問1抵当権内容と地上権永小作権目的e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権者は、占有を移転しないで担保に供された不動産について、他の債権者に先立って弁済を受ける権利を有する。
- イ.地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 369条1項は、抵当権者が占有を移転しないまま担保に供された不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有すると定める。占有を移転しない非占有担保である点と、優先弁済権を持つ点の両方を条文どおりに述べている。
民法第369条第1項「占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 369条2項は、地上権及び永小作権も抵当権の目的とすることができ、この場合は抵当権の章の規定を準用すると定める。抵当権の目的物を所有権のある不動産だけに限定しない点を正しく述べている。
民法第369条第2項「地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。」一次資料を確認
ひっかけ占有移転を要する担保だと誤解したり、目的物を所有権のある不動産だけに限定したりする読み方が誤りになる。
解説抵当権は、占有を移転しないで担保に供された不動産について優先弁済を受ける権利であり、目的物は所有権のある不動産に限らず地上権・永小作権にも及ぶ。
補足369条1項の非占有性と優先弁済権、2項の目的物の広がり(地上権・永小作権)を分けて確認する。
問2抵当権効力範囲と抵当地上建物e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権は、抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。
- イ.抵当権は、抵当地の上に存する建物にも当然に及ぶ。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 370条本文は、抵当権の効力が抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶと定める。付合物や従物など不動産と一体化した部分を担保の範囲に含める趣旨であり、記述どおりである。
民法第370条「その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 370条本文は、抵当地の上に存する建物を付加一体物から除くと明記している。土地と建物を別個の不動産として扱う法制のもとでは、土地への抵当権が地上建物に当然に及ぶわけではない。
民法第370条「抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産」一次資料を確認
ひっかけ土地に抵当権を設定すれば地上建物にも当然に及ぶ、という読み方が誤りになる。
解説抵当権は抵当不動産と一体になっている物に及ぶが、抵当地上の建物は除かれる。土地と建物は別個の不動産として扱われる。
補足370条本文の『抵当地の上に存する建物を除き』という除外部分を必ず確認する。
問3抵当権果実効力と準用規定e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権は、担保債権について不履行がなくても、常に抵当不動産から生じた果実に及ぶ。
- イ.留置権の不可分性、先取特権の物上代位、物上保証人の求償権の規定は、抵当権について準用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 371条は、抵当権の効力が抵当不動産の果実に及ぶのは、担保する債権について不履行があった後に限られると定める。記述は不履行の有無を問わず常に及ぶとしており、この時期の限定を無視している点で誤りである。
民法第371条「その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 372条は、留置権の不可分性を定める296条、先取特権の物上代位を定める304条、物上保証人の求償権を定める351条を、いずれも抵当権に準用すると定める。3つの規定の準用を条文どおりに述べている。
民法第372条「第二百九十六条、第三百四条及び第三百五十一条の規定は、抵当権について準用する。」一次資料を確認
ひっかけ果実への効力を不履行前から常に及ぶと早めたり、準用規定の内容を混同したりしない。
解説抵当権の効力が果実に及ぶのは債務不履行後であり、留置権の不可分性・先取特権の物上代位・物上保証人の求償権の規定は抵当権に準用される。
補足371条は効力発生の時期、372条は296条・304条・351条の準用先として分けて確認する。
問4抵当権順位と順位変更合意e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.同一不動産に数個の抵当権が設定されたとき、その順位は登記の前後による。
- イ.抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 373条は、同一の不動産に数個の抵当権が設定されたときの順位を、登記の前後によると定める。設定契約の締結日や被担保債権の発生日ではなく登記の先後を基準とする点を正しく述べている。
民法第373条「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 374条1項本文は、抵当権の順位を各抵当権者の合意によって変更できると定める。登記の前後で決まる順位を、関係者の合意により入れ替えられることを示しており、記述どおりである。
民法第374条第1項「抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。」一次資料を確認
