問1全部弁済後の債権証書返還e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.債権証書がある場合、全部の弁済をした者はその証書の返還を請求できる。
- イ.487条は、債権に関する証書がある場合を対象とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法487条は、債権に関する証書がある場合、全部の弁済をした者がその証書の返還を請求できると定める。全部弁済という時点と返還請求という効果が一致する。
民法第487条第1項「全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 民法487条の対象は債権証書が存在する場合である。弁済後も証書が流通・利用される危険を防ぐための規定であり、前提条件を正しく述べている。
民法第487条第1項「債権に関する証書がある場合において」一次資料を確認
ひっかけ弁済の充当指定の問題と混同せず、一部だけを弁済した段階でも債権証書全体の返還を当然に請求できると考えない。
解説債権証書がある場合、債権の全部を弁済した者は証書の返還を請求できる。一部弁済ではなく全部弁済後の処理である点が重要である。
補足民法487条の適用条件として債権証書の存在と全部弁済を確認し、その効果が証書返還請求であることを押さえる。
問2債務者による充当指定e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.同一債権者への同種給付の数個の債務で給付が不足するとき、弁済者は給付時に充当債務を指定できる。
- イ.弁済者は、給付後でなければ充当債務を指定できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法488条1項は、同一債権者に対する同種給付の複数債務について給付が不足するとき、弁済者が給付時に充当先を指定できるとする。主体と時点が正しい。
民法第488条第1項「弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同項が弁済者の指定を認める時点は『給付の時』であり、給付後でなければ指定できないのではない。指定可能時点を後ろへずらした記述は条文と異なる。
ひっかけ弁済者の指定を給付後に限るとせず、弁済者が指定していない場合の受領者指定や法定充当を最初から適用しない。
解説同一債権者への同種給付の複数債務に対して給付が不足する場合、まず弁済者が給付の時にどの債務へ充当するか指定できる。
補足民法488条1項について、複数債務・同種給付・給付不足という場面と、弁済者・給付時という指定主体・時点を確認する。
問3受領者による充当指定e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.弁済者が指定しないとき、受領者は受領時に充当債務を指定できない。
- イ.弁済者が受領者の充当に直ちに異議を述べたとき、受領者はその指定をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法488条2項は、弁済者が指定しない場合に限り、受領者が受領時に充当債務を指定できるとする。指定できないとする記述は受領者の補充的指定権を否定している。
民法第488条第2項「弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同項ただし書は、弁済者が受領者の指定に直ちに異議を述べたとき、その指定を認めない。受領者指定に対する弁済者の即時異議という制限を正しく述べている。
民法第488条第2項「弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ受領者に最初から自由な指定権があるとせず、弁済者の指定がないことと、受領者指定に対する直ちの異議がないことを確認する。
解説弁済者が充当先を指定しないときは受領者が受領時に指定できるが、弁済者がその充当に直ちに異議を述べれば受領者指定は維持されない。
補足民法488条2項の本文で受領者指定の前提と時点を、ただし書で弁済者の即時異議による制限を確認する。
問4充当指定の意思表示e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.488条の充当指定は、相手方への意思表示を要しない。
- イ.488条の充当指定は、裁判所への意思表示によってのみする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 民法488条3項は、同条による弁済充当の指定を相手方に対する意思表示によって行うと定めるため、意思表示が不要とする本肢は誤り。
民法第488条第3項「相手方に対する意思表示によってする。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 充当指定に必要なのは裁判所への意思表示ではなく、民法488条3項が定める相手方への意思表示であるため、本肢は誤り。
民法第488条第3項「相手方に対する意思表示によってする。」一次資料を確認
ひっかけ心の中で充当先を決めるだけでは足りず、裁判所への申立ても要件ではない。相手方への意思表示が必要である。
解説488条による弁済充当の指定は、指定する側が相手方に対して意思表示することによって行う。
補足指定の主体や時期を確認した後、指定の方法として『相手方に対する意思表示』があるかを点検する。
問5法定充当と弁済期到来債務e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.双方が指定しない場合、弁済期到来債務と未到来債務があれば、到来債務に先に充当する。
- イ.488条4項は、弁済者と受領者がいずれも指定しない場合の法定充当を定める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法488条4項1号は、指定がなく弁済期到来債務と未到来債務が併存するとき、弁済期にある債務へ先に充当する。法定充当の第一段階を正しく述べている。
民法第488条第4項「弁済期にあるものに先に充当する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同条4項の法定充当は、弁済者も受領者も1項・2項による指定をしない場合に初めて適用される。双方の指定がないという適用前提を正確に示している。
民法第488条第4項「弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも第一項又は第二項の規定による指定をしないときは」一次資料を確認
ひっかけ当事者の有効な指定があるのに法定順序で上書きせず、弁済期未到来債務を到来債務より先に処理しない。
解説法定充当は弁済者・受領者の双方が指定しない場合に適用され、弁済期到来債務と未到来債務があれば到来債務へ先に充当する。
補足民法488条4項柱書で双方無指定という前提を確認し、同項1号で弁済期到来債務が第一順位になることを確認する。
