問1登録事務に関する法務大臣の権限と事務所の設置基準
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法務大臣は、必要があるときは、日本司法書士会連合会に対し、その登録事務に関し、報告若しくは資料の提出を求め、又は勧告をすることができる。
- イ.司法書士は、事務所を設けるに当たり、その基準について特段の規制を受けない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 19条のとおり → 正しい
司法書士法第19条「法務大臣は、必要があるときは、日本司法書士会連合会に対し、その登録事務に関し、報告若しくは資料の提出を求め、又は勧告をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『特段の規制を受けない』が誤り。法務省令の基準に従う義務がある
司法書士法第20条「司法書士は、法務省令で定める基準に従い、事務所を設けなければならない」e-Gov原文
ひっかけ19条の監督対象は連合会、20条の規制対象は司法書士個人の事務所。
解説19条は法務大臣による日本司法書士会連合会への監督的権限(報告要求・勧告)を、20条は司法書士個人の事務所設置基準(法務省令)を定める。監督の相手方(連合会か個々の司法書士か)を区別する。
補足業務規律の章(19条〜25条)は、誰が誰に対して何の義務を負うかを主語ベースで整理する。
問2依頼に応ずる義務と公務員時代の事件についての業務制限
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼(簡裁訴訟代理等関係業務に関するものを除く。)を拒むことができない。
- イ.司法書士は、公務員として職務上取り扱つた事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱つた事件については、その業務を行つてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 21条のとおり → 正しい
司法書士法第21条「司法書士は、正当な事由がある場合でなければ依頼(簡裁訴訟代理等関係業務に関するものを除く。)を拒むことができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 22条1項のとおり → 正しい
司法書士法第22条「司法書士は、公務員として職務上取り扱つた事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱つた事件については、その業務を行つてはならない」e-Gov原文
ひっかけ依頼応需義務の例外は簡裁訴訟代理等関係業務のみ。
解説21条の依頼応需義務は簡裁訴訟代理等関係業務を適用除外とする点に注意。22条1項は公務員時代・仲裁人時代に関与した事件について全面的な業務禁止(利益相反防止)を定める、司法書士固有の職務上の制約。
補足22条にはこの後、司法書士法人がらみの複雑な利益相反規定(2項〜4項)が続くが、まずは1項の基本形を押さえる。
問3会則の遵守義務と秘密保持義務
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会の会則を守らなければならない。
- イ.司法書士であつた者は、司法書士でなくなつた後は、業務上取り扱つた事件について知ることのできた秘密を漏らしても秘密保持義務違反とはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 23条のとおり → 正しい
司法書士法第23条「司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会の会則を守らなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『義務違反とはならない』が誤り。元司法書士も秘密保持義務を負う
司法書士法第24条「司法書士又は司法書士であつた者は、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱つた事件について知ることのできた秘密を他に漏らしてはならない」e-Gov原文
ひっかけ秘密保持義務は資格を失っても消えない(正当事由がない限り)。
解説24条の秘密保持義務は、現職の司法書士だけでなく資格喪失後の『司法書士であつた者』にも及ぶ点が特徴。正当な事由がある場合のみ例外的に開示が許される。
補足弁護士・税理士等の隣接士業でも同様に、退任後も存続する守秘義務が定められることが多い。
問4研修を受ける努力義務と司法書士法人の設立
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会が実施する研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。
- イ.司法書士は、司法書士法の定めるところにより、司法書士法人を設立することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 25条のとおり → 正しい
司法書士法第25条「司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会が実施する研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 26条のとおり → 正しい
司法書士法第26条「司法書士は、この章の定めるところにより、司法書士法人を設立することができる」e-Gov原文
ひっかけ26条から司法書士法人の章が始まる。
