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民法・第49

民法(詐害行為取消権㉛)の問題(15問)

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この章で確認する論点

49章では、詐害行為取消請求の基本要件と受益者善意・非財産行為と前原因債権・強制執行不能債権と相当対価処分・隠匿等処分のおそれと債務者意思・受益者悪意と既存債務担保を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

民法424条424条の2424条の3424条の4424条の5424条の6424条の7424条の8424条の9

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年7月時点の法令に準拠
1詐害行為取消請求の基本要件と受益者善意

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求できる。
  • 受益者が行為時に債権者を害することを知らなかったときは、詐害行為取消請求はできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424条第1項債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。e-Gov原文

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424条第1項その行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。e-Gov原文

ひっかけ債務者側だけ見て受益者善意を落とさない。

解説詐害行為取消請求の基本は、債務者の詐害意思と受益者の行為時悪意である。

補足民法424条1項を確認する。

2非財産行為と前原因債権

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 詐害行為取消請求の規定は、財産権を目的としない行為には適用されない。
  • 債権者は、債権が詐害行為後の原因に基づいて生じた場合でも、詐害行為取消請求ができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424条第2項財産権を目的としない行為については、適用しない。e-Gov原文

誤り
記述は行為後原因でもよいとしており誤りである。

民法第424条第3項その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限りe-Gov原文

ひっかけ行為後に発生した債権で当然に取消せるとしない。

解説取消対象は財産行為で、被保全債権は行為前の原因に基づく必要がある。

補足民法424条2項・3項を確認する。

3強制執行不能債権と相当対価処分

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債権が強制執行により実現できないものであっても、詐害行為取消請求は常に可能である。
  • 相当の対価を得て財産を処分した場合でも、民法424条の2各号の要件を満たすときは、詐害行為取消請求ができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
記述は強制執行可能性の制限を無視しており誤りである。

民法第424条第4項強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。e-Gov原文

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の2条次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。e-Gov原文

ひっかけ相当対価があれば常に取消不可としない。

解説強制執行可能性と相当対価処分の特則を整理する。

補足民法424条4項・424条の2を確認する。

4隠匿等処分のおそれと債務者意思

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 相当対価処分の特則では、処分による財産種類の変更により、債権者を害する処分をするおそれを現に生じさせることが要件となる。
  • 相当対価処分の特則では、債務者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有していたことも要件となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の2条債権者を害することとなる処分(以下この条において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。e-Gov原文

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の2条隠匿等の処分をする意思を有していたこと。e-Gov原文

ひっかけ相当対価処分を通常の無償行為と同じに扱わない。

解説相当対価処分は、おそれ・債務者意思・受益者悪意を重ねて見る。

補足民法424条の2第1号・2号を確認する。

5受益者悪意と既存債務担保

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 相当対価処分の特則では、受益者が債務者の隠匿等処分意思を知っていたことが要件となる。
  • 既存債務についての担保供与又は債務消滅行為は、支払不能時に行われたものでなくても、常に詐害行為取消請求の対象となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の2条受益者が、その行為の当時、債務者が隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。e-Gov原文

誤り
記述は支払不能要件を落としており誤りである。

民法第424の3条第1項その行為が、債務者が支払不能e-Gov原文

ひっかけ既存債務への弁済等をいつでも取消せるとしない。

解説相当対価処分の受益者悪意と、既存債務担保等の支払不能要件を押さえる。

補足民法424条の2第3号・424条の3第1項を確認する。

6支払不能定義と通謀害意

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 支払不能とは、支払能力を欠くために、弁済期にある債務を一時的に一部弁済できない状態をいう。
  • 既存債務についての担保供与等の特則では、債務者と受益者が通謀して他の債権者を害する意図をもつことは不要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
記述は一時的・一部不能としており誤りである。

民法第424の3条第1項一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。e-Gov原文

誤り
記述は通謀害意を不要としており誤りである。

民法第424の3条第1項債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること。e-Gov原文

ひっかけ支払不能を単なる一時的資金不足としない。

解説支払不能の定義と、通謀害意の要件を正確に見る。

補足民法424条の3第1項を確認する。

7義務外担保供与と三十日要件

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債務者の義務に属しない担保供与等については、支払不能になる前三十日以内に行われたことが特則の要件となる。
  • 義務外担保供与等についても、債務者と受益者が通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたことが要件となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の3条第2項支払不能になる前三十日以内に行われたものであること。e-Gov原文

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の3条第2項債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること。e-Gov原文

ひっかけ三十日以内要件だけで足りるとしない。

解説義務外・時期義務外の担保供与等では三十日以内要件と通謀害意を見る。

補足民法424条の3第2項を確認する。

8過大代物弁済と取消範囲

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 過大な代物弁済等については、詐害行為取消請求は消滅した債務の額に相当する部分にも当然に及ぶ。
  • 過大な代物弁済等の特則は、受益者の受けた給付価額が消滅した債務額より過大である場合を対象とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
記述は債務額相当部分にも当然に及ぶとしており誤りである。

民法第424の4条その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分については、詐害行為取消請求をすることができる。e-Gov原文

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の4条受益者の受けた給付の価額がその行為によって消滅した債務の額より過大であるものe-Gov原文

