問1民法(委任契約)の委任
民法の委任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
- イ.受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 643条のとおり → 正しい
民法第643条「相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 644条のとおり → 正しい
民法第644条「善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ委任は『委託+承諾』で成立する諾成契約。受任者は有償無償を問わず『善管注意義務』を負う(643条・644条)。
解説委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる(643条)。委任を押さえる。
補足委任は法律行為の委託と承諾で成立する諾成契約である。管理組合と管理者・管理会社の法律関係は委任・準委任であり、受任者は報酬の有無にかかわらず善良な管理者の注意義務を負う。
問2民法(委任契約)の受任者の注意義務
受任者の注意義務及び受任者の報酬に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
- イ.受任者は、特約がなくても、当然に委任者に対して報酬を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 644条のとおり → 正しい
民法第644条「善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 委任は特約がなければ無償が原則 → 『特約がなくても当然に報酬を請求できる』は誤り
民法第648条「特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ受任者は有償無償を問わず『善管注意義務』を負う。委任は『特約がなければ無償』が原則(報酬請求には特約が必要)(644条・648条)。
解説受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う(644条)。受任者の注意義務を押さえる。
補足受任者は報酬の有無にかかわらず善良な管理者の注意義務を負う。委任は特約がなければ無償が原則で、報酬を請求するには特約を要する。
問3民法(委任契約)の受任者による報告
受任者による報告及び受任者による受取物の引渡し等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
- イ.受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 645条のとおり → 正しい
民法第645条「委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 646条1項のとおり → 正しい
民法第646条「受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない」e-Gov原文
ひっかけ受任者は請求があればいつでも状況報告、終了後は遅滞なく経過結果を『報告』。受取った金銭等は委任者に『引き渡す』(645条・646条)。
解説受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない(645条)。受任者による報告を押さえる。
補足受任者は委任者の請求があればいつでも状況を報告し、委任終了後は遅滞なく経過・結果を報告する。委任事務で受け取った金銭・物・果実を委任者に引き渡し、自己の名で取得した権利も委任者に移転する。
問4民法(委任契約)の受任者による受取物の引渡し等
受任者による受取物の引渡し等及び受任者による報告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。
- イ.受任者は、委任が終了した後は、その経過及び結果を報告する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 646条1項のとおり → 正しい
民法第646条「受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 委任終了後は遅滞なく経過結果を報告すべき → 『報告する必要はない』は誤り
民法第645条「委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ受任者は受け取った金銭等を委任者に『引き渡す』。委任終了後は経過結果を『報告』(645条・646条)。
解説受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする(646条1項)。受任者による受取物の引渡し等を押さえる。
補足受任者は委任事務で受け取った金銭・物・収取した果実を委任者に引き渡し、自己の名で取得した権利も委任者に移転する。委任終了後は遅滞なく経過・結果を報告する。
問5民法(委任契約)の受任者の報酬
受任者の報酬及び受任者による費用等の償還請求等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。
- イ.受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 648条1項のとおり → 正しい
民法第648条「特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 650条1項のとおり → 正しい
民法第650条「その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ委任は『特約がなければ無償』。受任者は必要費を支出すれば『費用+支出日以後の利息』の償還を請求可(648条・650条)。
解説受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない(648条1項)。受任者の報酬を押さえる。
補足委任は特約がなければ無償が原則で、報酬を受ける場合も原則として委任事務の履行後でなければ請求できない。受任者は必要と認められる費用を支出すれば費用及び支出日以後の利息の償還を請求できる。
問6民法(委任契約)の受任者による費用等の償還請求等
受任者による費用等の償還請求等及び受任者の金銭の消費についての責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
- イ.受任者は、委任者に引き渡すべき金額を自己のために消費したときであっても、その消費した日以後の利息を支払う必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 650条1項のとおり → 正しい
民法第650条「その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 引き渡すべき金額を消費したときは消費日以後の利息を支払うべき → 『利息を支払う必要はない』は誤り
