問1司法書士 刑法② 緊急避難
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.現在の危難を避けるためにやむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
- イ.緊急避難の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 法益権衡が要件
刑法第37条「これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り」e-Gov原文
- イ.正しい
- 特別義務者には不適用
刑法第37条「業務上特別の義務がある者には、適用しない」e-Gov原文
ひっかけ緊急避難は『法益権衡』が必要。正当防衛(不正対正)と異なり正対正の関係。
解説緊急避難は、生命・身体・自由・財産に対する現在の危難を避けるためのやむを得ない行為で、生じた害が避けようとした害を超えない場合に限り罰しない(法益権衡、37条1項)。程度を超えた過剰避難は任意的に減免される。業務上特別の義務がある者(警察官等)には適用されない(同2項)。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。正当防衛は『急迫不正の侵害』への反撃、緊急避難は『現在の危難』からの避難で、第三者に害が及ぶ点が異なる。
問2司法書士 刑法② 間接教唆と共同正犯
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.教唆者を教唆した者(間接教唆)についても、教唆犯と同様に正犯の刑を科する。
- イ.2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 間接教唆も処罰される
刑法第61条「教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする」e-Gov原文
ひっかけ間接教唆も処罰される。教唆の教唆まで広がる点に注意。
解説教唆者を教唆した間接教唆も、教唆犯と同様に正犯の刑を科される(61条2項)。共同正犯は共同実行者をすべて正犯とする(60条)。共犯には、共同正犯・教唆犯・幇助犯(従犯)があり、それぞれ成立要件と処断が異なる。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。幇助者を教唆した者は従犯の刑、従犯を幇助した場合の扱いなど、組み合わせを整理する。
問3司法書士 刑法② 窃盗罪と強盗罪の構成要件
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪となる。
- イ.暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 占有者の意思に反する財物の占有移転
刑法第235条「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし」e-Gov原文
- イ.正しい
- 反抗を抑圧する暴行・脅迫が手段
刑法第236条「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし」e-Gov原文
ひっかけ窃盗は『窃取』、強盗は『暴行・脅迫+強取』。手段で区別。
解説窃盗罪(235条)は他人の財物を窃取する罪で、強盗罪(236条)は反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫を手段として財物を強取する罪。両者は手段(暴行・脅迫の有無)で区別される。財産犯の基本類型として重要。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。暴行・脅迫が財物奪取の手段でなければ、暴行罪等と窃盗罪の併合となりうる。
問4司法書士 刑法② 住居侵入罪と不退去罪
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入した者は、住居侵入等の罪となる。
- イ.要求を受けたにもかかわらず、人の住居等から退去しなかった者も、処罰される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 正当な理由のない侵入が処罰される
刑法第130条「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し」e-Gov原文
- イ.正しい
- 退去要求を無視する不作為も処罰
刑法第130条「要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は」e-Gov原文
ひっかけ130条は『侵入(作為)』と『不退去(不作為)』の両方を処罰。
解説住居侵入等の罪(130条)は、①正当な理由なく住居・邸宅・建造物・艦船に侵入する住居侵入罪(前段)と、②退去の要求を受けたのに退去しない不退去罪(後段)からなる。不退去罪は不作為による犯罪の典型例。住居等の事実上の平穏・管理権を保護する。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。侵入が認められれば、その後退去しなくても不退去罪は別個には成立しない(住居侵入罪に吸収)。
問5司法書士 刑法② 正当防衛と過剰防衛
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
- イ.防衛の程度を超えた行為(過剰防衛)は、必ずその刑が免除される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 正当防衛は違法性阻却
刑法第36条「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため」e-Gov原文
- イ.誤り
- 「必ず免除」は誤り(任意的減免)
刑法第36条「情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる」e-Gov原文
ひっかけ過剰防衛は『任意的』減免。中止犯の必要的減免と区別する。
解説正当防衛は、急迫不正の侵害に対し、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為で、違法性が阻却され罰しない(36条1項)。防衛の程度を超えた過剰防衛は、情状により刑を減軽又は免除できる(任意的減免、同2項)。中止犯(必要的減免)と任意・必要の別を対比する。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。『急迫不正の侵害』が要件。過去の侵害や将来の侵害には正当防衛は成立しない。
