問1秘密を守る義務
弁理士の秘密を守る義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士又は弁理士であった者は、正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
- イ.秘密を守る義務は、弁理士である間のみ課され、弁理士でなくなった後は課されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 30条のとおり → 正しい
弁理士法第30条「正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 30条は「弁理士であった者」も義務主体とする → 「弁理士である間のみ」は誤り
ひっかけ秘密保持義務の主体は「弁理士又は弁理士であった者」(30条)。資格を失った後も義務が続く点は他士業と共通する重要論点。
解説30条は、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密の漏洩・盗用を禁止する。義務主体を「弁理士又は弁理士であった者」とすることで、登録抹消後も守秘義務が継続することを明確にしている。「正当な理由」がある場合(依頼者の同意、法令上の開示義務等)は例外的に許容される。
補足この守秘義務違反は、32条の懲戒事由(この法律に違反したとき)にも該当しうる。
問2研修
弁理士の研修に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士が受ける研修は、日本弁理士会の裁量により実施の有無が決まる任意のものであり、弁理士に受講義務は課されていない。
- イ.弁理士は、経済産業省令で定めるところにより、日本弁理士会が行う資質の向上を図るための研修を受けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 31条の2は受講を義務付ける → 「任意」「受講義務は課されていない」は誤り
弁理士法第31条の2「弁理士は、経済産業省令で定めるところにより、日本弁理士会が行う資質の向上を図るための研修を受けなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 31条の2のとおり → 正しい
弁理士法第31条の2「弁理士は、経済産業省令で定めるところにより、日本弁理士会が行う資質の向上を図るための研修を受けなければならない」e-Gov原文
ひっかけ31条の2の研修は「受けなければならない」という法律上の義務であり、日本弁理士会の任意プログラムではない。
解説31条の2は、弁理士の資質向上のための継続的な研修受講義務を定める。実務修習(16条の2)が弁理士となる前の一回的な修習であるのに対し、この研修は弁理士登録後も継続的に課される義務である点を区別する。研修の実施主体は日本弁理士会だが、根拠は経済産業省令に基づく法律上の義務である。
補足研修義務の不履行が直ちに懲戒事由となるかは別途の検討を要するが、少なくとも法律上の義務であることは条文上明確である。
問3非弁理士に対する名義貸しの禁止
弁理士の名義貸しの禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士は、第七十五条又は第七十六条の規定に違反する者に自己の名義を利用させてはならない。
- イ.非弁理士行為の禁止規定(弁理士法第七十五条・第七十六条)に違反する者に対しては、弁理士であっても自己の名義を利用させることは許されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 31条の3のとおり → 正しい
弁理士法第31条の3「第七十五条又は第七十六条の規定に違反する者に自己の名義を利用させてはならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 31条の3のとおり → 正しい
弁理士法第31条の3「第七十五条又は第七十六条の規定に違反する者に自己の名義を利用させてはならない」e-Gov原文
ひっかけ31条の3は、無資格者(非弁理士)が弁理士の名義を借りて実質的に業務を行う「名義貸し」を防止する規定。75条・76条(弁理士でない者の業務制限)とセットで機能する。
解説31条の3は、弁理士自身が75条・76条に違反する者(無資格で弁理士業務を行おうとする者等)に自己の名義を利用させることを禁止する。これにより、無資格者が弁理士の名義を借りて実質的に業務を行う脱法行為を防止し、資格制度の実効性を担保している。
補足この禁止規定は50条により弁理士法人にも準用され、法人としても名義貸しをしてはならない。
問4懲戒の種類
弁理士に対する懲戒の種類に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士に対する懲戒処分は、日本弁理士会が行う。
- イ.弁理士に対する業務停止処分の期間は、三年以内とされている。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 32条は経済産業大臣が処分すると定める → 「日本弁理士会が行う」は誤り
弁理士法第32条「経済産業大臣は、次に掲げる処分をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 32条2号は「二年以内」と定める → 「三年以内」は誤り
弁理士法第32条第2号「二年以内の業務の全部又は一部の停止」e-Gov原文
ひっかけ弁理士の懲戒権者は「経済産業大臣」(32条)。日本弁理士会は登録事務(17条2項)を担うが、懲戒処分そのものの権限は国(経済産業大臣)に留保されている。業務停止処分の期間は「二年以内」で、三年ではない。
解説32条は、弁理士がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反したとき、又は弁理士たるにふさわしくない重大な非行があったときに、経済産業大臣が戒告・二年以内の業務停止・業務禁止の処分をすることができると定める。「弁理士たるにふさわしくない重大な非行」という要件は、法令違反に限らない広い懲戒事由を含む点も特色である。