民法第647条「その消費した日以後の利息を支払わなければならない」e-Gov原文
ひっかけ受任者は必要費の『費用+利息』の償還を請求可。逆に引き渡すべき金銭を消費したら『消費日以後の利息+損害賠償』(650条・647条)。
解説受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う(647条)。受任者による費用等の償還請求等を押さえる。
補足受任者は必要と認められる費用及び支出日以後の利息の償還を請求でき、必要な債務を負担すれば委任者に弁済を請求できる。逆に引き渡すべき金銭を自己のために消費すれば消費日以後の利息を支払い、なお損害があればその賠償責任も負う。
問7民法(委任契約)の受任者の金銭の消費についての責任
受任者の金銭の消費についての責任及び受任者の報酬に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、報酬を受けるべき場合であっても、委任事務を履行する前に報酬を請求することができる。
- イ.受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 報酬は委任事務の履行後でなければ請求できない(後払原則) → 『履行する前に請求できる』は誤り
民法第648条「委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 647条のとおり → 正しい
民法第647条「その消費した日以後の利息を支払わなければならない」e-Gov原文
ひっかけ報酬は原則『委任事務の履行後』でなければ請求できない(後払)。引き渡すべき金銭を消費したら『消費日以後の利息+損害賠償』(648条・647条)。
解説受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない(647条)。受任者の金銭の消費についての責任を押さえる。
補足受任者の報酬は原則として委任事務の履行後でなければ請求できない(後払原則、期間で定めたときを除く)。引き渡すべき金銭を自己のために消費すれば消費日以後の利息を支払い、なお損害があれば賠償責任も負う。
問8民法(委任契約)の受任者による費用の前払請求
受任者による費用の前払請求及び受任者による受取物の引渡し等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を、委任者に引き渡す必要はない。
- イ.委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 受任者は受け取った金銭等を委任者に引き渡すべき → 『引き渡す必要はない』は誤り
民法第646条「受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 649条のとおり → 正しい
民法第649条「委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ受任者は受け取った金銭等を委任者に『引き渡す』。費用を要するときは委任者に『前払』を請求できる(646条・649条)。
解説委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない(649条)。受任者による費用の前払請求を押さえる。
補足委任事務の処理に費用を要するときは受任者は委任者に費用の前払を請求できる。受任者は委任事務で受け取った金銭・物を委任者に引き渡さなければならない。
問9民法(委任契約)の委任の解除
委任の解除及び受任者による費用等の償還請求等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときであっても、委任者に対しその費用の償還を請求することはできない。
- イ.委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 受任者は必要費の償還を請求できる → 『償還を請求することはできない』は誤り
民法第650条「その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 651条1項のとおり → 正しい
民法第651条「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ受任者は必要費の『償還』を請求可。委任は『各当事者がいつでも解除』できる(不利な時期の解除等は損害賠償要)(650条・651条)。
解説委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる(651条1項)。委任の解除を押さえる。
補足委任は各当事者がいつでも解除できる(相手方に不利な時期の解除、受任者の利益をも目的とする委任の解除は損害賠償を要する、やむを得ない事由があるときを除く)。受任者は必要費の償還を請求できる。
問10民法(委任契約)の委任の終了の対抗要件
委任の終了の対抗要件及び委任の成立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない。
- イ.委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 655条のとおり → 正しい
民法第655条「これをもってその相手方に対抗することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 643条のとおり → 正しい
民法第643条「相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ委任の終了事由は『通知or相手方が知っていた』ときでなければ相手方に対抗できない。委任は『委託+承諾』で成立(655条・643条)。
解説委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない(655条)。委任の終了の対抗要件を押さえる。
補足委任の終了事由は相手方に通知したとき又は相手方が知っていたときでなければ対抗できない(善意の相手方を保護)。委任は法律行為の委託と承諾で成立する諾成契約である。
問11民法(委任契約)の委任の終了事由
委任の終了事由及び受任者による費用の前払請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任は、委任者又は受任者の死亡、委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと、受任者が後見開始の審判を受けたことによって終了する。
- イ.委任事務を処理するについて費用を要するときであっても、委任者は、受任者の請求により費用を前払する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 653条のとおり → 正しい
民法第653条「委任は、次に掲げる事由によって終了する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 費用を要するときは受任者の請求により前払すべき → 『前払する必要はない』は誤り
