問1根抵当権一部譲渡と設定者承諾e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.元本の確定前において、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て根抵当権の一部譲渡をすることができる。
- イ.根抵当権の一部譲渡とは、譲渡人が譲受人と根抵当権を共有するため、これを分割しないで譲り渡すことをいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 398条の13第1項は一部譲渡に根抵当権設定者の承諾を要求しており、条文どおりの記述である。
民法第398の13条「根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の一部譲渡」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同項括弧書きは一部譲渡を分割しないで共有するため譲り渡すことと定義しており、分割譲渡とは異なる制度である。
民法第398の13条「譲渡人が譲受人と根抵当権を共有するため、これを分割しないで譲り渡すことをいう。」一次資料を確認
ひっかけ一部譲渡を分割譲渡と同一視し、目的権利者の承諾まで必要と誤解しない。
解説元本確定前の根抵当権譲渡には、根抵当権全部を移転する全部譲渡(398条の12第1項)、根抵当権を二個に分割してその一方を移転する分割譲渡(同条2項)、根抵当権を分割せず譲渡人と譲受人の共有とする一部譲渡(398条の13)の三類型がある。いずれも設定者の承諾を要するが、分割譲渡だけは根抵当権を目的とする権利を有する者の承諾(同条3項)も追加で必要となる点で一部譲渡と区別される。
補足398条の12(全部譲渡・分割譲渡)と398条の13(一部譲渡)の要件・定義を条文の文言で区別して確認する。
問2根抵当権共有弁済割合と別段定めe-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.根抵当権の共有者は、原則としてそれぞれその債権額の割合に応じて弁済を受ける。
- イ.根抵当権の共有者間では、元本確定前であっても、債権額割合と異なる弁済割合を定めることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 398条の14第1項本文は共有者の弁済を債権額の割合によるとしており、条文どおりの記述である。
民法第398の14条第1項「根抵当権の共有者は、それぞれその債権額の割合に応じて弁済を受ける。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同項ただし書は元本確定前の別段の定め(異なる割合・優先弁済)を認めており、記述はこれを否定しているため誤りである。
民法第398の14条第1項「元本の確定前に、これと異なる割合を定め、又はある者が他の者に先立って弁済を受けるべきことを定めたときは、その定めに従う。」一次資料を確認
ひっかけ共有者の弁済割合を債権額比例で固定的と決めつけ、元本確定前の別段の定めの余地を見落とさない。
解説根抵当権が複数の者に共有される場合、398条の14第1項本文は弁済を各共有者の債権額の割合に応じるとする原則を定める一方、同項ただし書は元本確定前であれば共有者間で異なる割合や優先弁済の定めをすることを許容する。確定後は担保すべき債権が固定されるため別段の定めをする余地は狭まり、確定前の流動的な段階だからこそ当事者の合意による柔軟な調整が認められている。
補足398条の14第1項の本文(原則=債権額割合)とただし書(例外=元本確定前の別段の定め)を条文の文言で区別する。
問3共有者譲渡同意と順位利益承継e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.根抵当権の共有者は、他の共有者の同意を得なくても、その権利を譲り渡すことができる。
- イ.抵当権の順位の譲渡又は放棄を受けた根抵当権者が、その根抵当権の一部譲渡をしたときは、譲受人はその順位の譲渡又は放棄の利益を受ける。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 398条の14第2項は共有者の持分譲渡に他の共有者の同意を要求しており、記述は同意不要としているため誤りである。
民法第398の14条第2項「根抵当権の共有者は、他の共有者の同意を得て、第三百九十八条の十二第一項の規定によりその権利を譲り渡すことができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 398条の15は根抵当権の譲渡・一部譲渡時に順位譲渡・放棄の利益が譲受人に承継されると定めており、条文どおりの記述である。
民法第398の15条「譲受人は、その順位の譲渡又は放棄の利益を受ける。」一次資料を確認
ひっかけ共有者の持分譲渡を単独でできる処分と誤解し、他の共有者の同意という要件を見落とさない。
解説根抵当権の共有者が自己の持分を譲渡するには、398条の14第2項により他の共有者の同意を要する。これは共有根抵当権が複数の債権者の共同担保として機能する以上、一人の共有者の判断で持分の帰属を変えることが他の共有者の利益に影響するためである。また398条の15は、順位の譲渡・放棄を受けていた根抵当権者が根抵当権を譲渡・一部譲渡した場合、その順位に関する利益が譲受人にも承継されると定め、譲渡に伴う地位の連続性を確保している。
補足398条の14第2項(共有者の同意)と398条の15(順位利益の承継)を条文の文言で確認する。
問4共同根抵当適用要件と設定同時登記e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.共同抵当に関する民法392条及び393条の規定は、根抵当権については、設定と同時に同一債権の担保として数個の不動産に根抵当権が設定された旨の登記をした場合に限り適用される。