補足懲戒処分の種類は「戒告」「業務停止(二年以内)」「業務禁止」の3種類で、土地家屋調査士法の個人への懲戒(登録取消しを含む)とは処分の名称・構成が異なる。
問5懲戒の手続
弁理士の懲戒の手続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.何人も、弁理士に懲戒事由に該当する事実があると思料するときは、経済産業大臣に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
- イ.懲戒事由に該当する事実の報告があった場合、経済産業大臣は当該報告の真偽を調査する義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 33条1項のとおり → 正しい
弁理士法第33条第1項「何人も、弁理士に前条に該当する事実があると思料するときは、経済産業大臣に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 33条2項は調査を義務付ける → 「調査する義務を負わない」は誤り
弁理士法第33条第2項「前項に規定する報告があったときは、経済産業大臣は、事件について必要な調査をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ懲戒の端緒は「何人も」報告できる(33条1項)。土地家屋調査士法55条が「調査士会」に限定した報告義務を課すのと異なり、弁理士法は一般人からの端緒提供も明文で認めている。報告を受けた経済産業大臣には調査義務が生じる(2項)。
解説33条1項は懲戒の端緒(何人でも報告できる)、2項は報告を受けた場合の経済産業大臣の調査義務、3項は報告がなくとも職権で調査できる旨を定める。土地家屋調査士法(調査士会からの報告義務)と比べ、弁理士法は懲戒の端緒を一般国民にまで広げている点が特色である。
補足調査の結果、懲戒事由が認められれば32条の処分(戒告・業務停止・業務禁止)に進む。調査手続(34条の報告命令・物件提出命令)も併せて理解する。
問6調査のための権限
懲戒の調査のための経済産業大臣の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.経済産業大臣は、懲戒の調査に関し、当該弁理士に対して業務に関する報告を命じることはできるが、帳簿書類その他の物件の提出を命じることはできない。
- イ.経済産業大臣は、懲戒の調査をするため、当該弁理士に対し、その業務に関し必要な報告を命じ、又は帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 34条は報告命令と物件提出命令の両方を認める → 「物件の提出を命じることはできない」は誤り
弁理士法第34条「その業務に関し必要な報告を命じ、又は帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 34条のとおり → 正しい
弁理士法第34条「その業務に関し必要な報告を命じ、又は帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる」e-Gov原文
ひっかけ34条の調査権限は「報告命令」と「物件提出命令」の2種類。片方のみに限定する誤りに注意。
解説34条は、33条2項・3項の調査を実効化するための具体的な権限を定める。経済産業大臣は、調査対象の弁理士に対し、業務に関する報告を命じることも、帳簿書類その他の物件の提出を命じることもできる。これにより、懲戒の調査が形式的なものにとどまらず、実際に必要な資料を強制的に取得できる仕組みとなっている。
補足69条2項により、この調査権限は特定侵害訴訟代理業務試験に関する調査にも準用される。
問7登録抹消の制限
懲戒手続中の弁理士の登録抹消の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.日本弁理士会は、弁理士が懲戒の手続に付された場合においては、その手続が結了するまでは、業務廃止や死亡等を理由とする当該弁理士の登録の抹消をすることができない。
- イ.懲戒の手続に付された弁理士について、業務廃止(第二十四条第一項第一号)を理由とする登録の抹消であっても、当該懲戒の手続が結了するまではすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 35条のとおり → 正しい
弁理士法第35条「弁理士が懲戒の手続に付された場合においては、その手続が結了するまでは」e-Gov原文
- イ.正しい
- 35条のとおり → 正しい
弁理士法第35条「その手続が結了するまでは、第二十四条第一項第一号若しくは第五号又は第二十五条第一項の規定による当該弁理士の登録の抹消をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ懲戒手続中は「業務廃止」「死亡」等を理由とする登録抹消も制限される(35条)。業務廃止届を出せば懲戒を免れられると誤解しない。
解説35条は、懲戒手続に付された弁理士が、業務廃止(24条1項1号)や登録の取消し以外の事由(24条1項5号:退会処分等)、心身の故障による抹消(25条1項)により登録を抹消し、懲戒処分を免れることを防止する。土地家屋調査士法45条・43条2項と同様、懲戒逃れの防止という制度趣旨は共通する。
補足「死亡」(24条1項2号)や登録取消し(24条1項4号)はこの制限の対象外である点に注意(35条は1号・5号及び25条1項に限定列挙)。
問8懲戒処分の公告
弁理士に対する懲戒処分の公告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.経済産業大臣は、弁理士に懲戒の処分をしたときは、その旨を当該処分を受けた弁理士にのみ通知すればよく、公告する必要はない。
