民法の相続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相続は、死亡によって開始する。
- イ.被相続人の配偶者は、常に相続人となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
第27章では、民法を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。
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収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。
民法:882条・886条・887条・889条・890条・891条・892条・896条・898条・900条・901条・902条・903条・915条・939条
答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。
民法の相続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
相続に関する胎児の権利能力及び相続の一般的効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:2(アー正、イー誤)
民法第886条「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす」e-Gov原文
民法第896条「被相続人の一身に専属したものは、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけ胎児は相続について『既に生まれたものとみなす』(死産のときは適用なし)。一身専属権は『承継されない』(886条・896条)。
解説胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす(886条1項)。相続に関する胎児の権利能力を押さえる。
補足胎児は相続については既に生まれたものとみなされる(死体で生まれたときは適用しない)。相続では一身専属権(扶養請求権等)は承継されない。
配偶者の相続権及び法定相続分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:1(アー正、イー正)
民法第890条「被相続人の配偶者は、常に相続人となる」e-Gov原文
民法第900条「配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする」e-Gov原文
ひっかけ配偶者は『常に相続人』。配偶者と直系尊属が相続人なら相続分は『配偶者三分の二・直系尊属三分の一』(890条・900条)。
解説配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする(900条2号)。配偶者の相続権を押さえる。
補足配偶者は常に相続人となる。法定相続分は、配偶者と子は各二分の一、配偶者と直系尊属は配偶者三分の二・直系尊属三分の一、配偶者と兄弟姉妹は配偶者四分の三・兄弟姉妹四分の一である。
法定相続分及び相続に関する胎児の権利能力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:2(アー正、イー誤)
民法第900条「子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする」e-Gov原文
民法第886条「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ子と配偶者が相続人なら相続分は『各二分の一』。胎児は相続について『既に生まれたものとみなす』(900条・886条)。
解説子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする(900条1号)。法定相続分を押さえる。
補足子と配偶者が相続人のときは各二分の一である(子が複数なら子の二分の一をさらに均分)。胎児は相続については既に生まれたものとみなされる。
子及びその代襲者等の相続権並びに相続の一般的効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:1(アー正、イー正)
民法第887条「被相続人の子は、相続人となる」e-Gov原文
民法第896条「被相続人の一身に専属したものは、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけ被相続人の子は『相続人』(子が先に死亡等なら孫が代襲)。相続人は財産の権利義務を包括承継(一身専属権を除く)(887条・896条)。
解説被相続人の子は、相続人となる(887条1項)。子及びその代襲者等の相続権を押さえる。
補足被相続人の子は第1順位の相続人で、子が相続開始以前に死亡・欠格・廃除で相続権を失えばその子(孫)が代襲相続する。相続人は包括承継するが一身専属権は承継しない。
相続の一般的効力及び共同相続の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:2(アー正、イー誤)
民法第896条「被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」e-Gov原文
民法第898条「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」e-Gov原文
ひっかけ相続人は財産の権利義務を『包括承継』。相続人が数人あれば相続財産は『共有』(遺産分割まで)(896条・898条)。
解説相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない(896条)。相続の一般的効力を押さえる。
補足相続人は相続開始時から包括承継する(一身専属権を除く)。共同相続では遺産分割までは相続財産が共有に属し、各相続人の共有持分は法定相続分等による。
直系尊属及び兄弟姉妹の相続権並びに子の相続権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:3(アー誤、イー正)
民法第887条「被相続人の子は、相続人となる」e-Gov原文
民法第889条「次に掲げる順序の順位に従って相続人となる」e-Gov原文
ひっかけ被相続人の子は第1順位の『相続人』。子がなければ直系尊属(第2順位)→兄弟姉妹(第3順位)の順(887条・889条)。
解説次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。一 被相続人の直系尊属 二 被相続人の兄弟姉妹(889条1項)。直系尊属及び兄弟姉妹の相続権を押さえる。
補足血族相続人の順位は、第1順位が子、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹である。子がなければ直系尊属、直系尊属もなければ兄弟姉妹が相続人となる。
相続人の欠格事由及び推定相続人の廃除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:3(アー誤、イー正)
民法第892条「その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる」e-Gov原文
民法第891条「相続人となることができない」e-Gov原文
ひっかけ相続欠格は一定の非行で『当然に』相続資格を失う(891条)。廃除は虐待等を理由に被相続人が『家庭裁判所に請求』(892条)。
