問1知財3級 著作権法② 同一性保持権と複製権
著作者の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けない。
- イ.著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 著作者人格権
著作権法第20条第1項「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 著作権(財産権)
著作権法第21条「著作者は、その著作物を複製する権利を専有する」e-Gov原文
ひっかけアは20条1項、イは21条。条文の文言どおりで、どちらも引っかけはない。
解説アの「著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けない」は、同一性保持権を定めた著作権法20条1項そのままで正しい。イの「著作物を複製する権利を専有する」も、複製権を定めた21条のとおりで正しい。20条は著作者の人格的利益を守る著作者人格権の一つ、21条は著作物の利用をコントロールする著作権(財産権)の一つで、章立てが異なるが、肢の文言はいずれも条文に一致する。よってアー正、イー正。
補足20条2項には例外があり、建築物の増改築・修繕(2号)や、プログラムを実行可能にする・効率化するための改変(3号)は同一性保持権が及ばない。
問2知財3級 著作権法② 著作権の保護期間
著作権の保護期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作権は、原則として、著作者の死後70年を経過するまでの間、存続する。
- イ.著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 死後70年
著作権法第51条第2項「著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後」e-Gov原文
著作権法第51条第2項「七十年を経過するまでの間、存続する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 創作時に始まる
著作権法第51条第1項「著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる」e-Gov原文
ひっかけ始期は創作時(51条1項)、終期は死後70年(51条2項)。アが終期、イが始期を問うている。
解説アの「著作者の死後70年を経過するまでの間、存続する」は、著作権法51条2項の原則どおりで正しい。イの「存続期間は、著作物の創作の時に始まる」も、51条1項のとおりで正しい。著作権は創作の時点で発生し(無方式主義)、著作者の死亡を起点に70年で満了する。共同著作物は最終に死亡した著作者の死後70年、無名・変名や団体名義、映画の著作物には公表後70年などの別の定めがある。よってアー正、イー正。
補足映画の著作物は死後起算ではなく公表後70年(公表されなければ創作後70年)で、起算点が一般の著作物と異なる(54条1項)。
問3知財3級 著作権法② 翻案権・頒布権
著作権(財産権)に含まれる権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、変形し、脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。
- イ.著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 翻案権
著作権法第27条「著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 頒布権
著作権法第26条第1項「著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する」e-Gov原文
ひっかけ翻案権(27条)と頒布権(26条1項)という別々の支分権を、それぞれ条文どおりに述べた肢。どちらも著作権に含まれる。
解説著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する(著作権法27条)から、アは正しい。著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する(同26条1項)から、イも正しい。著作権(財産権)は複製権だけを指すのではなく、翻案権等や頒布権を含む複数の支分権の集合であり、両肢はそれぞれ別の支分権の条文に対応している。よって『アー正、イー正』。
補足翻案によって生じた二次的著作物の利用については、その原著作物の著作者も二次的著作物の著作者と同じ種類の権利を持つ(28条)。頒布権は映画の著作物に固有の権利として置かれている。
問4知財3級 著作権法② 公表権・氏名表示権
著作者人格権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、まだ公表されていない著作物を公衆に提供し、又は提示する権利(公表権)を有する。
- イ.著作者は、その著作物に実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利(氏名表示権)を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 公表権
著作権法第18条第1項「その著作物でまだ公表されていないもの」e-Gov原文
著作権法第18条第1項「を公衆に提供し、又は提示する権利を有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 氏名表示権
著作権法第19条第1項「その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する」e-Gov原文
ひっかけ公表するか、名前を出すか。どちらも著作者本人が決める人格的な権利。
解説著作者人格権は、著作者の人格的利益を守る権利で、公表権・氏名表示権・同一性保持権から成る。公表権は、まだ公表されていない著作物を公衆に提供・提示するかどうかを決める権利(著作権法18条1項)であり、アはこれをそのまま述べたもので正しい。氏名表示権は、著作者名を実名・変名で表示するか、表示しないかを決める権利(同19条1項)であり、イも条文どおりで正しい。よって『アー正、イー正』。
補足これらの著作者人格権は著作者の一身に専属し、譲渡できない(59条)。相続もされず、著作者の死亡によって消滅する点が、譲渡・相続できる著作権(財産権)と異なる。
問5知財3級 著作権法② 著作物の定義
