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民法・第44

民法(根抵当権の設定・変更㉖)の問題(15問)

民法398条の2 根抵当権の内容・398条の3 極度額の限度などを、条文の原文と選択肢ごとの理由で確認できます。

この章を解く(15問)→

条文検索で確認されている論点

この章には、不特定債権を極度額で担保(民法398条の2)・取引の種類による限定(398条の2)・極度額を限度とした行使(398条の3)に関する問題を収録しています。条文名だけでなく、どの要件が結論を分けるかを各選択肢の根拠と一緒に確認できます。

この章で確認する論点

44章では、根抵当権内容と債権範囲限定・根抵当権特定原因債権と極度額限度・取引外手形債権と事由後取得・元本確定前債権範囲変更と承諾不要・変更登記みなしと極度額変更承諾を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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  • 根抵当権を、範囲の限定なくあらゆる債権を担保できる制度と誤解しない。
  • 担保債権の範囲を広げる398条の2第3項と、行使額の上限を定める398条の3第1項を混同し、極度額超過の行使を認めない。
  • 事由後取得を『常に行使できない』とも『常に行使できる』とも単純化しない。善意取得という例外の存在を見落とさない。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

民法398条の2398条の3398条の4398条の5398条の6398条の7398条の8398条の9398条の10398条の11398条の12

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年7月時点の法令に準拠
1根抵当権内容と債権範囲限定e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保するためにも設定できる。
  • 根抵当権の担保すべき不特定債権の範囲は、債務者との一定種類の取引によって生ずるものに限定して定めなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
398条の2第1項は根抵当権を、一定範囲の不特定債権を極度額の限度で担保する抵当権として定めており、極度額という上限を伴う点が通常の抵当権と異なる。

民法第398の2条第1項「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。」一次資料を確認

正しい
398条の2第2項は根抵当権の担保債権範囲を債務者との一定種類の取引によって生ずるものに限定して定めなければならないとしており、無限定な範囲設定は許されない。

民法第398の2条第2項「債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ根抵当権を、範囲の限定なくあらゆる債権を担保できる制度と誤解しない。

解説根抵当権は398条の2第1項により、特定の債権ではなく一定範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で包括的に担保する点で通常の抵当権と異なる。ただし同条2項により、担保すべき債権の範囲は債務者との一定種類の取引によって生ずるものに限定して定める必要があり、無限定な包括根抵当は認められない。

補足398条の2第1項の『極度額の限度』と、2項の『一定の種類の取引によって生ずるものに限定』という2つの絞りをセットで確認する。

2根抵当権特定原因債権と極度額限度e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権は、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。
  • 根抵当権者は、確定した元本等について、極度額を超えても根抵当権を行使できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
398条の2第3項は特定原因の継続的債権や手形・小切手上の請求権等を、2項の取引種類による限定にかかわらず根抵当権の担保債権にできると定める。

民法第398の2条第3項「特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権」一次資料を確認

誤り
398条の3第1項は確定元本並びに利息等の全部について極度額を限度として根抵当権を行使できると定めており、極度額を超える行使を認める記述は誤りである。

民法第398の3条第1項「極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。」一次資料を確認

ひっかけ担保債権の範囲を広げる398条の2第3項と、行使額の上限を定める398条の3第1項を混同し、極度額超過の行使を認めない。

解説398条の2第3項により、特定原因の継続的債権や手形・小切手上の請求権等は、2項の取引種類による限定にかかわらず根抵当権の担保債権にできる。もっとも398条の3第1項により、根抵当権者が確定元本等について実際に行使できる額は極度額が上限であり、担保できる債権の種類が広いことと行使額の上限があることは別の問題として区別する。

補足398条の2第3項の『前項の規定にかかわらず』という適用除外と、398条の3第1項の『極度額を限度として』という上限をセットで確認する。

3取引外手形債権と事由後取得e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 取引によらず取得する手形上の請求権を担保債権とした場合、債務者の支払停止後に取得したものについても常に根抵当権を行使できる。
  • 債務者の支払停止は、取引によらず取得する手形上の請求権等について、根抵当権行使範囲を制限する事由に含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
398条の3第2項は取引によらない手形上の請求権等につき支払停止等の事由前取得に限り行使できるのが原則で、事由後取得は善意の場合のみ例外的に行使できるにすぎず、常に行使できるとする記述は誤りである。

民法第398の3条第2項「次に掲げる事由があったときは、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使することができる。」一次資料を確認