問6法定充当と弁済利益e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.全債務が弁済期到来又は未到来であるときは、債務者にとって弁済利益が多い債務に先に充当する。
- イ.法定充当では、弁済利益が少ない債務に先に充当する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法488条4項2号は、すべての債務が弁済期到来又はすべて未到来の場合、債務者にとって弁済の利益が多い債務を優先する。第二段階の比較基準に一致する。
民法第488条第4項「債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同号は弁済の利益が『多い』債務を先にするのであり、少ない債務を優先しない。利率や担保の有無などから債務者の不利益が大きい債務を先に消す趣旨と逆である。
民法第488条第4項「債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。」一次資料を確認
ひっかけ弁済の利益が少ない債務を先にせず、弁済期到来債務と未到来債務が混在する場面の第一順位基準とも混同しない。
解説法定充当で全債務が弁済期到来又は全債務が未到来なら、債務者にとって弁済の利益が多い債務へ先に充当する。
補足民法488条4項2号について、全債務の弁済期状態が同じという前提と、債務者の弁済利益が多い債務の優先を確認する。
問7法定充当と弁済期の先後e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.弁済利益が相等しいとき、弁済期が後に到来した又は後に到来すべき債務に先に充当する。
- イ.弁済利益が相等しいとき、弁済期が先に到来した又は先に到来すべき債務に先に充当する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法488条4項3号は、弁済の利益が相等しい場合に弁済期が先に到来した又は先に到来すべき債務を優先する。後に到来する債務を先にする記述は順序が逆である。
民法第488条第4項「弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同号は、弁済利益で差がつかないとき、弁済期の先後を基準にして先に到来した又は到来すべき債務へ充当する。第三段階の基準を正しく述べている。
民法第488条第4項「弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。」一次資料を確認
ひっかけ弁済期が後の債務を優先せず、弁済利益に差があるのに直ちに弁済期の先後だけで決めない。
解説法定充当において債務者の弁済利益が相等しいときは、弁済期が先に到来した債務又は先に到来すべき債務へ先に充当する。
補足民法488条4項3号を、同項2号の弁済利益が相等しい場合に進む次順位の基準として確認する。
問8法定充当と債務額按分e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.488条4項2号・3号の事項が相等しい債務は、最も高額な一債務だけに充当する。
- イ.488条4項2号・3号の事項が相等しい債務は、債務の額を問わず均等に充当する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 民法488条4項2号・3号の事項が相等しい複数の債務については、各債務の額に応じて充当するため、最も高額な一債務だけに充当する本肢は誤り。
- イ.誤り
- 充当割合は単純な均等割りではなく、民法488条4項が定める各債務の額に応じた割合となるため、債務額を問わないとする本肢は誤り。
ひっかけ『額に応じて』は最大債務への集中でも単純な均等割りでもない。債務額に比例させる規律である。
解説法定充当の優先基準で差がつかない複数の債務には、各債務の額に応じた割合で弁済額を充当する。
補足488条4項の順に優先関係を確認し、2号・3号の事項まで相等しい場合に比例按分へ進む。
問9費用利息元本への順次充当e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.元本のほか利息・費用を支払うべき場合で給付が不足するとき、費用、利息、元本の順に充当する。
- イ.489条1項は、費用、利息、元本への順次充当を定める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法489条1項は、一つ以上の債務について費用・利息・元本を支払う場合に給付が不足すると、費用、利息、元本の順で充当する。法定の順序に一致する。
民法第489条第1項「順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同項は、元本より先に費用と利息を処理する順次充当を定める。『費用、利息及び元本』という列挙は単なる対象ではなく適用順序も示している。
民法第489条第1項「費用、利息及び元本に充当しなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ残元本を先に減らすのが自然だとして元本から充当せず、複数の独立債務間の法定充当順序だけで処理しない。
解説元本のほか費用・利息を支払うべき債務に不足する給付をした場合は、費用、利息、元本の順に充当する。
補足民法489条1項の適用場面が費用・利息・元本を伴う給付不足であることと、『費用→利息→元本』の順を確認する。
問10費用利息元本の充当順序e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.489条1項の充当順序は、費用、利息、元本である。
- イ.489条1項の充当順序は、元本、利息、費用である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法489条1項が定める順序は費用、利息、元本である。費用を最初、元本を最後に置く三段階をそのまま示しているため正しい。
- イ.誤り
- 同項は元本、利息、費用の順ではなく、費用、利息、元本の順を強制する。記述は最初と最後を入れ替えており、条文の充当順序と反対である。
ひっかけ借入金返済では元本を先に減らすという感覚で『元本→利息→費用』と逆転させず、費用と利息の順も入れ替えない。
解説民法489条1項の法定順序は費用、利息、元本であり、給付不足時は前の段階から順に充当していく。
補足『費用→利息→元本』を固定し、各項目の全額を消滅させられないときの処理は489条2項の準用問題として分ける。
問11費用等一部への488条準用e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.489条1項の場合、費用・利息・元本のいずれか全額を消滅させるのに足りない給付でも、488条は準用されない。