解説25条までが個人としての司法書士の業務規律、26条以降が司法書士法人(合同事務所の法人化)に関する規定という構成上の切れ目になっている。
補足司法書士法人は弁護士法人・税理士法人などと同様、個人資格者が共同で法人を設立できる仕組み。
問5司法書士法人の名称使用義務と社員資格
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人は、その名称中に司法書士法人という文字を使用することが望ましいが、使用しなくても差し支えない。
- イ.司法書士法人の社員は、司法書士でない者であつても、法務大臣の許可を受ければ社員となることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 『使用しなくても差し支えない』が誤り。使用は義務
司法書士法第27条「司法書士法人は、その名称中に司法書士法人という文字を使用しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『法務大臣の許可を受ければ』が誤り。そのような例外規定はない
司法書士法第28条「司法書士法人の社員は、司法書士でなければならない」e-Gov原文
ひっかけ義務規定に『望ましい』『許可があれば例外』を付け足す記述は要注意。
解説27条の名称使用義務、28条1項の社員資格限定(司法書士に限る)はいずれも例外を許さない強行規定。『望ましい』『許可を受ければ』のような緩和表現は条文にない例外を作り出す誤りのパターン。
補足社員資格の限定は、司法書士法人の専門性・責任の所在を明確にするための制度趣旨から理解する。
問6司法書士法人の社員となることができない者
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第四十七条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者は、司法書士法人の社員となることができない。
- イ.司法書士会の会員でない者は、司法書士法人の社員となることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 28条2項1号のとおり → 正しい
司法書士法第28条「第四十七条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者」e-Gov原文
ひっかけ司法書士資格があっても、司法書士会に入会していなければ社員になれない。
解説28条2項は社員となることができない者として、①業務停止処分中の者(1号)、②司法書士法人の解散・業務全部停止処分に関与した者で一定期間を経過しないもの(2号)、③司法書士会の会員でない者(3号)を列挙する。いずれも28条1項の『社員は司法書士でなければならない』に対する追加的な消極要件。
補足個人の登録拒否事由(10条)と法人の社員資格制限(28条)は似て非なる制度なので条文番号で区別する。
問7司法書士法人の業務範囲
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、法令等に基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務や簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができる。
- イ.簡裁訴訟代理等関係業務は、司法書士会の会員であるか否かを問わず、社員のうちに簡裁訴訟代理等関係業務を行う認定を受けた司法書士がいる司法書士法人であれば行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 29条1項のとおり → 正しい
司法書士法第29条「司法書士法人は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『会員であるか否かを問わず』が誤り。司法書士会の会員である法人に限られる
司法書士法第29条「簡裁訴訟代理等関係業務は、社員のうちに第三条第二項に規定する司法書士がある司法書士法人(司法書士会の会員であるものに限る。)に限り、行うことができる」e-Gov原文
ひっかけ簡裁訴訟代理等関係業務の解禁要件は特定社員の在籍だけでなく法人の会員資格も必要。
解説司法書士法人の業務範囲は3条1項1〜5号業務が基本形。簡裁訴訟代理等関係業務(3条1項6〜8号相当)を行うには、①特定社員(認定司法書士)の在籍、②法人自体が司法書士会の会員であることの2要件が必要(29条2項)。
補足個人の簡裁訴訟代理等関係業務の要件(3条2項)と法人の要件(29条2項)は重ねて確認する。
問8司法書士法人の登記義務と対抗要件
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人は、政令で定めるところにより登記をすることが望ましいが、登記をしなくても司法書士法人としての効力に影響はない。
- イ.前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の前であつても、これをもつて第三者に対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 『望ましいが…効力に影響はない』が誤り。登記は義務であり効力にも関わる
司法書士法第31条「司法書士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『登記の前であつても対抗できる』が誤り。登記の後でなければ対抗できない
司法書士法第31条「前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない」e-Gov原文
ひっかけ登記事項の対抗力は『登記の後』からしか生じない。
