問1付加年金の支給要件と年金額
付加年金の支給要件及び年金額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.付加年金は、付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する。
- イ.付加年金の額は、二百円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 43条のとおり → 正しい
国民年金法第43条「第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 44条のとおり → 正しい
国民年金法第44条「付加年金の額は、二百円に第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする」e-Gov原文
ひっかけ付加年金は「200円×付加保険料納付済期間の月数」(44条)。FP試験の頻出計算問題(例:120月納付なら年額24,000円)。老齢基礎年金の受給権取得と同時に発生する点も押さえる。
解説43条は付加年金の支給要件(付加保険料納付済期間の存在+老齢基礎年金の受給権取得)、44条は年金額の計算式を定める。付加年金は第1号被保険者(自営業者等)が任意で上乗せ加入できる制度であり、月額400円の付加保険料を納めることで、将来「200円×納付月数」の付加年金が老齢基礎年金に加算される。2年間受給すれば元が取れる計算になる点はFP実務でもよく説明される内容である。
補足本章は国民年金法の第1号被保険者独自給付(付加年金・寡婦年金・死亡一時金)を扱う。前章(21章)の3基礎年金(老齢・障害・遺族)に続く新規条文である。
問2付加年金の支給停止
付加年金の支給停止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.付加年金は、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、その支給を停止する。
- イ.老齢基礎年金の一部が支給停止されているに過ぎない場合であっても、付加年金は全額の支給が停止される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 47条のとおり → 正しい
国民年金法第47条「老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、その支給を停止する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 47条は全額停止の場合に限定する → 「一部停止でも付加年金は全額停止される」は誤り
国民年金法第47条「老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、その支給を停止する」e-Gov原文
ひっかけ付加年金の支給停止は老齢基礎年金の「全額」停止に連動する(47条)。一部支給停止では連動しない点を見落とさない。
解説47条は、付加年金が老齢基礎年金に付加して支給される性格上、老齢基礎年金自体が全額停止されている間は付加年金も停止するという連動規定を置く。老齢基礎年金の一部のみが停止される場合(在職老齢年金等の場面)にまで付加年金を機械的に止めない設計になっている点が、条文の丁寧な読み方として問われやすい。
補足付加年金の支給の繰下げ(46条)は老齢基礎年金の繰下げ申出と連動する規定であり、本章では扱わないが関連条文として押さえておく。
問3付加年金の失権
付加年金の失権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.付加年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。
- イ.付加年金の受給権は、受給権者が七十歳に達したときにも消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 48条のとおり → 正しい
国民年金法第48条「付加年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 48条は死亡のみを失権事由とする → 「七十歳に達したときにも消滅する」は誤り
国民年金法第48条「付加年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ付加年金の失権事由は「死亡」のみ(48条)。老齢基礎年金の失権(29条)と同じくシンプルな1事由型で、遺族基礎年金(40条・死亡以外に婚姻等も含む)とは対照的。
解説48条は付加年金の失権事由を死亡の1つに限定するシンプルな規定である。付加年金は老齢基礎年金に付加して支給される性質上、その失権も老齢基礎年金本体の失権(29条・死亡のみ)と平仄を合わせた設計になっている。
補足付加年金は繰上げ・繰下げも老齢基礎年金と連動する(46条)。付加年金単独での特殊な扱いは失権・支給停止いずれも「本体(老齢基礎年金)との連動」が基本原則である。
問4寡婦年金の支給要件(婚姻期間)
寡婦年金の支給要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.寡婦年金は、夫の死亡の当時夫によつて生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係が一定期間以上継続した六十五歳未満の妻に支給される。
- イ.寡婦年金の支給要件となる婚姻関係の継続期間は、十年以上である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 49条1項のとおり → 正しい
