問1占有権利適法推定と善意果実e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定される。
- イ.善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法188条は、占有者が占有物について行使する権利を適法に有するものと推定するため、本肢は正しい。
- イ.正しい
- 民法189条1項は、占有する権利があると誤信している善意の占有者に占有物から生ずる果実の取得を認めるため、本肢は正しい。
民法第189条第1項「善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。」一次資料を確認
ひっかけ占有が事実状態にすぎないことから権利の適法推定まで否定しない。果実取得は占有者すべてに無条件で認められるとも考えない。
解説占有者は、占有物について現に行使している権利を適法に有するものと推定される。また、占有する権利があると誤信している善意の占有者は、その占有物から生じる天然果実・法定果実を取得できる。推定と果実帰属は別の効力である。
補足権利の存否が争点なら188条の推定、果実の帰属が争点なら189条の占有者の善意を確認し、論点を分けて判定する。
問2善意占有者の敗訴と悪意果実返還e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.善意の占有者が本権の訴えで敗訴したときは、その訴えの提起時から悪意の占有者とみなされる。
- イ.悪意の占有者は、果実を返還し、一定の果実の代価も償還する義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法189条2項は、善意占有者が本権の訴えで敗訴した場合、判決時ではなく訴え提起時から悪意占有者とみなすため、本肢は正しい。
民法第189条第2項「その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 民法190条1項は、悪意占有者に果実返還のほか、消費・過失収取・毀損した果実の代価償還も求めるため、本肢は正しい。
民法第190条第1項「果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。」一次資料を確認
ひっかけ悪意への転換時を敗訴判決の確定時としない。果実が現物で残っていなければ返還義務も消えると考えず、代価償還まで確認する。
解説善意の占有者でも、本権に関する訴えで敗訴すると訴えを提起された時から悪意の占有者とみなされる。悪意占有者は現存する果実を返還するだけでなく、消費した果実や過失によって収取しなかった果実などの代価も償還する。
補足本権訴訟の提起日を特定して善悪を切り替え、その日以後の果実について現物返還と代価償還の対象を整理する。
問3隠匿占有と果実取得制限e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.悪意占有者の果実返還等の規定は、暴行・強迫又は隠匿によって占有している者にも準用される。
- イ.悪意の占有者であっても、占有物から生ずる果実を当然に取得し、返還義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法190条2項は、暴行・強迫又は隠匿によって占有する者にも悪意占有者の果実返還等を定める同条1項を準用するため、本肢は正しい。
民法第190条第2項「暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 民法190条1項は悪意占有者に果実の返還及び一定の代価償還を義務付けるため、当然取得して返還不要とする本肢は誤り。
ひっかけ現実に収穫した者が果実を常に取得できると考えない。暴行等の占有者について、主観的悪意の立証がなければ返還規定を適用できないとも考えない。
解説善意占有者には果実取得が認められる一方、占有権原がないと知る悪意占有者は果実を返還し、消費・過失収取・毀損した果実の代価も償還する。暴行、強迫又は隠匿によって占有する者も、悪意占有者と同じ責任を負う。
補足占有者の善悪を確認し、さらに占有開始・継続の態様に暴行、強迫、隠匿があるかを見て190条の返還責任を判定する。
問4占有物滅失損傷の賠償範囲e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.善意の占有者は、占有物が自己の責めに帰すべき事由で滅失した場合でも、常に損害全部を賠償しなければならない。
- イ.所有の意思のない占有者は、善意であっても、占有物の滅失損傷について全部の賠償をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法191条本文は、善意占有者の滅失・損傷責任をその滅失等によって現に利益を受ける限度に軽減するため、常に全部賠償とする本肢は誤り。
民法第191条「現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 民法191条ただし書は、所有の意思を欠く占有者について善意であっても占有物の滅失・損傷の全部を賠償させるため、本肢は正しい。
民法第191条「所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ善意という一点だけで常に現存利益限度へ軽減しない。占有者が所有者として占有しているのか、他人の所有を前提に占有しているのかを落とさない。
解説占有物を自己の責めに帰すべき事由で滅失・損傷させた場合、善意占有者は現に利益を受ける限度で賠償し、悪意占有者は損害全部を賠償する。ただし、賃借人など所有の意思を欠く占有者は、善意でも損害全部を賠償する。
補足占有者の善悪、所有意思の有無、現存利益の順に確認する。善意でも他主占有ならただし書により全部賠償と判定する。
