問1動産又は有価証券の差押えの手続と効力発生時期
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.動産又は有価証券の差押えは、徴収職員がその財産を占有して行う。
- イ.動産又は有価証券の差押えの効力は、徴収職員がその財産を占有した時に生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 56条1項どおり → 正しい
国税徴収法第56条「動産又は有価証券の差押は、徴収職員がその財産を占有して行う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 56条2項どおり → 正しい
国税徴収法第56条「前項の差押の効力は、徴収職員がその財産を占有した時に生ずる」e-Gov原文
ひっかけ動産・有価証券の差押えは占有により行い占有時に効力(56条)。
解説動産又は有価証券の差押えは、徴収職員がその財産を占有して行い(56条1項)、占有した時に効力が生じる(56条2項)。徴収職員が金銭を差し押さえたときは、その限度で国税を徴収したものとみなされる(56条3項)。
補足差押えの方法・効力発生時期は財産の種類ごとに異なる(動産=占有、不動産=送達、債権=通知)。 占有基準を押さえる。
問2第三者が占有する動産等の差押えの手続
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.滞納者の動産又は有価証券で、その親族その他の特殊関係者以外の第三者が占有しているものは、その第三者が引渡しを拒むときは、差し押さえることができない。
- イ.第三者が動産等の引渡しを拒む場合であっても、税務署長は、その第三者に対し、当該動産等を徴収職員に引き渡すべきことを命ずることは一切できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 58条1項どおり → 正しい
国税徴収法第58条「その第三者が引渡を拒むときは、差し押えることができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 58条2項は引渡命令可 → 一切不可は誤り
国税徴収法第58条「税務署長は、同項の第三者に対し、期限を指定して、当該動産又は有価証券を徴収職員に引き渡すべきことを書面により命ずることができる」e-Gov原文
ひっかけ第三者占有物は引渡拒否で差押不可(58条1項)。ただし要件を満たせば引渡命令可(58条2項)。
解説特殊関係者以外の第三者が占有する滞納者の動産等は、第三者が引渡しを拒むと差し押さえられない(58条1項)。ただし、滞納者に他に容易に換価できる財産がない等の場合、税務署長は第三者に引渡しを書面で命ずることができる(58条2項)。
補足第三者の占有を尊重しつつ、他に徴収財産がない場合に引渡命令で徴収を確保する仕組みである。 原則と例外を押さえる。
問3不動産の差押えの手続と効力発生時期
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産の差押えは、滞納者に対する差押書の送達により行う。
- イ.不動産の差押えの効力は、原則として、その差押書が滞納者に送達された時に生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- イ.正しい
- 68条2項どおり → 正しい
国税徴収法第68条「前項の差押の効力は、その差押書が滞納者に送達された時に生ずる」e-Gov原文
ひっかけ不動産の差押えは差押書の送達により行い送達時に効力(68条)。
解説不動産の差押えは、滞納者に対する差押書の送達により行い(68条1項)、原則として送達された時に効力が生じる(68条2項)。税務署長は差押えの登記を関係機関に嘱託し(68条3項)、登記が送達前にされた場合は登記時に効力が生じる(68条4項)。
補足登記が差押書送達前にされたときは、その登記時に差押えの効力が生じる(68条4項)。 送達基準を押さえる。
問4電話加入権等の差押えと不動産の差押えの登記の嘱託
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.電話加入権その他第三債務者等がある無体財産権等の差押えは、徴収職員がその財産を占有して行う。
- イ.税務署長は、不動産を差し押さえたときは、差押えの登記を関係機関に嘱託しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 73条1項は送達 → 占有は誤り
国税徴収法第73条「第三債務者等に対する差押通知書の送達により行う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 68条3項どおり → 正しい
国税徴収法第68条「税務署長は、不動産を差し押えたときは、差押の登記を関係機関に嘱託しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ電話加入権等は差押通知書の送達(73条1項)。不動産は差押登記を嘱託(68条3項)。