- イ.共同根抵当の登記がある場合、担保債権範囲等の変更は、すべての不動産について登記をしなければ効力を生じない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 398条の16は共同根抵当として392条・393条が適用されるのを設定同時登記の場合に限定しており、条文どおりの記述である。
民法第398の16条「その設定と同時に同一の債権の担保として数個の不動産につき根抵当権が設定された旨の登記をした場合に限り、適用する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 398条の17第1項は共同根抵当の変更等をすべての不動産で登記しなければ効力を生じないと定めており、条文どおりの記述である。
民法第398の17条第1項「すべての不動産について登記をしなければ、その効力を生じない。」一次資料を確認
ひっかけ共同根抵当の要件を設定時期の同一性だけで満たすと誤解し、同時設定の登記という要件を見落とさない。
解説根抵当権が複数の不動産を共同担保とする場合、392条・393条(共同抵当の規定)が適用されるのは398条の16により、設定と同時に同一の債権の担保として数個の不動産に根抵当権が設定された旨の登記をした場合に限られる。この登記がある共同根抵当については、398条の17第1項により、担保すべき債権の範囲・債務者・極度額の変更や譲渡・一部譲渡は、設定されているすべての不動産について登記をしなければ効力を生じない。
補足398条の16(共同根抵当の適用要件=設定同時登記)と398条の17第1項(変更等の効力要件=全不動産登記)を条文の文言で確認する。
問5共同根抵当一個確定と累積根抵当e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.共同根抵当の登記がある根抵当権では、一個の不動産についてのみ元本確定事由が生じた場合でも、担保すべき元本は確定する。
- イ.累積根抵当では、各不動産の代価について、全不動産を通じた一個の極度額までしか優先権を行使できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 398条の17第2項は共同根抵当で一個の不動産の確定事由により元本全体が確定すると定めており、条文どおりの記述である。
民法第398の17条第2項「一個の不動産についてのみ確定すべき事由が生じた場合においても、確定する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 398条の18は共同根抵当を除き各不動産ごとに各極度額まで優先できると定めており、記述は一個の極度額に限定しているため誤りである。
民法第398の18条「各不動産の代価について、各極度額に至るまで優先権を行使することができる。」一次資料を確認
ひっかけ共同根抵当の一個確定の効果を、累積根抵当における各不動産ごとの独立した優先権と混同しない。
解説398条の16の登記がある共同根抵当は、398条の17第2項により、そのうち一個の不動産についてのみ確定事由が生じた場合でも担保すべき元本の全体が確定する。これに対し、共同根抵当の登記がない場合(累積根抵当)は398条の18により、各不動産の根抵当権が独立して機能し、各不動産の代価についてそれぞれの極度額に至るまで優先権を行使できる点で共同根抵当と扱いが異なる。
補足398条の17第2項(共同根抵当の一個確定)と398条の18(累積根抵当の各極度額優先)を条文の文言で区別する。
問6設定者確定請求と二週間経過e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.根抵当権設定者は、根抵当権設定の時から一年を経過すれば、担保すべき元本の確定を請求できる。
- イ.根抵当権設定者の元本確定請求があると、担保すべき元本はその請求時に直ちに確定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 398条の19第1項前段は設定者の確定請求を設定時から三年経過後としており、記述の一年は条文と異なる。
民法第398の19条第1項「根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同項後段は設定者請求による確定を請求時から二週間経過後としており、記述の即時確定は誤りである。
民法第398の19条第1項「担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。」一次資料を確認
ひっかけ設定者の確定請求について、経過期間(三年)と効果発生までの猶予(二週間)を混同したり短縮して覚えたりしない。
解説398条の19第1項は、根抵当権設定者による元本確定請求について、設定の時から三年を経過したときに請求できるとし、請求の効果は請求の時から二週間を経過することによって生じると定める。設定直後の一方的な確定請求から根抵当権者を保護するために三年という経過期間が要件とされ、さらに請求から確定までにも二週間の猶予期間を置くことで根抵当権者に対応の余地を与えている点を、期間の起算点ごとに区別して覚える必要がある。
補足398条の19第1項前段(三年経過で請求可能)と後段(請求から二週間で確定)を条文の文言で区別する。
問7根抵当権者確定請求と期日定めe-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.根抵当権者は、いつでも担保すべき元本の確定を請求することができ、その場合、元本は請求時に確定する。
