問1個人情報ファイルの保有等に関する事前通知
行政機関の個人情報ファイルの保有等に関する事前通知に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行政機関が個人情報ファイルを保有しようとするときは、当該行政機関の長は、あらかじめ、個人情報保護委員会に対し、一定の事項を通知しなければならない。
- イ.個人情報保護委員会に通知した事項に変更が生じても、行政機関は改めて通知する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 74条1項のとおり → 正しい
個人情報保護法第74条第1項「が個人情報ファイルを保有しようとするときは、当該行政機関の長は、あらかじめ、個人情報保護委員会に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 74条1項後段は変更時も通知を要求する → 「改めて通知する必要はない」は誤り
個人情報保護法第74条第1項「通知した事項を変更しようとするときも、同様とする」e-Gov原文
ひっかけ個人情報ファイルの事前通知は「保有しようとするとき」に加え「通知事項を変更しようとするとき」も必要(74条1項)。一度通知すれば以後は不要と誤解しない。
解説74条1項は事前通知の対象事項を1号から11号まで列挙し(名称・利用目的・記録項目等)、2項は適用除外となる個人情報ファイル(国の安全に関するもの、犯罪捜査用のもの等)を定める。3項は、通知済みの個人情報ファイルについて保有をやめたとき等の事後通知も義務付けており、事前・変更時・保有終了時の3段階で通知義務が及ぶ。
補足この事前通知の仕組みは、行政機関が保有する個人情報ファイルの全体像を個人情報保護委員会が把握するための制度的基盤である。
問2個人情報ファイル簿の作成及び公表
個人情報ファイル簿の作成及び公表に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人情報ファイル簿の作成及び公表は、行政機関等の任意の判断に委ねられており、法律上の義務ではない。
- イ.行政機関の長等は、記録項目の一部を個人情報ファイル簿に記載することにより事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その記録項目の一部を記載しないことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 75条1項は作成・公表を義務付ける → 「任意の判断に委ねられ義務ではない」は誤り
個人情報保護法第75条第1項「行政機関の長等は、政令で定めるところにより、当該行政機関の長等の属する行政機関等が保有している個人情報ファイルについて、それぞれ前条第一項第一号から第七号まで、第九号及び第十号に掲げる事項その他政令で定める事項を記載した帳簿」e-Gov原文
- イ.正しい
- 75条3項のとおり → 正しい
個人情報保護法第75条第3項「利用目的に係る事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その記録項目の一部若しくは事項を記載せず」e-Gov原文
ひっかけ個人情報ファイル簿の作成・公表は義務(75条1項)だが、著しい支障のおそれがあれば一部不記載が認められる(75条3項)という原則と例外の構造。
解説75条1項は個人情報ファイル簿の作成・公表義務、2項は適用除外となる個人情報ファイル、3項は記録項目の一部・個人情報ファイル自体を記載・掲載しないことができる場合を定める。74条の個人情報保護委員会への事前通知が「行政機関から委員会へ」の情報提供であるのに対し、75条の個人情報ファイル簿は「行政機関等から国民一般へ」の公表という点で、情報の流れる先が異なる。
補足地方公共団体の機関・地方独立行政法人については、条例要配慮個人情報に関する事項も記載事項に追加される(75条4項)。
問3訂正請求の手続
保有個人情報の訂正請求の手続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.訂正請求は、所定の事項を記載した書面を行政機関の長等に提出してしなければならない。
- イ.訂正請求をする者は、政令で定めるところにより、訂正請求に係る保有個人情報の本人であることを示す書類を提示し、又は提出しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 91条1項のとおり → 正しい
個人情報保護法第91条第1項「訂正請求は、次に掲げる事項を記載した書面」e-Gov原文
- イ.正しい
- 91条2項のとおり → 正しい
個人情報保護法第91条第2項「前項の場合において、訂正請求をする者は、政令で定めるところにより、訂正請求に係る保有個人情報の本人であること」e-Gov原文
ひっかけ訂正請求の手続(91条)は開示請求の手続(77条)とほぼ並行する構造:書面提出(1項)+本人確認書類(2項)+形式的不備の補正(3項)。
解説91条1項は訂正請求書の記載事項(氏名・住所、保有個人情報を特定する事項、訂正請求の趣旨及び理由)、2項は本人確認書類、3項は形式的不備への補正要求を定める。77条(開示請求の手続)と条文構造が並行しているため、両者を対比して学習すると理解しやすい。
