問1登録抹消事由(業務廃止・死亡)と本人等の届出義務
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.日本税理士会連合会は、税理士がその業務を廃止したとき又は死亡したときは、遅滞なくその登録を抹消しなければならない。
- イ.税理士が業務廃止・死亡・欠格事由該当のいずれかに該当することとなつたときは、その者、その法定代理人又はその相続人は、遅滞なくその旨を日本税理士会連合会に届け出なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 26条1項1号・2号のとおり → 正しい
税理士法第26条「日本税理士会連合会は、税理士が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、遅滞なくその登録を抹消しなければならない。一その業務を廃止したとき。二死亡したとき」e-Gov原文
- イ.正しい
- 26条2項のとおり → 正しい
税理士法第26条「税理士が前項第一号、第二号又は第四号のいずれかに該当することとなつたときは、その者、その法定代理人又はその相続人は、遅滞なくその旨を日本税理士会連合会に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ届出義務の対象は1号・2号・4号(3号の登録取消し処分は対象外)。
解説26条1項は登録の必要的抹消事由(業務廃止・死亡・登録取消し処分・欠格事由該当)を、2項はそのうち1号・2号・4号該当時の本人等(法定代理人・相続人を含む)による届出義務を定める。3号(登録取消し処分)は連合会が自ら把握できるため届出義務の対象外である点に注意。
補足司法書士法15条2項・行政書士法にも同様の届出義務規定があり、共通のパターンとして押さえる。
問2登録・抹消の公告と税理士証票の返還義務
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.日本税理士会連合会は、税理士の登録をしたとき、及び当該登録をまつ消したときは、遅滞なくその旨及び登録をまつ消した場合にはその事由を官報をもつて公告しなければならない。
- イ.税理士の登録がまつ消されたときであつても、税理士証票の返還は任意であり義務ではない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 27条のとおり → 正しい
税理士法第27条「日本税理士会連合会は、税理士の登録をしたとき、及び当該登録をまつ消したときは、遅滞なくその旨及び登録をまつ消した場合にはその事由を官報をもつて公告しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『任意であり義務ではない』が誤り。遅滞なく返還する義務がある
税理士法第28条「税理士の登録がまつ消されたときは、その者、その法定代理人又はその相続人は、遅滞なく税理士証票を日本税理士会連合会に返還しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ登録抹消時は官報公告(連合会)と証票返還(本人等)の両方が必要。
解説27条の公告(官報)は対外的な周知手続、28条1項の証票返還義務は税理士個人の手続的義務。司法書士法18条・行政書士法とも共通する公告手続のパターン。
補足28条1項後段は業務停止処分時にも証票返還義務が及ぶ点を28条2項の再交付とあわせて押さえる。
問3税理士証票の再交付と税務代理の権限明示
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.日本税理士会連合会は、業務停止処分等により証票を返還した税理士が税理士業務を行うことができることとなつたときは、その申請により、税理士証票をその者に再交付しなければならない。
- イ.税理士は、税務代理をする場合においては、財務省令で定めるところにより、その権限を有することを証する書面を税務官公署に提出しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 28条2項のとおり → 正しい
税理士法第28条「日本税理士会連合会は、前項後段の規定に該当する税理士が税理士業務を行うことができることとなつたときは、その申請により、税理士証票をその者に再交付しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 30条のとおり → 正しい
税理士法第30条「税理士は、税務代理をする場合においては、財務省令で定めるところにより、その権限を有することを証する書面を税務官公署に提出しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ証票の返還・再交付は登録抹消時だけでなく業務停止処分時にも生じる。
解説28条2項の証票再交付は業務停止処分等からの復帰を制度的に支える規定。30条の権限明示(委任状のような書面の提出)は税務代理の対外的な信頼性を担保する手続的要件で、31条(特別委任)・32条(証票提示)とあわせて税務代理の手続規律群を形成する。
