1項「何人も、その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ3年使っていない登録商標は『何人も』取消しを請求できる。アもイも前提を取り違えており両方誤り。
解説継続して3年以上、日本国内で商標権者・専用使用権者・通常使用権者のいずれもが各指定商品・役務について登録商標を使用していないときは、その商標登録の取消しについて不使用取消審判を請求できる(商標法50条1項)。アは『登録されれば一切使用されなくても取り消されることはない』とするが、この3年以上の不使用が取消事由になるので誤り。イは請求人を利害関係人に限るとするが、不使用取消審判は『何人も』請求できるのでこちらも誤り。審判請求があると、商標権者の側が請求登録前3年以内の使用を証明しない限り取り消される(同条2項)。
補足審判請求前3月から請求登録日までの使用は、請求を予知した後のものだと請求人が証明すれば、正当な理由がない限り使用と認められない(50条3項。いわゆる駆け込み使用の封じ込め)。
問15知財2級 意匠商標② 商標の先願
商標登録出願の先願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一又は類似の商品・役務について使用をする同一又は類似の商標について異なった日に複数の商標登録出願があったときは、後の出願人も当然に商標登録を受けることができる。
- イ.同一又は類似の商標について同日に複数の出願があったときは、すべての出願人がそれぞれ商標登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 先願主義
商標法第8条第1項「最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 同日出願
商標法第8条第2項「同日に二以上の商標登録出願があつたときは、商標登録出願人の協議により定めた一の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる」e-Gov原文
ひっかけ同一・類似の商標がぶつかったら、異日なら最先、同日なら協議で一人に絞られる。
解説商標法も先願主義を採る。同一又は類似の商品・役務について使用をする同一又は類似の商標について、異なった日に二以上の出願があったときは、最先の商標登録出願人のみが登録を受けられる(商標法8条1項)。アは後願人も当然に登録を受けられるとするため誤り。同日に二以上の出願があったときは、協議により定めた一の出願人のみが登録を受けられ(同条2項)、協議不成立等のときはくじによるため(同条5項)、すべての出願人が登録を受けられるとするイも誤り。
補足令和5年改正(令和6年4月1日施行)のコンセント制度では、先行登録権者の承諾があり、かつ混同を生ずるおそれがない場合に併存登録が認められる(商標法4条4項)。先願どうしの調整である8条とは別の場面。