問5即時取得の基本要件e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取引行為によって、平穏・公然と動産の占有を始めた者は、一定の要件の下で即時にその動産について行使する権利を取得する。
- イ.即時取得には、占有開始時の善意かつ無過失が必要である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法192条は、取引行為によって平穏かつ公然に動産の占有を始めることを即時取得の客観的要件とするため、本肢は正しい。
民法第192条「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者」一次資料を確認
- イ.正しい
- 民法192条は、動産の占有開始時に譲渡人の無権利について善意であり、かつ過失がないことを即時取得の要件とするため、本肢は正しい。
ひっかけ善意だけで足りるとして無過失を落とさない。動産を現に持っていることだけで、取引行為や平穏・公然な占有開始を確認せず即時取得を認めない。
解説即時取得は、取引行為によって動産の占有を平穏かつ公然に開始し、占有開始時に譲渡人が権利者でないことについて善意・無過失である者を保護する制度である。単なる相続など取引行為でない取得や、不動産には適用されない。
補足目的物が動産か、取得原因が取引行為か、占有開始が平穏・公然か、開始時に善意無過失かを順番に全て確認する。
問6盗品遺失物回復と代価弁償e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.即時取得の場合でも、占有物が盗品又は遺失物であるとき、被害者又は遺失者は盗難又は遺失の時から二年間、回復を請求できる。
- イ.占有者が盗品又は遺失物を公の市場等で善意で買い受けたときは、被害者等は占有者が支払った代価を弁償しなければ回復できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法193条は、盗品又は遺失物について被害者又は遺失者が盗難・遺失時から2年間回復を請求できるため、本肢は正しい。
民法第193条「盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 民法194条は、占有者が盗品等を公の市場や同種物の販売商人から善意で買い受けた場合、回復に支払代価の弁償を必要とするため、本肢は正しい。
民法第194条「占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。」一次資料を確認
ひっかけ即時取得が成立すれば盗品でも回復不能としない。反対に、盗品なら取得経路を問わず常に無償で返還させられるとも考えない。
解説動産の即時取得要件を満たしても、盗品・遺失物については被害者又は遺失者が盗難・遺失時から2年間回復を請求できる。ただし、占有者が公の市場などから善意で買い受けた場合は、回復請求者が占有者の支払代価を弁償しなければならない。
補足まず盗難・遺失から2年以内かを確認し、次に占有者の買受場所・相手と善意を見て、代価弁償が必要かを判定する。
問7動物占有取得と回復請求期間e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.家畜以外の動物で他人が飼育していたものについては、一定の場合、飼主の占有を離れた時から一箇月以内に回復請求を受けなければ権利取得が認められる。
- イ.民法195条の動物については、飼主の占有を離れた時から二年間、飼主から回復請求を受けなかったことが必要である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法195条は、家畜以外の飼育動物を善意で占有し、飼主の占有離脱時から1か月以内に回復請求を受けなければ権利取得を認めるため、本肢は正しい。
民法第195条「飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったとき」一次資料を確認
- イ.誤り
- 民法195条が定める回復請求期間は飼主の占有を離れた時から1か月であり、盗品・遺失物と同じ2年間ではないため、本肢は誤り。
ひっかけ動物を盗品・遺失物と同じ2年の回復期間で処理しない。単に1か月が経過すれば足りるとせず、占有開始時の善意も確認する。
解説家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有した者は、占有開始時に善意であり、飼主の占有を離れた時から1か月以内に飼主から回復請求を受けなければ、その動物について行使する権利を取得する。
補足対象が家畜以外の飼育動物か、占有者が善意か、飼主の占有離脱から1か月内に回復請求があったかを順に見る。
問8必要費償還と果実取得e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有者が占有物を返還する場合でも、保存のために支出した必要費の償還を回復者に求めることはできない。
- イ.占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は占有者の負担に帰する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法196条1項本文は、占有物を返還する占有者に保存のため支出した必要費を回復者から償還させる権利を認めるため、本肢は誤り。
民法第196条第1項「必要費を回復者から償還させることができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 民法196条1項ただし書は、占有者が果実を取得した場合、日常的な維持費である通常の必要費を占有者自身の負担とするため、本肢は正しい。