- イ.懲戒処分の公告は、処分から一年以内に行えば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 36条は官報公告を義務付ける → 「公告する必要はない」は誤り
弁理士法第36条「第三十二条の規定により懲戒の処分をしたときは、その旨を官報をもって公告しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 36条に「一年以内」という文言はない → 誤り
弁理士法第36条「その旨を官報をもって公告しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ懲戒処分の公告は「官報」で行う(36条)。通知だけで足りるとする誤り、条文にない期限を付け加える誤りの両方に注意。
解説36条は、32条による懲戒処分について、経済産業大臣が官報で公告する義務を定める。これは、依頼者や取引の相手方が弁理士の処分歴を確認できるようにする趣旨であり、土地家屋調査士法46条・司法書士法等の同種規定と共通する制度設計である。
補足27条(登録・抹消の公告)と36条(懲戒処分の公告)は、公告事項が異なる別個の規定である点を区別する。
問9弁理士法人の設立等
弁理士法人の設立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士は、弁理士法の定めるところにより、弁理士法人を設立することができる。
- イ.弁理士の使命及び職責に関する規定は、弁理士法人には準用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 37条1項のとおり → 正しい
弁理士法第37条第1項「弁理士は、この章の定めるところにより、弁理士法人を設立することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 37条2項は1条・3条を準用すると定める → 「準用されない」は誤り
弁理士法第37条第2項「第一条及び第三条の規定は、弁理士法人について準用する」e-Gov原文
ひっかけ弁理士個人の使命(1条)・職責(3条)は、弁理士法人にも準用される(37条2項)。法人化しても理念・行動規範から自由になるわけではない。
解説37条1項は弁理士法人の設立根拠、2項は個人弁理士に関する基本規定(使命・職責)の法人への準用を定める。50条ではさらに29条(信用失墜行為の禁止)・31条の3(名義貸しの禁止)も法人に準用され、個人弁理士に課される基本的な行為規範が法人形態でも維持される構造になっている。
補足業務範囲(40条)や社員の資格(39条)など、法人固有の規律は別途、この章(37条以下)で個別に定められる。
問10弁理士法人の名称
弁理士法人の名称に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士法人は、その名称に弁理士法人という文字を用いなくてもよく、任意の名称を自由に選択できる。
- イ.弁理士法人は、その名称中に弁理士法人という文字を使用しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 38条は「弁理士法人」の文字使用を義務付ける → 「任意の名称を自由に選択できる」は誤り
弁理士法第38条「その名称中に弁理士法人という文字を使用しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 38条のとおり → 正しい
弁理士法第38条「その名称中に弁理士法人という文字を使用しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ弁理士法人の名称には「弁理士法人」の文字が必須(38条)。土地家屋調査士法人の「土地家屋調査士法人」(27条)と同様の名称規制。
解説38条は、弁理士法人であることを対外的に明示させるため、名称中に「弁理士法人」という文字の使用を義務付ける。これにより、依頼者や取引の相手方が、当該法人が弁理士法に基づく専門家法人であることを名称から識別できるようにしている。
補足この名称規制違反自体への直接の罰則は本問の範囲外だが、商業登記の場面でも名称の適法性が審査される。
問11弁理士法人の社員の資格
弁理士法人の社員の資格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士法人の社員は、弁理士でなければならない。
- イ.32条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過していない弁理士は、弁理士法人の社員となることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 39条1項のとおり → 正しい
弁理士法第39条第1項「弁理士法人の社員は、弁理士でなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 39条2項1号は業務停止期間経過前の者を社員欠格とする → 「社員となることができる」は誤り
弁理士法第39条第2項第1号「第三十二条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者」e-Gov原文
ひっかけ弁理士法人の社員資格は「弁理士であること」(1項)に加え、業務停止処分中でないこと等の消極要件(2項各号)も満たす必要がある。
解説39条1項は社員の積極要件(弁理士であること)、2項は消極要件(業務停止処分中の者、解散・業務停止を命ぜられた法人の元社員で一定期間を経過しない者等)を定める。業務停止処分中の弁理士が、個人としての業務停止を回避するために法人の社員として実質的に業務を継続することを防ぐ趣旨である。
補足この社員資格の制限は、8条の弁理士個人の欠格事由とは別に、法人の社員という地位に固有の消極要件として設けられている。
問12弁理士法人の業務の範囲
弁理士法人の業務の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士法人は、第四条第一項の業務を行うことができない。
