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民法・第59

民法(弁済・第三者弁済㊶)の問題(15問)

この章を解く(15問)→

この章で確認する論点

59章では、債務者弁済による債権消滅・第三者による弁済の原則・正当利益のない第三者の債務者意思反対弁済・正当利益のない第三者の債権者意思反対弁済・第三者弁済規定の適用除外を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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  • 弁済があっても債権は別に残ると考えない。473条1項は債務者から債権者への弁済と債権消滅を直接結び付けている。
  • 債務は債務者本人しか弁済できないと決めつけない一方、第三者なら誰でも無条件に弁済できるとも考えない。まず1項の原則、その後に2項以下の制限を確認する。
  • 債務者が反対しているという事実だけで常に第三者弁済を無効としない。正当な利益のない第三者の場面では、債権者が反対意思を知っていたかまで確認する。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

民法473条474条475条476条477条478条479条

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年7月時点の法令に準拠
1債務者弁済による債権消滅e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債務者が債権者に対して債務を弁済したとき、その債権は消滅する。
  • 民法473条は、債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときを規定する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
民法473条1項は、債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは債権が消滅すると定めている。記述は弁済の主体・相手方・効果を条文どおり示しており正しい。

民法第473条第1項「債権は、消滅する。」一次資料を確認

正しい
民法473条1項は『債務者が債権者に対して債務の弁済をしたとき』を債権消滅の基本場面として明記しているため、その規定内容を述べた記述は正しい。

民法第473条第1項「債務者が債権者に対して債務の弁済をしたとき」一次資料を確認

ひっかけ弁済があっても債権は別に残ると考えない。473条1項は債務者から債権者への弁済と債権消滅を直接結び付けている。

解説弁済の出発点は、債務者が債権者へ債務の内容どおりの給付をし、その結果として債権が消滅するという473条1項である。後続の474条以下は、第三者が弁済する場合や他人の物を給付した場合など、この基本形から外れる場面を調整する規定として読む。

補足民法473条1項の『債務者』『債権者』『弁済』『債権は消滅する』という主体・行為・効果の対応を確認する。

2第三者による弁済の原則e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債務の弁済は、第三者もすることができる。
  • 債務の弁済は、債務者本人しかすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
民法474条1項は『債務の弁済は、第三者もすることができる。』と明記し、債務者本人以外による弁済を原則として認めているため、記述は正しい。

民法第474条第1項「債務の弁済は、第三者もすることができる。」一次資料を確認

誤り
民法474条1項は第三者による弁済を原則として認める。記述は弁済できる者を債務者本人だけに限定しており、条文の定めと反対である。

民法第474条第1項「債務の弁済は、第三者もすることができる。」一次資料を確認

ひっかけ債務は債務者本人しか弁済できないと決めつけない一方、第三者なら誰でも無条件に弁済できるとも考えない。まず1項の原則、その後に2項以下の制限を確認する。

解説第三者弁済は474条1項により原則として可能である。ただし、原則だけで全てを処理せず、正当な利益を有しない第三者については債務者の意思(2項)と債権者の意思(3項)による制限があり、さらに債務の性質や当事者の禁止・制限の意思表示による適用除外(4項)がある。

補足民法474条1項の第三者弁済の原則を起点に、2項から4項がどの条件で原則を制限するかを条文順に確認する。

3正当利益のない第三者の債務者意思反対弁済e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 弁済について正当な利益を有しない第三者は、債務者の意思に反しても常に弁済できる。
  • 正当な利益のない第三者でも、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、債務者意思に反して弁済できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
民法474条2項本文は、弁済について正当な利益を有しない第三者が債務者の意思に反して弁済することを禁止する。記述はこの制限を無視して常に弁済できるとしており誤りである。

