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民法・第53

民法(保証債務㉟)の問題(15問)

民法446条 保証債務の内容・452条 催告の抗弁などを、条文の原文と選択肢ごとの理由で確認できます。

この章を解く(15問)→

条文検索で確認されている論点

この章には、保証契約の電磁的記録による方式(民法446条3項)・催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)に関する問題を収録しています。条文名だけでなく、どの要件が結論を分けるかを各選択肢の根拠と一緒に確認できます。

この章で確認する論点

53章では、保証人責任の発生場面と書面要件・電磁的記録による保証契約の扱い・保証債務が包含する従たるもの・保証人負担の重さと事後加重・取消可能債務保証の独立債務推定を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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  • 主債務があるから保証人も当然に責任を負う、と方式を確認せずに判断しない。
  • 『書面が必要』から直ちに『電磁的記録は無効』へ飛躍しない。
  • 保証債務に含まれる従たるものを利息だけに限定しない。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

民法446条447条448条449条450条451条452条453条454条455条456条457条458条

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年7月時点の法令に準拠
1保証人責任の発生場面と書面要件e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
  • 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
民法446条1項は、主たる債務者が履行しないときに保証人が履行責任を負うという、保証債務の基本的な発生場面を定めている。

民法第446条第1項「保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。」一次資料を確認

正しい
民法446条2項は保証契約の書面要件を定め、書面によらない保証契約には効力を認めない。口頭の合意だけで足りる契約ではない。

民法第446条第2項「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。」一次資料を確認

ひっかけ主債務があるから保証人も当然に責任を負う、と方式を確認せずに判断しない。

解説保証では、まず主たる債務者の不履行を受けて保証人が履行責任を負うという関係を押さえる。そのうえで、保証人に重い責任を負わせる契約であるため、民法446条2項が書面を効力要件としている点を確認する。

補足責任発生の前提は主債務者の不履行、契約成立の方式は書面という二つの軸を分ける。

2電磁的記録による保証契約の扱いe-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなされる。
  • 保証契約は、電磁的記録によってされた場合には、書面によるものとはみなされず常に無効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
民法446条3項は、保証契約の内容を記録した電磁的記録を、同条2項の書面によってされたものとみなす。

民法第446条第3項「書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。」一次資料を確認

誤り
電磁的記録だから常に無効なのではなく、民法446条3項のみなし規定により書面要件を満たし得る。記述は条文の扱いを逆にしている。

民法第446条第3項「保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたとき」一次資料を確認

ひっかけ『書面が必要』から直ちに『電磁的記録は無効』へ飛躍しない。

解説保証契約には書面要件があるが、書面を紙だけに限定して覚えない。契約内容を記録した電磁的記録でされた場合は、民法446条3項によって書面でされたものとみなされ、2項の書面要件が適用される。

補足2項の書面原則を確認した後、3項の電磁的記録のみなし規定を適用する。

3保証債務が包含する従たるものe-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 保証債務は、主たる債務に関する利息を包含するが、違約金や損害賠償は包含しない。
  • 保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
民法447条1項は、保証債務が利息だけでなく、違約金、損害賠償その他主たる債務に従たる全てのものを包含すると定める。記述は範囲を狭めている。

民法第447条第1項「利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。」一次資料を確認

正しい
民法447条2項は、主債務とは別に、保証人がその保証債務についてのみ違約金又は損害賠償額を約定することを認めている。

民法第447条第2項「保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。」一次資料を確認

ひっかけ保証債務に含まれる従たるものを利息だけに限定しない。

解説保証債務の範囲は二段で整理する。まず、主たる債務に関する利息・違約金・損害賠償など従たるものが保証債務に含まれる。次に、保証債務そのものについて別の違約金又は損害賠償額を約定することもできる。

補足447条1項の包含範囲と、2項の保証債務独自の約定を同じ話として混ぜない。

4保証人負担の重さと事後加重e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 保証人の負担が主たる債務より重いときでも、その重い内容のまま効力を生じる。
  • 保証契約締結後に主たる債務の目的又は態様が加重されたときは、保証人の負担も当然に加重される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
民法448条1項は、保証人の負担が主たる債務より重いとき、その負担を主たる債務の限度まで減縮する。重い内容のまま維持されるわけではない。