著作権法上の「著作物」に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
- イ.単なる事実やデータそのものであっても、文章の形で記録されていれば当然に著作物として保護される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 創作的表現
著作権法第2条第1項第1号「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」e-Gov原文
- イ.誤り
- 創作性が必要
著作権法第2条第1項第1号「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」e-Gov原文
ひっかけ守られるのは事実・データそのものではなく、それを創作的に表した表現。記録の有無は関係ない。
解説著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸・学術・美術または音楽の範囲に属するものをいう(著作権法2条1項1号)。アはこの定義をそのまま述べているので正しい。鍵は「創作的に表現したもの」で、単なる事実やデータそのものは、文章の形で記録されても創作的な表現とはいえず著作物に当たらない。だから記録さえあれば当然に著作物とするイは誤り。結論は『アー正、イー誤』。保護されるのは事実そのものではなく、それを創作的に言い表した表現の部分である。
補足同じ事実を扱っても、素材の選択または配列に創作性があれば、編集著作物・データベースの著作物として保護されうる(著作権法12条・12条の2)。
問6知財3級 著作権法② 私的使用のための複製
著作権の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするときは、原則として、その使用する者は著作物を複製することができる。
- イ.会社の業務において従業員が利用するために著作物を複製する行為も、私的使用のための複製に当たる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 私的複製
著作権法第30条第1項「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」e-Gov原文
著作権法第30条第1項「次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 範囲は限定的
著作権法第30条第1項「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」e-Gov原文
ひっかけ30条1項の『限られた範囲』は、個人・家庭内まで。会社の業務利用はここに入らない。
解説アの「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするとき」に「その使用する者が複製できる」は、私的使用のための複製を定めた著作権法30条1項の柱書どおりで正しい。イの「会社の業務において従業員が利用するための複製」は、この『限られた範囲』に当たらない。企業内での業務利用は私的使用ではなく、原則として権利者の許諾を要するため、イは誤り。私的複製の枠を社内利用へ広げて読むと誤答する。よってアー正、イー誤。
補足私的使用に当たっても、公衆用に設置された自動複製機器(店頭のダビング機等)を使う複製は30条1項1号で除外される。
問7知財3級 著作権法② 営利を目的としない上演等
著作権の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。
- イ.この非営利・無料の上演等は、出演する実演家に報酬が支払われる場合であっても、常に認められる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 非営利上演等
著作権法第38条第1項「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 無報酬が条件
著作権法第38条第1項「実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけイの「報酬が支払われても常に認められる」が38条1項ただし書に反する。非営利・無料に加えて出演者が無報酬であることまで揃って初めて許諾不要になる。
解説公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる(著作権法38条1項本文)から、アは正しい。ただし同項ただし書は、実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合はこの限りでないとする。だから「実演家に報酬が支払われる場合であっても常に認められる」とするイは誤り。非営利・無料という入口を満たしても、出演者への報酬があれば例外は外れ、原則どおり許諾が必要になる。よって『アー正、イー誤』。
補足38条1項が許諾不要とするのは上演・演奏・上映・口述に限られ、複製や公衆送信はこの条文ではカバーされない。
問8知財3級 著作権法② 学校その他の教育機関における複製等
教育機関における著作物の複製に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.学校その他の教育機関において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における利用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度で、公表された著作物を複製することができる。
- イ.この教育機関での複製は、著作権者の利益を不当に害することとなる場合であっても、常に認められる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 教育目的の制限
著作権法第35条第1項「その授業の過程における利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、公表された著作物を複製」e-Gov原文
- イ.誤り
- 限界
著作権法第35条第1項「著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけ授業のための複製でも、著作権者の利益を不当に害する形なら認められない。
