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民事保全法・第11

民事保全法(保全命令・保全取消し復習)の問題(15問)

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この章で確認する論点

11章では、司法書士 民保② 民事保全の種類と仮処分解放金・司法書士 民保② 保全命令の担保・司法書士 民保② 保全命令事件の管轄と本案の管轄裁判所・司法書士 民保② 占有移転禁止の仮処分命令の効力・司法書士 民保② 民事保全の機関と疎明を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

民事保全法1条2条12条13条14条19条20条22条23条24条25条26条37条38条41条43条62条

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月〜2026年6月時点の法令に準拠
1司法書士 民保② 民事保全の種類と仮処分解放金

民事保全法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 民事保全には、仮差押え及び係争物に関する仮処分のほか、仮の地位を定めるための仮処分がある。
  • 裁判所は、保全すべき権利が金銭の支払を受けることでその目的を達することができるものであるときに限り、債務者が供託すべき金銭の額(仮処分解放金)を仮処分命令において定めることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
3類型の総称

民事保全法第1条仮差押え及び係争物に関する仮処分e-Gov原文

正しい
解放金は限定的に認められる

民事保全法第25条債務者が供託すべき金銭の額を仮処分命令において定めることができるe-Gov原文

ひっかけ仮処分解放金は『金銭で目的を達せる場合』に限る。仮差押解放金とは性質が異なる。

解説民事保全は、仮差押え・係争物に関する仮処分・仮の地位を定める仮処分の総称(1条)。仮処分解放金は、被保全権利が金銭の支払で目的を達せられるときに限り、債務者が供託すれば仮処分の執行停止・取消しを得るために定められる(25条)。仮差押解放金(必ず定める)と異なり、限定的に認められる。

補足仮差押解放金は債務者の供託により執行を止めるもので、常に定められる。

2司法書士 民保② 保全命令の担保

民事保全法上の保全命令の担保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全命令は、担保を立てさせて、又は担保を立てさせないで発することができる。
  • 担保を立てる場合において、遅滞なく所定の供託所に供託することが困難な事由があるときは、裁判所の許可を得て、債権者の住所地等を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
担保の要否は裁判所の裁量

民事保全法第14条保全命令は、担保を立てさせて、若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てさせないで発することができるe-Gov原文

正しい
供託所の特例が認められる

民事保全法第14条裁判所の許可を得て、債権者の住所地又は事務所の所在地その他裁判所が相当と認める地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託することができるe-Gov原文

ひっかけ保全命令の担保は『立てさせる/条件/立てさせない』を選べる。

解説保全命令は密行性・迅速性のため疎明で足りるが、債務者保護のため担保(立担保)を条件とすることができる(14条1項)。担保は原則として発令裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の供託所に供託するが、困難なときは特例がある(14条2項)。

補足担保の額は、不当な保全執行で債務者が被る損害の担保である。

3司法書士 民保② 保全命令事件の管轄と本案の管轄裁判所

民事保全法上の管轄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
  • 保全命令事件の管轄の基準となる本案の管轄裁判所は、第一審裁判所とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
本案か目的物所在地のいずれかが管轄

民事保全法第12条保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄するe-Gov原文

正しい
本案の管轄裁判所は第一審裁判所が基準

民事保全法第12条本案の管轄裁判所は、第一審裁判所とするe-Gov原文

ひっかけ保全の管轄は『本案の裁判所か物の所在地』、本案は『第一審(控訴審係属中は控訴審)』。

解説保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物・係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する(12条1項)。本案の管轄裁判所は原則として第一審裁判所だが、本案が控訴審に係属しているときは控訴裁判所となる(同3項)。簡易裁判所が本案の管轄でも、保全は地方裁判所が管轄する場合がある点に注意。

補足債権を仮に差し押さえる場合、その債権は第三債務者の普通裁判籍の所在地にあるものとされる(12条4項)。

4司法書士 民保② 占有移転禁止の仮処分命令の効力

民事保全法上の占有移転禁止の仮処分命令の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、債権者は、本案の債務名義に基づき、その執行がされたことを知って係争物を占有した者に対し、係争物の引渡し又は明渡しの強制執行をすることができる。
  • 占有移転禁止の仮処分命令の執行後に当該係争物を占有した者は、その執行がされたことを知って占有したものと推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
62条1項が当事者恒定効を定める