解説電話加入権その他第三債務者等がある無体財産権等の差押えは、第三債務者等に対する差押通知書の送達により行う(73条1項)。不動産を差し押さえたときは、税務署長が差押えの登記を関係機関に嘱託する(68条3項)。
補足差押えの方法は、動産=占有、不動産=差押書送達、債権・電話加入権等=差押通知書送達と整理する。 方法の違いを押さえる。
問5給与及び社会保険制度に基づく給付の差押禁止
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.給料、賃金、俸給、退職年金及びこれらの性質を有する給与に係る債権については、一定の金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押さえることができない。
- イ.社会保険制度に基づき支給される退職年金や老齢年金に係る債権は、差押禁止の対象とはされていない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 76条1項どおり → 正しい
国税徴収法第76条「次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押えることができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 77条1項は差押禁止対象 → 対象外は誤り
国税徴収法第77条「社会保険制度に基づき支給される退職年金、老齢年金、普通恩給、休業手当金及びこれらの性質を有する給付」e-Gov原文
ひっかけ給料等は一定額まで差押禁止(76条)。社会保険の退職年金等も差押禁止(77条)。
解説給料等は、源泉所得税・住民税・社会保険料や本人・家族の最低生活費に相当する一定額まで差し押さえられない(76条1項)。社会保険制度に基づく退職年金・老齢年金等も給料等とみなして差押禁止の規定が適用される(77条1項)。
補足差押禁止は滞納者と家族の生活を保障する趣旨である。 給料等と社会保険給付を押さえる。
問6換価する財産の範囲と換価の制限
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.差押財産(金銭、債権等を除く。)は、原則として、換価に関する規定の定めるところにより換価しなければならない。
- イ.果実は成熟した後、蚕は繭となった後でなければ、換価をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 89条1項どおり → 正しい
国税徴収法第89条「この節の定めるところにより換価しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 90条1項どおり → 正しい
国税徴収法第90条「果実は成熟した後、蚕は繭となつた後でなければ、換価をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ差押財産は換価する(89条1項)。果実は成熟後、蚕は繭後でなければ換価不可(90条1項)。
解説差押財産(金銭・債権等を除く)は、換価に関する規定に従って換価しなければならない(89条1項)。もっとも、果実は成熟後、蚕は繭となった後でなければ換価できない(90条1項)等の換価の制限がある。
補足第二次納税義務者等が訴えを提起した場合も、その訴訟係属中は換価できない(90条3項)。 換価の範囲と制限を押さえる。
問7公売公告と見積価額の決定
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税務署長は、差押財産等を公売に付するときは、原則として、公売の日の前日までに一定の事項を公告すれば足りる。
- イ.税務署長は、公売財産の価格形成上の事情を適切に勘案して、公売財産の見積価額を決定しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 95条1項は10日前 → 前日は誤り
国税徴収法第95条「公売の日の少なくとも十日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 98条1項どおり → 正しい
国税徴収法第98条「公売財産の見積価額を決定しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ公売公告は公売の10日前までに(95条1項)。見積価額は税務署長が決定(98条1項)。
解説差押財産等を公売に付するときは、原則として公売の日の少なくとも10日前までに公告しなければならない(95条1項)。税務署長は、取引価格・収益・原価等を適切に勘案して公売財産の見積価額を決定する(98条1項)。
補足見積価額は買受けの最低基準となり、鑑定人の評価を参考にすることもできる(98条2項)。 公告期間と見積価額を押さえる。
問8公売における最高価申込者の決定
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.徴収職員は、見積価額以上の入札者等のうち、最高の価額による入札者等を最高価申込者として定めなければならない。
