民法上の相続人の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.被相続人の配偶者は、常に相続人となる。
- イ.被相続人の子は、相続人となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
第15章では、FP相続② 相続人の範囲・FP相続② 相続の承認・放棄・FP相続② 贈与の成立と書面によらない贈与の解除・FP相続② 遺贈と死因贈与・FP相続② 相続の順位を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。
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収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。
民法:7条・549条・550条・552条・553条・554条・859条・887条・889条・890条・900条・901条・903条・904条の2・906条・907条・915条・939条・964条・967条・968条・1012条・1028条・1042条・1046条・1050条
答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。
民法上の相続人の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
民法上の相続の承認及び放棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:1(アー正、イー正)
民法第915条「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に」e-Gov原文
民法第939条「初めから相続人とならなかったものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ承認・放棄は3箇月以内。放棄すると初めから相続人でなかったとみなす。
解説相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について単純承認・限定承認・放棄のいずれかをしなければならない(915条1項)。相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされる(939条)。
補足3箇月の熟慮期間内に何もしなければ単純承認したものとみなされる(法定単純承認)。限定承認は相続人全員が共同して行う必要がある。
民法上の贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:1(アー正、イー正)
民法第549条「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
民法第550条「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ贈与は諾成契約。書面によらない贈与は解除できるが履行済み部分は不可。
解説贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって効力を生ずる諾成・無償・片務契約である(549条)。書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができるが、履行の終わった部分については解除できない(550条)。
補足贈与は契約であり、相手方の受諾が必要である(単独行為である遺贈とは異なる)。書面による贈与は解除できない。
民法上の遺贈及び死因贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:1(アー正、イー正)
民法第964条「遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる」e-Gov原文
民法第554条「その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する」e-Gov原文
ひっかけ包括遺贈・特定遺贈ができる。死因贈与は遺贈の規定を準用。
解説遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる(包括遺贈・特定遺贈。964条)。贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与(死因贈与)については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用される(554条)。
補足包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有する。死因贈与は契約である点で単独行為の遺贈と異なるが、効力は遺贈の規定が準用される。
民法上の相続人となる者の順位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:2(アー正、イー誤)
民法第889条「相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる」e-Gov原文
民法第889条「被相続人の兄弟姉妹」e-Gov原文
ひっかけ順位は子→直系尊属→兄弟姉妹。兄弟姉妹は子・直系尊属より後順位。
解説被相続人に子(及びその代襲者)がいない場合は、直系尊属が相続人となり、直系尊属もいない場合は兄弟姉妹が相続人となる(889条1項)。相続の順位は、第1順位が子、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹であり、配偶者は常にこれらと同順位で相続人となる。
補足配偶者は常に相続人となるが、内縁の配偶者には相続権がない。直系尊属では親等の近い者(父母)が先順位となる。
民法上の特別受益及び寄与分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:2(アー正、イー誤)
民法第903条「その遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする」e-Gov原文
民法第904条の2「共同相続人の協議で定めたその者の寄与分」e-Gov原文
ひっかけ特別受益は相続分から控除。寄与分はまず協議、調わなければ家裁。
解説共同相続人中に被相続人から遺贈や生計の資本としての贈与を受けた者(特別受益者)があるときは、その価額を相続財産とみなして相続分を算定し、特別受益の価額を控除する(903条)。被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした者があるときは、まず共同相続人の協議で寄与分を定め、協議が調わないときは家庭裁判所が定める(904条の2)。
補足婚姻期間20年以上の夫婦間の居住用不動産の遺贈・贈与は、持戻し免除の意思表示があったものと推定される(903条4項)。
民法上の代襲相続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:2(アー正、イー誤)
民法第887条「その者の子がこれを代襲して相続人となる」e-Gov原文
民法第901条「その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする」e-Gov原文
ひっかけ代襲相続分は被代襲者と『同じ』。相続放棄では代襲は生じない。
解説代襲相続は、相続人となるべき子(又は兄弟姉妹)が相続開始以前に死亡・欠格・廃除により相続権を失った場合に、その者の子が代わって相続人となる制度(887条2項・889条2項)。代襲相続人の相続分は被代襲者が受けるべきであったものと同じ(901条)。なお、相続放棄には代襲相続は生じない。
補足子の代襲は孫・ひ孫へと再代襲するが(887条3項)、兄弟姉妹の代襲は一代(甥・姪)限りで再代襲しない(889条2項は887条3項を準用しない)。
民法上の特別寄与料に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:2(アー正、イー誤)
民法第1050条「相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭」e-Gov原文
民法第1050条「特別の寄与をした被相続人の親族」e-Gov原文
ひっかけ特別寄与料は『親族』のみ。内縁配偶者は対象外。請求は6か月/1年の期間制限あり。
