問1司法書士 民訴② 口頭弁論と既判力の客観的範囲
民事訴訟法上の口頭弁論及び既判力の客観的範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者は、訴訟について、裁判所において口頭弁論をしなければならないが、決定で完結すべき事件については、裁判所が口頭弁論をすべきか否かを定める。
- イ.確定判決は、その主文に包含するものに限り、既判力を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 原則は必要的口頭弁論
民事訴訟法第87条「裁判所において口頭弁論をしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 理由中の判断には原則生じない
民事訴訟法第114条「主文に包含するものに限り、既判力を有する」e-Gov原文
ひっかけ既判力は『主文』に生じる。判決理由中の判断には原則及ばない。
解説判決をするには口頭弁論を経るのが原則(必要的口頭弁論、87条1項本文)。決定で完結する事件は口頭弁論を開くかどうかを裁判所が定める(任意的口頭弁論)。既判力は判決主文の判断(訴訟物)にのみ生じるのが原則で、判決理由中の判断には及ばない(114条1項)。
補足例外として、相殺の抗弁の判断には既判力が生じる(114条2項)。
問2司法書士 民訴② 補助参加と自白の擬制
民事訴訟法上の補助参加及び自白の擬制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。
- イ.当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、原則として、その事実を自白したものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 利害関係ある第三者が補助参加できる
民事訴訟法第42条「訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 明示的に争わなければ自白擬制
民事訴訟法第159条「相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ補助参加は『利害関係ある第三者』。争わない事実は『自白擬制』。
解説補助参加(42条)は、訴訟の結果に利害関係を有する第三者が一方当事者を補助する制度。擬制自白(159条)は、相手方の主張した事実を争うことを明らかにしないとき、その事実を自白したものとみなす制度で、弁論主義の現れ。ただし弁論の全趣旨で争ったと認められるときは別。
補足相手方の主張を知らない旨の陳述は、その事実を争ったものと推定される(159条2項)。
問3司法書士 民訴② 管轄の合意と応訴管轄
民事訴訟法上の合意管轄及び応訴管轄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者は、第一審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。
- イ.被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 管轄の合意は第一審についてのみ
民事訴訟法第11条「当事者は、第一審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 本案について弁論すると管轄が生じる
民事訴訟法第12条「被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する」e-Gov原文
ひっかけ合意管轄は『第一審のみ』、応訴管轄は『本案弁論で発生』。
解説管轄には、当事者が第一審に限り合意で定める合意管轄(11条)と、被告が管轄違いの抗弁を述べずに本案について弁論等をしたことで生ずる応訴管轄(12条)がある。いずれも当事者の意思や態度により管轄が生ずるもので、専属管轄が定められている場合には認められない。
補足専属管轄の定めがある事件では、合意管轄・応訴管轄は認められない。
問4司法書士 民訴② 文書提出義務
民事訴訟法上の文書提出義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するときは、その文書の所持者は、その提出を拒むことができない。
- イ.文書提出義務は、引用文書など特定の類型のほか、一定の除外事由に該当しない文書についても一般的に認められる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 引用文書は提出義務の対象
民事訴訟法第220条「文書の所持者は、その提出を拒むことができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 文書提出義務は一般義務化されている
民事訴訟法第220条「前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき」e-Gov原文
ひっかけ文書提出義務は引用文書等のほか、除外事由に当たらない文書も一般的に対象。
解説文書提出義務は、当事者が引用した文書を自ら所持するとき、引渡し・閲覧請求権があるとき、利益文書・法律関係文書であるときのほか、これら以外でも除外事由(自己利用文書・公務秘密文書等)に該当しない限り、一般的に認められる(220条。一般義務化)。所持者はこれらの場合に提出を拒むことができない。
補足除外事由には、自己利用文書(専ら所持者の利用に供する文書)、公務員の職務上の秘密に関する文書、証言拒絶権の対象事項が記載された文書などがある。
問5司法書士 民訴② 既判力の主観的範囲
民事訴訟法上の確定判決の効力が及ぶ者の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.確定判決は、当事者のほか、口頭弁論終結後の承継人に対してもその効力を有する。
- イ.確定判決の効力は、いかなる場合も当事者にのみ及び、第三者に及ぶことはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
ひっかけ既判力は当事者だけではない。承継人・目的物所持者にも及ぶ。
解説確定判決の効力(既判力)は、原則として当事者間に及ぶ(相対効)が、当事者が他人のために原告・被告となった場合のその他人、口頭弁論終結後の承継人、これらの者のために請求の目的物を所持する者にも及ぶ(115条)。承継人の範囲・善意の第三者の扱いが論点。
補足口頭弁論終結『前』の承継人には既判力は及ばず、訴訟引受け等で処理する。
問6司法書士 民訴② 反訴と訴えの取下げの同意
民事訴訟法上の反訴及び訴えの取下げに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。