補足訂正請求の趣旨及び理由(91条1項3号)は、開示請求書には無い訂正請求書独自の記載事項である点に注意(何をどう訂正してほしいかを明示する必要がある)。
問4訂正請求書の形式不備の補正
訂正請求書の形式上の不備に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行政機関の長等は、訂正請求書に形式上の不備があると認めるときは、これを理由に訂正請求を直ちに却下しなければならない。
- イ.行政機関の長等は、訂正請求書に形式上の不備があると認めるときは、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 91条3項は補正を求めることができると定める → 「直ちに却下しなければならない」は誤り
個人情報保護法第91条第3項「に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 91条3項のとおり → 正しい
個人情報保護法第91条第3項「に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる」e-Gov原文
ひっかけ訂正請求書の形式的不備は「却下」ではなく「補正」で対応する(91条3項)。開示請求書の形式的不備(77条3項)と同じ考え方。
解説91条3項は、訂正請求書の形式的な不備(記載漏れ等)について、行政機関の長等が直ちに請求を拒絶するのではなく、補正の機会を与える手続保障を定める。これは77条3項の開示請求書に関する規定と並行する構造であり、行政手続における申請者保護の一般的な考え方を反映している。
補足「形式上の不備」であって「内容上の不備(訂正理由の当否)」ではない点に注意。内容の当否は93条の訂正するかしないかの決定で判断される。
問5訂正請求に対する措置(訂正するとき)
訂正請求に対する措置(訂正をする場合)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行政機関の長等は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をするときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
- イ.行政機関の長等は、訂正の決定を口頭で告げれば足り、書面による通知は不要である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 93条1項のとおり → 正しい
個人情報保護法第93条第1項「行政機関の長等は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をするときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 93条1項は書面通知を要求する → 「口頭で足り、書面は不要」は誤り
個人情報保護法第93条第1項「訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ訂正決定の通知は「書面により」行う(93条1項)。開示決定(82条)等と同様、行政機関等の決定は書面通知が基本形である点を押さえる。
解説93条1項は訂正をする場合、2項は訂正をしない場合の措置をそれぞれ定め、いずれも「決定+書面通知」という共通の型を採る。訂正の可否にかかわらず、行政機関の長等は必ず何らかの決定をし、これを訂正請求者に書面で通知する義務を負う点で、開示決定等(82条)と同じ構造上の位置づけにある。
補足94条の期限規定(30日以内、事務処理上の困難があれば延長可)は、この93条の決定(訂正決定等)に対して適用される。
問6訂正請求に対する措置(訂正しないとき)
訂正請求に対する措置(訂正をしない場合)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行政機関の長等は、訂正請求に理由がないと判断したときは、何らの決定も通知も行うことなく請求を放置することができる。
- イ.行政機関の長等は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をしないときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 93条2項は不訂正の場合も決定・通知を義務付ける → 「放置することができる」は誤り
個人情報保護法第93条第2項「行政機関の長等は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をしないときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 93条2項のとおり → 正しい
個人情報保護法第93条第2項「行政機関の長等は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をしないときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ「訂正しない」という判断も、必ず「決定+書面通知」という形式を伴う(93条2項)。無応答・放置は許されない。
解説93条2項は、訂正請求を認めない場合であっても、行政機関の長等が明示的な決定を行い、理由を含めて書面で通知する義務を課す。これにより、訂正請求者は不訂正決定に対して不服申立て(審査請求)をする前提となる情報を得ることができる。