民法第196条第1項「通常の必要費は、占有者の負担に帰する。」一次資料を確認
ひっかけ必要費は返還者がすべて自己負担するとしない。果実を取得したというだけで臨時の必要費まで一律に償還不能になるとも考えない。
解説占有者が占有物を返還するときは、保存のために支出した必要費を回復者へ償還請求できるのが原則である。ただし、占有者が占有物から果実を取得していた場合、果実を得るための通常の維持費は占有者が負担する。
補足支出が保存のための必要費かを確認し、果実取得の有無を見たうえで、通常必要費か臨時必要費かを分けて償還範囲を決める。
問9有益費償還と悪意占有者e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有者の有益費は、価格の増加が現存しない場合でも、常に全額を償還させることができる。
- イ.悪意の占有者に対しては、裁判所が有益費償還について相当の期限を許与することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 民法196条2項は、改良のため支出した有益費の償還を価格増加が現存する場合に限るため、増価消滅後も常に全額とする本肢は誤り。
民法第196条第2項「その価格の増加が現存する場合に限り」一次資料を確認
- イ.誤り
- 民法196条2項ただし書は、悪意占有者からの有益費償還請求について裁判所が回復者に相当の期限を許与できるため、本肢は誤り。
民法第196条第2項「裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。」一次資料を確認
ひっかけ改良費を支出したというだけで全額償還としない。回復者ではなく占有者が支出額と増価額のどちらを受けるか自由に選べるとも考えない。
解説有益費は占有物の改良により価格を増加させる費用であり、返還時にも増価が現存する場合に限って、回復者の選択により支出額又は増価額を償還する。悪意占有者の請求では、裁判所が回復者に相当の支払期限を与えることができる。
補足増価の現存、支出額と増価額、回復者の選択を確認する。占有者が悪意なら裁判所による期限許与も追加して検討する。
問10占有の訴えと保持の訴えe-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人のために占有をする者は、占有の訴えを提起することができない。
- イ.占有者が占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、妨害停止及び損害賠償を請求できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法197条は、自己のために占有する者だけでなく他人のために占有する者にも占有の訴えを提起する資格を認めるため、本肢は誤り。
民法第197条「他人のために占有をする者も、同様とする。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 民法198条は、現に占有を妨害された占有者に占有保持の訴えによる妨害停止及び損害賠償の請求を認めるため、本肢は正しい。
民法第198条「その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。」一次資料を確認
ひっかけ所有者や本人占有者だけに原告適格を限定しない。妨害のおそれにとどまる段階で保持の訴えを選び、保全の訴えと混同しない。
解説占有の訴えは、自己のために占有する者だけでなく、代理人など他人のために現実の占有をする者も提起できる。占有が現に妨害されている場合は占有保持の訴えを用い、妨害の停止と、その妨害によって生じた損害の賠償を請求する。
補足誰が現実に占有しているかを確認し、妨害が現実化しているなら198条の保持、危険だけなら199条の保全へ振り分ける。
問11占有保全の訴えe-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有者が占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより妨害予防又は損害賠償の担保を請求できる。
- イ.占有保全の訴えは、現に占有を妨害されたときに限り提起でき、妨害のおそれだけでは提起できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法199条は、占有を妨害されるおそれがある段階で占有保全の訴えにより妨害予防又は損害賠償の担保を請求できるため、本肢は正しい。
民法第199条「その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 民法199条が占有保全の訴えを認めるのは現実の妨害後に限らず、占有を妨害される具体的なおそれがある場合であるため、本肢は誤り。
ひっかけ現実の妨害が起きるまで提訴できないとしない。既に妨害中なら保持、既に占有を奪われたなら回収であり、保全との場面を混同しない。
解説占有保全の訴えは、まだ占有妨害が現実化していなくても、その具体的なおそれがある段階で利用できる。占有者は妨害の予防を求めるか、将来の妨害による損害を確保するための担保を求めることができる。
補足事実関係を妨害前・妨害中・侵奪後に分ける。妨害前の危険なら199条を選び、予防又は損害賠償担保の請求内容を確認する。
問12占有回収の訴えと特定承継人e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有回収の訴えは、占有を妨害されるおそれがあるときに、妨害予防を請求する訴えである。