民事保全法第62条係争物の引渡し又は明渡しの強制執行をすることができるe-Gov原文

正しい
62条2項が悪意の推定を定める

民事保全法第62条その執行がされたことを知って占有したものと推定するe-Gov原文

ひっかけ占有移転禁止の仮処分は『当事者恒定』。執行後の占有者は悪意推定。

解説占有移転禁止の仮処分(係争物に関する仮処分)は、係争物の占有者を固定する効力をもつ(当事者恒定効)。執行後は、債権者は本案の債務名義に基づき、執行を知って占有した者・善意で債務者の占有を承継した者に対しても引渡し等の強制執行ができる(62条1項)。執行後の占有者は執行を知って占有したものと推定される(同条2項)。

補足善意かつ債務者の占有を承継していない者には効力が及ばない(62条1項の反対解釈)。

5司法書士 民保② 民事保全の機関と疎明

民事保全法上の保全命令の手続について、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全執行は、申立てにより、裁判所又は執行官が行う。
  • 保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性は、証明しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
保全命令は裁判所・保全執行は裁判所又は執行官

民事保全法第2条裁判所又は執行官が行うe-Gov原文

誤り
「証明」は誤り(疎明)

民事保全法第13条疎明しなければならないe-Gov原文

ひっかけ保全は『疎明』で足りる(証明より緩やか)。迅速性を重視する。

解説保全命令は裁判所が、保全執行は裁判所又は執行官が行う(2条)。保全命令の申立てでは、被保全権利(保全すべき権利・権利関係)と保全の必要性を明らかにし、これらを『疎明』しなければならない(13条)。疎明は証明より緩やかな心証(一応確からしいとの推測)で足りる点が、迅速性を要する保全手続の特徴。

補足保全命令は、口頭弁論を経ないで発することができる(密行性)。

6司法書士 民保② 保全異議の申立てと保全執行の正本

民事保全法上の保全異議及び保全執行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができる。
  • 保全命令に表示された当事者以外の者に対してする保全執行であっても、執行文の付された保全命令の正本を要せず、保全命令の正本のみに基づいて実施することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
債務者は発令裁判所に異議を申し立てる

民事保全法第26条保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができるe-Gov原文

誤り
承継等の場合は執行文が要る

民事保全法第43条保全命令に表示された当事者以外の者に対し、又はその者のためにする保全執行は、執行文の付された保全命令の正本に基づいて実施するe-Gov原文

ひっかけ保全異議は『発令裁判所』へ。当事者以外への保全執行は『執行文』が要る。

解説保全異議は、保全命令を発した裁判所に対する不服申立て(26条)で、上級審ではなく同じ裁判所が再審理する。保全執行は原則として保全命令の正本のみで実施できるが、当事者以外(承継人等)に対しては執行文が必要(43条1項)。

補足保全異議とは別に、被保全権利・保全の必要性の消滅等を理由とする保全取消しの制度もある。

7司法書士 民保② 却下の裁判に対する即時抗告

民事保全法上の即時抗告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全命令の申立てを却下する裁判に対しては、債権者は、その告知を受けた日から2週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる。
  • 保全命令の申立てを却下する裁判に対する即時抗告を却下する裁判に対しては、更に抗告をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
却下されたら2週間内に即時抗告できる

民事保全法第19条保全命令の申立てを却下する裁判に対しては、債権者は、告知を受けた日から二週間の不変期間内に、即時抗告をすることができるe-Gov原文

誤り
再度の抗告は認められない

民事保全法第19条前項の即時抗告を却下する裁判に対しては、更に抗告をすることができないe-Gov原文

ひっかけ申立て却下への不服は『2週間内の即時抗告』、その却下に『再抗告不可』。

解説保全命令の申立てを却下する裁判に不服がある債権者は、告知を受けた日から2週間の不変期間内に即時抗告をすることができる(19条1項)。その即時抗告を却下する裁判に対しては、更に抗告をすることができない(同2項)。保全命令が発令された場合の債務者の不服は、保全異議(26条)による。

補足発令された保全命令に対する債務者の不服申立ては、即時抗告ではなく保全異議による。

8司法書士 民保② 仮差押解放金の供託所と保全抗告の事件送付

民事保全法上の仮差押解放金の供託及び保全抗告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮差押解放金の供託は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
  • 原裁判所は、保全抗告を受けた場合には、保全抗告の理由の有無について判断した上で、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
供託先の供託所が法定されている