- イ.最高の価額の入札者等が二人以上あるときは、その入札等の到達の先後により、先に到達した者を最高価申込者と定める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 104条1項どおり → 正しい
国税徴収法第104条「見積価額以上の入札者等のうち最高の価額による入札者等を最高価申込者として定めなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 104条2項は再入札・くじ → 到達先後は誤り
国税徴収法第104条「更に入札等をさせて定め、なおその入札等の価額が同じときは、くじで定める」e-Gov原文
ひっかけ最高価申込者は見積価額以上の最高価額者(104条1項)。同価額は再入札→くじ(104条2項)。
解説徴収職員は、見積価額以上の入札者等のうち最高価額の者を最高価申込者として定める(104条1項)。最高価額の者が二人以上あるときは更に入札等をさせ、なお同じときはくじで定める(104条2項)。
補足公売の公正を確保するため、同価額の場合の処理が明文化されている。 決定方法を押さえる。
問9不動産等の売却決定と買受代金の納付による財産の取得
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税務署長は、不動産等を換価に付するときは、公売期日等の当日において、最高価申込者に対して売却決定を行う。
- イ.買受人は、買受代金を納付した時に換価財産を取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 113条1項は7日経過日 → 当日は誤り
国税徴収法第113条「公売期日等から起算して七日を経過した日」e-Gov原文
- イ.正しい
- 116条1項どおり → 正しい
国税徴収法第116条「買受人は、買受代金を納付した時に換価財産を取得する」e-Gov原文
ひっかけ不動産等の売却決定は公売期日から7日経過日(113条1項)。買受人は代金納付時に取得(116条1項)。
解説不動産等の売却決定は、公売期日等から起算して7日を経過した日(売却決定期日)に最高価申込者に対して行う(113条1項)。買受人は、買受代金を納付した時に換価財産を取得する(116条1項)。
補足動産等は公売期日に即日売却決定されるが、不動産等は7日後の売却決定期日となる。 売却決定期日を押さえる。
問10換価及び金銭の差押えによる国税徴収のみなし
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.徴収職員が公売等による買受代金を受領したときは、その限度において、滞納者から換価に係る国税を徴収したものとみなす。
- イ.徴収職員が金銭を差し押さえたときは、その限度において、滞納者から差押えに係る国税を徴収したものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 116条2項どおり → 正しい
国税徴収法第116条「その限度において、滞納者から換価に係る国税を徴収したものとみなす」e-Gov原文
- イ.正しい
- 56条3項どおり → 正しい
国税徴収法第56条「その限度において、滞納者から差押に係る国税を徴収したものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ買受代金の受領(116条2項)・金銭の差押え(56条3項)で、その限度の国税を徴収したものとみなす。
解説徴収職員が買受代金を受領したときは、その限度で換価に係る国税を徴収したものとみなされる(116条2項)。金銭を差し押さえたときも、その限度で差押えに係る国税を徴収したものとみなされる(56条3項)。
補足徴収は、財産が金銭化された時点で完了する。 徴収みなしの時点を押さえる。
問11換価代金等の配当の原則
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.換価代金等は、差押えに係る国税や交付要求を受けた国税・地方税・公課、差押財産等に係る質権・抵当権等により担保される債権などに配当される。
- イ.換価代金等を配当してなお残余があるときは、その残余の金銭は国庫に帰属する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 129条3項は滞納者に交付 → 国庫帰属は誤り
国税徴収法第129条「その残余の金銭は、滞納者に交付する」e-Gov原文
ひっかけ換価代金は差押国税・交付要求・被担保債権等に配当(129条1項)。残余は滞納者に交付(129条3項)。
解説換価代金等は、差押えに係る国税、交付要求を受けた国税・地方税・公課、質権・抵当権等の被担保債権等に配当される(129条1項)。配当してなお残余があるときは、その残余は滞納者に交付される(129条3項)。
補足配当の順位は、国税と私債権との優先関係(法定納期限等)によって定まる。 配当と残余の処理を押さえる。
問12換価の猶予の要件と猶予期間
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税務署長が職権で行う換価の猶予については、その猶予の期間に上限はなく、必要な限り継続することができる。