問6司法書士 刑法② 未遂犯と中止犯
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者(未遂犯)は、その刑を減軽することができる。
- イ.自己の意思により犯罪を中止した場合(中止犯)であっても、その刑を減軽することができるにとどまり、免除されることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 免除されないとするのは誤り
刑法第43条「自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する」e-Gov原文
ひっかけ未遂犯は『任意的減軽』、中止犯は『必要的減免』。扱いが異なる。
解説犯罪の実行に着手して結果を生じなかった未遂犯は、刑を減軽することができる(任意的減軽、43条本文)。これに対し、自己の意思により犯罪を中止した中止犯は、刑を必ず減軽又は免除する(必要的減免、同ただし書)。中止犯は未遂犯の一種だが、自発的中止により有利に扱われる。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。中止犯には『自己の意思により』(任意性)と『中止した』(中止行為)が必要。
問7司法書士 刑法② 詐欺罪における財物と財産上の利益
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.人を欺いて財物を交付させた者は、詐欺の罪となる。
- イ.人を欺いて財産上不法の利益を得る行為(いわゆる利益詐欺)は、詐欺罪として処罰されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 欺罔により財物を交付させる
刑法第246条「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 財産上の利益を得る詐欺も処罰される
刑法第246条「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」e-Gov原文
ひっかけ詐欺は『財物(1項)』も『財産上の利益(2項)』も処罰。
解説詐欺罪は、財物を交付させる1項詐欺(246条1項)と、財産上不法の利益を得る2項詐欺(同2項)からなる。欺罔行為→相手方の錯誤→錯誤に基づく交付(処分行為)という因果関係が必要。窃盗・強盗と同様、財物に対する罪と利益に対する罪の両方を処罰する。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。電子計算機使用詐欺罪(246条の2)は、人を欺かずに情報処理を不正に行う類型。
問8司法書士 刑法② 公文書偽造罪と行使の目的
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行使の目的で、公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書を偽造した者は、公文書偽造の罪となる。
- イ.公文書偽造罪は、行使の目的がない場合であっても成立する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 行使の目的をもって公文書を偽造する罪
刑法第155条「行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は」e-Gov原文
- イ.誤り
- 行使の目的がなければ成立しない
刑法第155条「行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する」e-Gov原文
ひっかけ文書偽造罪は『行使の目的』が必要な目的犯。
解説公文書偽造罪(155条)は、行使の目的で公務所・公務員の作成すべき文書を偽造する罪(有印は1年以上10年以下の拘禁刑)。文書偽造罪は『行使の目的』を要する目的犯である。文書に対する公共の信用を保護する。私文書偽造罪(159条)も同様に行使の目的を要する。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。偽造文書を実際に使うと、別途偽造公文書行使罪(158条)が成立する。
問9司法書士 刑法② 故意と違法性の意識
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法律を知らなかったときは、そのことによって、罪を犯す意思がなかったものとされる。
- イ.罪を犯す意思がない行為は、原則として罰しないが、法律に特別の規定がある場合はこの限りでない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 故意がなかったとされるとするのは誤り
刑法第38条「罪を犯す意思がなかったとすることはできない」e-Gov原文
ひっかけ『法律を知らなかった』は故意を否定しない。事実の錯誤とは扱いが異なる。
解説刑法は故意犯処罰が原則で、罪を犯す意思(故意)のない行為は、過失犯処罰規定等の特別の規定がない限り罰しない(38条1項)。法律の不知(違法性の意識の欠如)は故意を阻却しないが、情状により刑を減軽できる(同3項)。事実の錯誤と法律の錯誤の区別が重要。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。重い罪に当たる事実を知らなかった者は、その重い罪では処断できない(38条2項、事実の錯誤)。
問10司法書士 刑法② 共同正犯と教唆犯
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.2人以上共同して犯罪を実行した者であっても、現実に実行行為を分担した者だけが正犯となる。
- イ.人を教唆して犯罪を実行させた者(教唆犯)には、正犯の刑を科する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 実行分担者だけとするのは誤り
刑法第60条「二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 教唆は正犯と同じ法定刑
刑法第61条「人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する」e-Gov原文
ひっかけ共同正犯は『一部実行全部責任』。共謀共同正犯も判例上認められる。
解説共同正犯は、2人以上が共同して犯罪を実行した場合に、各人がすべて正犯として全部の責任を負う(60条、一部実行全部責任)。教唆犯は、人をそそのかして犯罪を実行させた者で、正犯の刑を科される(61条)。共同正犯・教唆犯・幇助犯の区別と処断が頻出。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。教唆犯・幇助犯が成立するには、正犯が実行に着手していることが必要(共犯従属性)。