解説教育の公共性に配慮し、非営利の学校その他の教育機関において、教育を担任する者および授業を受ける者は、授業の過程における利用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度で、公表された著作物を複製できる(著作権法35条1項)。アはこれをそのまま述べたもので正しい。ただし、著作物の種類・用途や複製の部数・態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は認められない(同項ただし書)。イは『不当に害する場合であっても常に認められる』とするが、このただし書に反するため誤り。よって『アー正、イー誤』。
補足同じ授業目的でも、複製ではなく公衆送信(オンライン配信等)を行う場合は、教育機関の設置者が補償金を支払う必要がある(35条2項)。それでも不当に害する利用は補償金を払っても認められない。
問9知財3級 著作権法② 著作者の権利の発生(無方式主義)
著作権の発生に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作権は、著作物を文化庁に登録することによって初めて発生する。
- イ.著作者人格権および著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 登録は発生要件でない
著作権法第17条第2項「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 創作で自動発生
著作権法第17条第2項「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない」e-Gov原文
ひっかけ創作した瞬間に発生し、登録は発生要件ではない。これが17条2項の無方式主義。
解説著作者人格権および著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない(無方式主義。著作権法17条2項)。著作物を創作した時点で権利が自動的に発生し、登録や表示は発生の条件ではない。だから文化庁への登録で初めて発生するとしたアは誤り、無方式主義をそのまま述べたイは正しく、『アー誤、イー正』。これは設定登録ではじめて権利が生じる特許権・意匠権・商標権と対照的で、著作権だけは手続なしに生まれる。
補足著作権にも登録制度はあるが、その役割は発生ではなく対抗にあり、著作権を譲り受けても登録しなければ二重譲受人など第三者に対抗できない(著作権法77条)。
問10知財3級 著作権法② 引用
著作物の引用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.未公表の著作物であっても、出所さえ明示すれば、著作権法上の引用として自由に利用することができる。
- イ.公表された著作物は、公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲内で行われるものであれば、引用して利用することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 対象は公表著作物
著作権法第32条第1項「公表された著作物は、引用して利用することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 引用の要件
著作権法第32条第1項「公表された著作物は、引用して利用することができる」e-Gov原文
著作権法第32条第1項「その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」e-Gov原文
ひっかけ引用できるのは『公表された』著作物だけ。出所を書いても、未公表のものは引用にならない。
解説アは「未公表の著作物であっても、出所さえ明示すれば自由に引用できる」とするが、著作権法32条1項が引用できるのは『公表された著作物』に限る。未公表の著作物は引用の対象とならず、出所明示があっても自由にはならないため、アは誤り。イの「公表された著作物は、公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲内であれば引用できる」は、同項の要件どおりで正しい。引用には、対象が公表著作物であること、公正な慣行への合致、目的上正当な範囲という3要件がある。よってアー誤、イー正。
補足引用(32条)で著作物を利用するときは、48条1項1号により、複製・利用の態様に応じ合理的な方法・程度で出所を明示する義務がある。
問11知財3級 著作権法② 著作者人格権と著作権の譲渡
著作者人格権と著作権(財産権)の譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者人格権は、財産権である著作権と同様に、契約により他人に譲渡することができる。
- イ.著作権(財産権)は、その全部又は一部を譲渡することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 人格権は譲渡不可
著作権法第59条「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 財産権は譲渡可
著作権法第61条第1項「著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる」e-Gov原文
ひっかけ人格権(59条)は一身専属で動かせない。財産権(61条1項)は譲渡できる。アはここを取り違えさせる肢。
解説アは「著作者人格権も契約により譲渡できる」とするが、著作権法59条は著作者人格権を『著作者の一身に専属し、譲渡することができない』と定める。財産権と同様には扱えないため、アは誤り。イの「著作権(財産権)はその全部又は一部を譲渡できる」は、61条1項のとおりで正しい。したがって著作権を第三者へ譲渡しても、公表権・氏名表示権・同一性保持権といった人格権は著作者のもとに残る。よってアー誤、イー正。
補足61条2項により、譲渡契約で翻案権(27条)・二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(28条)を特掲しないと、これらは譲渡者に留保されたと推定される。
問12知財3級 著作権法② 無名・変名の著作物の保護期間
無名又は変名の著作物の保護期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の創作後70年を経過するまでの間、存続する。
- イ.無名又は変名の著作物の著作権は、原則として、その著作物の公表後70年を経過するまでの間、存続する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 起算点
