問1商人の定義(固有の商人と擬制商人)
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商法において「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう。
- イ.店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 4条1項の定義どおり → 正しい
商法第4条「「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう」e-Gov原文
- イ.正しい
- 4条2項の擬制商人 → 正しい
商法第4条「店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす」e-Gov原文
ひっかけ商人=固有(4条1項)+擬制(4条2項・店舗販売/鉱業)。
解説商法上の商人には、自己の名をもって商行為を業とする固有の商人(4条1項)と、店舗等による物品販売業者・鉱業経営者である擬制商人(4条2項)がある。商行為概念を前提とする点が特徴である。
補足会社は商行為をするか否かにかかわらず商人とされる(会社法上の会社)。 4条の2類型を押さえる。
問2商業登記の効力(対抗力と不実登記)
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商法第1編の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
- イ.故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 9条1項の消極的公示力 → 正しい
商法第9条「登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 9条2項の不実登記 → 正しい
商法第9条「故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない」e-Gov原文
ひっかけ登記前は対抗不可(9条1項)。不実登記は善意者に対抗不可(9条2項)。
解説商業登記は、登記前は善意の第三者に対抗できず(9条1項=消極的公示力)、登記後は原則対抗できる。故意・過失による不実登記は、その不実を善意の第三者に対抗できない(9条2項=外観保護)。
補足会社の登記事項にも会社法908条に同旨の規定がある。 消極的公示力と不実登記をセットで。
問3商号の選定と商号の譲渡
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.会社及び外国会社を除く商人は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。
- イ.商人の商号は、営業を継続しながらであっても、営業から分離して自由に譲渡することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 11条1項の商号自由 → 正しい
商法第11条「その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 15条1項は限定 → 自由譲渡は誤り
商法第15条「商人の商号は、営業とともにする場合又は営業を廃止する場合に限り、譲渡することができる」e-Gov原文
ひっかけ商号選定は自由(11条1項)。譲渡は営業とともに/廃止時に限る(15条1項)。
解説商人は氏・氏名その他の名称を商号として自由に選定できる(11条1項)。ただし商号の譲渡は、営業とともにする場合又は営業を廃止する場合に限られ(15条1項)、登記をしなければ第三者に対抗できない(15条2項)。
補足商号の譲渡は登記が対抗要件(15条2項)。 選定の自由と譲渡の制限を区別する。
問4名板貸人の責任と営業譲渡人の競業の禁止
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が営業を行うものと誤認して取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。
- イ.営業を譲渡した商人は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村及び隣接する市町村の区域内においては、その営業を譲渡した日から20年間は、同一の営業を行ってはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 14条の外観責任 → 正しい
商法第14条「当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 16条1項の競業禁止 → 正しい
商法第16条「その営業を譲渡した日から二十年間は、同一の営業を行ってはならない」e-Gov原文
ひっかけ名板貸人は連帯弁済責任(14条)。営業譲渡人は原則20年(特約30年)の競業避止(16条)。
解説名板貸人は、名板借人と連帯して取引債務を弁済する責任を負う(14条=禁反言・外観法理)。営業譲渡人は、別段の意思表示がない限り、同一・隣接市町村内で20年間の競業避止義務を負い、特約による場合は30年が上限である(16条)。
補足競業避止の期間は、特約なしで20年、特約ありでも30年が上限(16条1項・2項)。 期間を押さえる。
問5支配人の代理権と競業の禁止
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
- イ.支配人は、商人の許可を受けなければ、自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 21条1項の包括的代理権 → 正しい
商法第21条「支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 23条1項の競業避止 → 正しい
商法第23条「支配人は、商人の許可を受けなければ」e-Gov原文
商法第23条「自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること」e-Gov原文
ひっかけ支配人は包括的代理権(21条)を持つが、競業避止義務も負う(23条)。
解説支配人は、営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする包括的代理権を有し(21条1項)、その制限は善意の第三者に対抗できない(21条3項)。一方、支配人は商人の許可なく自ら営業を行い、又は競業取引をすること等が禁止される(23条1項)。
補足支配人の代理権の制限は善意の第三者に対抗できない(21条3項)。 権限と義務をセットで。
問6特定事項の委任を受けた使用人と代理商の通知義務
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人の営業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。
- イ.代理商は、取引の代理又は媒介をしたときであっても、商人に対してその旨の通知を発する義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 25条1項どおり → 正しい
商法第25条「ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 27条は通知義務 → 負わないは誤り