補足税務代理の権限明示は民事委任における委任状の提出に相当する実務的な手続。
問4特別の委任を要する事項と税理士証票の提示義務
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士は、税務代理をする場合において不服申立ての取下げをするときであつても、改めて特別の委任を受ける必要はない。
- イ.税理士又は税理士法人が税務代理をする場合において、当該税務代理に係る税理士が税務官公署の職員と面接するときは、当該税理士は、税理士証票を提示しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 『改めて特別の委任を受ける必要はない』が誤り。特別の委任が必要
税理士法第31条「税理士は、税務代理をする場合において、次の行為をするときは、特別の委任を受けなければならない。一不服申立ての取下げ」e-Gov原文
- イ.正しい
- 32条のとおり → 正しい
税理士法第32条「税理士又は税理士法人が税務代理をする場合において、当該税務代理に係る税理士が税務官公署の職員と面接するときは、当該税理士は、税理士証票を提示しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ不服申立ての取下げ・代理人の選任は特別委任事項(通常の税務代理権限に当然含まれるわけではない)。
解説31条の特別委任事項(不服申立ての取下げ・代理人の選任)は、依頼者の重大な利益に関わる行為として通常の税務代理権限とは別に明示的な委任を要求する。32条の証票提示義務は税理士本人であることの確認手段として機能する。
補足民事訴訟法における訴訟代理権の特別授権事項(取下げ・和解等)と同じ発想の規定。
問5税務代理・税務書類作成における署名義務
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士又は税理士法人が税務代理をする場合において、租税に関する申告書等を作成して税務官公署に提出するときは、当該税務代理に係る税理士は、当該申告書等に署名しなければならない。
- イ.税理士又は税理士法人が税務書類の作成をしたときは、当該税務書類の作成に係る税理士は、当該書類に署名しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 33条1項のとおり → 正しい
税理士法第33条「税理士又は税理士法人が税務代理をする場合において、租税に関する申告書等を作成して税務官公署に提出するときは、当該税務代理に係る税理士は、当該申告書等に署名しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 33条2項のとおり → 正しい
税理士法第33条「税理士又は税理士法人が税務書類の作成をしたときは、当該税務書類の作成に係る税理士は、当該書類に署名しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ署名義務は税務代理・税務書類作成のいずれの場面にも及ぶ。
解説33条1項(税務代理に係る申告書等)・2項(税務書類の作成)はいずれも作成に関わった税理士自身の署名義務を定める。署名は作成者の責任の所在を明確にする趣旨で、税理士業務の信頼性確保の要となる規定。
補足1項後段は申告書等が課税標準等の申告書・還付請求書類の場合、本人(代表者等)も併せて署名する必要がある点も押さえる。
問6署名の付記事項と署名の有無が書類の効力に与える影響
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士は、前二項の規定により署名するときは、税理士である旨その他財務省令で定める事項を付記しなければならない。
- イ.税理士による署名の有無は、当該書類の効力に影響を及ぼすものと解さなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 33条3項のとおり → 正しい
税理士法第33条「税理士は、前二項の規定により署名するときは、税理士である旨その他財務省令で定める事項を付記しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『効力に影響を及ぼすものと解さなければならない』が誤り。影響を及ぼすものと解してはならない
税理士法第33条「第一項又は第二項の規定による署名の有無は、当該書類の効力に影響を及ぼすものと解してはならない」e-Gov原文
ひっかけ署名の有無は書類の効力(有効性)そのものには影響しない(懲戒事由にはなりうる)。
解説33条3項の付記義務(税理士である旨の明示)は署名の実質的な意味を担保するが、4項により署名の有無自体は申告書等の私法上・税法上の効力(有効性)には影響しないとされる。署名義務違反は懲戒事由にはなり得ても、申告自体を無効にするものではない。
補足税理士制度の実効性(懲戒処分等)と申告書の私法上の効力は別次元の問題として整理する。