民法第448条第1項「これを主たる債務の限度に減縮する。」一次資料を確認

誤り
民法448条2項は、保証契約後に主たる債務の目的又は態様が加重されても、保証人の負担は加重されないと定める。『当然に加重』は逆である。

民法第448条第2項「保証人の負担は加重されない。」一次資料を確認

ひっかけ保証債務の付従性を、主債務が重くなれば保証も自動的に重くなるという方向へ使わない。

解説保証人の負担は主たる債務を基準に考える。保証契約の内容が最初から主債務より重ければ主債務の限度へ減縮され、契約後に主債務が重くなっても保証人の負担が当然に連動して重くなることはない。

補足契約時の負担比較は減縮、契約後の主債務加重は保証人へ不波及と整理する。

5取消可能債務保証の独立債務推定e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 行為能力の制限で取り消すことができる債務を、取消原因を知って保証した者は、一定の場合に独立の債務を負担したものと推定される。
  • 民法449条の推定は、保証契約の時に取消しの原因を知っていた場合に問題となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
民法449条は、行為能力の制限によって取り消し得る債務を、取消原因を知りながら保証した者について、同一目的の独立債務を負担したものと推定する。

民法第449条「これと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。」一次資料を確認

正しい
独立債務の推定には、保証人が保証契約の時に取消しの原因を知っていたことが必要である。後から知っただけでは条文の時点要件と一致しない。

民法第449条「保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたとき」一次資料を確認

ひっかけ主債務が取り消されたら保証債務も常に消える、と一律に処理しない。

解説取消し得る主債務の保証では、保証人の認識時点が分岐になる。保証契約の時に取消原因を知っていた場合、民法449条は、保証人が主債務と同じ目的の独立債務を負担したものと推定する。

補足取消可能な主債務か、保証契約時に原因を知っていたか、独立債務推定が働くかの順で見る。

6保証人要件の行為能力と資力e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債務者が保証人を立てる義務を負う場合、保証人は行為能力者で、弁済資力を有する者でなければならない。
  • 保証人が弁済資力を欠くに至っても、債権者は代替保証人を請求できない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
債務者が保証人を立てる義務を負う場面では、民法450条1項が保証人に行為能力と弁済資力の双方を要求している。

民法第450条第1項「行為能力者であること。二弁済をする資力を有すること。」一次資料を確認

誤り
保証人が弁済資力を欠くに至ったときは、民法450条2項により債権者が要件を満たす者への交替を請求できる。代替請求を否定する記述は誤りである。

民法第450条第2項「これに代えることを請求することができる。」一次資料を確認

ひっかけ最初に要件を満たしていれば、その後に資力を失っても交替不要と考えない。

解説保証人を立てる義務がある場面では、誰でも保証人にできるわけではない。選任時に行為能力と弁済資力を確認し、その後に弁済資力を失った場合は、債権者が代わりの保証人を求められる。

補足選任時の二要件と、後発的な資力欠缺時の代替請求を時間順に整理する。

7債権者指名保証人と他担保代替e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債権者が保証人を指名した場合にも、民法450条1項・2項の規定は常に適用される。
  • 債務者は、450条1項各号の要件を具備する保証人を立てられないとき、他の担保を供してこれに代えることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
民法450条3項は、債権者自身が保証人を指名した場合、行為能力・資力要件と資力欠缺時の代替請求を定める前二項を適用しない。

民法第450条第3項「前二項の規定は、債権者が保証人を指名した場合には、適用しない。」一次資料を確認

正しい
民法451条は、450条1項各号の要件を満たす保証人を立てられないとき、債務者が他の担保を供して代えることを認めている。

民法第451条「他の担保を供してこれに代えることができる。」一次資料を確認

ひっかけ債権者指名の場合にも450条の要件・代替請求が常に働くとしない。

解説保証人に関する例外は二種類ある。債権者が自ら保証人を指名した場合は450条の前二項を適用せず、債務者が要件を満たす保証人を立てられない場合は、451条により他の担保で代替できる。

補足誰が保証人を指名したかを確認し、次に保証人を立てられない場合の他担保代替を見る。

8催告の抗弁と例外e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債権者が保証人に履行請求したときでも、保証人は主たる債務者への催告を求めることが一切できない。
  • 主たる債務者が破産手続開始決定を受けたときでも、保証人は必ず催告の抗弁を行使できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
民法452条本文は、通常の保証人が、債権者に対してまず主たる債務者へ催告するよう求める催告の抗弁を認めている。『一切できない』は誤りである。