商法第27条「遅滞なく、商人に対して、その旨の通知を発しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ特定事項委任の使用人は裁判外行為の権限(25条)。代理商は取引後の通知義務(27条)。
解説ある種類・特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する(25条1項)。代理商は、取引の代理・媒介をしたときは遅滞なく商人に通知する義務を負う(27条)。
補足支配人(21条)は裁判上の行為もできるが、特定事項委任の使用人(25条)は裁判外に限られる。 権限範囲の差を押さえる。
問7絶対的商行為と営業的商行為
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.利益を得て譲渡する意思をもってする動産、不動産若しくは有価証券の有償取得は、営業として反復継続して行われる場合に限り、商行為となる。
- イ.賃貸する意思をもってする動産若しくは不動産の有償取得又はその取得したものの賃貸を目的とする行為は、営業としてするときは、商行為となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 501条は絶対的商行為 → 営業性必要は誤り
商法第501条「利益を得て譲渡する意思をもってする動産、不動産若しくは有価証券の有償取得又はその取得したものの譲渡を目的とする行為」e-Gov原文
- イ.正しい
- 502条は営業的商行為 → 正しい
商法第502条「賃貸する意思をもってする動産若しくは不動産の有償取得若しくは賃借又はその取得し若しくは賃借したものの賃貸を目的とする行為」e-Gov原文
商法第502条「営業としてするときは、商行為とする」e-Gov原文
ひっかけ絶対的商行為(501条)は営業性不要。営業的商行為(502条)は営業としてするとき。
解説絶対的商行為(501条)は、営業性を問わず一回の行為でも商行為となる(投機購買・投機売却・取引所取引・商業証券に関する行為)。営業的商行為(502条)は、営業として反復継続してするときに商行為となる(賃貸・製造加工・運送・保険等)。
補足附属的商行為(503条)は商人が営業のためにする行為であり、商人の行為は営業のためと推定される。 3類型を区別する。
問8附属的商行為と商行為の代理
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人がその営業のためにする行為は商行為となり、商人の行為は、その営業のためにするものと推定される。
- イ.商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合には、その行為は、常に代理人自身に対してのみ効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 503条どおり → 正しい
商法第503条「商人がその営業のためにする行為は、商行為とする」e-Gov原文
商法第503条「商人の行為は、その営業のためにするものと推定する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 504条は非顕名主義 → 代理人のみは誤り
商法第504条「本人のためにすることを示さないでこれをした場合であっても、その行為は、本人に対してその効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ附属的商行為は営業目的と推定(503条)。商行為の代理は非顕名でも本人に効力(504条)。
解説商人が営業のためにする行為は附属的商行為であり、商人の行為は営業のためと推定される(503条)。商行為の代理は、本人のためにすることを示さなくても本人に効力を生ずる(504条=非顕名主義。民法の顕名主義の例外)。
補足民法99条の顕名主義に対し、商行為では取引の迅速性から非顕名でも本人に効果が帰属する(504条)。 民商の違いを押さえる。
問9商行為の委任と代理権の消滅事由の特例
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲内であっても、委任を受けていない行為をすることはできない。
- イ.商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては、消滅しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 505条は委任外行為可 → できないは誤り
商法第505条「委任の本旨に反しない範囲内において、委任を受けていない行為をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 506条の特例 → 正しい
商法第506条「商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては、消滅しない」e-Gov原文
ひっかけ受任者は本旨内で委任外行為可(505条)。商行為の委任代理権は本人死亡でも存続(506条)。
解説商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲で委任外の行為ができる(505条)。商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては消滅しない(506条=民法111条1項の特例)。
補足民法111条では本人の死亡で代理権が消滅するが、商行為の委任では取引の継続性から存続する(506条)。 特例を押さえる。
問10契約の申込みを受けた者の諾否通知義務と物品保管義務
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく諾否の通知を発しなければならず、これを怠ったときは、その申込みを承諾したものとみなされる。
- イ.商人がその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合、その申込みを拒絶したときは、申込みとともに受け取った物品を保管する義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 509条どおり → 正しい
商法第509条「遅滞なく、契約の申込みに対する諾否の通知を発しなければならない」e-Gov原文
商法第509条「同項の契約の申込みを承諾したものとみなす」e-Gov原文
- イ.誤り
- 510条は保管義務 → 負わないは誤り
商法第510条「その申込みを拒絶したときであっても、申込者の費用をもってその物品を保管しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ平常取引者の申込みは諾否通知義務(509条・懈怠で承諾みなし)。受領物品は拒絶しても保管義務(510条)。
解説商人が平常取引者から営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく諾否を通知しなければならず、怠れば承諾したものとみなされる(509条)。申込みとともに受け取った物品は、拒絶した場合でも申込者の費用で保管しなければならない(510条)。
補足民法では申込みへの沈黙は承諾とならないが、商人間の平常取引では諾否通知義務がある(509条)。 民商の違いを押さえる。
問11多数当事者間の債務の連帯と商人間の留置権
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人の者がその一人又は全員のために商行為となる行為によって債務を負担したときは、各自は、その負担部分についてのみ分割して債務を負う。