正しい
398条の3第2項1号は『債務者の支払の停止』を根抵当権の行使範囲を制限する事由として掲げており、条文どおりの記述である。

民法第398の3条第2項「一債務者の支払の停止」一次資料を確認

ひっかけ事由後取得を『常に行使できない』とも『常に行使できる』とも単純化しない。善意取得という例外の存在を見落とさない。

解説取引によらずに取得する手形・小切手上の請求権等を根抵当権の担保債権とした場合、398条の3第2項により、債務者の支払停止・倒産手続開始等の申立て・抵当不動産への競売申立てや滞納処分による差押えといった事由があったときは、その事由より前に取得したものについてのみ根抵当権を行使できるのが原則である。ただし、事由後に取得したものでも、その事由を知らずに取得した場合は行使を妨げないという善意者保護の例外がある。

補足398条の3第2項本文の『その前に取得したものについてのみ』という原則と、ただし書の『その事由を知らないで取得したもの』という善意取得の例外をセットで確認する。

4元本確定前債権範囲変更と承諾不要e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲を変更することができる。
  • 元本確定前の債務者変更には、後順位抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
398条の4第1項は元本確定前の債権範囲の変更を認め、債務者の変更にも同様の扱いを及ぼしており、条文どおりの記述である。

民法第398の4条第1項「元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。」一次資料を確認

正しい
398条の4第2項は1項の変更(債権範囲・債務者の変更)に後順位抵当権者その他の第三者の承諾を要しないと定めており、条文どおりの記述である。

民法第398の4条第2項「後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。」一次資料を確認

ひっかけ元本確定前の債権範囲・債務者変更にも後順位者の承諾が要ると誤解しない。

解説元本確定前の根抵当権は、398条の4第1項により担保すべき債権の範囲及び債務者を変更でき、同条2項によりこれらの変更には後順位抵当権者その他の第三者の承諾を要しない。元本確定前は極度額の枠内で被担保債権が流動的であることが前提であり、通常の抵当権の内容変更(利害関係人の承諾を要する)と扱いが異なる。

補足398条の4第1項の『債務者の変更についても、同様とする』という射程と、2項の承諾不要をセットで確認する。

5変更登記みなしと極度額変更承諾e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本確定前の債権範囲変更について、元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなされる。
  • 根抵当権の極度額は、利害関係人の承諾を得なくても変更できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
398条の4第3項は1項の変更について元本確定前に登記をしなかったときは変更をしなかったものとみなすと定めており、条文どおりの記述である。

民法第398の4条第3項「元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。」一次資料を確認

誤り
398条の5は極度額の変更に利害関係人の承諾を必要とすると定めており、承諾不要とする記述は条文と逆で誤りである。

民法第398の5条「利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。」一次資料を確認

ひっかけ債権範囲変更の承諾不要というルールを、極度額変更にもそのまま当てはめない。

解説債権範囲・債務者の変更(398条の4)は第三者の承諾は不要だが、元本確定前に登記をしなければ変更をしなかったものとみなされる(同条3項)。これに対し極度額の変更(398条の5)は利害関係人の承諾が必須であり、承諾の要否という点で債権範囲等の変更と極度額の変更は正反対の扱いを受ける。

補足398条の4第3項の登記懈怠による変更不存在みなしと、398条の5の承諾必須の要件をセットで確認する。

6元本確定期日上限と変更登記e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 根抵当権の元本確定期日は、定め又は変更した日から十年以内であればよい。
  • 元本確定期日の変更について、変更前の期日より前に登記をしなかったときでも、元本は変更後の期日に確定する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
398条の6第3項が定める上限は五年であり、十年ではない。上限を長期化させると根抵当権が事実上包括担保化し取引の安全を害するため、五年に限定されている。

民法第398の6条第3項「第一項の期日は、これを定め又は変更した日から五年以内でなければならない。」一次資料を確認

誤り
同条4項は変更前期日より前の登記を欠くと変更の効力が生じず、当初の変更前期日で確定すると定めており、記述のように変更後の期日には確定しない。

民法第398の6条第4項「変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定する。」一次資料を確認

ひっかけ五年の上限を十年と混同したり、登記が遅れても変更後の期日に確定すると誤解しない。

解説根抵当権の元本確定期日は398条の6第3項により定め又は変更した日から五年以内という上限があり、根抵当権が不特定債権を無期限に包括担保し続けることを防いでいる。また同条4項により、期日の変更は変更前の期日より前に登記をしなければ効力を生じず、登記を怠ると変更前の期日で元本が確定してしまう点も併せて押さえる。