補足不訂正決定の通知に対しては、105条の審査会への諮問を経る審査請求手続によって争うことができる。
問7訂正決定等の期限
訂正決定等の期限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.訂正決定等は、訂正請求があった日から三十日以内にしなければならない。
- イ.行政機関の長等は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、訂正決定等の期限を三十日以内に限り延長することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 94条1項のとおり → 正しい
個人情報保護法第94条第1項「は、訂正請求があった日から三十日以内にしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 94条2項のとおり → 正しい
個人情報保護法第94条第2項「事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる」e-Gov原文
ひっかけ訂正決定等の期限は「原則30日・延長も30日以内」(94条)。開示決定等の期限(83条)と全く同じ構造・日数である点を対比して覚える。
解説94条1項は原則期限(30日以内、補正に要した日数は算入しない)、2項は正当な理由がある場合の延長(30日以内に限る)を定める。この構造は開示決定等の期限(83条)と完全に対応しており、行政機関等の各種決定手続における標準的な期限管理の型として理解できる。
補足95条の期限の特例(訂正決定等に特に長期間を要する場合)は、94条の延長(最大60日)でも足りない極端な場合の別ルートとして位置づけられる。
問8訂正決定等の期限の特例
訂正決定等の期限の特例に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行政機関の長等は、訂正決定等に特に長期間を要すると認めるときであっても、94条の期限(延長を含め最大60日)を超えて訂正決定等をすることは一切できない。
- イ.行政機関の長等は、訂正決定等の期限の特例を適用する場合、94条1項に規定する期間内に、訂正請求者に対しその旨及び理由等を通知する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 95条は94条の期限を超える特例を認める → 「一切できない」は誤り
個人情報保護法第95条「訂正決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前条の規定にかかわらず、相当の期間内に訂正決定等をすれば足りる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 95条後段は通知を義務付ける → 「通知する必要はない」は誤り
個人情報保護法第95条「同条第一項に規定する期間内に、訂正請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ95条の特例は「期限を無制限に延ばせる」わけではなく、①94条1項の期間内に特例適用の通知が必要、②通知には理由と新たな期限の明示が必要、という手続的歯止めが付いている。
解説95条は、94条の延長(最大60日)でも対応できないほど訂正決定等に長期間を要する場合の特例を定める。ただし、無制限の先延ばしを防ぐため、通常の期限内(30日以内)に、特例を適用する旨・理由・新たな期限を訂正請求者に書面で通知することが義務付けられている。この「先に通知してから延ばす」という構造は、行政の説明責任を確保する仕組みである。
補足83条(開示決定等の期限)には95条に相当する特例規定は本設問の範囲では明示的に扱っていないが、訂正決定等(94条・95条)の構造を理解することで、開示決定等の期限構造の理解にも応用できる。
問9審査会への諮問
開示決定等に対する審査請求における審査会への諮問に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等について審査請求があったときは、裁決をすべき行政機関の長等は、原則として情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
- イ.審査請求が不適法であり却下する場合であっても、審査会への諮問を省略することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 105条1項のとおり → 正しい
個人情報保護法第105条第1項「開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長等は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開・個人情報保護審査会」e-Gov原文
- イ.誤り
- 105条1項1号は却下の場合を諮問除外事由とする → 「省略することはできない」は誤り
個人情報保護法第105条第1項第1号「審査請求が不適法であり、却下する場合」e-Gov原文
ひっかけ審査会への諮問は「原則必要」(105条1項本文)だが、1号〜4号の除外事由(不適法却下、全部認容で開示・訂正・利用停止することとする場合)がある。原則と例外を両方押さえる。