- イ.489条1項の場合、費用・利息・元本のいずれか全額を消滅させるのに足りない給付について、488条が準用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法489条2項は、費用・利息・元本のある段階を全額消滅させるのにも給付が足りない場合、488条の充当規定を準用する。準用されないとする記述は明文と反対である。
民法第489条第2項「前条の規定は、前項の場合において、費用、利息又は元本のいずれかの全てを消滅させるのに足りない給付をしたときについて準用する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同項は、489条1項の順序に従う場面で、費用・利息・元本のいずれかの内部でも給付不足が生じたときに488条を準用する。準用関係を正しく述べている。
民法第489条第2項「前条の規定は、前項の場合において」一次資料を確認
ひっかけ489条1項の順序だけで処理が完結すると考えず、同一段階の複数対象に不足給付をどう配分するかという2項の問題を見落とさない。
解説費用・利息・元本の順に進めても、いずれか一段階の全額を消滅させるのに給付が足りないときは、488条の充当規定を準用して内部配分を決める。
補足民法489条1項で段階間の順序を決め、2項で一段階を全額消滅させられない場合の488条準用へ進む。
問12合意による充当順序の優先e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.弁済者と受領者に充当順序の合意があっても、490条により488条・489条の順序が常に優先する。
- イ.充当順序に関する合意があっても、弁済はその合意と異なる順序で充当しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 民法490条は、弁済者と弁済受領者の間に充当順序の合意があるとき、488条・489条にかかわらず合意した順序へ従うため、本肢は誤り。
- イ.誤り
- 当事者間に充当順序の合意がある場合、民法490条はその合意どおりの順序で弁済を充当すると定めるため、本肢は誤り。
民法第490条第1項「その順序に従い、その弁済を充当する。」一次資料を確認
ひっかけ法定の充当順序を常に強行的に適用すると考えない。490条は『前二条の規定にかかわらず』合意を優先させる。
解説弁済者と弁済受領者が充当順序を合意した場合は、488条・489条より合意が優先し、その順序に従って充当する。
補足まず充当順序の合意の有無を確認し、合意がなければ当事者の指定や法定充当の規律を検討する。
問13合意充当の効果e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.弁済者と受領者の間に充当順序の合意があるときは、その順序に従って弁済を充当する。
- イ.490条は、488条・489条にかかわらず合意による充当順序を認める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法490条は、弁済者と受領者の間に充当順序の合意があるとき、その合意順序に従って弁済を充当すると定める。当事者合意の効果を正しく述べている。
民法第490条第1項「その順序に従い、その弁済を充当する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同条は『前二条の規定にかかわらず』とし、488条の指定・法定充当及び489条の費用等の順序より当事者の合意を優先する。優先関係まで一致する。
ひっかけ当事者間に有効な順序合意があるのに一方的指定や法定順序で上書きせず、一方の希望だけを双方の合意とも扱わない。
解説弁済者と受領者が充当順序を合意しているときは、488条の指定・法定充当や489条の費用・利息・元本の順序より、その合意が優先する。
補足民法490条について、弁済者・受領者双方の合意があるかを最初に確認し、『前二条にかかわらず』という優先効果を押さえる。
問14一債務数個給付への充当準用e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合、給付不足のときは488条から490条を準用する。
- イ.491条は、一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合には充当規定を準用しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法491条は、一個の債務について数個の給付をすべき場合に不足する給付がされたとき、488条から490条を準用する。複数給付間の充当への適用を正しく述べる。
- イ.誤り
- 同条は複数給付を要する一個の債務にも前三条を準用するので、準用しないとする記述は反対である。複数債務の場面だけに充当規定を限定していない。
ひっかけ充当規定を複数の独立債務がある場面だけに限定せず、一個の債務内に複数の給付対象がある不足弁済を見落とさない。
解説一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合にも、不足給付なら488条から490条の指定・法定・合意充当の規律が準用される。
補足民法491条で『一個の債務』『数個の給付』『全部消滅に足りない給付』を確認し、前三条準用へ進む。
問15一債務数個給付の準用要件e-Gov等の一次資料で確認済み
次のア・イの記述の正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア.一個の債務に数個の給付があっても、給付が債務全部を消滅させるのに足りるときに限り491条が準用される。
- イ.一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合、給付が債務全部を消滅させるのに足りないときに491条は前三条を準用する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法491条が前三条を準用するのは、給付が一個の債務全部を消滅させるのに足りない場合である。全部を消滅させるのに足りる場合だけとする記述は不足要件を逆にする。
民法第491条第1項「その債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは」一次資料を確認
- イ.正しい
- 同条は、一債務について数個の給付があり、その全部を消滅させられない不足給付のときに488条から490条を準用する。場面・不足要件・効果がすべて一致する。
民法第491条第1項「その債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、前三条の規定を準用する。」一次資料を確認
ひっかけ給付が債務全部を消滅させるのに足りる場合を準用要件と逆読みせず、複数給付があるだけで常に充当問題が生じるとも考えない。
解説一債務に数個の給付がある場合の前三条準用は、実際の給付が債務全部を消滅させるのに足りないときに限って問題となる。
補足民法491条の不足要件を先に判定し、満たす場合に限って488条から490条の指定・法定・合意充当を適用する。