補足398条の6第3項の『五年以内』という上限と、4項の『変更前の期日より前の登記』という要件をセットで確認する。

7確定前債権譲渡と代位弁済e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。
  • 元本確定前に債務者のために弁済した者も、その弁済債権について根抵当権を行使することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
根抵当権は元本確定前は個々の債権に随伴しないため、債権のみを取得しても根抵当権は移転しない。

民法第398の7条第1項「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。」一次資料を確認

正しい
代位弁済者も債権を取得する点で譲受人と同様であり、確定前は随伴性が働かず根抵当権を行使できない。

民法第398の7条第1項「元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。」一次資料を確認

ひっかけ通常抵当権の随伴性の感覚で、確定前の債権譲渡や代位弁済に根抵当権がついていくと誤解しない。

解説根抵当権は元本確定前、個々の被担保債権に随伴しない。398条の7第1項は、確定前に根抵当権者から債権を取得した者(前段)、及び確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした代位弁済者(後段)のいずれも、その債権について根抵当権を行使できないと定めており、通常の抵当権の随伴性とは異なる根抵当権特有の性質を示す。

補足398条の7第1項前段(債権取得者)と後段(代位弁済者)のいずれも確定前は根抵当権を行使できない点を条文の文言で確認する。

8確定前債務引受と更改移転e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本確定前に債務引受があったとき、根抵当権者は当然に引受人の債務について根抵当権を行使できる。
  • 元本確定前に債権者の交替による更改があった場合、更改前の債権者は根抵当権を更改後の債務に移すことができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
398条の7第2項は確定前の債務引受について引受人債務への根抵当権行使を否定しており、当然行使できるとする記述は誤りである。

民法第398の7条第2項「元本の確定前に債務の引受けがあったときは、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができない。」一次資料を確認

正しい
同条4項前段は518条1項の規定にかかわらず、確定前の債権者交替による更改では根抵当権を更改後の債務に移せないとする。

民法第398の7条第4項「更改前の債権者は、第五百十八条第一項の規定にかかわらず、根抵当権を更改後の債務に移すことができない。」一次資料を確認

ひっかけ確定前の債務引受や更改でも根抵当権は自動的に付いていくと誤解しない。

解説元本確定前の根抵当権は債務者側の変動にも随伴しない。398条の7第2項は確定前の債務引受について引受人の債務への根抵当権行使を否定し、同条4項は確定前の債権者交替による更改について、518条1項により通常認められる担保の移転であっても根抵当権には及ばないとする。いずれも根抵当権の確定前における随伴性否定という共通原理から導かれる。

補足398条の7第2項(債務引受)と4項(更改)を、確定前は随伴しないという共通の原理で結びつけて覚える。

9根抵当権者相続と六箇月登記e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本確定前に根抵当権者について相続が開始したとき、根抵当権は相続開始時に存する債権のほか、合意で定めた相続人が相続後に取得する債権を担保する。
  • 相続に関する合意は、相続開始後一年以内に登記すれば、元本確定を避けられる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
398条の8第1項は相続開始時の債権に加え、設定者との合意で定めた相続人の相続後取得債権も担保するとしており、記述と一致する。

民法第398の8条第1項「相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する。」一次資料を確認

誤り
同条4項の登記期限は相続開始後六箇月以内であり、一年ではない。期限内に登記しなければ相続開始時に元本確定したとみなされる。

民法第398の8条第4項「相続の開始後六箇月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなす。」一次資料を確認

ひっかけ登記期限の六箇月を一年など他の期間と混同しない。

解説元本確定前に根抵当権者について相続が開始した場合、398条の8第1項により根抵当権は相続開始時の債権に加え、相続人と設定者との合意で定めた相続人が相続後に取得する債権も担保する。ただし同条4項により、この合意は相続開始後六箇月以内に登記しなければならず、登記を怠ると担保すべき元本は相続開始の時に確定したものとみなされる。

補足398条の8第1項の『合意で定めた相続人の相続後取得債権』と4項の『六箇月以内の登記』をセットで確認する。

10債務者相続と合意承諾不要e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本確定前に債務者について相続が開始したとき、相続後に合意で定めた相続人が負担する債務は根抵当権で担保されない。
  • 根抵当権者又は債務者の相続に関する合意をする場合、後順位抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
398条の8第2項は合意で定めた相続人の相続後負担債務も担保対象とするが、記述はこれを否定しており誤りである。

