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行政事件訴訟法・第15

行政救済法(行政事件訴訟・国家賠償復習)の問題(15問)

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この章で確認する論点

15章では、行政書士 行政救済② 抗告訴訟の類型・行政書士 行政救済② 取消訴訟の被告適格・行政書士 行政救済② 無効等確認の訴えと不作為の違法確認の訴えの原告適格・行政書士 行政救済② 公権力の行使に基づく損害賠償責任・行政書士 行政救済② 取消訴訟の出訴期間を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

行政事件訴訟法3条8条9条10条11条12条14条25条30条31条32条33条36条37条37条の237条の437条の544条46条

国家賠償法1条

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1行政書士 行政救済② 抗告訴訟の類型

行政事件訴訟法上の抗告訴訟に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。
  • 抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
申請に対する不作為が対象

行政事件訴訟法第3条相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらずe-Gov原文

正しい
抗告訴訟の総称

行政事件訴訟法第3条行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいうe-Gov原文

ひっかけ義務付け・差止めも抗告訴訟。取消訴訟だけではない。

解説抗告訴訟(3条)には、処分の取消しの訴え・裁決の取消しの訴え・無効等確認の訴え・不作為の違法確認の訴え・義務付けの訴え・差止めの訴えがある。これらは公権力の行使への不服を争う訴訟。当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟と区別する。

補足不作為の違法確認の訴えは『申請』をした者が原告となる。

2行政書士 行政救済② 取消訴訟の被告適格

行政事件訴訟法上の取消訴訟の被告適格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 処分をした行政庁が国又は公共団体に所属する場合、処分の取消しの訴えは、当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体を被告として提起しなければならない。
  • 処分をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合には、取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
被告は行政庁でなく国・公共団体(被告適格の改正)

行政事件訴訟法第11条処分の取消しの訴え当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体e-Gov原文

正しい
帰属先がない場合は行政庁自身が被告

行政事件訴訟法第11条処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合には、取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければならないe-Gov原文

ひっかけ原則の被告は『国又は公共団体』。行政庁自身が被告は所属しない場合の例外。

解説平成16年改正で、取消訴訟の被告は『処分をした行政庁』から『行政庁の所属する国又は公共団体』に改められた(11条1項)。原告が被告を誤りにくくする趣旨。行政庁が国・公共団体に所属しない場合のみ当該行政庁が被告となる(11条2項)。

補足訴状には被告に加え、処分をした行政庁を記載する(11条4項)。

3行政書士 行政救済② 無効等確認の訴えと不作為の違法確認の訴えの原告適格

行政事件訴訟法上の抗告訴訟の原告適格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 無効等確認の訴えは、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないものに限り、提起することができる。
  • 不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
他の訴えで救済できないときに限り提起できる

行政事件訴訟法第36条現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り、提起することができるe-Gov原文

正しい
申請者だけが提起できる

行政事件訴訟法第37条不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができるe-Gov原文

ひっかけ無効等確認は『補充性』、不作為の違法確認は『申請者に限る』。

解説無効等確認の訴え(36条)は、続く処分で損害を受けるおそれのある者等で、現在の法律関係に関する訴え(争点訴訟・当事者訴訟等)によって目的を達せられないものに限り提起できる(補充性)。不作為の違法確認の訴え(37条)は、現実に申請をした者に限り提起できる。いずれも原告適格が条文上限定されている。

補足申請型義務付けの訴えは、不作為の違法確認の訴え又は拒否処分の取消し・無効確認の訴えと併合提起する(37条の3)。

4行政書士 行政救済② 公権力の行使に基づく損害賠償責任

国家賠償法1条に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体がこれを賠償する責に任ずる。
  • 公務員に故意又は重大な過失があったときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
1条は過失責任

国家賠償法第1条故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときe-Gov原文

正しい
求償は故意・重過失のとき

国家賠償法第1条その公務員に対して求償権を有するe-Gov原文

ひっかけ求償できるのは公務員に『故意又は重過失』があるとき。軽過失では求償できない。

解説国家賠償法1条は、公権力の行使に当たる公務員の故意過失による違法な加害について国・公共団体の賠償責任(代位責任)を定める。加害公務員個人は被害者に直接責任を負わないのが判例。国が賠償した後、公務員に故意又は重過失があれば求償できる(1条2項)。