- イ.設定者・根抵当権者による確定請求の規定は、担保すべき元本の確定期日の定めがあるときは適用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 398条の19第2項は根抵当権者の確定請求をいつでも可能とし、請求時に確定するとしており条文どおりの記述である。
民法第398の19条第2項「根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同条3項は確定期日の定めがあるときは前2項(請求による確定)を適用しないと定めており条文どおりの記述である。
民法第398の19条第3項「前二項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。」一次資料を確認
ひっかけ根抵当権者の確定請求の効果発生時期を、設定者の請求と同じ二週間後と誤解しない。
解説398条の19第2項は、根抵当権者による元本確定請求について、設定者の請求(同条1項、三年経過後かつ二週間の猶予)とは異なり、いつでも請求でき、かつ請求の時に直ちに確定すると定める。さらに同条3項は、担保すべき元本の確定すべき期日があらかじめ定められている場合には、これら請求による確定の規定自体が適用されないとし、当事者の合意による確定期日の定めを優先させている。
補足398条の19第2項(根抵当権者請求=いつでも・請求時確定)と3項(確定期日の定めがあれば前2項不適用)を条文の文言で確認する。
問8競売申立て確定と開始要件e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.根抵当権者が抵当不動産について競売を申し立てたときは、競売手続の開始がなくても、担保すべき元本は常に確定する。
- イ.根抵当権者が抵当不動産に対して滞納処分による差押えをしたときは、担保すべき元本は確定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 398条の20第1項1号ただし書は競売等の申立てだけでなく手続開始又は差押えがあったときに限ると定めており、記述は常に確定としているため誤りである。
民法第398の20条第1項「ただし、競売手続若しくは担保不動産収益執行手続の開始又は差押えがあったときに限る。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同項2号は根抵当権者による滞納処分差押えを確定事由と定めており条文どおりの記述である。
民法第398の20条第1項「根抵当権者が抵当不動産に対して滞納処分による差押えをしたとき。」一次資料を確認
ひっかけ競売等の申立てさえあれば当然に確定すると誤解し、ただし書の『手続開始又は差押えに限る』という限定を見落とさない。
解説398条の20第1項は元本確定事由を列挙し、1号は根抵当権者による競売等の申立てを事由とするが、ただし書により手続の開始又は差押えがあったときに限られ、申立てだけでは確定しない。これに対し2号の滞納処分による差押えには同様の限定がなく、差押えの事実自体で確定する。同じ根抵当権者の行為による確定事由でも、手続開始等を要するか否かが号ごとに異なる点を区別して押さえる必要がある。
補足398条の20第1項1号のただし書(手続開始等が必要)と2号(限定なし)を条文の文言で区別する。
問9競売開始知った時と破産確定e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始を知った時から二週間を経過したとき、担保すべき元本は確定する。
- イ.債務者が破産手続開始の決定を受けても、根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けた場合でなければ元本は確定しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 398条の20第1項3号は競売開始等を知った時から二週間経過を確定事由としており条文どおりの記述である。
民法第398の20条第1項「競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過したとき。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同項4号は債務者又は根抵当権設定者いずれの破産手続開始決定も確定事由としており、記述は債務者破産を除外しているため誤りである。
民法第398の20条第1項「債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けたとき。」一次資料を確認
ひっかけ破産による確定事由を根抵当権設定者の破産に限定し、債務者自身の破産を見落とさない。
解説398条の20第1項3号は、根抵当権者が他の債権者による競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過したときを確定事由とする。また4号は、債務者又は根抵当権設定者のいずれかが破産手続開始の決定を受けたときを確定事由とし、破産の主体を設定者に限定していない。物上保証(設定者と債務者が別人)の場面では、どちらの破産でも元本が確定する点を押さえる必要がある。
補足398条の20第1項3号(知った時から二週間)と4号(債務者又は設定者いずれの破産も事由)を条文の文言で確認する。
問10確定効力消滅みなしと取得者例外e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.競売手続開始の効力が消滅した場合でも、担保すべき元本は常に確定したままとなる。
- イ.元本が確定したものとして根抵当権又はこれを目的とする権利を取得した者があるときは、確定しなかったものとみなす規定の例外となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 398条の20第2項本文は競売等の効力消滅により元本を確定しなかったものとみなすと定めており、記述は常に確定維持としているため誤りである。