問7計算事項等を記載した書面の添付(作成者・審査者)
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士又は税理士法人は、申告納税方式による租税の課税標準等を記載した申告書を作成したときは、当該申告書の作成に関し計算し、整理し、又は相談に応じた事項を財務省令で定めるところにより記載した書面を当該申告書に添付することができる。
- イ.税理士又は税理士法人は、他人の作成した申告書につき相談を受けてこれを審査した場合において、当該申告書が法令の規定に従つて作成されていると認めたときは、その審査した事項及び当該申告書が当該法令の規定に従つて作成されている旨を記載した書面を当該申告書に添付することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 33条の2第1項のとおり → 正しい
税理士法第33_2条「税理士又は税理士法人は、国税通則法第十六条第一項第一号に掲げる申告納税方式又は地方税法第一条第一項第八号若しくは第十一号に掲げる申告納付若しくは申告納入の方法による租税の課税標準等を記載した申告書を作成したときは、当該申告書の作成に関し、計算し、整理し、又は相談に応じた事項を財務省令で定めるところにより記載した書面を当該申告書に添付することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 33条の2第2項のとおり → 正しい
税理士法第33_2条「税理士又は税理士法人は、前項に規定する租税の課税標準等を記載した申告書で他人の作成したものにつき相談を受けてこれを審査した場合において、当該申告書が当該租税に関する法令の規定に従つて作成されていると認めたときは、その審査した事項及び当該申告書が当該法令の規定に従つて作成されている旨を財務省令で定めるところにより記載した書面を当該申告書に添付することができる」e-Gov原文
ひっかけ書面添付は自ら作成した場合だけでなく、他人作成の申告書を審査した場合にも可能。
解説33条の2の書面添付制度は、①自ら作成した申告書についての計算事項等の書面(1項)、②他人作成の申告書を審査した場合の審査事項等の書面(2項)の2類型がある。税務調査の際の意見聴取(35条)の前提としても機能する、税理士制度独自の重要な仕組み。
補足書面添付制度は税務調査の効率化・税理士の専門性の可視化という政策目的を持つ、税理士法に特有の制度。
問8書面添付時の付記署名義務と脱税相談等の禁止
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士又は税理士法人が前二項の書面を作成したときは、当該書面の作成に係る税理士は、当該書面に税理士である旨その他財務省令で定める事項を付記して署名しなければならない。
- イ.税理士は、不正に国税若しくは地方税の賦課若しくは徴収を免れることにつき、指示をし、又は相談に応ずることは禁止されているが、そのような行為を自ら行わない限り、類似する行為は禁止されていない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 33条の2第3項のとおり → 正しい
税理士法第33_2条「税理士又は税理士法人が前二項の書面を作成したときは、当該書面の作成に係る税理士は、当該書面に税理士である旨その他財務省令で定める事項を付記して署名しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『類似する行為は禁止されていない』が誤り。指示・相談に類似する行為も禁止される
税理士法第36条「税理士は、不正に国税若しくは地方税の賦課若しくは徴収を免れ、又は不正に国税若しくは地方税の還付を受けることにつき、指示をし、相談に応じ、その他これらに類似する行為をしてはならない」e-Gov原文
ひっかけ36条の禁止対象は『指示・相談』に限らず類似行為も含む広い射程。
解説33条の2第3項の付記署名義務は33条3項と同じ発想(責任の所在の明確化)。36条の脱税相談等の禁止は、指示・相談という典型的な関与形態に限定せず『類似する行為』を包括的に禁止することで、脱法的な脱税指南を防止する構造になっている。
補足36条違反は懲戒処分(46条:脱税相談等をした場合の懲戒)に直結する重大な義務違反。
問9信用失墜行為の禁止と非税理士に対する名義貸しの禁止
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士は、税理士の信用又は品位を害するような行為であつても、業務上の必要があれば行うことが認められる。
- イ.税理士は、無償であれば、第五十二条又は第五十三条第一項から第三項までの規定に違反する者に自己の名義を利用させることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 『業務上の必要があれば行うことが認められる』が誤り。無条件に禁止される