補足公権力の行使には、行政指導や公立学校の教育活動など非権力的作用も含むと解されている。

5行政書士 行政救済② 取消訴訟の出訴期間

取消訴訟の出訴期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取消訴訟は、正当な理由があるときを除き、処分又は裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは、提起することができない。
  • 取消訴訟は、正当な理由があるときを除き、処分又は裁決の日から5年を経過したときは、提起することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
主観的期間は6か月

行政事件訴訟法第14条あつたことを知つた日から六箇月を経過したときe-Gov原文

誤り
「5年」は誤り(1年)

行政事件訴訟法第14条処分又は裁決の日から一年を経過したときe-Gov原文

ひっかけ取消訴訟は『知った日から6か月』。審査請求の『3か月』と混同しない。

解説取消訴訟の出訴期間は、処分等を知った日から6か月(主観的期間、14条1項)、かつ処分等の日から1年(客観的期間、14条2項)。いずれも正当な理由があれば例外。審査請求の期間(知った日から3か月・処分の日から1年)と数字が異なるので対比して押さえる。

補足審査請求を経た場合は、裁決を知った日から6か月・裁決の日から1年で起算される。

6行政書士 行政救済② 取消訴訟の原告適格

取消訴訟の原告適格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取消訴訟は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。
  • 処分の相手方以外の第三者の原告適格は、専ら当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによって判断される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
事実上の利益だけでは足りない

行政事件訴訟法第9条法律上の利益を有する者e-Gov原文

誤り
文言のみで判断とするのは誤り

行政事件訴訟法第9条当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなくe-Gov原文

ひっかけ第三者の原告適格は文言だけで決めない。趣旨・目的まで考慮する。

解説取消訴訟の原告適格は『法律上の利益を有する者』に限られる(9条1項)。処分の相手方以外の第三者については、根拠法令の文言だけでなく、法令の趣旨・目的、考慮されるべき利益の内容・性質、関係法令の趣旨等を勘案して判断する(9条2項、2004年改正で明文化)。

補足『法律上の利益』とは、判例上、法律上保護された利益をいい、単なる反射的利益では足りない。

7行政書士 行政救済② 取消訴訟の管轄裁判所

行政事件訴訟法上の取消訴訟の管轄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
  • 国を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所(特定管轄裁判所)に提起することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
原則は被告所在地・処分庁所在地

行政事件訴訟法第12条取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属するe-Gov原文

誤り
原告の負担軽減のため近隣の地裁にも出せる

行政事件訴訟法第12条原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所e-Gov原文

ひっかけ原則は被告・処分庁の所在地。国等相手なら原告側の特定管轄裁判所も使える。

解説取消訴訟の管轄は、原則として被告(国・公共団体)の所在地又は処分庁の所在地の裁判所(12条1項)。加えて、国等を被告とする場合は原告の住所地を管轄する高裁の所在地の地裁(特定管轄裁判所)にも提起でき(12条4項)、地方在住者が東京等まで出向く負担を緩和する。

補足不動産に係る処分は、その所在地の裁判所にも提起できる(12条2項)。

8行政書士 行政救済② 取消しの理由の制限と原処分主義

行政事件訴訟法上の取消訴訟における主張の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取消訴訟においては、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができない。
  • 処分の取消しの訴えと、その処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起できる場合、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
自己に関係しない違法は理由にできない

行政事件訴訟法第10条自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができないe-Gov原文

誤り
処分の違法は処分取消訴訟で争う

行政事件訴訟法第10条裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができないe-Gov原文

ひっかけ原処分主義=処分の違法は『処分取消訴訟』で、裁決取消訴訟では裁決固有の瑕疵のみ。

解説取消訴訟では、自己の法律上の利益に関係のない違法は取消理由にできない(10条1項)。処分取消訴訟と裁決取消訴訟の双方を提起できる場合、裁決取消訴訟では処分の違法を主張できず、裁決固有の瑕疵のみ争える(10条2項、原処分主義)。処分の違法は処分取消訴訟で主張する。