- イ.占有回収の訴えは、原則として占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起できないが、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは例外がある。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法200条1項は、占有を奪われたときに物の返還及び損害賠償を求める訴えを占有回収の訴えとするため、妨害予防の訴えとする本肢は誤り。
民法第200条第1項「その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 民法200条2項は、侵奪者の特定承継人への回収訴訟を原則否定しつつ、承継人が侵奪事実を知る場合には例外的に提起を認めるため、本肢は正しい。
民法第200条第2項「その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ妨害予防を求める保全の訴えと、侵奪後の返還を求める回収の訴えを逆にしない。特定承継人なら悪意でも常に提訴不能としない。
解説占有回収の訴えは、単に妨害される危険がある場合ではなく、占有を現実に奪われた場合に物の返還と損害賠償を求める制度である。侵奪者から物を譲り受けた特定承継人には原則提起できないが、侵奪の事実を知る承継人は保護されない。
補足占有が奪われた事実を確認し、被告が侵奪者本人か特定承継人かを特定する。承継人なら侵奪について悪意かを追加で確認する。
問13占有保持の訴えの提起期間e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有保持の訴えは、妨害が消滅した後であれば十年以内に提起すれば足りる。
- イ.工事により占有物に損害を生じた場合でも、その工事が完成した後に占有保持の訴えを提起できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 民法201条1項は、占有保持の訴えを妨害中又は妨害消滅後1年以内に提起するよう定めるため、10年以内で足りるとする本肢は誤り。
民法第201条第1項「その消滅した後一年以内に提起しなければならない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 民法201条1項ただし書は、工事による占有物の損害について工事完成後の占有保持の訴えを認めないため、本肢は誤り。
民法第201条第1項「その工事が完成したときは、これを提起することができない。」一次資料を確認
ひっかけ一般債権の消滅時効期間を持ち込んで提起期間を10年にしない。妨害消滅後1年以内なら工事完成後でも常に提起できるとしない。
解説占有保持の訴えは、占有妨害が続いている間又は妨害が消滅した後1年以内に提起する必要がある。工事によって占有物へ損害が生じた場合は、工事着手から1年経過後又は工事完成後には提起できないという追加制限がある。
補足妨害の存続・消滅日を確認し、工事案件なら着手日と完成日も確認する。いずれかの期間制限にかかれば保持の訴えを否定する。
問14占有保全と回収の提起期間e-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は提起することができる。
- イ.占有回収の訴えは、占有を奪われた時から二年以内に提起しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法201条2項は、占有保全の訴えを占有妨害の危険が存在している間に提起できると定めるため、本肢は正しい。
民法第201条第2項「妨害の危険の存する間は、提起することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 民法201条3項は、占有回収の訴えを占有を奪われた時から1年以内に提起するよう定めるため、2年以内とする本肢は誤り。
民法第201条第3項「占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ保全の訴えに固定の1年期間を機械的に当てはめない。回収の1年を、盗品・遺失物の回復請求期間である2年と混同しない。
解説占有保全の訴えは将来の妨害危険を防ぐ制度なので、その危険が存在する間に提起できる。占有回収の訴えは侵奪後の返還を求める制度であり、占有を奪われた時から1年以内という短い提起期間に限られる。
補足保全なら危険が現在も存続するか、回収なら侵奪日から1年以内かを確認し、訴えの種類に対応する起算点を使い分ける。
問15占有の訴えと本権の訴えe-Gov等の一次資料で確認済み
民法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有の訴えを提起すると、本権の訴えを提起することはできなくなる。
- イ.占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 民法202条1項は、事実的支配を守る占有の訴えと権利の帰属を争う本権の訴えが互いに提起を妨げないと定めるため、本肢は誤り。
- イ.誤り
- 民法202条2項は、占有の訴えを所有権など本権に関する理由に基づいて裁判することを禁止しているため、本肢は誤り。
民法第202条第2項「本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。」一次資料を確認
ひっかけ占有訴訟を選ぶと所有権確認などの本権訴訟を失うと考えない。反対に、被告が所有者であることだけを理由に占有侵害を正当化しない。
解説占有の訴えは現実の占有状態を迅速に保護し、本権の訴えは所有権など実体的な権利帰属を確定する。両者は独立して併存するため一方の提起は他方を妨げないが、占有訴訟の裁判を本権に関する理由だけで決めることはできない。
補足請求が占有状態の回復か権利帰属の確定かを分ける。占有訴訟では本権の主張から離れ、侵害前の占有と妨害・侵奪を基準に判断する。