- イ.弁理士法人は、定款の定めにかかわらず、第四条第二項及び第三項の業務の全部を当然に行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 40条は4条1項業務を前提とする → 「4条1項の業務を行うことができない」は誤り
弁理士法第40条「弁理士法人は、第四条第一項の業務を行うほか」e-Gov原文
- イ.誤り
- 40条は定款の定めを要件とする → 「定款の定めにかかわらず当然に行うことができる」は誤り
弁理士法第40条「定款で定めるところにより、同条第二項及び第三項の業務の全部又は一部を行うことができる」e-Gov原文
ひっかけ弁理士法人の業務範囲は「4条1項業務は当然」+「定款で定めれば4条2項・3項業務も可能」という二段構造(40条)。
解説40条は、弁理士法人が個人弁理士と同様の中核業務(4条1項:特許庁における手続の代理等)を当然に行えることを前提に、それ以外の業務(4条2項・3項:コンサルティング業務等)については定款で定めることを要件とする。定款自治により、法人ごとに業務範囲を柔軟に設定できる仕組みである。
補足41条により、5条・6条・6条の2の業務(補佐人・訴訟代理人業務)についても、弁理士法人は社員等に行わせる事務の委託を受けることができる。
問13弁理士法人の登記
弁理士法人の登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
- イ.弁理士法人が登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 42条1項のとおり → 正しい
弁理士法第42条第1項「弁理士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 42条2項のとおり → 正しい
弁理士法第42条第2項「登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない」e-Gov原文
ひっかけ弁理士法人の登記事項は「登記の後でなければ」第三者対抗力を持たない(42条2項)。土地家屋調査士法人・調査士会の登記(30条・50条)と同じ対抗要件構造。
解説42条1項は弁理士法人の登記義務、2項はその対抗要件(登記後でなければ第三者に対抗できない)を定める。設立の登記(44条)により法人が成立し、その後の登記事項の変更等についても同様の対抗要件が及ぶ。
補足44条により、弁理士法人は主たる事務所の所在地における設立の登記によって成立する点も併せて確認する。
問14弁理士法人成立の届出
弁理士法人の成立の届出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士法人は、成立したときであっても、経済産業大臣への届出は不要である。
- イ.弁理士法人は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款を添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 45条は届出を義務付ける → 「届出は不要」は誤り
弁理士法第45条「成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款を添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 45条のとおり → 正しい
弁理士法第45条「成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款を添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ弁理士法人の成立の届出期限は「成立の日から二週間以内」(45条)。届出先は経済産業大臣であり、日本弁理士会ではない点に注意(個人の登録手続とは届出先が異なる)。
解説45条は、弁理士法人が設立の登記(44条)により成立した後、その事実を経済産業大臣に届け出る義務を定める。届出には登記事項証明書及び定款の添付が必要とされ、法人の存在と組織内容を国が把握できるようにしている。個人の登録(17条〜20条)が日本弁理士会を窓口とするのに対し、法人の成立届出は経済産業大臣を直接の届出先とする点で構造が異なる。
補足47条2項の定款変更の届出も同様に「変更の日から二週間以内」に経済産業大臣へ行う。
問15弁理士法人の業務を執行する権限
弁理士法人の社員が業務を執行する権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁理士法人の社員は、全て業務を執行する権利を有し、義務を負う。
- イ.弁理士法人は、特定の事件について、一人又は数人の業務を担当する社員を指定することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 46条のとおり → 正しい
弁理士法第46条「弁理士法人の社員は、全て業務を執行する権利を有し、義務を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 47条の3第1項のとおり → 正しい
弁理士法第47条の3第1項「弁理士法人は、特定の事件について、一人又は数人の業務を担当する社員を指定することができる」e-Gov原文
ひっかけ業務執行は「全社員が権利義務を有する」のが原則(46条)だが、「特定事件について指定社員を定める」ことも可能(47条の3)という原則と例外の構造。
解説46条は業務執行の原則(全社員が権利義務を有する)を定め、47条の3はその例外として、特定の事件について一人又は数人の指定社員のみが業務執行・法人代表を行う仕組みを認める。指定事件については、指定社員のみが業務執行権を持ち(47条の3第2項)、法人代表権も指定社員に集中する(同条3項)。
補足47条の2は代表権の原則(各自代表)を定め、47条の3の指定社員制度はその代表権にも特則を及ぼす関係にある。