国民年金法第49条第1項「夫の死亡の当時夫によつて生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係」e-Gov原文
- イ.正しい
- 49条1項のとおり → 正しい
国民年金法第49条第1項「が十年以上継続した六十五歳未満の妻があるときに、その者に支給する」e-Gov原文
ひっかけ寡婦年金の婚姻関係継続期間は「十年以上」(49条1項)。老齢基礎年金の受給資格期間も「十年」(26条)であり、混同しやすいが別の要件である点に注意。事実婚(内縁関係)も婚姻関係に含まれる点も重要。
解説49条1項は、死亡した夫が第1号被保険者としての保険料納付済期間・免除期間を合算して10年以上有すること、妻が夫の死亡当時生計を維持され婚姻関係が10年以上継続していたこと、妻が65歳未満であることを要件とする。「届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む」という括弧書きにより、内縁関係も婚姻関係として扱われる点は、遺族年金分野で頻出の実務ポイントである。
補足寡婦年金は「夫を亡くした妻」のみを対象とする片務的な制度であり、妻が死亡した場合の夫向けの類似給付(寡夫年金)は国民年金法には存在しない点も対比して押さえる。
問5寡婦年金の除外事由と支給開始時期
寡婦年金の除外事由及び支給開始時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、寡婦年金は支給されない。
- イ.六十歳未満の妻に支給する寡婦年金は、妻が六十歳に達した日の属する月の翌月から、その支給を始める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 49条1項ただし書のとおり → 正しい
国民年金法第49条第1項「老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 49条3項のとおり → 正しい
国民年金法第49条第3項「六十歳未満の妻に支給する寡婦年金は、第十八条第一項の規定にかかわらず、妻が六十歳に達した日の属する月の翌月から、その支給を始める」e-Gov原文
ひっかけ寡婦年金は「60歳から65歳まで」の間しか支給されない(65歳以降は51条により失権し、原則65歳で自身の老齢基礎年金に切り替わる)。60歳未満の妻に権利があっても支給開始は60歳到達月の翌月から(49条3項)。
解説49条1項ただし書は、夫が既に老齢基礎年金・障害基礎年金という「本体給付」を受け取っていた場合、寡婦年金という補完的給付を別途認める必要がないという趣旨から除外事由を定める。3項は、寡婦年金の支給対象年齢(60歳から65歳未満)のうち、権利発生時に60歳未満であった妻についての支給開始時期の特則である。寡婦年金は「夫の掛け捨て防止」を制度趣旨とする第1号被保険者独自給付であり、60〜65歳の空白期間を埋める性格を持つ。
補足「夫」の要件(49条1項)にも、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者期間に係る保険料納付済期間と免除期間の合算が10年以上という、保険料納付要件が別途課される。
問6寡婦年金の失権
寡婦年金の失権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.寡婦年金の受給権は、受給権者が再婚しても消滅することはなく、六十五歳に達したときのみ消滅する。
- イ.寡婦年金の受給権は、受給権者が六十五歳に達したとき、又は第四十条第一項各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 51条は40条1項各号も準用する → 「六十五歳に達したときのみ消滅する」は誤り
国民年金法第51条「寡婦年金の受給権は、受給権者が六十五歳に達したとき、又は第四十条第一項各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 51条のとおり → 正しい
国民年金法第51条「寡婦年金の受給権は、受給権者が六十五歳に達したとき、又は第四十条第一項各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ寡婦年金の失権事由は「65歳到達」+「遺族基礎年金の共通失権事由(40条1項=死亡・婚姻・養子縁組)」の準用という二本立て(51条)。再婚すれば寡婦年金も失権する点は実務上重要。
解説51条は、寡婦年金固有の失権事由(65歳到達)に加え、40条1項の遺族基礎年金の共通失権事由を準用する形で寡婦年金の失権を定める。これにより、寡婦年金の受給権者である妻が再婚した場合、遺族基礎年金の配偶者と同様に受給権を失う。65歳到達により自身の老齢基礎年金の受給権が発生することとの整合性(二重給付の回避)も、65歳での失権の趣旨として理解できる。
補足40条1項各号を「準用」する形式であり、40条3項(子固有の事由)は準用されない点、寡婦年金は「妻」のみの給付であるため子に関する失権事由はそもそも問題とならない点も確認する。
問7寡婦年金の支給停止
寡婦年金の支給停止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.寡婦年金には支給停止の制度はなく、受給権が発生すれば必ず全期間にわたって支給される。
- イ.寡婦年金は、当該夫の死亡について労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 52条は6年間の支給停止を定める → 「支給停止の制度はない」は誤り