- イ.税務署長は、財産の換価を直ちにすることによりその事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあるとき等で、納税について誠実な意思があると認められるときは、換価を猶予することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 151条1項ただし書 → 上限なしは誤り
国税徴収法第151条「その猶予の期間は、一年を超えることができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 151条1項どおり → 正しい
国税徴収法第151条「その財産の換価を直ちにすることによりその事業の継続又はその生活の維持を困難にするおそれがあるとき」e-Gov原文
ひっかけ換価の猶予は事業継続・生活維持困難等が要件(151条1項)。期間は1年が上限。
解説税務署長は、財産の換価を直ちにすると事業継続・生活維持を困難にするおそれがあるとき等で、納税について誠実な意思があると認められるときは、職権で換価を猶予できる(151条1項)。ただし、その期間は1年を超えることができない(151条1項ただし書)。
補足換価の猶予は、要件を満たせば延長も可能だが、当初期間・延長後も原則1年ずつである。 要件と期間を押さえる。
問13各種財産の差押えの効力発生時期に関する誤りやすい論点
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.動産又は有価証券の差押えの効力は、滞納者に対する差押書の送達により生ずる。
- イ.不動産の差押えの効力は、徴収職員がその不動産を占有した時に生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 56条2項は占有時 → 差押書送達は誤り
国税徴収法第56条「前項の差押の効力は、徴収職員がその財産を占有した時に生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 68条2項は送達時 → 占有時は誤り
国税徴収法第68条「前項の差押の効力は、その差押書が滞納者に送達された時に生ずる」e-Gov原文
ひっかけ動産は占有時(56条2項)、不動産は差押書送達時(68条2項)に効力。取り違えない。
解説動産・有価証券の差押えの効力は占有した時(56条2項)、不動産の差押えの効力は差押書の送達時(68条2項)に生じる。効力発生時期は財産の種類ごとに異なるため、混同しないよう注意する。
補足債権・電話加入権等は差押通知書の第三債務者等への送達時に効力が生じる。 財産別の効力発生時期を押さえる。
問14給与の差押禁止と換価の制限に関する誤りやすい論点
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.給料等に係る債権は、その全額を差し押さえることができる。
- イ.果実は、成熟する前であっても、換価をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 76条1項は一部差押禁止 → 全額差押可は誤り
国税徴収法第76条「次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押えることができない」e-Gov原文
ひっかけ給料等は一定額まで差押禁止(76条1項)。果実は成熟後でなければ換価不可(90条1項)。
解説給料等は、源泉所得税・住民税・社会保険料や本人・家族の最低生活費に相当する一定額まで差し押さえられない(76条1項)。果実は成熟した後、蚕は繭となった後でなければ換価できない(90条1項)。滞納者の生活保障・財産価値の確保のための制限である。
補足差押禁止・換価制限はいずれも滞納者の保護と財産の適正な換価のための規律である。 制限の内容を押さえる。
問15申請による換価の猶予と換価の猶予に係る分割納付に関する誤りやすい論点
国税徴収法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税務署長は、滞納者からの申請がなくても、職権により、いわゆる申請による換価の猶予(国税徴収法151条の2)をすることができる。
- イ.税務署長は、換価の猶予をする場合、その猶予に係る金額を、猶予期間内に一括して納付させなければならず、分割して納付させることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 151条の2は申請に基づく → 職権のみは誤り
国税徴収法第151の2条「六月以内にされたその者の申請に基づき、一年以内の期間を限り」e-Gov原文
- イ.誤り
- 152条1項は分割納付 → 一括限定は誤り
ひっかけ申請による換価の猶予は申請が必要(151条の2)。猶予金額は各月に分割納付(152条1項)。
解説申請による換価の猶予(151条の2)は、納期限から6月以内にされた滞納者の申請に基づき、1年以内の期間で行われる。換価の猶予をする場合、その猶予に係る金額は猶予期間内の各月に分割して納付させる(152条1項)。
補足職権による換価の猶予(151条)と申請による換価の猶予(151条の2)は要件が異なる。 申請要件と分割納付を押さえる。