ひっかけ順位を設定契約の日付や被担保債権の発生時期で判断しない。
解説抵当権の順位は登記の前後で決まるのが原則だが、各抵当権者の合意によって変更することができる。
補足373条の登記の前後という基準と、374条1項の合意による変更を分けて確認する。
問5順位変更利害関係人承諾と登記効力e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権の順位変更について利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。
- イ.抵当権の順位変更は、当事者の合意があれば登記をしなくても効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 374条1項ただし書は、抵当権の順位変更について利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならないと定める。合意した抵当権者以外の第三者の利益を保護する要件であり、記述どおりである。
民法第374条第1項「利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 374条2項は、順位の変更は登記をしなければ効力を生じないと定める。記述は当事者の合意だけで登記なしに効力が生じるとしており、登記を効力発生要件とする条文と逆である。
民法第374条第2項「順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。」一次資料を確認
ひっかけ抵当権者間の合意だけで順位変更が完成すると考えて、利害関係人の承諾や登記を省略しない。
解説抵当権の順位変更には、利害関係人があるときの承諾と、効力発生要件としての登記の両方が必要になる。
補足374条1項ただし書の承諾要件と、374条2項の登記による効力発生要件を分けて確認する。
問6抵当権利息範囲と特別登記e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権者は、利息その他の定期金について、満期となった最後の五年分まで抵当権を行使できる。
- イ.最後の二年分より前の定期金については、満期後に特別の登記をしても抵当権を行使できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 375条1項本文は、抵当権者が利息その他の定期金について抵当権を行使できるのは、満期となった最後の二年分に限ると定める。記述は五年分としており、条文の年数と異なる。
民法第375条第1項「その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 375条1項ただし書は、二年分より前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときはその登記の時から抵当権を行使することを妨げないと定める。記述は特別登記をしても行使できないとしており、この例外を否定している点で誤りである。
民法第375条第1項「それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。」一次資料を確認
ひっかけ二年分という年数を五年分などに取り違えたり、特別登記の例外を無視したりしない。
解説利息等への抵当権行使は原則として満期最後の二年分に限られるが、満期後に特別の登記をすれば、それ以前の分にも行使できる。
補足375条1項本文の二年分の原則と、ただし書の特別登記による例外を分けて確認する。
問7損害賠償範囲と二年分通算e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.債務不履行による損害賠償請求権についても、最後の二年分に関する抵当権の被担保範囲規定が適用される。
- イ.債務不履行による損害賠償は、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 375条2項は、債務不履行による損害賠償請求権についても最後の二年分の規律を適用すると定める。損害賠償を対象に含める点が正しい。
民法第375条第2項「債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同項は、損害賠償を利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができないとする。通算上限まで条文に合う。
民法第375条第2項「利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。」一次資料を確認
ひっかけ損害賠償を利息等と別枠にして、二年分制限の外へ出さない。
解説抵当権の被担保範囲では、債務不履行による損害賠償も利息等と通算して最後の二年分に制限される。
補足375条2項で、損害賠償への適用と利息等との通算上限を確認する。
問8抵当権処分と順位処分e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とすることはできない。
- イ.抵当権者は、同一債務者に対する他の債権者の利益のため、抵当権又はその順位を譲渡し、又は放棄することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 376条1項は、抵当権者がその抵当権を他の債権の担保とすること、いわゆる転抵当を認めている。記述はこれを否定しており、抵当権の処分を過度に制限した誤りである。
民法第376条第1項「その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のために」一次資料を確認
- イ.正しい