解説31条は司法書士法人の登記義務(1項)と、登記事項の第三者対抗要件(2項、登記後でなければ対抗不可)を定める。商業登記の一般原則と同様の構造。
補足会社法上の商業登記の対抗力(会社法908条)と同じ考え方なので、比較して覚えると定着しやすい。
問9司法書士法人の設立手続(定款)
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人を設立するには、その社員となろうとする司法書士のうち代表者一名が定款を定めれば足りる。
- イ.司法書士法人の定款には、少なくとも、目的、名称、主たる事務所及び従たる事務所の所在地を記載しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 『代表者一名が定めれば足りる』が誤り
司法書士法第32条「司法書士法人を設立するには、その社員となろうとする司法書士が、定款を定めなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 32条3項のとおり → 正しい
司法書士法第32条「定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。一目的二名称三主たる事務所及び従たる事務所の所在地」e-Gov原文
ひっかけ定款作成の主体を『代表者一名』に絞る記述は誤りの典型。
解説32条1項の定款作成は社員となろうとする司法書士『が』定めるものであり、代表者一名への一任は条文上想定されていない。3項は定款の必要的記載事項(目的・名称・事務所所在地・社員の氏名等・出資に関する事項)を列挙する。
補足会社法の定款記載事項と対比しながら、司法書士法人特有の記載事項(3条2項の司法書士か否かの別等)を押さえる。
問10司法書士法人の成立時期と成立の届出
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人は、定款を作成した時点で成立し、設立の登記は成立の効力要件ではない。
- イ.司法書士法人は、成立したときは、成立の日から一箇月以内に、その旨を主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 『定款を作成した時点で成立』が誤り。設立の登記によって成立する
司法書士法第33条「司法書士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『一箇月以内』が誤り。正しくは二週間以内
司法書士法第34条「司法書士法人は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を」e-Gov原文
ひっかけ成立時期は登記時、届出期間は二週間以内。
解説司法書士法人は『定款作成→設立の登記』という手順を経て、設立の登記の時点で成立する(33条)。成立後は二週間以内に司法書士会・連合会への届出が必要(34条)という『登記で成立、二週間で届出』のセットを覚える。
補足定款変更の届出(35条2項)も同じ『二週間以内』なので、あわせて覚えると効率的。
問11司法書士法人の定款の変更
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数の同意によつて、定款の変更をすることができる。
- イ.司法書士法人は、定款を変更したときは、変更の日から二週間以内に、変更に係る事項を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 『社員の過半数の同意』が誤り。原則は総社員の同意
司法書士法第35条「司法書士法人は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によつて、定款の変更をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 35条2項のとおり → 正しい
司法書士法第35条「司法書士法人は、定款を変更したときは、変更の日から二週間以内に、変更に係る事項を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ定款変更の原則的要件は『総社員の同意』であって過半数ではない。
解説定款変更は原則として総社員の同意が必要(定款に別段の定めがある場合を除く)。成立の届出(34条)と同様、定款変更の届出も『二週間以内』に司法書士会・連合会へ行う必要がある。
補足『別段の定め』で緩和できるのは同意要件であって、届出義務(2項)は別段の定めによる緩和の対象ではない。
問12司法書士法人の業務執行と代表
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。
- イ.司法書士法人の社員は、各自司法書士法人を代表する。ただし、定款又は総社員の同意によつて、社員のうち特に司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 36条1項のとおり → 正しい
司法書士法第36条「司法書士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 37条1項のとおり → 正しい
司法書士法第37条「司法書士法人の社員は、各自司法書士法人を代表する。ただし、定款又は総社員の同意によつて、社員のうち特に司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない」e-Gov原文
ひっかけ各自執行・各自代表が原則、簡裁訴訟代理等関係業務だけ特定社員限定の特則。
解説36条1項(業務執行)・37条1項(代表)はいずれも『社員は各自』が原則形。ただし簡裁訴訟代理等関係業務については特定社員のみが執行・代表する特則(36条2項・37条2項)が別途置かれている。