問11司法書士 刑法② 横領罪と遺失物等横領罪
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.自己の占有する他人の物を横領する行為と、占有を離れた他人の物を横領する行為は、いずれも同一の罪として同一の法定刑で処罰される。
- イ.自己の占有する他人の物を横領した者は、横領の罪となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 占有を離れた物の横領は別罪で軽い
刑法第254条「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は」e-Gov原文
- イ.正しい
- 委託された他人の物の領得
刑法第252条「自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する」e-Gov原文
ひっかけ横領(委託物・5年)と遺失物等横領(占有離脱物・1年)は別罪。
解説横領罪(252条)は、委託信任関係に基づき自己が占有する他人の物を領得する罪(5年以下の拘禁刑)。遺失物等横領罪(254条)は、委託関係なく占有を離れた他人の物(落とし物等)を領得する罪で、法定刑が軽い(1年以下の拘禁刑等)。占有が委託に基づくか否かで区別される。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。業務上横領罪(253条)は、業務上占有する物の横領で、より重く処罰される。
問12司法書士 刑法② 強盗罪と詐欺罪における財産上の利益
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.強盗罪は、他人の財物を強取した場合にのみ成立し、暴行・脅迫を用いて財産上不法の利益を得る行為は、強盗罪としては処罰されない。
- イ.人を欺いて財産上不法の利益を得た者も、財物を交付させた場合と同様に詐欺の罪として処罰される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 利益強盗も強盗罪として処罰される
刑法第236条「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 利益詐欺も詐欺罪として処罰される
刑法第246条「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」e-Gov原文
ひっかけ強盗・詐欺・恐喝はいずれも『2項(財産上の利益)』も処罰。
解説強盗罪・詐欺罪・恐喝罪はいずれも、財物を対象とする1項の罪と、財産上不法の利益を対象とする2項の罪(利益強盗・利益詐欺・利益恐喝)を定める。財物の移転だけでなく、債務免除や役務提供等の利益の移転も処罰の対象となる。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。窃盗罪には2項(利益窃盗)の規定がなく、利益窃盗は不可罰とされる。
問13司法書士 刑法② 責任年齢と事実の錯誤
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.16歳に満たない者の行為は、罰しない。
- イ.重い罪に当たるべき行為をしたが、行為の時にその重い罪に当たる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- イ.誤り
- 重い罪で処断されるとするのは誤り
刑法第38条「その重い罪によって処断することはできない」e-Gov原文
ひっかけ刑事責任年齢は『14歳』。少年法の適用年齢(20歳未満)とは別。
解説14歳に満たない者の行為は責任能力がなく罰しない(41条)。行為時に重い罪に当たる事実を知らなかった者は、その重い罪で処断できない(38条2項、抽象的事実の錯誤)。責任年齢(刑事未成年)と少年法の適用年齢は別概念である点に注意。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。心神喪失者の行為は罰せず、心神耗弱者の行為は刑を減軽する(39条)。
問14司法書士 刑法② 幇助犯
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.正犯を幇助した者(従犯)には、正犯と同じ刑を科する。
- イ.従犯を教唆した者には、正犯の刑を科する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
ひっかけ幇助犯(従犯)は『減軽』、教唆犯は『正犯の刑』。共犯で処断が異なる。
解説正犯を幇助した者は従犯となり(62条1項)、その刑は正犯の刑を減軽したものとなる(63条)。教唆犯が『正犯の刑』を科されるのと異なる。従犯を教唆した者には従犯の刑を科する(62条2項)。共犯の中で処断の軽重を整理する(教唆=正犯の刑、幇助=減軽)。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。幇助は、正犯の実行を物理的・精神的に容易にする行為をいう。
問15司法書士 刑法② 背任罪の成立要件
司法書士試験の刑法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.背任罪は、他人のためにその事務を処理する者が、専ら本人の利益を図る目的でその任務に背く行為をした場合に成立する。
- イ.背任罪が成立するためには、任務に背く行為があれば足り、本人に財産上の損害を加えたことは必要でない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 本人の利益を図る目的では背任にならない
刑法第247条「自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし」e-Gov原文
ひっかけ背任は『図利加害目的』+『任務違背』+『財産上の損害』が要件。
解説背任罪(247条)は、他人のために事務を処理する者が、①図利加害目的(自己・第三者の利益を図り、又は本人に損害を加える目的)で、②その任務に背く行為をし、③本人に財産上の損害を加えたときに成立する。本人の利益を図る目的しかない場合や損害がない場合は成立しない。
補足刑法は、総論(違法性・責任・未遂・共犯)と各論(財産犯・文書罪・住居侵入等)を、構成要件、主観要件、法定刑の違いに分けて確認する。会社役員等の特別背任罪(会社法960条)は、より重く処罰される。