国民年金法第52条「当該夫の死亡について第四十一条第一項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 52条のとおり → 正しい
国民年金法第52条「当該夫の死亡について第四十一条第一項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する」e-Gov原文
ひっかけ寡婦年金の支給停止(52条・遺族補償との調整)は遺族基礎年金の支給停止(41条・準用)と同じ「死亡日から6年間」という期間。労災の遺族補償と年金の重複給付を避ける趣旨で共通する。
解説52条は、41条1項(遺族基礎年金の支給停止=労働基準法上の遺族補償が行われるべき場合)を寡婦年金にも及ぼす規定である。労働基準法上の遺族補償と国民年金の遺族給付(遺族基礎年金・寡婦年金)が同一の死亡事故について重複して給付されることを防ぐための調整規定であり、実務上は労災保険からの遺族補償年金との調整(労災保険法との調整規定)とあわせて理解する必要がある。
補足「死亡日から六年間」という期間は、労働基準法上の遺族補償(打切補償等)の実施期間を踏まえて設定されたものである。
問8死亡一時金の支給要件
死亡一時金の支給要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.死亡一時金は、死亡日の前日において一定の第1号被保険者期間に係る保険料納付済期間等を合算した月数が三十六月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。
- イ.死亡一時金の支給要件となる保険料納付済期間等の合算月数は、十二月以上である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 52条の2第1項のとおり → 正しい
国民年金法第52条の2第1項「その者に遺族があるときに、その遺族に支給する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 52条の2第1項は「三十六月」と定める → 「十二月以上」は誤り
国民年金法第52条の2第1項「合算した月数が三十六月以上である者が死亡した場合」e-Gov原文
ひっかけ死亡一時金の月数要件は「三十六月(=3年)以上」(52条の2第1項)。寡婦年金の「十年以上」(49条1項)と混同しない。両者は選択制(52条の6)である点もあわせて押さえる。
解説52条の2第1項は、死亡一時金の支給要件(第1号被保険者としての保険料納付済期間・各種免除期間を換算月数で合算して36月以上)と、ただし書の除外事由(老齢基礎年金・障害基礎年金の受給歴がある者の死亡は対象外)を定める。この36月要件は、掛け捨て防止という死亡一時金の制度趣旨(短期間の納付で終わった場合の一時金による補填)を反映している。
補足保険料免除期間の月数は、全額免除でなく一部免除(4分の1・半額・4分の3免除)の種類に応じて換算率が異なる点は、より詳細な計算問題で扱われる。
問9死亡一時金の不支給事由
死亡一時金の不支給事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.死亡一時金は、死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、支給されない。
- イ.死亡一時金は、遺族基礎年金を受けることができる者の有無にかかわらず、支給要件を満たせば常に支給される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 52条の2第2項1号のとおり → 正しい
国民年金法第52条の2第2項第1号「死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき」e-Gov原文
- イ.誤り
- 52条の2第2項1号は遺族基礎年金受給可能者の存在を不支給事由とする → 「常に支給される」は誤り
国民年金法第52条の2第2項第1号「死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき」e-Gov原文
ひっかけ死亡一時金は「遺族基礎年金を受けられる者がいない」場合の補完的給付(52条の2第2項1号)。子のない配偶者や、子のいる配偶者でも遺族基礎年金の対象外となる場合等に意味を持つ制度である。
解説52条の2第2項は死亡一時金の不支給事由を1号(死亡日に遺族基礎年金を受けられる者がいるとき)・2号(死亡日に胎児であった子が生まれ、その子又は配偶者が事後的に遺族基礎年金を受けられるに至ったとき)に整理する。3項はこの不支給事由の例外(子が受給権を取得しても41条2項により支給停止される場合は不支給事由に該当しない)を定める、非常に細かい調整規定である。死亡一時金は「遺族基礎年金でカバーされない遺族」への最低限の一時金という制度趣旨を反映している。
補足死亡一時金を受けられる遺族は配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹と幅広く(52条の3第1項)、遺族基礎年金より対象範囲が広い点は次の設問で扱う。
問10死亡一時金を受けられる遺族の範囲と同順位者への支給
死亡一時金を受けることができる遺族の範囲及び同順位者への支給に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。
- イ.死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が二人以上あるときは、その一人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 52条の3第1項のとおり → 正しい