- イ.訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出した後であっても、相手方の同意を得ることなくその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 関連請求につき口頭弁論終結まで反訴できる
民事訴訟法第146条「本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 相手方が応訴した後は同意がなければ取下げ無効
民事訴訟法第261条「相手方の同意を得なければ、その効力を生じない」e-Gov原文
ひっかけ応訴後の取下げは『相手方の同意』が必要。反訴は『関連請求・口頭弁論終結まで』。
解説反訴(146条)は、被告が本訴と関連する請求について同じ手続で提起する訴え。訴えの取下げ(261条)は、相手方が本案について準備書面を提出・口頭弁論等をした後は、相手方の同意がなければ効力を生じない(被告の応訴の利益を保護)。それ以前なら被告の同意は不要。
補足訴えの取下げは判決が確定するまで可能で、取り下げると訴訟は初めから係属しなかったものとみなされる。
問7司法書士 民訴② 管轄の合意の方式と当事者能力等の原則
民事訴訟法上の合意管轄及び当事者能力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管轄の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。
- イ.当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、すべて民事訴訟法の定めのみに従い、民法その他の法令によることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 書面によらない管轄の合意は無効
民事訴訟法第11条「一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 当事者能力等は民法等によって定まる
民事訴訟法第28条「民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令に従う」e-Gov原文
ひっかけ管轄の合意は『書面が必要』、当事者能力等は『原則民法等に従う』。
解説管轄の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、書面(又は電磁的記録)でしなければ効力を生じない(11条2項)。当事者能力(当事者となりうる一般的資格)・訴訟能力・訴訟無能力者の法定代理は、民事訴訟法に特別の定めがある場合を除き、民法その他の法令に従う(28条、能力借用)。
補足法人でない社団・財団でも、代表者・管理人の定めがあれば当事者能力が認められる(29条)。
問8司法書士 民訴② 簡易裁判所における訴訟代理人と釈明権
民事訴訟法上の訴訟代理人及び釈明権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
- イ.訴訟関係を明瞭にするため当事者に問いを発し、又は立証を促すことができるのは陪席裁判官に限られ、裁判長はこれをすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 簡裁は許可代理が認められる
民事訴訟法第54条「簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 釈明権の主体は裁判長
民事訴訟法第149条「裁判長は、口頭弁論の期日又は期日外において、訴訟関係を明瞭にするため、事実上及び法律上の事項に関し、当事者に対して問いを発し、又は立証を促すことができる」e-Gov原文
ひっかけ簡裁は『許可代理可』、釈明権の主体は『裁判長』。
解説訴訟代理人は原則として弁護士に限られるが、簡易裁判所では裁判所の許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人とできる(54条1項)。釈明権は、訴訟関係を明瞭にするため当事者に問いを発し立証を促す権能で、裁判長が行使し、陪席裁判官は裁判長に告げて行う(149条)。当事者も裁判長に発問を求められる(求問権)。
補足当事者は、裁判長に対して必要な発問を求めることができる(149条3項、求問権)。
問9司法書士 民訴② 処分権主義と法人の普通裁判籍
民事訴訟法上の処分権主義及び法人の普通裁判籍に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判所は、当事者が申し立てていない事項についても、必要と認めるときは判決をすることができる。
- イ.法人の普通裁判籍は、その主たる事務所又は営業所により定まる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 申立て外の判決ができるとするのは誤り
民事訴訟法第246条「当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ裁判所は『申し立てられた範囲』でしか判断できない(処分権主義)。
解説処分権主義により、裁判所は当事者が申し立てていない事項について判決できず、申立ての範囲を超える救済も与えられない(246条)。訴訟の開始・対象・終了は当事者の意思に委ねられる。法人の普通裁判籍は主たる事務所又は営業所による(4条4項)。
補足弁論主義(事実・証拠は当事者の責任)とあわせて当事者主義を構成する。
問10司法書士 民訴② 訴えの変更と証明することを要しない事実
民事訴訟法上の訴えの変更及び証明することを要しない事実に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.原告は、請求の基礎に変更がある場合であっても、口頭弁論の終結に至るまでは、請求又は請求の原因を変更することができる。
- イ.裁判所において当事者が自白した事実及び裁判所に顕著な事実は、証明することを要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 請求の基礎の同一性が要件
民事訴訟法第143条「請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 自白・顕著な事実は不要証事実
民事訴訟法第179条「当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない」e-Gov原文
ひっかけ訴えの変更は『請求の基礎に変更がない限り』。自白・顕著な事実は不要証。
解説訴えの変更(143条)は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論終結までできる(相手方の防御の利益を保護)。証明することを要しない事実(179条)は、当事者間に争いのない『自白した事実』と、公知の事実や裁判所が職務上知る『顕著な事実』で、弁論主義・経済性の現れ。