民法第398の20条第2項「競売手続の開始若しくは差押え又は同項第四号の破産手続開始の決定の効力が消滅したときは、担保すべき元本は、確定しなかったものとみなす。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同項ただし書は確定を前提に権利を取得した者がある場合をみなし未確定の例外とすると定めており条文どおりの記述である。
民法第398の20条第2項「ただし、元本が確定したものとしてその根抵当権又はこれを目的とする権利を取得した者があるときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ確定事由の基礎となった手続の効力が消滅しても、一度確定した元本は覆らないと誤解しない。
解説398条の20第2項本文は、同条1項3号の競売手続の開始・差押え又は4号の破産手続開始決定の効力が消滅したときは、担保すべき元本は確定しなかったものとみなすと定める。手続の取下げ・却下や破産手続の廃止等により確定の基礎が失われれば、遡って未確定として扱われる。ただし同項ただし書は、元本確定を前提にその根抵当権又はこれを目的とする権利を取得した第三者がいる場合には、その者の信頼を保護するためこの遡及効を及ぼさないとする例外を置く。
補足398条の20第2項本文(みなし未確定)とただし書(取得者保護の例外)を条文の文言で区別する。
問11極度額減額請求と二年分加算e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.元本確定後、根抵当権設定者は、極度額を現存債務額と以後二年間の利息等を加えた額に減額することを請求できる。
- イ.共同根抵当の登記がされている根抵当権の極度額減額請求は、すべての不動産について個別にしなければ効力がない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 398条の21第1項は、元本確定後に限り、極度額を現存債務額と以後二年分の利息等を加えた額まで減らすよう請求できるとする。確定前は担保される元本自体が変動中で対象額を確定できないため、この請求は確定後にのみ認められる。
民法第398の21条第1項「現に存する債務の額と以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 398条の21第2項は、398条の16の登記がある共同根抵当については、一個の不動産についてすれば足りるとする。極度額は共同根抵当の全不動産に共通するため、一不動産での減額請求の効力が他の不動産にも及び、個別請求までは不要である。
民法第398の21条第2項「そのうちの一個の不動産についてすれば足りる。」一次資料を確認
ひっかけ全不動産への個別請求を要求しない。共同根抵当は一個の不動産についてすれば足りる。
解説元本確定後の極度額減額請求(398条の21第1項)は、根抵当権設定者が現存債務額と以後二年分の利息等を加えた額まで極度額を縮減させる制度で、元本確定という時期的要件が前提となる。共同根抵当(398条の16登記)の場合は、極度額が全不動産に共通するため、同条2項により一個の不動産についてすれば足り、すべての不動産で個別に請求する必要はない点が単独の根抵当権と異なる。
補足398条の21第1項(減額請求の時期と算定額)と2項(共同根抵当の一個請求)を条文の文言で区別して確認する。
問12根抵当権消滅請求主体と極度額超過e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.元本確定前でも、現存債務額が極度額を超えるときは、第三取得者は根抵当権の消滅請求をすることができる。
- イ.他人の債務を担保するため根抵当権を設定した者は、極度額相当額を払い渡し又は供託しても、根抵当権の消滅請求をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 398条の22第1項は、消滅請求の要件を『元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるとき』と定める。元本確定前は担保される債権額が変動中で超過状態を確定できず、消滅請求はできない。
民法第398の22条第1項「元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは」一次資料を確認
- イ.誤り
- 398条の22第1項は、消滅請求権者として他人の債務を担保するため根抵当権を設定した者(物上保証人)を明文で挙げており、極度額相当額の払渡し・供託によって消滅請求できる。記述は主体性を否定しており誤りである。
民法第398の22条第1項「他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者」一次資料を確認
ひっかけ元本確定前の消滅請求を認めない。物上保証人の請求主体性も否定しない。
解説根抵当権消滅請求(398条の22第1項)は、元本確定後に現存債務額が極度額を超える場合に限って認められる制度で、確定前にはそもそも超過の有無を確定できないため請求できない。請求できる主体は、他人の債務を担保するため根抵当権を設定した物上保証人と、抵当不動産について所有権・地上権・永小作権・対抗要件を備えた賃借権を取得した第三取得者であり、いずれも極度額相当額の払渡し又は供託によって消滅請求ができる。
補足398条の22第1項の時期的要件(元本確定後)と請求権者の範囲(物上保証人・第三取得者)を条文の文言で確認する。
問13消滅請求の払渡供託と弁済効e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.根抵当権の消滅請求をする者は、極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して消滅請求をすることができる。