税理士法第37条「税理士は、税理士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『無償であれば…利用させることができる』が誤り。無償有償を問わず禁止される
税理士法第37_2条「税理士は、第五十二条又は第五十三条第一項から第三項までの規定に違反する者に自己の名義を利用させてはならない」e-Gov原文
ひっかけ信用失墜行為の禁止・名義貸しの禁止はいずれも無条件・絶対的な禁止(例外なし)。
解説37条(信用失墜行為の禁止)・37条の2(名義貸しの禁止)はいずれも例外を許さない絶対的な禁止規定。名義貸しは非税理士行為(52条:税理士業務の制限)・特定の業務制限違反者(53条)と結びつき、いわゆる『ニセ税理士』問題を防止する重要な規定。
補足名義貸しの禁止は税理士制度の根幹(有資格者による適正な業務遂行)を守るための規定として重要度が高い。
問10秘密保持義務と会則遵守義務
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、又は窃用してはならない。税理士でなくなつた後においても、また同様とする。
- イ.税理士は、所属税理士会の会則を守れば足り、日本税理士会連合会の会則までは守る必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 38条のとおり → 正しい
税理士法第38条「税理士は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、又は窃用してはならない。税理士でなくなつた後においても、また同様とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『所属税理士会の会則を守れば足りる』が誤り。連合会の会則も守る必要がある
税理士法第39条「税理士は、所属税理士会及び日本税理士会連合会の会則を守らなければならない」e-Gov原文
ひっかけ会則遵守義務は『所属税理士会』と『連合会』の両方に及ぶ。
解説38条の秘密保持義務は司法書士法24条・行政書士法12条と同様、資格喪失後も継続する点が特徴。39条の会則遵守義務は所属税理士会・連合会の両方に及び、いずれか一方だけでは足りない。
補足秘密保持義務・会則遵守義務は隣接士業に共通する基本的な職業倫理規定として整理する。
問11研修の努力義務と事務所の設置義務
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士は、所属税理士会及び日本税理士会連合会が行う研修を受けることが法律上の絶対的な義務であり、受講しない場合は当然に懲戒処分の対象となる。
- イ.税理士(税理士法人の社員を除く。)及び税理士法人は、税理士業務を行うための事務所を設けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 『絶対的な義務であり、受講しない場合は当然に懲戒処分の対象となる』が誤り。努力義務にとどまる
税理士法第39_2条「税理士は、所属税理士会及び日本税理士会連合会が行う研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 40条1項のとおり → 正しい
税理士法第40条「税理士(税理士法人の社員(財務省令で定める者を含む。第四項において同じ。)を除く。次項及び第三項において同じ。)及び税理士法人は、税理士業務を行うための事務所を設けなければならない」e-Gov原文
ひっかけ『努めなければならない』(努力義務)と『しなければならない』(絶対的義務)を混同しない。
解説39条の2は『努めなければならない』という努力義務規定(司法書士法25条・行政書士法13条の2と同型)。40条1項の事務所設置義務は『設けなければならない』という絶対的義務であり、両者の規定の強さの違いを正確に区別する。
補足努力義務違反は直ちに懲戒事由にはならないが、絶対的義務違反(信用失墜行為等を通じて)は懲戒処分に結びつきうる。
問12事務所の名称と事務所数の制限
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士が設けなければならない事務所は、特に名称の定めはなく、自由に呼称することができる。
- イ.税理士は、税理士事務所を二以上設けてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 『特に名称の定めはなく、自由に呼称することができる』が誤り。税理士事務所と称する
税理士法第40条「税理士が設けなければならない事務所は、税理士事務所と称する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 40条3項のとおり → 正しい
税理士法第40条「税理士は、税理士事務所を二以上設けてはならない」e-Gov原文
ひっかけ税理士個人の事務所は『税理士事務所』という名称が法定されている。
解説40条2項の名称規定(税理士事務所)、3項の複数設置禁止はいずれも税理士個人の事務所に関する規律。司法書士法・行政書士法にも同様の複数事務所禁止規定があり、士業共通のパターンとして押さえる。