- イ.商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、一定の物又は有価証券を留置することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 511条1項は連帯債務 → 分割は誤り
商法第511条「数人の者がその一人又は全員のために商行為となる行為によって債務を負担したときは、その債務は、各自が連帯して負担する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 521条の商事留置権 → 正しい
商法第521条「商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで」e-Gov原文
ひっかけ商行為の多数債務は連帯(511条1項)。商人間の双方的商行為に商事留置権(521条)。
解説商行為となる行為による多数当事者の債務は、各自が連帯して負担する(511条1項=民法の分割債務原則の例外)。商人間の双方的商行為により生じた弁済期の債権については、被担保債権と目的物の牽連性を要しない商事留置権が認められる(521条)。
補足民法427条の分割債務原則に対し、商行為では連帯が原則となる(511条)。 民商の違いを押さえる。
問12商人の報酬請求権と利息請求権
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときであっても、報酬の特約がなければ、報酬を請求することはできない。
- イ.商人間において金銭の消費貸借をしたときは、貸主は、法定利息を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 512条は報酬請求権 → 特約必要は誤り
商法第512条「商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 513条1項の利息請求権 → 正しい
商法第513条「商人間において金銭の消費貸借をしたときは、貸主は、法定利息を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ商人の営業行為は特約なしで報酬請求可(512条)。商人間の貸金は法定利息請求可(513条)。
解説商人は、営業の範囲内で他人のために行為をしたときは、特約がなくても相当な報酬を請求できる(512条)。商人間の金銭消費貸借では、貸主は特約がなくても法定利息を請求できる(513条1項)。営業行為の有償性が前提となる。
補足民法では委任・消費貸借は原則無償だが、商行為では有償が原則となる(512条・513条)。 民商の違いを押さえる。
問13隔地者間における契約の申込みと定期売買の解除
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人である隔地者の間において承諾の期間を定めないで契約の申込みを受けた者が相当の期間内に承諾の通知を発しなかったときであっても、その申込みは、なお効力を有する。
- イ.商人間の定期売買において、当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは、相手方が直ちに履行を請求しなくても、契約はなお存続する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 508条1項は失効 → なお有効は誤り
商法第508条「相当の期間内に承諾の通知を発しなかったときは、その申込みは、その効力を失う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 525条は解除みなし → 存続は誤り
商法第525条「相手方は、直ちにその履行の請求をした場合を除き、契約の解除をしたものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ承諾期間なき申込みは相当期間で失効(508条)。定期売買の履行遅滞は解除みなし(525条)。
解説商人間の隔地者間で承諾期間を定めない申込みは、相当期間内に承諾がなければ効力を失う(508条1項)。商人間の定期売買では、履行時期を徒過すると、相手方が直ちに履行請求しない限り契約は解除されたものとみなされる(525条)。
補足定期売買(525条)は、履行遅滞につき催告なしで当然に解除効が生じる点で民法の解除と異なる。 商人間取引の迅速処理を押さえる。
問14商人間の売買における買主の検査及び通知義務
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときであっても、これを検査する義務を負わない。
- イ.商人間の売買において、買主は、検査により目的物の契約不適合を発見しても、売主に通知することなく、いつでも損害賠償や契約の解除を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 526条1項は検査義務 → 負わないは誤り
商法第526条「買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 526条2項は通知が要件 → 通知不要は誤り
商法第526条「直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ商人間売買は受領後の検査義務(526条1項)+不適合の直ちの通知が権利行使の要件(526条2項)。
解説商人間の売買では、買主は目的物受領後遅滞なく検査する義務を負い(526条1項)、契約不適合を発見したときは直ちに通知しなければ追完・減額・損害賠償・解除を請求できない(526条2項)。直ちに発見できない不適合も6箇月以内に発見すれば同様である。
補足買主の検査・通知義務(526条)は、売主が悪意の場合には適用されない(526条3項)。 民法の契約不適合責任より買主の負担が重い点を押さえる。
問15商業帳簿の保存と小商人への適用除外
商法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人は、帳簿閉鎖の時から5年間、その商業帳簿及びその営業に関する重要な資料を保存しなければならない。
- イ.小商人についても、未成年者登記や商業帳簿など、商法の商人に関する規定はすべてそのまま適用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 19条3項は10年 → 5年は誤り
商法第19条「帳簿閉鎖の時から十年間、その商業帳簿及びその営業に関する重要な資料を保存しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 7条は適用除外あり → すべて適用は誤り
商法第7条「第五条、前条、次章、第十一条第二項、第十五条第二項、第十七条第二項前段、第五章及び第二十二条の規定は、小商人」e-Gov原文
商法第7条「については、適用しない」e-Gov原文
ひっかけ商業帳簿の保存は10年(19条3項)。小商人には一部規定が不適用(7条)。
解説商人は、帳簿閉鎖の時から10年間、商業帳簿及び営業に関する重要な資料を保存しなければならない(19条3項)。小商人には、未成年者登記・後見人登記・商業登記・商号登記・商業帳簿等の規定が適用されない(7条)。
補足小商人は、法務省令で定める営業用財産の価額が一定額以下の商人であり、登記・帳簿等の負担が軽減される(7条)。 保存期間10年と小商人の適用除外を押さえる。