解説特別寄与料(1050条、2020年施行)は、相続人以外の被相続人の親族が、無償の療養看護等で被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした場合に、相続人に対し金銭の支払を請求できる制度。請求できるのは『親族』に限られ、内縁配偶者は含まれない。協議が調わないときは、相続の開始等を知った時から6か月・相続開始から1年以内に家庭裁判所に処分を請求する。
補足相続人が数人あるときは、各相続人は特別寄与料の額に法定相続分(指定相続分)を乗じた額を負担する(1050条5項)。
民法上の法定相続分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:3(アー誤、イー正)
民法第900条「配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする」e-Gov原文
民法第900条「配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする」e-Gov原文
ひっかけ配偶者と子は各1/2。配偶者と直系尊属は2/3:1/3。配偶者と兄弟姉妹は3/4:1/4。
解説法定相続分は、子及び配偶者が相続人のときは各2分の1(900条1号)、配偶者及び直系尊属が相続人のときは配偶者3分の2・直系尊属3分の1(同2号)、配偶者及び兄弟姉妹が相続人のときは配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1(同3号)である。
補足嫡出でない子の相続分は嫡出子と同等である。父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1となる(900条4号)。
民法上の遺留分及び配偶者居住権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:3(アー誤、イー正)
民法第1042条「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として」e-Gov原文
民法第1028条「全部について無償で使用及び収益をする権利」e-Gov原文
ひっかけ兄弟姉妹に遺留分はない。配偶者居住権は居住建物を無償で使用収益。
解説遺留分は、兄弟姉妹以外の相続人に認められる(1042条)。兄弟姉妹には遺留分がない。配偶者居住権は、被相続人の配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、遺産分割や遺贈により、その建物の全部を無償で使用収益できる権利として取得される(1028条)。
補足遺留分は、直系尊属のみが相続人の場合は遺留分算定基礎財産の3分の1、それ以外の場合は2分の1である(1042条)。配偶者居住権は2020年施行の改正で新設された。
民法上の遺産の分割に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:3(アー誤、イー正)
民法第907条「各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる」e-Gov原文
民法第906条「各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」e-Gov原文
ひっかけ遺産分割協議が調わなければ家裁に請求できる。分割は一切の事情を考慮。
解説共同相続人は、遺言で禁じられた場合等を除き、いつでも協議で遺産の全部又は一部を分割できる(907条1項)。協議が調わないときは、各共同相続人が家庭裁判所に分割を請求できる(同2項)。遺産の分割は、遺産の種類・性質、各相続人の年齢・職業・心身の状態・生活の状況その他一切の事情を考慮してする(906条)。
補足遺言で5年以内の分割禁止が定められた場合等は分割できない。遺産分割の効力は相続開始時にさかのぼる。
民法上の遺言執行者及び遺留分侵害額の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:3(アー誤、イー正)
民法第1012条「遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる」e-Gov原文
民法第1046条「遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ遺言執行者があれば遺贈の履行は遺言執行者のみ。遺留分は金銭請求。
解説遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する(1012条1項)。遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は遺言執行者のみが行うことができる(同2項)。遺留分権利者及びその承継人は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる(1046条)。
補足遺留分侵害額請求は2019年施行の改正により金銭債権化された(旧法の遺留分減殺請求は物権的効力を持っていた)。
民法上の遺言の方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:4(アー誤、イー誤)
民法第968条「遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」e-Gov原文
民法第967条「遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ遺言は自筆証書・公正証書・秘密証書の3方式。自筆証書は本文を自書。
解説遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書の方式によってしなければならない(967条)。自筆証書遺言は、遺言者がその全文・日付・氏名を自書し、これに印を押さなければならない(968条1項)。ただし、相続財産の目録を添付する場合は、その目録については自書を要しない(同2項)。
補足自筆証書遺言に添付する財産目録は、2019年施行の改正により自書が不要となりパソコン作成等が認められるが、本文(全文・日付・氏名)は自書が必要である。
民法上の成年後見に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:4(アー誤、イー誤)
民法第7条「家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族」e-Gov原文
民法第859条「その財産に関する法律行為について被後見人を代表する」e-Gov原文
ひっかけ後見開始の審判は配偶者等も請求できる。成年後見人は被後見人を代表する。
解説精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人・配偶者・四親等内の親族・検察官等の請求により、後見開始の審判をすることができる(7条)。成年後見人は、被後見人の財産を管理し、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する(859条)。
補足後見開始の審判を受けた本人は成年被後見人となり、その法律行為は日用品の購入等を除き取り消すことができる。
民法上の贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:4(アー誤、イー誤)
民法第552条「贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う」e-Gov原文
民法第553条「その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する」e-Gov原文
ひっかけ定期贈与は死亡で失効。負担付贈与には双務契約の規定が準用される。
解説贈与には種類がある。①定期贈与(毎年一定額の給付等)は、贈与者又は受贈者の死亡で効力を失う(552条)。②負担付贈与は、受贈者が一定の負担を負う贈与で、性質に反しない限り双務契約の規定(同時履行の抗弁・解除等)が準用される(553条)。③死因贈与は贈与者の死亡で効力を生じ、その性質に反しない限り遺贈の規定が準用される(554条)。
補足負担付贈与の贈与者は、その負担の限度において、売主と同様の担保責任を負う(551条2項)。
この章の15問を、根拠条文つきで採点します。選択肢ごとの正誤を自分で判断してから答え合わせできます。
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