- 376条1項は、同一の債務者に対する他の債権者の利益のために、抵当権又はその順位を譲渡し、又は放棄することができると定める。記述はこの譲渡・放棄の内容を条文どおりに述べている。
民法第376条第1項「その抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。」一次資料を確認
ひっかけ抵当権を処分できない権利だと単純化して、転抵当や譲渡・放棄の可能性を見落とさない。
解説抵当権者は、抵当権を他の債権の担保とする転抵当のほか、同一債務者に対する他の債権者の利益のために抵当権や順位を譲渡・放棄することができる。
補足376条1項に列挙された転抵当・譲渡・放棄という複数の処分方法を分けて確認する。
問9抵当権処分複数受益者順位と付記e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権者が数人のために抵当権の処分をしたとき、その処分利益を受ける者の権利順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。
- イ.抵当権処分の利益を受ける者の順位は、常にそれぞれの債権発生時の前後による。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 376条2項は、処分利益を受ける者の順位を抵当権登記にした付記の前後によると定める。複数受益者間の順位基準を正しく示している。
民法第376条第2項「その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 順位基準は債権発生時ではなく付記の前後である。常に債権発生時の前後によるとする点が条文と異なる。
民法第376条第2項「権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。」一次資料を確認
ひっかけ通常の債権の先後や契約時期で順位を決めない。抵当権登記への付記を見る。
解説抵当権処分の利益を受ける者が複数いるときの順位は、債権発生時ではなく付記登記の前後で決まる。
補足376条2項の「抵当権の登記にした付記の前後」を確認する。
問10抵当権処分通知承諾と対抗範囲e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権の処分は、主たる債務者に通知し、又は主たる債務者が承諾しなくても、保証人に対抗できる。
- イ.抵当権処分の対抗要件である通知又は承諾は、第四百六十七条の規定に従って行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 377条1項は、主たる債務者への通知又は主たる債務者の承諾がなければ、抵当権の処分を主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの承継人に対抗できないと定める。記述は通知・承諾なしでも保証人に対抗できるとしており誤りである。
民法第377条第1項「主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 377条1項は、抵当権の処分の通知又は承諾を、第467条の規定に従って行うと定める。467条が定める債権譲渡の対抗要件の方式を抵当権の処分にも及ぼす点を条文どおりに述べている。
民法第377条第1項「第四百六十七条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ」一次資料を確認
ひっかけ通知・承諾を省略しても保証人などに対抗できると考えない。
解説抵当権の処分は、467条の方式に従い主たる債務者への通知又は主たる債務者の承諾がなければ、主たる債務者・保証人・抵当権設定者・その承継人に対抗できない。
補足377条1項の対抗要件の対象者(主たる債務者・保証人・抵当権設定者・承継人)と、467条準用の方式を分けて確認する。
問11処分通知後弁済と受益者承諾e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.主たる債務者が抵当権処分の通知を受け、又は承諾をしたときは、受益者の承諾なしにした弁済をその受益者に対抗できない。
- イ.主たる債務者が抵当権処分の通知を受けた後でも、処分の利益を受ける者の承諾を得ない弁済は、常に受益者に対抗できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 377条2項は、主たる債務者が通知を受け、又は承諾をした後は、受益者の承諾を得ないでした弁済をその受益者に対抗できないと定める。記述は条文の要件と効果をそのまま述べている。
民法第377条第2項「抵当権の処分の利益を受ける者の承諾を得ないでした弁済は、その受益者に対抗することができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 377条2項は、通知・承諾後の弁済について、受益者の承諾を得ないものは受益者に対抗できないと定める。記述は常に対抗できるとしており、この対抗できないという条文の帰結と逆である。
民法第377条第2項「承諾を得ないでした弁済は、その受益者に対抗することができない。」一次資料を確認
ひっかけ通知・承諾後も従前どおり自由に弁済を対抗できると考えない。
解説抵当権処分の通知を受け又は承諾をした後、主たる債務者は、受益者の承諾を得ない弁済をその受益者に対抗できなくなる。
補足377条2項の起点(通知・承諾後)と効果(受益者の承諾なき弁済は対抗不可)を分けて確認する。
問12抵当権目的と効力範囲誤認e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権は、債務者又は第三者から目的不動産の占有移転を受けなければ成立しない。