民法第452条「まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。」一次資料を確認

誤り
民法452条ただし書は、主債務者が破産手続開始決定を受けた場合又は行方不明の場合を催告の抗弁の例外とする。『必ず行使できる』とはいえない。

民法第452条「主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。」一次資料を確認

ひっかけ催告の抗弁を全面否定する記述と、例外なく認める記述はどちらも誤りになる。

解説催告の抗弁は通常保証人の原則的な権利だが、いつでも使えるわけではない。主債務者が破産手続開始決定を受けた場合や行方不明の場合は、先に催告させても意味が乏しいため条文上の例外になる。

補足本文で催告の抗弁を確認し、ただし書で破産開始決定・行方不明を除外する。

9検索の抗弁の証明事項e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 保証人が主たる債務者に弁済資力があり、かつ執行が容易であることを証明したときは、債権者はまず主たる債務者の財産に執行しなければならない。
  • 検索の抗弁が認められるとき、債権者はまず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
民法453条の検索の抗弁には、主債務者に弁済資力があることと、その財産への執行が容易であることの双方を保証人が証明する必要がある。

民法第453条「主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したとき」一次資料を確認

正しい
検索の抗弁の要件が満たされると、民法453条により債権者は保証人の財産より先に主たる債務者の財産へ執行しなければならない。

民法第453条「債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ弁済資力だけ、又は執行容易性だけの証明で検索の抗弁が成立するとしない。

解説検索の抗弁は、主債務者に財産があるというだけでは足りない。保証人が弁済資力と執行容易性の双方を証明して初めて、債権者に主債務者財産への先執行を求められる。

補足二つの証明要件を満たした後に、主債務者財産への先執行という効果へ進む。

10連帯保証人の催告検索抗弁否定e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、催告の抗弁及び検索の抗弁を有しない。
  • 連帯保証人も、通常の保証人と同じく常に催告の抗弁及び検索の抗弁を行使できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
民法454条は、主たる債務者と連帯して債務を負担した保証人について、452条の催告の抗弁と453条の検索の抗弁を認めない。

民法第454条「前二条の権利を有しない。」一次資料を確認

誤り
連帯保証人には民法454条が適用され、通常保証人に認められる催告・検索の抗弁を行使できない。『通常の保証人と同じ』という前提が誤りである。

民法第454条「保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したとき」一次資料を確認

ひっかけ連帯保証人にも『まず主債務者へ請求・執行してほしい』と求める権利があると混同しない。

解説催告の抗弁・検索の抗弁を判断する前に、通常保証か連帯保証かを確認する。通常保証では452条・453条が問題になるが、連帯保証では454条により両方の抗弁が否定される。

補足保証の種類を先に確定し、連帯保証なら催告・検索の抗弁を検討対象から外す。

11催告検索抗弁後の債権者懈怠e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 保証人の請求又は証明があった後、債権者が催告又は執行を怠っても、保証人は一切義務を免れない。
  • 債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得られた限度で、保証人は義務を免れる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
保証人が催告を請求し又は主債務者の資力等を証明した後、債権者が催告又は執行を怠って全部弁済を得られなかった場合、民法455条は保証人の一定範囲の免責を認める。全面否定は誤りである。

民法第455条「その義務を免れる。」一次資料を確認

正しい
民法455条は、債権者が直ちに催告又は執行をしていれば得られた弁済額を基準に、その限度で保証人を免責する。保証債務全部が当然に消えるわけではない。

民法第455条「直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。」一次資料を確認

ひっかけ債権者に懈怠があれば保証人が常に全部免責される、又は一切免責されない、という両極端にしない。

解説催告・検索の抗弁は主張して終わりではない。保証人の請求・証明を受けた債権者が適時に動かず回収機会を失えば、その失われた弁済可能額の範囲で保証人の責任が減る。

補足保証人の請求・証明、債権者の懈怠、直ちに動けば得られた弁済額の順で免責範囲を決める。

12数人保証人と分割原則e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 数人の保証人がある場合には、各別の行為で債務を負担したときは427条の規定は適用されない。
  • 数人の保証人がある場合、各保証人は常に全額について保証債務を負担し、分割原則は問題とならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
民法456条は、数人の保証人が各別の行為で保証債務を負担した場合にも427条を適用する。別々の保証契約だから分割原則が排除されるわけではない。