民法第649条「委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ委任は『当事者の死亡・破産手続開始・受任者の後見開始』で終了。費用を要するときは委任者が『前払』(653条・649条)。
解説委任は、次に掲げる事由によって終了する。一 委任者又は受任者の死亡 二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと 三 受任者が後見開始の審判を受けたこと(653条)。委任の終了事由を押さえる。
補足委任は当事者の死亡・破産手続開始の決定・受任者の後見開始の審判で終了する(委任者の後見開始は終了事由でない点に注意)。費用を要するときは委任者が受任者の請求により前払する。
問12民法(委任契約)の委任の終了後の処分
委任の終了後の処分及び委任の終了の対抗要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任の終了事由は、これを相手方に通知しなくても、また相手方がこれを知らなくても、当然に相手方に対抗することができる。
- イ.委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者又はその相続人若しくは法定代理人は、委任者側が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 委任の終了事由は通知or相手方が知っていたときでなければ対抗できない → 『当然に対抗できる』は誤り
民法第655条「これをもってその相手方に対抗することができない」e-Gov原文
ひっかけ委任の終了事由は『通知or悪意』でなければ対抗できない。委任終了後も急迫の事情があれば受任者側は『必要な処分』をする義務(善処義務)(655条・654条)。
解説委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者又はその相続人若しくは法定代理人は、委任者又はその相続人若しくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない(654条)。委任の終了後の処分を押さえる。
補足委任終了後も急迫の事情があるときは受任者側は委任者側が処理できるまで必要な処分をする義務を負う(善処義務・応急処分義務)。委任の終了事由は通知又は相手方が知っていたときでなければ対抗できない。
問13民法(委任契約)の成果等に対する報酬
成果等に対する報酬及び委任の成立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときであっても、報酬は成果の引渡しと同時に支払う必要はない。
- イ.委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託すれば、相手方の承諾がなくても、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 成果報酬は成果の引渡しと同時に支払うべき(同時履行) → 『同時に支払う必要はない』は誤り
民法第648条の2「その成果の引渡しと同時に、支払わなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 委任は相手方の承諾によって効力を生ずる → 『承諾がなくても効力を生ずる』は誤り
民法第643条「相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ成果報酬型委任は成果の『引渡しと同時に』報酬を支払う(同時履行)。委任は『委託+承諾』で成立(648条の2・643条)。
解説委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、報酬は、その成果の引渡しと同時に、支払わなければならない(648条の2第1項)。成果等に対する報酬を押さえる。
補足成果報酬型委任で成果が引渡しを要するときは報酬は成果の引渡しと同時に支払う(同時履行の関係)。委任は法律行為の委託と相手方の承諾で成立する諾成契約である。
問14民法(委任契約)の委任の解除の効力
委任の解除の効力及び受任者の注意義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任の解除をした場合には、その解除は常に契約締結の時に遡ってその効力を生ずる。
- イ.受任者は、委任の本旨に従うが、善良な管理者の注意ではなく、自己の財産に対するのと同一の注意をもって委任事務を処理すれば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 委任の解除は620条準用で将来に向かってのみ効力を生ずる → 『常に遡って効力を生ずる』は誤り
民法第652条「第六百二十条の規定は、委任について準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 受任者は善管注意義務を負う → 『自己の財産に対するのと同一の注意で足りる』は誤り
民法第644条「善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ委任の解除は620条準用で『将来効』(遡及しない)。受任者は『善管注意義務』を負う(自己の財産と同一の注意では足りない)(652条・644条)。
解説第六百二十条の規定は、委任について準用する(652条)。委任の解除の効力を押さえる。
補足委任の解除は620条の準用により将来に向かってのみ効力を生ずる(既往の履行は覆らない)。受任者は有償無償を問わず善良な管理者の注意義務を負う。
問15民法(委任契約)の準委任
準委任及び受任者による報告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任に関するこの節の規定は、法律行為でない事務の委託については準用されない。
- イ.受任者は、委任者の請求があっても、委任事務の処理の状況を報告する義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 法律行為でない事務の委託には委任の規定が準用される(準委任) → 『準用されない』は誤り
民法第656条「この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 受任者は委任者の請求があればいつでも状況を報告すべき → 『報告する義務を負わない』は誤り
ひっかけ法律行為でない事務の委託には委任の規定が『準用』される(準委任)。受任者は請求があればいつでも状況を『報告』(656条・645条)。
解説この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する(656条)。準委任を押さえる。
補足準委任は法律行為でない事務の委託であり委任の規定が準用される(マンション管理業務の多くは準委任にあたる)。受任者は委任者の請求があればいつでも状況を報告し、終了後は遅滞なく経過・結果を報告する。