民法第474条第2項「債務者の意思に反して弁済をすることができない。」一次資料を確認

正しい
民法474条2項ただし書は、債務者の意思に反することを債権者が知らなかった場合には本文の禁止を適用しない。記述はこの例外を正しく述べている。

民法第474条第2項「債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。」一次資料を確認

ひっかけ債務者が反対しているという事実だけで常に第三者弁済を無効としない。正当な利益のない第三者の場面では、債権者が反対意思を知っていたかまで確認する。

解説正当な利益を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済できないのが474条2項本文の原則である。ただし、債権者が債務者の反対意思を知らなかった場合は本文の禁止が外れる。判断順序は、第三者に正当な利益があるか、債務者が反対しているか、債権者が反対意思を知っていたか、である。

補足民法474条2項の本文とただし書を分け、債務者の反対意思と債権者の認識を対応させて確認する。

4正当利益のない第三者の債権者意思反対弁済e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 正当な利益のない第三者は、債権者の意思に反しても常に弁済できる。
  • 正当な利益のない第三者が債務者の委託を受けて弁済する場合、債権者がそのことを知らなくても債権者意思に反して弁済できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
民法474条3項本文は、弁済について正当な利益を有しない第三者が債権者の意思に反して弁済することを禁止している。記述はこの制限を無視して常に可能としており誤りである。

民法第474条第3項「債権者の意思に反して弁済をすることができない。」一次資料を確認

誤り
民法474条3項ただし書が本文の禁止を外すのは、第三者が債務者の委託を受けて弁済し、そのことを債権者が知っていた場合である。記述は債権者が知らないのに例外が働くとしており誤りである。

民法第474条第3項「そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない。」一次資料を確認

ひっかけ債務者から頼まれた第三者なら債権者の反対意思を常に押し切れると考えない。債権者が委託の事実を知っていたことがただし書の要件である。

解説正当な利益を有しない第三者は、債権者の意思に反して弁済できない(474条3項本文)。例外は、第三者が債務者の委託を受けて弁済し、かつ債権者がその委託を知っていた場合である。委託という客観的事実だけでなく、債権者の認識まで必要になる。

補足民法474条3項で、正当な利益のない第三者、債権者の反対意思、債務者の委託、債権者の認識という四点を確認する。

5第三者弁済規定の適用除外e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債務の性質が第三者弁済を許さないとき、474条1項から3項の規定は適用されない。
  • 当事者が第三者弁済を禁止又は制限する意思表示をしたときも、474条1項から3項の規定は適用されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
民法474条4項は、債務の性質が第三者の弁済を許さない場合には同条1項から3項を適用しないと定めており、記述は適用除外の一つを正しく示している。

民法第474条第4項「その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき」一次資料を確認

正しい
民法474条4項は、当事者が第三者弁済を禁止又は制限する意思表示をした場合も1項から3項を適用しないと明記しており、記述は正しい。

民法第474条第4項「当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたときは、適用しない。」一次資料を確認

ひっかけ第三者弁済が1項で原則として認められることから、債務の性質や当事者の合意による除外を見落とさない。4項は1項から3項全体を適用しない。

解説474条4項は第三者弁済の適用除外を二つ定める。債務の性質が第三者の履行を許さない場合と、当事者が第三者弁済を禁止・制限する意思表示をした場合である。正当な利益や当事者の反対意思を調整する2項・3項の前に、そもそも1項から3項が適用される債務かを確認する。

補足民法474条4項の二つの適用除外を並べ、債務の性質による制限と当事者の意思表示による制限を区別して確認する。

6他人物を弁済として引渡した者の取戻しe-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 弁済者が他人の物を弁済として引き渡したとき、更に有効な弁済をしなければその物を取り戻せない。
  • 他人の物を弁済として引き渡した者は、有効な弁済をせず直ちにその物を取り戻すことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
民法475条1項は、他人の物を弁済として引き渡した弁済者がその物を取り戻すには、更に有効な弁済をすることを必要としている。記述は取戻しの前提を正しく述べている。