著作権法第52条第1項「無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年を経過するまでの間、存続する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 公表時起算
著作権法第52条第1項「無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年を経過するまでの間、存続する」e-Gov原文
ひっかけ作者の分からない著作物は、公表のときから70年を数えます。
解説アの起算点が誤りで、無名・変名の著作物の著作権は『創作後』ではなく、その著作物の公表後70年を経過するまで存続する(著作権法52条1項)。著作者が誰か分からない以上、死亡時を基準にできないため、公表時から数える。イは同じく公表後70年とするもので正しい。よってアー誤、イー正。ただし、変名が著作者のものとして周知である場合、公表後70年の期間内に実名の登録があった場合、または著作者がその実名・周知の変名を表示して著作物を公表した場合は、原則どおり著作者の死後70年で計算される(同52条2項)。誰の著作物か判明する事情が整えば、起算点は通常の死亡時起算に戻る。
補足団体名義の著作物も同様に公表後70年が原則(同53条)で、起算点を公表時に置く点が無名・変名と共通する。
問13知財3級 著作権法② 著作者人格権と著作権の性質(総合)
著作者人格権と著作権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者人格権は、著作者の一身に専属するが、契約によって他人に譲渡することができる。
- イ.著作権(財産権)は、その性質上、全部を譲渡することはできず、一部の譲渡のみが認められる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 一身専属
著作権法第59条「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 全部・一部とも可
著作権法第61条第1項「著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる」e-Gov原文
ひっかけアは『譲渡できる』、イは『全部はできない』。どちらも条文の逆を述べた誤りの肢。
解説アは「著作者人格権は一身に専属するが、契約によって他人に譲渡できる」とするが、著作権法59条は一身専属かつ譲渡不可と定めており、契約によっても譲渡できない。前半は正しくとも後半が条文に反するため、アは誤り。イは「著作権は全部を譲渡できず一部の譲渡のみ認められる」とするが、61条1項は『その全部又は一部を譲渡することができる』としており、全部の譲渡も可能。よってイも誤り。人格権は一切譲渡不可、財産権は全部でも一部でも譲渡可、という対照で、アー誤、イー誤。
補足財産権の一部譲渡とは、複製権だけ、演奏権だけといった支分権ごとの移転や、地域・期間を限った譲渡を指す。
問14知財3級 著作権法② 職務著作(法人著作)
職務上作成する著作物に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法人等の業務に従事する者が職務上作成した著作物は、いかなる場合も、実際に作成した個人が著作者となる。
- イ.職務著作(法人著作)の規定は、プログラムの著作物には一切適用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 法人著作
著作権法第15条第1項「その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- プログラムも対象
著作権法第15条第2項「法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする」e-Gov原文
ひっかけアの「いかなる場合も個人が著作者」、イの「プログラムには一切適用されない」がどちらも言い過ぎ。15条1項・2項の要件を満たせば法人が著作者になる。
解説法人等の発意に基づき、その業務に従事する者が職務上作成する著作物で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、作成時の契約・勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする(著作権法15条1項)。だから「いかなる場合も作成した個人が著作者となる」とするアは誤り。プログラムの著作物については、法人名義での公表という要件が外れ、同様に法人等が著作者となる(同15条2項)から、「プログラムには一切適用されない」とするイも誤り。よって『アー誤、イー誤』。
補足プログラムだけは「法人名義での公表」が要件から外れ、社内利用にとどまるソフトでも法人著作が成立しうる(15条2項)。一般の著作物(15条1項)との分かれ目はそこにある。
問15知財3級 著作権法② 試験問題としての複製等
試験問題としての著作物の利用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.試験問題として著作物を複製することは、いかなる場合も、あらかじめ著作権者の許諾を得なければすることができない。
- イ.営利を目的として試験問題として著作物を複製・公衆送信する場合であっても、補償金を支払う必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 試験問題の特例
著作権法第36条第1項「当該試験又は検定の問題として複製」e-Gov原文
- イ.誤り
- 補償金
著作権法第36条第2項「通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない」e-Gov原文
ひっかけ試験問題に使うのは許諾不要、ただし営利でやるなら補償金が要る。
解説公表された著作物は、入学試験その他人の学識技能に関する試験・検定の目的上必要と認められる限度で、許諾なく試験・検定の問題として複製・公衆送信できる(著作権法36条1項。著作権者の利益を不当に害する場合を除く)。アは『いかなる場合も許諾が必要』とするが、この特例により許諾不要の場合があるため誤り。一方、営利を目的としてこれを行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない(同条2項)。イは『営利目的でも補償金は不要』とするが、これに反するため誤り。よって『アー誤、イー誤』。
補足許諾不要とされるのは、事前に許諾を取ると問題が漏れて試験の公正が損なわれるためである。複製だけでなく公衆送信(オンライン試験等)も対象に含まれる。