解説105条1項は諮問の原則義務と1号〜4号の除外事由を定め、2項は諮問をした場合の関係者への通知義務を定める。情報公開・個人情報保護審査会は、行政機関の長等から独立した第三者機関として、開示・訂正・利用停止の各決定の当否を専門的見地から審査する役割を担う。
補足3項により、地方公共団体の機関・地方独立行政法人については、情報公開・個人情報保護審査会ではなく行政不服審査法上の機関に読み替えられる。
問10個人情報保護委員会の設置
個人情報保護委員会の設置に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人情報保護委員会は、経済産業大臣の所轄に属する。
- イ.個人情報保護委員会は、内閣府設置法上の規定によらず、個人情報保護法の制定と同時に慣習上設置されたものである。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 130条2項は内閣総理大臣の所轄と定める → 「経済産業大臣の所轄」は誤り
個人情報保護法第130条第2項「委員会は、内閣総理大臣の所轄に属する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 130条1項は内閣府設置法の規定に基づくと定める → 「慣習上設置された」は誤り
個人情報保護法第130条第1項「内閣府設置法第四十九条第三項の規定に基づいて、個人情報保護委員会」e-Gov原文
ひっかけ個人情報保護委員会は「内閣総理大臣の所轄」(130条2項)に属する内閣府の外局的な独立機関。経済産業省・総務省など特定省庁の所管ではない点に注意。
解説130条1項は設置根拠(内閣府設置法49条3項)、2項は所轄(内閣総理大臣)を定める。個人情報保護委員会は、特定の業界を所管する省庁からの独立性を確保するため、内閣府に置かれる独立性の高い合議制機関(三条委員会に準ずる位置づけ)として設計されている。
補足133条の「職権行使の独立性」規定と合わせ、委員会の政治的中立性・専門的独立性を確保する制度設計になっている。
問11個人情報保護委員会の任務
個人情報保護委員会の任務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委員会は、行政機関等の事務及び事業の適正かつ円滑な運営を図り、並びに個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するため、個人情報の適正な取扱いの確保を図ることを任務とする。
- イ.委員会の任務は、専ら個人の権利利益の保護のみにあり、個人情報の有用性に配慮する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 131条のとおり → 正しい
個人情報保護法第131条「委員会は、行政機関等の事務及び事業の適正かつ円滑な運営を図り、並びに個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するため、個人情報の適正な取扱いの確保を図ること」e-Gov原文
- イ.誤り
- 131条は有用性への配慮も任務とする → 「専ら権利利益の保護のみ」は誤り
個人情報保護法第131条「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するため」e-Gov原文
ひっかけ個人情報保護法(そして委員会の任務)の基本理念は「個人の権利利益の保護」と「個人情報の有用性(活用)」の両立。保護一辺倒でも活用一辺倒でもない点が1条(目的規定)とも共通する法全体の基本思想。
解説131条は、1条の法目的(個人情報の適正かつ効果的な活用は経済社会の発展等に資するとの配慮と、個人の権利利益の保護との両立)を委員会の任務として具体化した規定である。カッコ書きにより、個人番号利用事務等実施者への指導・助言もこの任務に含まれることが明示されている。
補足132条の所掌事務は、この131条の任務を達成するための具体的な事務(基本方針の策定、監督、苦情処理のあっせん等)を列挙する。
問12個人情報保護委員会の職権行使の独立性
個人情報保護委員会の職権行使の独立性に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人情報保護委員会の委員長及び委員は、内閣総理大臣の指揮監督を受けて、その職権を行う。
- イ.委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 133条は独立して職権を行うと定める → 「指揮監督を受けて職権を行う」は誤り
個人情報保護法第133条「委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 133条のとおり → 正しい
個人情報保護法第133条「委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う」e-Gov原文
ひっかけ「内閣総理大臣の所轄」(130条2項)と「独立してその職権を行う」(133条)は矛盾しない。所轄=行政組織上の位置づけ、独立性=個別の職権行使への不介入、という別次元の話である。