民法第475条第1項「更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない。」一次資料を確認

誤り
民法475条1項は、更に有効な弁済をしなければ引き渡した他人の物を取り戻せないと定める。記述は代わりの有効な弁済なしに直ちに取り戻せるとしており誤りである。

民法第475条第1項「更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない。」一次資料を確認

ひっかけ他人物を引き渡したのだから当然に返してもらえる、と物権関係だけで判断しない。弁済関係では、先に有効な弁済を補う必要がある。

解説他人の物を弁済として引き渡した弁済者は、所有権が自分になかったというだけで直ちにその物を取り戻せない。民法475条1項は、更に有効な弁済をすることを取戻しの前提にする。物の取戻しと債務の履行状態を切り離さず、債権者が無給付になるのを防ぐ構造である。

補足民法475条1項の『更に有効な弁済』が『その物を取り戻す』ための先行要件になっている語順を確認する。

7他人物消費譲渡と弁済の効力e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債権者が他人の物を弁済として受領後、善意で消費又は譲渡しても、その弁済は無効となる。
  • 債権者が弁済として受領した物を善意で消費又は譲渡したとき、その弁済は有効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
民法476条1項は、債権者が弁済として受領した物を善意で消費又は譲渡したときは、その弁済を有効とする。記述は同じ条件で無効になるとしており条文と反対である。

民法第476条第1項「その弁済は、有効とする。」一次資料を確認

正しい
民法476条1項は、債権者が受領物を善意で消費し又は譲り渡した場合に弁済を有効とすることを明記しており、記述は要件と効果を正しく示している。

民法第476条第1項「債権者が弁済として受領した物を善意で消費し、又は譲り渡したときは、その弁済は、有効とする。」一次資料を確認

ひっかけ弁済物が他人の物なら弁済は必ず無効だと一律に判断しない。債権者が善意で消費又は譲渡したという受領後の事情で有効になる。

解説債権者が弁済として受領した物を善意で消費又は譲渡したときは、その弁済は有効となる(476条1項)。475条が弁済者による他人物の取戻しを制限するのに対し、476条は受領後に物を処分した善意の債権者を保護して弁済の効力を確定させる。

補足民法476条1項について、債権者の善意、受領物の消費又は譲渡、弁済を有効とする効果の三点を確認する。

8他人物弁済受領者の求償e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 476条の場合、債権者が第三者から賠償請求を受けても、弁済者に求償することはできない。
  • 476条の場合、債権者は第三者から賠償請求を受けたときに限らず、常に弁済者への求償をしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
民法476条1項は、債権者が第三者から賠償請求を受けたとき、弁済をした者に求償することを妨げないと定める。記述は求償可能性を全面的に否定しており誤りである。

民法第476条第1項「弁済をした者に対して求償をすることを妨げない。」一次資料を確認

誤り
民法476条1項の『求償をすることを妨げない』は、所定の場面で求償できることを認める文言であり、債権者に常時求償する義務を課すものではない。記述は可能を義務へ置き換えており誤りである。

民法第476条第1項「求償をすることを妨げない。」一次資料を確認

ひっかけ『求償をすることを妨げない』を、求償できないとも、必ず求償しなければならないとも読まない。これは権利行使の可能性を留保する文言である。

解説476条1項は、善意で受領物を消費・譲渡した債権者との関係では弁済を有効にしつつ、債権者が第三者から賠償請求を受けた場合の弁済者への求償を残す。弁済の有効性と、後の損失を誰に負担させるかは別の問題として調整される。

補足民法476条1項で、弁済を有効とする効果と、第三者から賠償請求を受けた債権者の求償可能性を分けて確認する。

9預貯金口座払込み弁済の効力発生e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 債権者の預貯金口座への払込みによる弁済は、債権者が払戻請求権を取得した時に効力を生ずる。
  • 預貯金口座への払込みによる弁済の効力発生時は、債権者が払戻請求権を取得した時である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
民法477条1項は、預貯金口座への払込みによる弁済が、債権者がその金額の払戻請求権を取得した時に効力を生ずると定めており、記述は正しい。