民法第398の8条第2項「合意により定めた相続人が相続の開始後に負担する債務を担保する。」一次資料を確認

正しい
同条3項が398条の4第2項を準用しており、根抵当権者・債務者の相続に関する合意にも後順位抵当権者等の第三者の承諾は不要である。

民法第398の8条第3項「第三百九十八条の四第二項の規定は、前二項の合意をする場合について準用する。」一次資料を確認

ひっかけ債務者側の相続では相続後債務が担保外になると誤解したり、相続合意に第三者承諾が必要と誤解しない。

解説398条の8は根抵当権者の相続(1項)と債務者の相続(2項)を対で規定し、いずれも設定者との合意で定めた相続人の相続後の取得債権・負担債務を担保する。この合意は、同条3項が398条の4第2項を準用することで、根抵当権の内容変更一般と同様に後順位抵当権者その他の第三者の承諾を要しない。

補足398条の8第2項(債務者相続の担保範囲)と3項(第三者承諾不要の準用)を条文の文言で確認する。

11合併後債権債務と確定請求e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本確定前に根抵当権者について合併があったとき、根抵当権は合併時に存する債権のほか、合併後存続法人等が合併後に取得する債権を担保する。
  • 元本確定前に合併があった場合でも、根抵当権設定者は担保すべき元本の確定を請求できない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
398条の9第1項は合併時の債権に加え合併後存続・設立法人が合併後に取得する債権も当然に担保するとしており、記述と一致する。

民法第398の9条第1項「合併の時に存する債権のほか、合併後存続する法人又は合併によって設立された法人が合併後に取得する債権を担保する。」一次資料を確認

誤り
同条3項本文は設定者に元本確定請求権を認めており、記述のように常に請求できないわけではない(ただし2項の場合で債務者が設定者であるときを除く)。

民法第398の9条第3項「前二項の場合には、根抵当権設定者は、担保すべき元本の確定を請求することができる。」一次資料を確認

ひっかけ合併の場合も相続と同じく合意が必要と誤解したり、設定者の確定請求権を一律に否定しない。

解説根抵当権者又は債務者について合併があった場合、398条の9第1項・2項により、相続と異なり当事者の合意なく合併後に取得・負担する債権債務も当然に担保対象となる。その反面、合併は根抵当権設定者の関与しない事情であるため、同条3項本文により設定者に担保すべき元本の確定請求権が認められる。ただし同項ただし書により、2項の場合(債務者について合併があった場合)において、その債務者が根抵当権設定者であるときはこの請求権は認められない。

補足398条の9第1項の『当然に担保』という合併の特徴と、3項の設定者の確定請求権(ただし書の例外つき)をセットで確認する。

12合併確定請求期間と確定時e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 合併による元本確定請求があったときは、担保すべき元本は請求時に確定したものとみなされる。
  • 合併による元本確定請求は、根抵当権設定者が合併を知った日から二週間を経過した後でも、合併の日から一箇月内なら常にすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
398条の9第4項は確定時点を合併の時としており、請求時に確定するとの記述は誤りである。

民法第398の9条第4項「請求があったときは、担保すべき元本は、合併の時に確定したものとみなす。」一次資料を確認

誤り
同条5項は知った日から二週間経過・合併日から一箇月経過のいずれか一方でも請求不可となる制限であり、二週間経過後は一箇月以内でも請求できない。

民法第398の9条第5項「合併のあったことを知った日から二週間を経過したときは、することができない。合併の日から一箇月を経過したときも、同様とする。」一次資料を確認

ひっかけ確定の効果を請求時と誤解したり、二週間・一箇月のどちらか一方だけを制限と誤解しない。

解説合併による元本確定請求(398条の9第3項)がされたときは、同条4項によりその効果は請求時ではなく合併の時に遡って確定する。また同条5項は、設定者が合併を知った日から二週間、又は合併の日から一箇月のいずれか早い期間を経過すると請求できなくなる二重の期間制限を置いており、一方の期間が経過すればもう一方の期間内でも請求はできない。