民法第456条「各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する。」一次資料を確認

誤り
民法456条が427条を適用するため、数人の保証人がいるだけで各保証人が常に保証債務全額を負うとはいえない。原則として分割して考える。

民法第456条「数人の保証人がある場合には」一次資料を確認

ひっかけ共同保証という言葉から、各保証人が当然に主債務全額を負担すると判断しない。

解説数人保証では、保証契約が一つにまとめられているか、各保証人が別々に契約したかにかかわらず、456条が427条の分割原則へ接続する。連帯保証など別の根拠がない限り、複数人というだけで全額責任にはならない。

補足保証人の人数を確認し、契約が各別でも456条を適用し、427条の分割原則へ進む。

13主債務者への時効完成猶予更新効e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人にも効力を生ずる。
  • 保証人は、主たる債務者が主張できる抗弁をもって債権者に対抗できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
民法457条1項は、主債務者について生じた時効の完成猶予及び更新の効力を保証人にも及ぼす。主債務と保証債務を時効面で完全に切り離さない。

民法第457条第1項「時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。」一次資料を確認

正しい
民法457条2項は、保証人が主債務者の主張できる抗弁を用いて債権者に対抗することを認め、保証人固有の抗弁だけに限定していない。

民法第457条第2項「保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。」一次資料を確認

ひっかけ主債務者への請求は保証人の時効に無関係としたり、保証人は自分固有の抗弁しか主張できないと考えたりしない。

解説保証債務は主債務と関係して処理される。主債務者について時効完成が猶予・更新されれば保証人にも及び、保証人は主債務者が債権者へ主張できる抗弁を利用できる。ただし二つは457条の別項に基づく別の効果である。

補足主債務者についての時効事由を確認し、次に主債務者が持つ抗弁を保証人が使えるかを見る。

14主債務者の形成権と履行拒絶e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 主たる債務者が相殺権、取消権又は解除権を有するとき、保証人は一定限度で履行を拒める。
  • 主たる債務者が取消権を有していても、保証人はその権利に基づいて履行を拒む余地がない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
民法457条3項は、主債務者が相殺権・取消権・解除権を有する場合、それらの行使で主債務者が免れるべき限度において保証人の履行拒絶を認める。

民法第457条第3項「保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。」一次資料を確認

誤り
取消権は民法457条3項が明示する権利の一つであり、その行使により主債務者が免れるべき限度では保証人も履行を拒める。余地がないという記述は誤りである。

民法第457条第3項「主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するとき」一次資料を確認

ひっかけ通常の抗弁だけを見て、取消権などの権利が保証人の履行拒絶に影響しないと考えない。

解説457条3項は、主債務者が持つ相殺権・取消権・解除権の存在を保証人の履行拒絶へつなぐ。拒絶できる範囲は、権利が行使されれば主債務者が免れるはずの限度である。

補足主債務者の権利の種類を確認し、行使時の主債務免責範囲を保証人の履行拒絶限度とする。

15連帯保証人事由への連帯債務規定準用e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 連帯保証人について生じた事由には、連帯債務に関する438条、439条1項、440条、441条の規定は準用されない。
  • 458条の準用は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由を対象とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
民法458条は、主債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由に、438条、439条1項、440条及び441条を準用する。準用を全面否定する記述は誤りである。

民法第458条「第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定」一次資料を確認

正しい
民法458条の対象は通常保証一般ではなく、主債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由である。記述はこの適用対象を正しく示している。

民法第458条「主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。」一次資料を確認

ひっかけ連帯保証だから連帯債務の規定が一切関係しない、又は反対に全規定がそのまま及ぶ、と両極端に判断しない。

解説連帯保証人について生じた事由は、通常保証だけの規律で完結しない。458条が連帯債務の更改、相殺、混同、相対的効力に関する列挙条文へ接続する。ただし、連帯債務の全規定を無条件に準用するわけではない。

補足保証人が主債務者と連帯するかを確認し、458条が列挙する規定の準用範囲を確認する。

読み終えたら、解いて採点

この章の15問を、確認根拠つきで採点します。選択肢ごとの正誤を自分で判断してから答え合わせできます。

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