民法第477条第1項「払戻しを請求する権利を取得した時に、その効力を生ずる。」一次資料を確認

正しい
民法477条1項が弁済の効力発生時として定めるのは、債権者が払込み金額の払戻請求権を取得した時である。記述はこの時点を正確に示している。

民法第477条第1項「その払込みに係る金額の払戻しを請求する権利を取得した時」一次資料を確認

ひっかけ振込操作の完了と弁済の効力発生を同じと即断しない。条文は債権者の払戻請求権取得という法的状態を基準にする。

解説預貯金口座への払込みによる弁済は、債務者が送金操作を終えた時ではなく、債権者が払込みに係る金額の払戻請求権を取得した時に効力を生ずる(477条1項)。債務者側の操作時点ではなく、債権者側に金銭を引き出せる権利が成立した時点を見る。

補足民法477条1項の『債権者が』『払戻しを請求する権利を取得した時』という主体と時点を確認する。

10預貯金口座払込みと入金操作時e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 預貯金口座への払込みによる弁済は、債権者が払戻請求権を取得する前には効力を生じない。
  • 預貯金口座への払込みによる弁済は、払込みの操作をした時に必ず効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
民法477条1項は払戻請求権を取得した時を効力発生時とするため、その前にはまだ弁済の効力が生じないとする記述は正しい。

民法第477条第1項「払戻しを請求する権利を取得した時に、その効力を生ずる。」一次資料を確認

誤り
民法477条1項の基準は払込み操作時ではなく、債権者が払戻請求権を取得した時である。記述は操作をしただけで必ず効力が生ずるとしており誤りである。

民法第477条第1項「払戻しを請求する権利を取得した時に」一次資料を確認

ひっかけ日常感覚で『振込ボタンを押した時』を弁済時としない。試験では払戻請求権の取得という条文上の基準へ置き換える。

解説口座払込みでは、債務者の操作、金融機関の処理、債権者の払戻請求権取得を区別する。477条1項が弁済の効力を結び付けるのは最後の払戻請求権取得時である。したがって、操作をした事実だけでは効力発生を確定できず、債権者側に権利が成立したかを確認する。

補足民法477条1項について、払込み操作時と払戻請求権取得時を対比し、後者が効力発生時であることを確認する。

11受領権者外観者への弁済の要件e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 受領権者としての外観を有する者への弁済は、弁済者が悪意又は過失であっても有効である。
  • 受領権者外観者への弁済は、弁済者が善意かつ無過失のときに限り有効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
民法478条1項は、受領権者としての外観を有する者への弁済を、弁済者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限って有効とする。悪意又は過失がある場合まで有効とする本肢は誤り。

民法第478条第1項「善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。」一次資料を確認

正しい
民法478条1項は、受領権者としての外観を有する者への弁済について、弁済者の善意と無過失をともに要求しているため、本肢は正しい。

民法第478条第1項「善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。」一次資料を確認

ひっかけ外観の存在だけで当然に有効になるわけではない。善意と無過失は累積的な要件である。

解説受領権者としての外観を有する者への弁済は、弁済者が善意かつ無過失のときに限って有効となる。

補足『善意』と『過失がなかったこと』の両方を確認してから478条1項の適用を判断する。

12受領権者の範囲e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 478条の受領権者には、債権者だけが含まれ、法令又は意思表示により権限を付与された第三者は含まれない。
  • 受領権者外観者への弁済は、弁済者の善意だけで有効となり、無過失は不要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
民法478条1項の受領権者には、債権者だけでなく、法令又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を与えられた第三者も含まれるため、本肢は誤り。