補足持分会社(合名会社等)の業務執行・代表の原則と同じ発想なので、会社法の知識と結びつけて理解する。
問13司法書士法人の社員の責任
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯して、その弁済の責任を負う。
- イ.司法書士法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときは、各社員が弁済責任を負うことはなく、司法書士法人のみが引き続き責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 38条1項のとおり → 正しい
司法書士法第38条「司法書士法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯して、その弁済の責任を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『各社員が弁済責任を負うことはなく』が誤り。1項と同様、各社員が連帯責任を負う
司法書士法第38条「司法書士法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときも、前項と同様とする」e-Gov原文
ひっかけ社員の連帯責任は『完済不能』と『強制執行不奏功』の両方の場面で生じる。
解説38条は司法書士法人の財産的信用を補完するため、法人財産で完済不能の場合(1項)・強制執行不奏功の場合(2項)のいずれも各社員が連帯して無限責任を負う構造。合名会社の社員責任に類似する。ただし社員が法人の資力・執行容易性を証明したときは免責される(3項)。
補足簡裁訴訟代理等関係業務に関する債務は特定社員のみが責任を負う特則(4項・5項)もあわせて押さえる。
問14司法書士法人の社員の常駐義務と法定脱退事由
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員である社員を常駐させることが望ましいが、義務ではない。
- イ.司法書士法人の社員は、司法書士の登録の取消し、定款に定める理由の発生、総社員の同意、除名の4つの理由によつてのみ脱退する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 『望ましいが、義務ではない』が誤り。常駐は義務
司法書士法第39条「司法書士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員である社員を常駐させなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『4つの理由によつてのみ』が誤り。28条2項各号該当を含め5つの事由がある
司法書士法第43条「司法書士法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。一司法書士の登録の取消し二定款に定める理由の発生三総社員の同意四第二十八条第二項各号のいずれかに該当することとなつたこと。五除名」e-Gov原文
ひっかけ法定脱退事由は登録取消し・定款事由・総社員同意・28条2項各号該当・除名の5つ。
解説39条の常駐義務は事務所ごとに司法書士会の会員である社員を置くことを求める規定で、簡裁訴訟代理等関係業務についてはさらに特定社員の常駐が別途要求される(40条)。43条の法定脱退事由は5号まであり、28条2項各号(社員となることができない事由)に該当するに至ったことも独立の脱退事由となる点を見落としやすい。
補足39条(常駐)と40条(簡裁訴訟代理等関係業務の特定社員常駐)はセットで押さえる。
問15司法書士法人の解散事由と合併
司法書士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.司法書士法人は、定款に定める理由の発生、総社員の同意、他の司法書士法人との合併、社員の欠亡の4つの理由によつてのみ解散する。
- イ.司法書士法人は、総社員の同意があるときは、他の司法書士法人と合併することができる。合併は、合併後存続する司法書士法人又は合併により設立する司法書士法人が、その主たる事務所の所在地において登記することによつて、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 『4つの理由によつてのみ』が誤り。破産手続開始の決定等を含め7つの事由がある
司法書士法第44条「司法書士法人は、次に掲げる理由によつて解散する。一定款に定める理由の発生二総社員の同意三他の司法書士法人との合併四破産手続開始の決定五解散を命ずる裁判」e-Gov原文
- イ.正しい
- 45条1項・2項のとおり → 正しい
司法書士法第45条「司法書士法人は、総社員の同意があるときは、他の司法書士法人と合併することができる」e-Gov原文
司法書士法第45条「合併は、合併後存続する司法書士法人又は合併により設立する司法書士法人が、その主たる事務所の所在地において登記することによつて、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ解散事由には任意的なもの(総社員同意等)と強制的なもの(破産・裁判所命令等)の両方がある。
解説44条1項の解散事由は7号まであり、定款事由・総社員同意・合併という任意的な事由のほか、破産・裁判所の解散命令・法務大臣等による解散処分・社員の欠亡という強制的・偶発的な事由も含む。45条の合併は司法書士法人どうしでのみ可能で、効力発生時期は設立の登記(33条)と同じく登記時である点が一貫している。
補足『登記によって効力が生じる』という構成は成立(33条)・合併(45条)に共通するパターンとして覚える。