- イ.根抵当権消滅請求における払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 398条の22第1項は、消滅請求権者が極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して消滅請求をすることができると定める。単なる消滅の意思表示だけでは足りず、現実の払渡し又は供託が要件となる。
民法第398の22条第1項「その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 398条の22第1項後段は、消滅請求における払渡し又は供託が弁済の効力を有すると定める。物上保証人等は本来の債務者ではないため、この払渡し・供託が被担保債権を消滅させる弁済とみなされて初めて根抵当権も消滅する。
民法第398の22条第1項「その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。」一次資料を確認
ひっかけ単なる意思表示だけで消滅請求できるとしない。払渡し・供託の弁済効も見落とさない。
解説根抵当権消滅請求(398条の22第1項)は、極度額相当額の払渡し又は供託という現実の給付を要件とし、単なる意思表示だけでは足りない。さらに同項後段はその払渡し又は供託に弁済の効力を認めており、物上保証人等の非債務者が行う給付であっても被担保債権を消滅させる弁済として扱われることで、根抵当権自体も消滅する仕組みになっている。
補足398条の22第1項前段(払渡し・供託の要件)と後段(弁済効)を条文の文言で確認する。
問14共同根抵当消滅請求と準用e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.共同根抵当の登記がされている根抵当権は、一個の不動産について消滅請求があっても、他の不動産については当然には消滅しない。
- イ.主たる債務者、保証人及びこれらの承継人が消滅請求できない旨の規定は、根抵当権の消滅請求にも準用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 398条の22第2項は、398条の16の登記がされている共同根抵当権は、一個の不動産について第1項の消滅請求があったときは消滅すると定める。共同根抵当は極度額が全不動産に共通するため、一個の不動産での消滅請求で根抵当権全体が消滅する。
民法第398の22条第2項「一個の不動産について前項の消滅請求があったときは、消滅する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 398条の22第3項は、380条(主たる債務者・保証人・その承継人は抵当権消滅請求ができない旨の規定)と381条(停止条件付第三取得者の消滅請求時期制限)を根抵当権の消滅請求に準用する。設問の記述はこの準用の内容と一致し正しい。
民法第398の22条第3項「第三百八十条及び第三百八十一条の規定は、第一項の消滅請求について準用する。」一次資料を確認
ひっかけ一個不動産だけの局所消滅としない。380条・381条の準用も見落とさない。
解説共同根抵当(398条の16登記)の消滅請求は、極度額が全不動産に共通するため、398条の22第2項により一個の不動産について消滅請求があれば根抵当権全体が消滅し、他の不動産だけ存続する余地はない。さらに同条3項は、抵当権消滅請求における主体制限規定(380条: 主たる債務者・保証人・その承継人は消滅請求不可)と時期制限規定(381条: 停止条件付第三取得者は条件成否未定中は消滅請求不可)を根抵当権消滅請求にも準用しており、抵当権と共通の制度趣旨を維持している。
補足398条の22第2項(共同根抵当の全体消滅)と3項(380条・381条の準用)を条文の文言で確認する。
問15累積根抵当と設定者減額請求時期e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.累積根抵当では、共同根抵当の場合を除き、各不動産の代価について一つの共通極度額を按分して優先権を行使する。
- イ.根抵当権設定者による極度額減額請求は、元本確定前でもいつでもすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 398条の18は、数個の不動産に根抵当権を有する者は、398条の16(共同根抵当の登記)の場合を除き、各不動産の代価について各極度額に至るまで優先権を行使できると定める。累積根抵当は各不動産ごとに独立した極度額を持つ点で共同根抵当と異なる。
民法第398の18条「各不動産の代価について、各極度額に至るまで優先権を行使することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 398条の21第1項は減額請求の要件を『元本の確定後においては』と定めており、元本確定前は担保される債権の元本が変動中で現存債務額を確定できないため、確定前にはいつでも請求できるわけではない。
民法第398の21条第1項「元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を」一次資料を確認
ひっかけ累積根抵当を共同根抵当の按分処理に寄せない。元本確定前の減額請求も認めない。
解説累積根抵当(398条の18)は、共同根抵当の登記(398条の16)がない場合に、数個の不動産の根抵当権が互いに独立してそれぞれの極度額まで優先権を行使できる制度で、一つの共通極度額を各不動産の代価に按分する共同根抵当とは異なる。また極度額減額請求(398条の21第1項)は元本確定後に限られ、確定前は現存債務額自体が変動中のため、設定者がいつでも請求できる制度ではない。
補足398条の18(累積根抵当の各極度額行使)と398条の21第1項(減額請求の時期的要件)を条文の文言で確認する。