民法第478条第1項「債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者」一次資料を確認

誤り
受領権者としての外観を有する者への弁済が有効となるには、弁済者が善意であるだけでなく無過失であることも必要であるため、本肢は誤り。

民法第478条第1項「善意であり、かつ、過失がなかったときに限り」一次資料を確認

ひっかけ実際に受領権限を持つ者の範囲と、受領権者らしい外観を持つだけの者への弁済の保護要件を混同しない。

解説478条1項の受領権者は、債権者と、法令又は当事者の意思表示により受領権限を付与された第三者である。

補足まず受領権限の有無を確認し、権限がなく外観だけがある場合は弁済者の善意・無過失を確認する。

13受領権者以外への弁済と利益限度e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 478条の場合を除き、受領権者以外への弁済は、債権者が利益を受けた限度でのみ有効である。
  • 受領権者以外への弁済の効力は、原則として債権者の受益限度による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
民法479条1項は、478条の場合を除き、受領権者以外の者への弁済を、債権者が利益を受けた限度においてのみ有効とするため、本肢は正しい。

民法第479条第1項「債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。」一次資料を確認

正しい
受領権者以外の者への弁済は、478条が適用される場合を除き、債権者の受益の範囲に応じて効力が認められるため、本肢は正しい。

民法第479条第1項「利益を受けた限度においてのみ」一次資料を確認

ひっかけ受領権者以外への弁済を一律に全部無効と判断しない。受益があれば、その範囲では有効となる。

解説478条の場合を除く受領権者以外への弁済は、債権者が実際に受けた利益の限度で効力を有する。

補足479条では『誰に支払ったか』に加え、『債権者がどの限度で利益を受けたか』を確認する。

14受領権者以外への全額弁済効力e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 受領権者以外への弁済は、債権者が全額の利益を受けた場合には、その全額について有効となり得る。
  • 受領権者以外への弁済は、債権者が利益を受けたかにかかわらず、常に全額有効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
民法479条1項は債権者が利益を受けた限度で弁済の効力を認めるため、債権者が全額の利益を受けた場合には全額について有効となり得る。

民法第479条第1項「利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。」一次資料を確認

誤り
受領権者以外への弁済の効力は、債権者が受けた利益の限度に限定される。受益の有無を問わず常に全額有効とする本肢は誤り。

民法第479条第1項「利益を受けた限度においてのみ」一次資料を確認

ひっかけ『受領権者以外への弁済』というだけで常に全部有効又は全部無効と決めつけない。

解説479条1項の効力は債権者の受益と連動し、全額の受益なら全額、部分的な受益ならその部分に限られる。

補足受益額と弁済の効力が対応する比例的なルールとして整理する。

15受領権者外観弁済と利益限度弁済e-Gov等の一次資料で確認済み

次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 受領権者外観者への弁済は、弁済者が善意無過失でなくても478条により有効となる。
  • 478条の場合を除く受領権者以外への弁済は、債権者の受益限度で有効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
受領権者としての外観を有する者への弁済が478条1項により有効となるのは、弁済者が善意かつ無過失の場合に限られるため、本肢は誤り。

民法第478条第1項「善意であり、かつ、過失がなかったときに限り」一次資料を確認

正しい
478条の場合を除く受領権者以外への弁済は、民法479条1項により、債権者がその弁済で利益を受けた限度において有効となるため、本肢は正しい。

民法第479条第1項「債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。」一次資料を確認

ひっかけ478条と479条は効力の判断基準が異なる。外観への信頼の保護と、債権者の現実の受益を取り違えない。

解説受領権者らしい外観がある場合は478条の善意・無過失を、その他の受領権者以外への弁済は479条の受益限度を検討する。

補足外観の有無で条文を振り分け、478条なら善意・無過失、479条なら受益の範囲を確認する。

読み終えたら、解いて採点

この章の15問を、確認根拠つきで採点します。選択肢ごとの正誤を自分で判断してから答え合わせできます。

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