補足398条の9第4項の『合併の時に確定』と5項の『二週間・一箇月いずれか経過で請求不可』という二重制限を条文の文言で確認する。

13会社分割担保範囲と準用e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本確定前に根抵当権者を分割会社とする会社分割があったとき、根抵当権は分割時の債権のほか、分割会社等が分割後に取得する債権を担保する。
  • 根抵当権者又は債務者の会社分割の場合には、合併時の元本確定請求等の規定が準用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
398条の10第1項は合併と同様、分割時の債権に加え分割後に承継会社等が取得する債権も当然に担保するとしており、記述と一致する。

民法第398の10条第1項「分割の時に存する債権のほか、分割をした会社及び分割により設立された会社」一次資料を確認

正しい
同条3項は398条の9第3項から5項までを準用しており、会社分割にも合併と同じ確定請求・期間制限の規定が及ぶ。

民法第398の10条第3項「前条第三項から第五項までの規定は、前二項の場合について準用する。」一次資料を確認

ひっかけ会社分割には確定請求の制度がないと誤解したり、合併と別の規律が及ぶと誤解しない。

解説会社分割は合併と同様、398条の10第1項・2項により当事者の合意なく分割後に取得・負担する債権債務も当然に担保対象となる。さらに同条3項が398条の9第3項から第5項まで(設定者の確定請求権、合併時への遡及的確定、二週間・一箇月の期間制限)を準用するため、会社分割の場面でも合併と同一の確定請求制度が適用される。

補足398条の10第1項の担保範囲と、3項による398条の9第3項〜5項の準用範囲をあわせて確認する。

14確定前根抵当権処分と転根抵当e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本確定前でも、根抵当権者は民法376条1項による根抵当権の順位譲渡等の処分を自由にすることができる。
  • 元本確定前でも、根抵当権を他の債権の担保とすることは妨げられない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
398条の11第1項本文は確定前の376条1項による根抵当権処分を禁止しており、自由にできるとする記述は誤りである。

民法第398の11条第1項「元本の確定前においては、根抵当権者は、第三百七十六条第一項の規定による根抵当権の処分をすることができない。」一次資料を確認

正しい
同項ただし書は376条1項の処分のうち、他の債権の担保とすること(転根抵当)だけを例外として認めている。

民法第398の11条第1項「ただし、その根抵当権を他の債権の担保とすることを妨げない。」一次資料を確認

ひっかけ376条1項の処分のうち転根抵当だけが例外的に許されることを見落とし、確定前は一切の処分ができないと誤解しない。

解説元本確定前の根抵当権は担保する債権が流動的であるため、398条の11第1項本文により376条1項の規定による根抵当権の処分(他の債権の担保とすること、及び他の債権者のための順位の譲渡・放棄等)は禁止される。ただし同項ただし書は、376条1項が定める処分のうち『他の債権の担保とすること』(転根抵当)だけを例外として許容しており、順位の譲渡・放棄など他の処分は禁止されたままである点を区別する必要がある。

補足398条の11第1項本文の禁止対象(376条1項の処分全般)と、ただし書の例外(他の債権の担保とすること=転根抵当)を条文の文言で区別して確認する。

15根抵当権譲渡承諾と分割譲渡e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 元本確定前に根抵当権者が根抵当権を譲り渡すには、根抵当権設定者の承諾を得る必要はない。
  • 根抵当権を二個に分割して一方を譲渡する場合でも、その根抵当権を目的とする権利を有する者の承諾は不要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
398条の12第1項は根抵当権譲渡に根抵当権設定者の承諾を要件として明記しており、承諾不要とする記述は誤りである。

民法第398の12条第1項「根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる。」一次資料を確認

誤り
同条3項は分割譲渡について根抵当権を目的とする権利を有する者の承諾を要求しており、記述のように不要ではない。

民法第398の12条第3項「その根抵当権を目的とする権利を有する者の承諾を得なければならない。」一次資料を確認

ひっかけ根抵当権の譲渡・分割譲渡を承諾不要の自由な処分と誤解しない。

解説元本確定前の根抵当権の全部譲渡(398条の12第1項)には根抵当権設定者の承諾が必要であり、根抵当権を二個に分割して一方を譲渡する分割譲渡(同条2項)にはさらに、その根抵当権を目的とする権利を有する者(転根抵当権者等)の承諾(同条3項)も必要となる。前条(398条の11)の処分禁止原則の例外として認められる譲渡だからこそ、承諾という手続的要件が課されている。

補足398条の12第1項(設定者の承諾)と3項(目的権利者の承諾)を区別して条文の文言で確認する。

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