補足請求の変更は書面でしなければならず、相手方に送達する(143条2項・3項)。
問11司法書士 民訴② 未成年者の訴訟能力と訴訟代理人の資格
民事訴訟法上の訴訟能力及び訴訟代理人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.未成年者及び成年被後見人は、いかなる場合であっても、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。
- イ.法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 営業許可等を受けた未成年者は例外
民事訴訟法第31条「未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 原則として弁護士のみが訴訟代理人になれる
民事訴訟法第54条「弁護士でなければ訴訟代理人となることができない」e-Gov原文
ひっかけ未成年者も『独立して法律行為できる範囲』は自ら訴訟可、代理人は『原則弁護士』。
解説未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ訴訟行為をすることができないが、未成年者が営業の許可を受ける等独立して法律行為をすることができる場合は、その範囲で自ら訴訟行為ができる(31条)。訴訟代理人は、支配人等の法令上の代理人を除き、原則として弁護士でなければならない(54条、弁護士代理の原則。簡裁では許可代理あり)。
補足簡易裁判所では、裁判所の許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人とできる(54条1項ただし書)。
問12司法書士 民訴② 職権送達の原則と公示送達の職権
民事訴訟法上の送達に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.送達は、特別の定めがある場合を除き、当事者の申立てによってする。
- イ.同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 送達は職権送達が原則
民事訴訟法第98条「送達は、特別の定めがある場合を除き、職権でする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 2回目以降の公示送達は申立て不要
民事訴訟法第110条「同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする」e-Gov原文
ひっかけ送達は『職権が原則』、二回目以降の公示送達は『職権』。
解説送達は、特別の定めがある場合を除き職権でし、その事務は裁判所書記官が取り扱う(98条、職権送達の原則)。公示送達は、送達すべき場所が知れない等の場合に申立てにより裁判所書記官がするが、訴訟の遅滞を避けるため職権でもでき、同一当事者に対する二回目以降は職権でする(110条)。
補足公示送達は、裁判所の掲示場への掲示等により行い、一定期間の経過で効力を生ずる。
問13司法書士 民訴② 普通裁判籍による管轄
民事訴訟法上の管轄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.訴えは、原則として、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
- イ.人の普通裁判籍は、その者の勤務地により定まるのが原則である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 「原告」とするのは誤り(被告)
民事訴訟法第4条「被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所」e-Gov原文
ひっかけ原則の管轄は『被告』の所在地。原告の便宜ではない。
解説訴えは原則として被告の普通裁判籍の所在地の裁判所に提起する(4条1項、『原告は被告の法廷に従う』)。人の普通裁判籍は住所→居所→最後の住所の順で定まり(同2項)、法人は主たる事務所・営業所の所在地による(同4項)。財産権上の訴え等には特別裁判籍もある(5条)。
補足義務履行地・不法行為地など、事件類型ごとの特別裁判籍も併存しうる。
問14司法書士 民訴② 相殺の抗弁の既判力と審尋
民事訴訟法上の相殺の抗弁の既判力及び審尋に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断には、既判力は生じない。
- イ.決定で完結すべき事件について口頭弁論をしない場合であっても、裁判所は当事者を審尋することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 既判力が生じないとするのは誤り
民事訴訟法第114条「相殺をもって対抗した額について既判力を有する」e-Gov原文
ひっかけ相殺の抗弁は『理由中の判断』だが、例外的に既判力が生じる。
解説既判力は原則として主文の判断に生じるが(114条1項)、相殺の抗弁の判断は、相殺をもって対抗した額について例外的に既判力を有する(同2項)。これは反対債権の二重行使を防ぐため。決定で完結する事件で口頭弁論を開かないときも、裁判所は当事者を審尋できる(87条2項)。
補足審尋は、口頭弁論よりも略式の意見聴取の手続。
問15司法書士 民訴② 重複する訴えの提起の禁止と訴えの取下げの時期
民事訴訟法上の重複する訴えの提起の禁止及び訴えの取下げに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判所に係属する事件であっても、当事者は、これと同一の訴えを更に別の裁判所に提起することができる。
- イ.訴えの取下げは、第一審の終局判決の言渡しがあった後は、することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 二重起訴は禁止される
民事訴訟法第142条「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 判決確定までは取下げできる
民事訴訟法第261条「訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる」e-Gov原文
ひっかけ重複起訴は禁止。取下げは『判決確定まで』可能(終局判決後でも可)。
解説重複する訴えの提起の禁止(142条)は、既に係属している事件と同一の訴えを重ねて提起することを禁じる(審理の重複・既判力の矛盾を防ぐ)。訴えの取下げ(261条)は、判決が確定するまで可能で、終局判決後でも確定前なら取り下げられる(取り下げると訴訟は初めから係属しなかったものとみなされる)。
補足終局判決後に訴えを取り下げると、同一の訴えを再び提起できない(再訴禁止・262条2項)。