民事保全法第22条仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならないe-Gov原文

誤り
原裁判所の再度の考案はできない

民事保全法第41条保全抗告の理由の有無につき判断しないで、事件を抗告裁判所に送付しなければならないe-Gov原文

ひっかけ解放金の供託所は『法定』、保全抗告は原裁判所が『理由判断せず送付』。

解説仮差押解放金は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託する(22条2項)。保全抗告を受けた原裁判所は、自ら理由の有無を判断(再度の考案)せず、事件を抗告裁判所に送付しなければならない(41条2項。執行抗告等と異なる)。

補足通常の抗告では原裁判所による再度の考案が認められるが、保全抗告では認められない。

9司法書士 民保② 仮差押命令の必要性

民事保全法上の仮差押命令について、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮差押命令は、金銭の支払を目的とする債権について発することはできず、物の引渡請求権についてのみ発することができる。
  • 仮差押命令は、その被保全債権が条件付又は期限付である場合においても、発することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
金銭債権では発せられないとするのは誤り

民事保全法第20条金銭の支払を目的とする債権についてe-Gov原文

正しい
条件付等でも発令できる

民事保全法第20条条件付又は期限付である場合においても、これを発することができるe-Gov原文

ひっかけ仮差押えは『金銭債権』、係争物仮処分は『特定物の給付請求権』を保全する。

解説仮差押命令は、金銭債権の将来の強制執行を保全するため、強制執行が不能・著しく困難となるおそれがあるときに発する(20条1項)。被保全債権が条件付・期限付でも発令できる(同2項)。物の給付請求権の保全は『係争物に関する仮処分』が担う。

補足仮差押解放金を供託すれば、仮差押えの執行の停止・取消しを得られる。

10司法書士 民保② 本案の訴えの不提起等による保全取消し

民事保全法上の本案の訴えの不提起等による保全取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権者に対し本案の訴えの提起等を命ずる場合、裁判所が定める本案の訴えの提起のための期間は、1週間以上でなければならない。
  • 債権者が定められた期間内に本案の訴えの提起等を証する書面を提出しなかったときは、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
期間は2週間以上で定める

民事保全法第37条前項の期間は、二週間以上でなければならないe-Gov原文

正しい
起訴命令違反は保全取消事由

民事保全法第37条債権者が第一項の規定により定められた期間内に同項の書面を提出しなかったときは、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならないe-Gov原文

ひっかけ起訴命令の期間は『2週間以上』。不提起なら保全取消し。

解説保全命令は本案訴訟の保全が目的なので、債務者は起訴命令の申立てをし、裁判所は債権者に2週間以上の期間を定めて本案の訴えの提起等を命ずる(37条1項・2項)。債権者がこれに従わないと、保全命令は取り消される(37条3項)。

補足調停・労働審判・仲裁手続の申立て等も本案の提起に準じて扱われる。

11司法書士 民保② 仮差押解放金と仮処分の方法

民事保全法上の仮差押解放金及び仮処分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮差押命令においては、仮差押えの執行の停止又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために、債権者が供託すべき金銭の額を定めなければならない。
  • 裁判所は、仮処分命令の申立ての目的を達するため、債務者に対し一定の行為を命じ、若しくは禁止し、若しくは給付を命じ、又は保管人に目的物を保管させる処分その他の必要な処分をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
解放金を供託するのは債務者

民事保全法第22条仮差押えの執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならないe-Gov原文

正しい
目的に応じ多様な処分ができる

民事保全法第24条債務者に対し一定の行為を命じ、若しくは禁止し、若しくは給付を命じ、又は保管人に目的物を保管させる処分その他の必要な処分をすることができるe-Gov原文

ひっかけ仮差押解放金は『債務者が供託』(担保は債権者)、仮処分の方法は『柔軟』。

解説仮差押解放金は、仮差押えの執行の停止・取消しを得るために債務者が供託する金銭で、仮差押命令でその額を定める(22条)。担保(債権者が立てる)とは供託する主体が異なる点に注意。仮処分の方法は、目的を達するため作為・不作為の命令、給付命令、目的物の保管等、裁判所が柔軟に定めることができる(24条)。

補足仮差押解放金が供託されると、債権者はその供託金還付請求権の上に権利を有することになる。

12司法書士 民保② 事情の変更の疎明と保全抗告に対する不服

民事保全法上の保全取消し及び保全抗告の終局性に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事情の変更による保全取消しを求める場合、その事情の変更は証明しなければならない。
  • 保全抗告についての裁判に対しては、更に抗告をすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
保全手続は疎明で足りる