解説次に掲げる者は、相続人となることができない。一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者(891条1号)。相続人の欠格事由を押さえる。
補足相続欠格は被相続人殺害等の一定の非行があれば法律上当然に相続資格を失う制度である。廃除は遺留分を有する推定相続人の虐待等を理由に被相続人が家庭裁判所に請求する制度である。
推定相続人の廃除及び相続に関する胎児の権利能力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:3(アー誤、イー正)
民法第886条「胎児が死体で生まれたときは、適用しない」e-Gov原文
民法第892条「その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ胎児のみなし規定は『死産のときは適用なし』。廃除は虐待・重大な侮辱・著しい非行を理由に『家庭裁判所に請求』(886条・892条)。
解説遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる(892条)。推定相続人の廃除を押さえる。
補足廃除は遺留分を有する推定相続人(子・直系尊属・配偶者)の虐待・重大な侮辱・著しい非行を理由に被相続人が家庭裁判所に請求する(遺言によることもできる)。胎児のみなし規定は死産のときは適用しない。
共同相続の効力及び相続開始の原因に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:1(アー正、イー正)
民法第898条「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」e-Gov原文
民法第882条「相続は、死亡によって開始する」e-Gov原文
ひっかけ共同相続人がある場合、相続財産は遺産分割まで『共有』。相続は『死亡』で開始(898条・882条)。
解説相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する(898条1項)。共同相続の効力を押さえる。
補足相続人が数人あるときは、遺産分割までは相続財産が共有に属し、共有に関する規定を適用するときは法定相続分等により算定した相続分を各相続人の共有持分とする。相続は死亡によって開始する。
相続の承認又は放棄をすべき期間及び相続の放棄の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:2(アー正、イー誤)
民法第915条「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない」e-Gov原文
民法第939条「初めから相続人とならなかったものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ承認・放棄は相続開始を知った時から『三箇月以内』(熟慮期間)。放棄は『初めから相続人でなかった』とみなす(遡及効)(915条・939条)。
解説相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない(915条1項)。相続の承認又は放棄をすべき期間を押さえる。
補足相続の承認・放棄は自己のために相続開始があったことを知った時から三箇月以内(熟慮期間)にする(家庭裁判所で伸長可)。放棄は初めから相続人とならなかったものとみなされ遡及効を持つ(代襲相続も生じない)。
相続の放棄の効力及び相続の承認又は放棄をすべき期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:3(アー誤、イー正)
民法第915条「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に」e-Gov原文
民法第939条「初めから相続人とならなかったものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ承認・放棄の熟慮期間は『三箇月以内』(一年ではない)。放棄は『初めから相続人でなかった』とみなす(915条・939条)。
解説相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす(939条)。相続の放棄の効力を押さえる。
補足相続放棄は初めから相続人とならなかったものとみなされ、放棄者の子は代襲相続しない。承認・放棄の熟慮期間は相続開始を知った時から三箇月以内である。
代襲相続人の相続分及び相続開始の原因に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:4(アー誤、イー誤)
民法第901条「その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする」e-Gov原文
民法第882条「相続は、死亡によって開始する」e-Gov原文
ひっかけ代襲相続人の相続分は『被代襲者が受けるべきであったものと同じ』(数人あれば頭割り)。相続は『死亡』で開始(901条・882条)。
解説第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする(901条1項)。代襲相続人の相続分を押さえる。
補足代襲相続人の相続分は被代襲者が受けるべきであった相続分と同じで、代襲者が数人あればその相続分を均分する。相続は死亡(失踪宣告を含む)によって開始する。
遺言による相続分の指定及び配偶者の相続権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:4(アー誤、イー誤)
民法第902条「遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる」e-Gov原文
民法第890条「被相続人の配偶者は、常に相続人となる」e-Gov原文
ひっかけ被相続人は『遺言で相続分を指定』できる(法定相続分に優先)。配偶者は『常に相続人』(902条・890条)。
解説被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる(902条1項)。遺言による相続分の指定を押さえる。
補足被相続人は遺言で共同相続人の相続分を指定でき(第三者への委託も可)、指定相続分は法定相続分に優先する。配偶者は血族相続人の有無にかかわらず常に相続人となる。
特別受益者の相続分及び法定相続分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
正解:4(アー誤、イー誤)
民法第903条「被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし」e-Gov原文
民法第900条「子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする」e-Gov原文
ひっかけ特別受益(遺贈・生計資本の贈与)は『持ち戻して』相続分を算定。子と配偶者の相続分は『各二分の一』(903条・900条)。
解説共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする(903条1項)。特別受益者の相続分を押さえる。
補足特別受益(遺贈・婚姻養子縁組・生計資本の贈与)がある場合は、その価額を相続財産に持ち戻して各自の相続分を算定し、特別受益者は算定額から受益分を控除した残額を相続分とする。子と配偶者の法定相続分は各二分の一である。
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