国民年金法第52条の3第1項「死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 52条の3第3項のとおり → 正しい
国民年金法第52条の3第3項「死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が二人以上あるときは、その一人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ死亡一時金の遺族範囲(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹)は遺族基礎年金(配偶者・子のみ)より広い。同順位者が複数いても代表者1人の手続で完結する簡便な仕組み(52条の3第3項)も実務上重要。
解説52条の3第1項は死亡一時金を受けられる遺族の範囲を6類型(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹)で定め、2項でその順位を1項の列挙順序によるとする。3項は同順位者が複数いる場合の請求・支給の簡素化ルールを定め、遺族間で個別に按分する煩雑さを避けている。この遺族範囲の広さは、死亡一時金が「掛け捨て防止」という保険料拠出への対価的性格を持つ一時金であり、遺族年金(生活保障)とは制度趣旨が異なることを反映している。
補足配偶者が死亡一時金と寡婦年金の両方を受けられる場合は選択制(52条の6)であり、次の設問で扱う。
問11死亡一時金の受給順位
死亡一時金を受けるべき者の順位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.死亡一時金を受けるべき者の順位は、死亡した者との生計維持関係の濃淡にかかわらず、常に配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の年齢順による。
- イ.死亡一時金(同条第三項ただし書に規定するものを除く。)を受けるべき者の順位は、前項に規定する順序による。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 52条の3第2項は1項の列挙順序によると定める → 「年齢順による」は誤り
国民年金法第52条の3第2項「を受けるべき者の順位は、前項に規定する順序による」e-Gov原文
- イ.正しい
- 52条の3第2項のとおり → 正しい
国民年金法第52条の3第2項「を受けるべき者の順位は、前項に規定する順序による」e-Gov原文
ひっかけ死亡一時金の受給順位は「配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹」という52条の3第1項の記載順そのもの(52条の3第2項)。年齢や生計維持の程度は順位の基準ではない。
解説52条の3第2項は、1項に列挙された6類型の遺族について、その記載順序自体が受給順位であることを定める。配偶者が最優先で受給権者となり、配偶者がいなければ子、子もいなければ父母という具合に、上位者がいれば下位者は受給権を持たない仕組みである。この「列挙順=優先順位」という条文の読み方は、遺族厚生年金の受給順位(配偶者・子→父母→孫→祖父母)とも類似する構造であり、公的年金の遺族給付に共通する設計思想として理解できる。
補足「同条第三項ただし書に規定するものを除く」という括弧書きは、52条の2第3項(子が遺族基礎年金の受給権を取得したが支給停止される特殊な場合)に対応する死亡一時金について、順位のルールの適用対象から除く趣旨である。
問12死亡一時金と寡婦年金の支給の調整
死亡一時金と寡婦年金の支給の調整に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.死亡一時金の支給を受ける者が、同一の死亡について寡婦年金も受けることができるときは、両方を重複して受給することができる。
- イ.死亡一時金の支給を受ける者が、寡婦年金も受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 52条の6は選択によりいずれか一方のみ支給すると定める → 「両方を重複して受給することができる」は誤り
国民年金法第52条の6「その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 52条の6のとおり → 正しい
国民年金法第52条の6「その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない」e-Gov原文
ひっかけ死亡一時金と寡婦年金がともに受給可能な場合は「本人の選択」による一方のみの受給(52条の6)。FP試験では、どちらを選ぶと総受給額が有利かを問う実務的な計算問題として頻出。
解説52条の6は、夫を亡くした妻が死亡一時金(一時金)と寡婦年金(60〜65歳の有期年金)の両方の要件を満たす場合に、二重の給付を避けるため選択制とすることを定める。実務上は、寡婦年金の受給予定総額(60歳から65歳までの5年分)と死亡一時金の額(保険料納付済期間に応じた一時金)を比較し、有利な方を選択する相談が典型的である。この選択は、両給付が「第1号被保険者の掛け捨て防止」という共通の制度趣旨を持ちながら並存しうるために必要となる調整規定である。
補足本章(22章)では付加年金・寡婦年金・死亡一時金という第1号被保険者独自給付を扱った。前章(21章)の3基礎年金とあわせ、FP技能検定のライフプランニング分野における公的年金の主要出題範囲の条文根拠を整備したことになる。
問13付加年金の額と請求の前提
付加年金の額及び請求の前提に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.付加年金の額は、四百円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。