民事保全法第38条前項の事情の変更は、疎明しなければならないe-Gov原文

正しい
保全抗告の裁判で確定する

民事保全法第41条保全抗告についての裁判に対しては、更に抗告をすることができないe-Gov原文

ひっかけ保全は『疎明で足りる』、保全抗告の裁判は『更に抗告不可(終局)』。

解説保全手続は迅速性を重視するため、事実の認定は証明より緩やかな疎明で足りる。事情の変更による保全取消しでも、事情の変更は疎明しなければならない(38条2項)。保全異議・保全取消しの裁判に対する保全抗告は認められるが、保全抗告についての裁判に対しては更に抗告をすることができず、そこで確定する(41条3項)。

補足疎明は、裁判官が一応確からしいとの心証を得る程度の立証で足りる。

13司法書士 民保② 仮処分命令の必要性等

民事保全法上の仮処分命令について、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 係争物に関する仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるため必要があるときに発することができる。
  • 仮の地位を定める仮処分命令は、いかなる場合も、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経ることなく発することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
仮の地位の要件と取り違えており誤り

民事保全法第23条その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるときe-Gov原文

誤り
常に期日不要とするのは誤り

民事保全法第23条口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければe-Gov原文

ひっかけ係争物仮処分と仮の地位仮処分は要件が異なる。後者は原則『審尋の期日』が必要。

解説係争物に関する仮処分は、現状変更により権利の実行が不能・著しく困難となるおそれがあるとき(23条1項)、仮の地位を定める仮処分は、争いある権利関係につき著しい損害・急迫の危険を避けるため必要なときに発する(同2項)。後者は争訟性が高いため、原則として口頭弁論又は審尋の期日を経なければならない(同4項)。

補足仮の地位の仮処分でも、期日を経ると目的を達せない事情があれば期日を省略できる。

14司法書士 民保② 保全執行の期間制限と債務者送達前の執行

民事保全法上の保全執行の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全執行は、債権者に対して保全命令が送達された日から1月を経過したときは、これをしてはならない。
  • 保全執行は、保全命令が債務者に送達された後でなければ、これをすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
迅速性のため2週間以内に執行

民事保全法第43条債権者に対して保全命令が送達された日から二週間を経過したときは、これをしてはならないe-Gov原文

誤り
密行性のため送達前執行が許される

民事保全法第43条保全執行は、保全命令が債務者に送達される前であっても、これをすることができるe-Gov原文

ひっかけ保全執行は『送達から2週間以内』『債務者送達前でも可』。

解説保全執行には2つの特徴がある。①迅速性のため、債権者への保全命令送達日から2週間を経過すると執行できない(43条2項)。②密行性のため、債務者への送達前でも執行できる(43条3項)。仮差押え・仮処分の実効性を確保する仕組み。

補足保全執行は、強制執行の例によるが、保全の暫定性に応じた特則がある。

15司法書士 民保② 事情の変更による保全取消しと保全抗告の期間

民事保全法上の保全取消し及び保全抗告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全すべき権利若しくは権利関係又は保全の必要性の消滅その他の事情の変更があるときは、保全命令を発した裁判所又は本案の裁判所は、債権者の申立てにより、保全命令を取り消すことができる。
  • 保全異議又は保全取消しの申立てについての裁判に対しては、その送達を受けた日から1週間の不変期間内に、保全抗告をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
保全取消しを求めるのは債務者

民事保全法第38条債務者の申立てにより、保全命令を取り消すことができるe-Gov原文

誤り
保全抗告の期間は送達から2週間

民事保全法第41条その送達を受けた日から二週間の不変期間内に、保全抗告をすることができるe-Gov原文

ひっかけ事情変更の保全取消しは『債務者の申立て』、保全抗告は『送達から2週間』。

解説保全すべき権利・保全の必要性の消滅その他の事情の変更があるときは、債務者の申立てにより保全命令を取り消すことができる(38条、事情の変更による保全取消し。事情変更は疎明を要する)。保全異議・保全取消しの申立てについての裁判に不服がある者は、送達を受けた日から2週間の不変期間内に保全抗告をすることができる(41条)。

補足保全命令の発令時に主張できた事情ではなく、その後に生じた事情の変更が必要である。

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