- イ.抵当権の効力は、設定行為に別段の定めがある場合でも、必ず付加一体物に及ぶ。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 369条1項は、占有を移転しないで担保に供した不動産について抵当権が成立すると定める非占有担保の規定である。記述は占有移転を成立要件としており、条文の趣旨と逆である。
民法第369条第1項「占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について」一次資料を確認
- イ.誤り
- 370条ただし書は、設定行為に別段の定めがある場合及び詐害行為取消請求ができる場合には、付加一体物への効力の原則が及ばないと定める。記述はこの例外を無視し必ず及ぶとしており誤りである。
民法第370条「設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ占有移転を成立要件と誤解したり、付加一体物への効力を例外なき絶対的なものと考えたりしない。
解説抵当権は占有移転を要しない非占有担保であり、付加一体物への効力にも設定行為の別段の定め等の例外がある。
補足369条1項の非占有性と、370条ただし書の付加一体物への効力の例外を分けて確認する。
問13順位変更登記と利息二年分e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権の順位変更は、その登記をしなければ効力を生じない。
- イ.抵当権者が利息その他の定期金を請求する権利を有するとき、原則として満期となった最後の二年分についてのみ抵当権を行使できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 374条2項は、順位の変更は登記をしなければ効力を生じないと定める。登記を効力要件とする点まで正しい。
民法第374条第2項「順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 375条1項は、利息その他の定期金について、満期となった最後の二年分についてのみ抵当権を行使できるとする。原則的な優先範囲制限を正しく述べている。
民法第375条第1項「利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」一次資料を確認
ひっかけ順位変更登記を単なる対抗要件に弱めない。利息等も無制限に抵当権で回収できるわけではない。
解説抵当権の順位変更は登記が効力要件であり、利息その他の定期金は最後の二年分に限って優先範囲に入る。
補足374条2項は順位変更の効力、375条1項は利息等の二年分制限として確認する。
問14抵当権処分対抗者と承継人e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.抵当権処分の通知又は承諾がない場合でも、抵当権設定者の承継人には対抗できる。
- イ.抵当権者は、同一債務者に対する他の債権者の利益のために、その順位を譲渡することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法377条1項は、抵当権の処分について通知又は承諾という対抗要件を備えなければ、抵当権設定者だけでなくその承継人にも対抗できないと定める。記述は要件未充足でも承継人へ対抗できるとしており、条文と反対である。
民法第377条第1項「主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 民法376条1項は、抵当権者が同一の債務者に対する他の債権者の利益のために、抵当権又はその順位を譲渡できると定めており、記述はこの処分方法と一致する。
民法第376条第1項「同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し」一次資料を確認
ひっかけ順位譲渡が法律上認められることから、通知・承諾なしでも当然に全関係者へ対抗できると飛躍しない。承継人も対抗要件によって保護される相手方に含まれる。
解説抵当権者は同一債務者に対する他の債権者の利益のために、抵当権又はその順位を譲渡できる(376条1項)。ただし、抵当権の処分を主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの承継人へ対抗するには、377条1項の通知又は承諾が必要である。処分の可否と対抗の可否は別段階で確認する。
補足民法376条1項で順位譲渡という処分方法を確認し、377条1項で通知又は承諾を欠く場合に対抗できない相手として承継人まで列挙されている点を確認する。
問15抵当権順位基準と果実時期e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.同一不動産上の数個の抵当権の順位は、各抵当権の被担保債権の弁済期の前後による。
- イ.抵当権が抵当不動産の果実に及ぶのは、不履行前に生じた果実についてである。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 373条は、同一不動産について数個の抵当権が設定されたときの順位を登記の前後によると定める。弁済期の前後を基準にする点が誤りである。
民法第373条「その抵当権の順位は、登記の前後による。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 371条は、不履行があったときはその後に生じた抵当不動産の果実に及ぶとする。不履行前に生じた果実とする点が時期を逆にしている。
民法第371条「不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。」一次資料を確認
ひっかけ順位を弁済期で決めたり、果実への効力を不履行前にさかのぼらせたりしない。
解説抵当権順位は登記の前後、果実への効力は不履行後に生じた果実という二つの時点を区別する。
補足373条で登記の前後、371条で不履行後の果実を確認する。