- イ.付加年金は、老齢基礎年金の受給権取得前であっても、単独で請求し受給を開始することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 44条は「二百円」と定める → 「四百円」は誤り
国民年金法第44条「付加年金の額は、二百円に第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 43条は老齢基礎年金の受給権取得を前提とする → 「単独で請求し受給を開始することができる」は誤り
国民年金法第43条「第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する」e-Gov原文
ひっかけ付加保険料の月額「四百円」と付加年金の単価「二百円」を混同しない(43条・44条)。付加年金は老齢基礎年金に「付加」して支給される給付であり、単独では発生しない。
解説44条の「二百円」という単価と、付加保険料の月額「四百円」(87条の2で規定)は、しばしば数字が入れ替えられて出題される典型パターンである。43条が示すとおり、付加年金は独立した給付ではなく、老齢基礎年金の受給権取得に付随して初めて発生する従属的な給付である点を、47条(老齢基礎年金全額停止時の連動停止)・48条(死亡による失権のみ)とあわせて体系的に理解する。
補足「200円×納付月数」で2年受給すれば元が取れるという実務上の説明は、400円の付加保険料月額との対比で成り立つ計算である。
問14寡婦年金の失権・支給停止の期間
寡婦年金の失権及び支給停止の期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.寡婦年金の受給権者が六十五歳に達しても、自身の老齢基礎年金の受給権を取得していなければ受給権は消滅しない。
- イ.寡婦年金の支給停止事由に該当する場合、その支給停止には期間の定めがなく、無期限に停止される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 51条は65歳到達を独立の失権事由とする → 「老齢基礎年金の受給権を取得していなければ消滅しない」は誤り
国民年金法第51条「寡婦年金の受給権は、受給権者が六十五歳に達したとき、又は第四十条第一項各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 52条は「死亡日から六年間」と期間を限定する → 「無期限に停止される」は誤り
国民年金法第52条「死亡日から六年間、その支給を停止する」e-Gov原文
ひっかけ寡婦年金の65歳失権(51条)は無条件・自動的。支給停止(52条)も「死亡日から六年間」という有期の措置であり、いずれも「無条件」「無期限」という極端な言い換えは誤りになりやすい。
解説51条の65歳失権は、寡婦年金が60〜65歳の空白期間を埋める制度であることの帰結であり、65歳到達により(本人が請求すれば)自身の老齢基礎年金が発生することとの整合性から、条件を付さず一律に失権させる設計になっている。52条の支給停止も、労働基準法上の遺族補償という別制度との重複調整のための時限的措置であり、無期限の停止ではない。両条とも「条件や期間を限定する」条文の書きぶりを正確に読む練習として good な素材である。
補足寡婦年金の失権・支給停止のいずれも、遺族基礎年金(40条・41条)の対応する規定と平仄を合わせた設計になっている点は21章・22章を通じて繰り返し確認したポイントである。
問15死亡一時金の遺族範囲と順位の基準
死亡一時金を受けることができる遺族の範囲及び順位の基準に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.死亡一時金を受けることができる遺族の範囲に、死亡した者の兄弟姉妹は含まれない。
- イ.死亡一時金を受けるべき者の順位は、死亡した者との生計維持の程度が高い者から順に定められる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 52条の3第1項は兄弟姉妹を明示的に含める → 「兄弟姉妹は含まれない」は誤り
国民年金法第52条の3第1項「死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて」e-Gov原文
- イ.誤り
- 52条の3第2項は1項の列挙順序によると定める → 「生計維持の程度が高い者から順に定められる」は誤り
国民年金法第52条の3第2項「を受けるべき者の順位は、前項に規定する順序による」e-Gov原文
ひっかけ死亡一時金の遺族範囲(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の6類型・52条の3第1項)と受給順位(1項の列挙順そのもの・52条の3第2項)は、いずれも条文の明文どおりに機械的に決まる。生計維持の程度という実質判断は順位決定の基準ではない点に注意。
解説死亡一時金の遺族範囲・順位は、遺族厚生年金の受給順位(配偶者・子→父母→孫→祖父母)と似た構造だが、死亡一時金では兄弟姉妹まで対象に含まれる点が広い。順位が「生計維持の程度」のような実質判断ではなく「列挙順序」という形式的基準による点は、遺族基礎年金の子の要件(実質判断を伴う年齢・障害等級要件)とは対照的であり、死亡一時金が簡易な一時金としての性格を持つことの表れである。
補足本章(22章)を通じ、国民年金法の第1号被保険者独自給付(付加年金・寡婦年金・死亡一時金)の支給要件・失権・支給停止・受給順位の条文根拠を体系的に整備した。