補足税理士法人の場合は複数の事務所(従たる事務所)を設けることが可能であり、個人と法人で規律が異なる点に注意。
問13税理士法人社員の事務所設置禁止と帳簿作成義務
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士法人の社員は、当該法人とは別に、自ら税理士業務を行うための個人事務所を設けることができる。
- イ.税理士は、税理士業務に関する帳簿を作成する義務はなく、記載内容も自由である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 『個人事務所を設けることができる』が誤り。法人の社員は個人事務所を設けてはならない
税理士法第40条「税理士法人の社員は、税理士業務を行うための事務所を設けてはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『作成する義務はなく、記載内容も自由』が誤り。作成義務があり記載事項も法定されている
税理士法第41条「税理士は、税理士業務に関して帳簿を作成し、委嘱者別に、かつ、一件ごとに、税務代理、税務書類の作成又は税務相談の内容及びそのてん末を記載しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ税理士法人の社員は個人としての事務所を持てない(法人に一本化)。
解説40条4項は法人社員の個人事務所設置を禁止することで、法人としての一体的な業務運営を確保する規定。41条1項の帳簿作成義務は委嘱者別・一件ごとという細かい記載単位を法定し、業務の透明性・追跡可能性を担保する。
補足司法書士法人39条・行政書士法人13条の14の社員常駐義務とは異なり、税理士法人は『社員の個人事務所禁止』という形で規律している点に注意。
問14帳簿の保存期間と電磁的記録による作成
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士業務に関する帳簿は、閉鎖後三年間保存すれば足りる。
- イ.税理士は、財務省令で定めるところにより、帳簿を電磁的記録をもつて作成することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 『三年間保存すれば足りる』が誤り。正しくは五年間
税理士法第41条「前項の帳簿は、閉鎖後五年間保存しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 41条3項のとおり → 正しい
税理士法第41条「税理士は、財務省令で定めるところにより、第一項の帳簿を電磁的記録をもつて作成することができる」e-Gov原文
ひっかけ税理士業務の帳簿保存期間は五年間(行政書士の二年間より長い)。
解説41条2項の保存期間(五年間)は行政書士法9条2項(二年間)より長く設定されている点に注意。3項の電磁的記録による作成は近年のデジタル化対応の一環として位置づけられる。
補足保存期間の長さは、税務という時効期間の長い分野を扱う税理士業務の特性を反映していると理解する。
問15登録取消し・欠格事由該当による登録抹消の必要性と業務停止処分時の証票返還
税理士法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税理士が登録の取消しの処分を受けたときや欠格事由に該当するに至つたときであつても、日本税理士会連合会が登録を抹消するかどうかは連合会の裁量に委ねられている。
- イ.税理士が第四十三条の規定に該当することとなつた場合又は第四十五条若しくは第四十六条の規定による税理士業務の停止の処分を受けた場合には、税理士証票の返還義務はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 『連合会の裁量に委ねられている』が誤り。該当すれば遅滞なく抹消しなければならない
税理士法第26条「日本税理士会連合会は、税理士が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、遅滞なくその登録を抹消しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『返還義務はない』が誤り。業務停止処分等の場合も返還義務が生じる
税理士法第28条「税理士が第四十三条の規定に該当することとなつた場合又は第四十五条若しくは第四十六条の規定による税理士業務の停止の処分を受けた場合においても、また同様とする」e-Gov原文
ひっかけ登録抹消はすべての号で必要的、証票返還義務は登録抹消時に限らず業務停止処分時にも及ぶ。
解説26条1項の登録抹消はいずれの号(業務廃止・死亡・登録取消し処分・欠格事由該当)も必要的であり、連合会の裁量の余地はない。28条1項後段は、登録抹消だけでなく業務停止処分(43条該当・45条・46条)の場合にも証票返還義務を及ぼす、義務の射程の広さがポイント。
補足26条・28条は税理士の資格・地位の得喪に関する基本規定として、条文相互の関係を丁寧に確認する。