補足法律が裁決に対してのみ取消訴訟を認める場合(裁決主義)は、例外的に裁決取消訴訟で処分の違法も争える。

9行政書士 行政救済② 取消訴訟と執行停止

取消訴訟と執行停止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 処分の取消しの訴えを提起すると、当然に処分の効力、処分の執行又は手続の続行が停止される。
  • 裁判所は、処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、申立てにより、決定をもって執行停止をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
当然に停止とするのは誤り

行政事件訴訟法第25条処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げないe-Gov原文

正しい
申立てにより執行停止が可能

行政事件訴訟法第25条重大な損害を避けるため緊急の必要があるときe-Gov原文

ひっかけ裁判所の執行停止は『申立て』が必要(職権ではない)。原則は不停止。

解説行政事件訴訟も執行不停止が原則(25条1項)。例外として、重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき、裁判所が申立てにより執行停止を決定できる(同2項)。ただし公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれや本案に理由がないとみえるときはできない(同4項)。職権ではなく『申立て』による点が審査請求と異なる。

補足内閣総理大臣の異議があれば、裁判所は執行停止できない(27条)。

10行政書士 行政救済② 義務付けの訴えと差止めの訴えの要件

行政事件訴訟法上の義務付けの訴え及び差止めの訴えに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 申請を前提としない義務付けの訴えは、一定の処分がされないことにより損害を生ずるおそれがあれば、その損害が重大でなく、かつ他に適当な方法がある場合でも提起することができる。
  • 差止めの訴えは、一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合に限り提起することができるが、その損害を避けるため他に適当な方法があるときは、この限りでない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
重大な損害と他に方法がないことが必要

行政事件訴訟法第37条の2一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができるe-Gov原文

正しい
重大な損害のおそれが要件・他に方法あれば不可

行政事件訴訟法第37条の4差止めの訴えは、一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合に限り、提起することができるe-Gov原文

ひっかけ義務付け・差止めの共通要件は『重大な損害のおそれ』。非申請型は補充性も必要。

解説平成16年改正で法定された義務付けの訴え(37条の2・37条の3)と差止めの訴え(37条の4)は、いずれも『重大な損害を生ずるおそれ』を要件とする。非申請型の義務付けと差止めは補充性(他に適当な方法がないこと)も要件で、濫用的な事前救済を絞る。

補足申請型の義務付けの訴えは、申請に対する不作為・拒否処分とセットで提起する(37条の3)。

11行政書士 行政救済② 仮の義務付けの要件と仮処分の排除

行政事件訴訟法上の仮の救済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮の義務付けは、義務付けの訴えの提起があった場合において、処分等がされないことにより生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときにすることができる。
  • 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法に規定する仮処分をすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
要件は重大な損害より厳しい償うことのできない損害

行政事件訴訟法第37条の5償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときe-Gov原文

正しい
行政処分に民事保全の仮処分は不可

行政事件訴訟法第44条行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができないe-Gov原文

ひっかけ仮の義務付け・差止めは『償うことのできない損害』(重大な損害より厳格)。

解説公権力の行使に当たる行為には民事保全法の仮処分ができず(44条)、仮の救済は行政事件訴訟法の執行停止・仮の義務付け・仮の差止めによる。仮の義務付け・仮の差止めの損害要件は『償うことのできない損害』(37条の5)で、執行停止や非申請型義務付けの『重大な損害』より厳格。要件の語の違いに注意。

補足仮の義務付け・仮の差止めは、本案について理由があるとみえるときに限られる点も執行停止と異なる。

12行政書士 行政救済② 取消訴訟等の提起に関する教示

行政事件訴訟法上の教示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分を口頭でする場合であっても、取消訴訟の被告とすべき者や出訴期間を書面で教示しなければならない。
  • 行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、その相手方に対し、取消訴訟の被告とすべき者及び出訴期間等を書面で教示しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
口頭の処分には教示義務がない