ひっかけ全体が当然に取消対象になるとしない。

解説過大な代物弁済等では、取消範囲が過大部分に限定される。

補足民法424条の4を確認する。

9転得者請求の区分と受益者転得

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 受益者に対して詐害行為取消請求ができ、受益者から転得した者が転得時に詐害性を知っていたときは、その転得者に対しても請求できる。
  • 受益者からの転得者が転得時に詐害性を知らなかった場合でも、転得者に対して常に詐害行為取消請求ができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の5条その転得者が、転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。e-Gov原文

誤り
記述は善意転得者にも常に請求できるとしており誤りである。

民法第424の5条債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。e-Gov原文

ひっかけ転得者なら常に取消請求できるとしない。

解説転得者への請求は、転得経路ごとに悪意要件を確認する。

補足民法424条の5第1号を確認する。

10多段転得者と全転得者悪意

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 他の転得者から転得した者に対する請求では、最後の転得者だけが悪意であれば足りる。
  • 他の転得者から転得した者への詐害行為取消請求では、前に転得した全ての転得者がそれぞれ転得時に詐害性を知っていたことが要件となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
記述は最後の転得者だけで足りるとしており誤りである。

民法第424の5条その転得者及びその前に転得した全ての転得者が、それぞれの転得の当時e-Gov原文

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の5条前に転得した全ての転得者が、それぞれの転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。e-Gov原文

ひっかけ最後の転得者の悪意だけで足りるとしない。

解説多段転得者への請求では、最後だけでなく前の全転得者の悪意が必要である。

補足民法424条の5第2号を確認する。

11受益者返還請求と価額償還

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 受益者に対する詐害行為取消請求では、取消しとともに、受益者に移転した財産の返還を請求できる。
  • 受益者が財産の返還をすることが困難であっても、債権者は価額の償還を請求できない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の6条第1項その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。e-Gov原文

誤り
記述は価額償還を否定しており誤りである。

民法第424の6条第1項その価額の償還を請求することができる。e-Gov原文

ひっかけ返還困難なら請求不能としない。

解説受益者への請求では、財産返還と返還困難時の価額償還を押さえる。

補足民法424条の6第1項を確認する。

12転得者返還請求と被告

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 転得者に対する詐害行為取消請求では、転得者が転得した財産の返還を請求することはできない。
  • 受益者に対する詐害行為取消請求に係る訴えでは、債務者を被告とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
記述は転得者返還請求を否定しており誤りである。

民法第424の6条第2項転得者が転得した財産の返還を請求することができる。e-Gov原文

誤り
記述は債務者を被告としており誤りである。

民法第424の7条第1項受益者に対する詐害行為取消請求に係る訴え受益者e-Gov原文

ひっかけ詐害行為取消訴訟の被告を債務者としない。

解説転得者返還請求と、訴えの被告を正確に整理する。

補足民法424条の6第2項・424条の7第1項を確認する。

13転得者被告と訴訟告知

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 転得者に対する詐害行為取消請求に係る訴えでは、その詐害行為取消請求の相手方である転得者を被告とする。
  • 債権者は、詐害行為取消請求に係る訴えを提起したときは、遅滞なく債務者に訴訟告知をしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の7条第1項その詐害行為取消請求の相手方である転得者e-Gov原文

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の7条第2項遅滞なく、債務者に対し、訴訟告知をしなければならない。e-Gov原文

ひっかけ債務者を被告とすることと訴訟告知を混同しない。

解説転得者訴訟の被告と、債務者への訴訟告知を押さえる。

補足民法424条の7を確認する。

14可分取消範囲と価額償還限度

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 詐害行為の目的が可分であるときでも、債権者は常に行為全部の取消しを請求できる。
  • 価額償還を請求する場合についても、可分目的の取消範囲に関する規定と同様とされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
記述は行為全部を常に取消せるとしており誤りである。

民法第424の8条第1項自己の債権の額の限度においてのみ、その行為の取消しを請求することができる。e-Gov原文

正しい
条文どおりの記述である。

民法第424の8条第2項価額の償還を請求する場合についても、前項と同様とする。e-Gov原文

ひっかけ可分でも必ず全部取消しとしない。

解説詐害行為の取消範囲は、目的が可分なら自己債権額が限度となる。

補足民法424条の8を確認する。

15債権者への支払引渡しと債務者免責

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 返還請求が金銭支払又は動産引渡しを求めるものであっても、債権者は自己への支払又は引渡しを求めることができない。
  • 受益者又は転得者が債権者に支払又は引渡しをしたときでも、債務者に対して同じ支払又は引渡しをしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
記述は自己への履行請求を否定しており誤りである。

民法第424の9条第1項自己に対してすることを求めることができる。e-Gov原文

誤り
記述は二重履行を必要としており誤りである。

民法第424の9条第1項債務者に対してその支払又は引渡しをすることを要しない。e-Gov原文

ひっかけ債権者へ履行しても債務者へ二重履行が必要としない。

解説詐害行為取消後の返還では、債権者への直接支払・引渡しと債務者への履行不要を押さえる。

補足民法424条の9第1項を確認する。

読み終えたら、解いて採点

この章の15問を、根拠条文つきで採点します。選択肢ごとの正誤を自分で判断してから答え合わせできます。

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