解説133条は、委員会が三条委員会的な独立行政委員会としての性格を持つことを明示する規定である。内閣総理大臣の「所轄」に属するとしても(130条2項)、それは行政組織上の位置づけにとどまり、個々の監督・処分等の職権行使については内閣総理大臣を含む他の機関からの指揮監督を受けないという「独立性」が別途保障されている。
補足この独立性は、136条の身分保障(委員長・委員が限定的な事由以外では罷免されない)と一体となって、委員会の職権行使の中立性・専門性を担保する制度設計になっている。
問13個人情報保護委員会の組織
個人情報保護委員会の組織に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委員会は、委員長及び委員八人をもって組織する。
- イ.委員のうち四人は、非常勤とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 134条1項のとおり → 正しい
個人情報保護法第134条第1項「委員会は、委員長及び委員八人をもって組織する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 134条2項のとおり → 正しい
個人情報保護法第134条第2項「委員のうち四人は、非常勤とする」e-Gov原文
ひっかけ委員会の構成は「委員長1人+委員8人=計9人」(134条1項)、うち「委員4人が非常勤」(134条2項)。常勤・非常勤の内訳を人数で覚える。
解説134条1項は委員会の人数構成、2項は常勤・非常勤の内訳、3項は任命方法(両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命)、4項は委員長・委員に含まれるべき属性(個人情報保護・消費者保護・情報処理技術・行政・民間企業実務の学識経験者、地方六団体の推薦する者)を定める。多様な専門性を持つ委員で構成することで、委員会の判断の専門性と多角性を確保する趣旨である。
補足135条の任期(5年、再任可)、136条の身分保障(限定的事由以外での罷免禁止)と合わせ、委員会の独立性・継続性を支える人事制度の全体像を理解する。
問14個人情報保護委員会の委員長・委員の任期
個人情報保護委員会の委員長及び委員の任期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委員長及び委員の任期は、五年とする。
- イ.委員長及び委員は、再任されることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 135条1項のとおり → 正しい
個人情報保護法第135条第1項「委員長及び委員の任期は、五年とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 135条2項のとおり → 正しい
個人情報保護法第135条第2項「委員長及び委員は、再任されることができる」e-Gov原文
ひっかけ委員長・委員の任期は「五年」(135条1項)で「再任可」(135条2項)。任期途中で欠員が生じた場合の補欠委員は前任者の残任期間となる点も併せて押さえる。
解説135条1項は任期の原則(5年、補欠は前任者の残任期間)、2項は再任の可否(再任可)、3項は任期満了後も後任者任命まで引き続き職務を行う旨、4項・5項は国会閉会時等の例外的任命手続を定める。再任が制限なく認められる点は、専門性の高い独立機関の委員としての継続性を重視した設計である。
補足3項の「後任者が任命されるまで引き続きその職務を行う」規定は、委員会の機能が任期満了で空白になることを防ぐ実務上重要な仕組みである。
問15個人情報保護委員会の身分保障
個人情報保護委員会の委員長及び委員の身分保障に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委員長及び委員は、内閣総理大臣の裁量により、理由を問わずいつでも罷免されることがある。
- イ.委員長又は委員が拘禁刑以上の刑に処せられた場合であっても、委員会がこれを心身の故障による職務執行不能と認定しない限り、罷免事由に該当しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 136条は限定事由以外での罷免を禁止する → 「理由を問わずいつでも罷免される」は誤り
個人情報保護法第136条「委員長及び委員は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 136条3号は拘禁刑以上の刑を独立事由とする → 「委員会が心身の故障と認定しない限り該当しない」は誤り
個人情報保護法第136条第3号「拘禁刑以上の刑に処せられたとき」e-Gov原文
ひっかけ委員長・委員の罷免は136条1号(破産手続開始)〜4号(心身の故障・職務上の義務違反等の非行)の限定列挙事由のみ。内閣総理大臣の自由な裁量による罷免はできない身分保障が働く。
解説136条は、1号(破産手続開始の決定)、2号(この法律又は番号利用法違反による刑罰)、3号(拘禁刑以上の刑)、4号(委員会による心身の故障・非行の認定)の4類型に限り罷免を認める。この限定列挙による身分保障は、133条の職権行使の独立性を実質的に担保する仕組みであり、政権の意向による恣意的な委員の入れ替えを防止する趣旨である。
補足4号の「心身の故障」「非行」の認定は委員会自身が行う点も特色であり、外部(内閣総理大臣等)が一方的に認定するものではない。