行政事件訴訟法第46条当該処分を口頭でする場合は、この限りでないe-Gov原文

正しい
書面処分には取消訴訟の教示義務がある

行政事件訴訟法第46条当該処分又は裁決の相手方に対し、次に掲げる事項を書面で教示しなければならないe-Gov原文

ひっかけ取消訴訟の教示は『書面処分が対象』、口頭処分には不要。

解説行政庁は、取消訴訟を提起できる処分・裁決をする場合、相手方に対し、被告とすべき者・出訴期間・審査請求前置の有無を書面で教示しなければならない(46条1項)。ただし処分を口頭でする場合は教示を要しない(同項ただし書)。行政不服審査法の教示(不服申立てに関する教示)とは別に、行政事件訴訟法にも取消訴訟等の教示制度がある。

補足裁決主義の定めがある場合や、形式的当事者訴訟ができる処分の場合にも、それぞれ書面教示義務がある(46条2項3項)。

13行政書士 行政救済② 裁量処分の審査と事情判決

行政事件訴訟法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 行政庁の裁量処分については、裁判所はその当不当を審査し、不当と認めれば自由にこれを取り消すことができる。
  • 取消訴訟において処分が違法である以上、公の利益への著しい障害の有無にかかわらず、裁判所は常に処分を取り消さなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
当不当で自由に取り消せるとするのは誤り

行政事件訴訟法第30条裁量権の範囲をこえ又はその濫用があつた場合に限りe-Gov原文

誤り
常に取り消すとするのは誤り

行政事件訴訟法第31条請求を棄却することができるe-Gov原文

ひっかけ裁量は『逸脱・濫用』のみ司法審査。違法でも『事情判決』で取り消さないことがある。

解説裁判所は裁量処分について、裁量権の逸脱・濫用がある場合に限り取り消せる(30条、当不当は審査対象外=司法審査の限界)。また、処分が違法でも取消しが公益に著しい障害を生じ公共の福祉に適合しないときは、請求を棄却できる(事情判決、31条)。この場合は判決主文で違法を宣言する。

補足事情判決をするときは、主文で処分が違法であることを宣言しなければならない。

14行政書士 行政救済② 取消訴訟と審査請求の関係(自由選択主義)

取消訴訟と審査請求の関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合には、常に裁決を経た後でなければ提起することができない。
  • 法律に審査請求の裁決を経るべき旨の定めがある場合、審査請求から3か月を経過しても裁決がないときであっても、裁決を経なければ取消訴訟を提起することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
常に裁決前置とするのは誤り

行政事件訴訟法第8条直ちに提起することを妨げないe-Gov原文

誤り
例外なく裁決必須とするのは誤り

行政事件訴訟法第8条三箇月を経過しても裁決がないときe-Gov原文

ひっかけ原則は自由選択。前置が定められても3か月ルール等の例外がある。

解説取消訴訟は、審査請求ができる場合でも原則として直ちに提起できる(自由選択主義、8条1項)。法律に審査請求前置の定めがある場合でも、3か月を経過しても裁決がないとき、緊急の必要があるとき、正当な理由があるときは、裁決を経ずに出訴できる(同2項)。

補足審査請求中は、裁判所が訴訟手続を中止できる(8条3項)。

15行政書士 行政救済② 取消判決の第三者効と拘束力

行政事件訴訟法上の取消判決の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 処分又は裁決を取り消す判決は、訴訟の当事者間においてのみ効力を有し、第三者に対しては効力を有しない。
  • 処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について処分又は裁決をした行政庁を拘束するが、その他の関係行政庁を拘束する効力はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
対世効により画一的な法律関係を確保

行政事件訴訟法第32条処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有するe-Gov原文

誤り
関係行政庁全体が判決の趣旨に拘束される

行政事件訴訟法第33条処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束するe-Gov原文

ひっかけ取消判決は『第三者にも効力』『関係行政庁を拘束』。当事者・処分庁限りではない。

解説取消判決には①第三者効(対世効・32条=当事者以外にも効力)と②拘束力(33条=処分庁その他の関係行政庁を拘束し、判決の趣旨に従った対応を義務づける)がある。行政不服審査法の裁決の拘束力(52条)と対をなす制度である。

補足申請拒否処分が取り消されたら、処分庁は判決の趣旨に従い改めて処分をする(33条2項)。

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