問1国際約束の誠実な履行等
個人情報保護法の雑則規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.この法律の施行に当たっては、我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることがないよう留意するとともに、確立された国際法規を遵守しなければならない。
- イ.内閣総理大臣及びこの法律の施行に関係する行政機関の長(会計検査院長を除く)は、相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 173条が国際約束の誠実な履行等を定める
個人情報保護法第173条「この法律の施行に当たっては、我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることがないよう留意するとともに、確立された国際法規を遵守しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 174条が連絡及び協力を定める
個人情報保護法第174条「内閣総理大臣及びこの法律の施行に関係する行政機関の長(会計検査院長を除く。)は、相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ連絡協力義務の対象からは会計検査院長が除外されている点に注意。
解説個人情報保護法の雑則(第7章)には、①国際約束の誠実な履行・国際法規の遵守(173条)、②内閣総理大臣と関係行政機関の長(会計検査院長を除く)との連絡協力(174条)、③政令への委任(175条)といった、法運用の基盤となる総則的規定が置かれている。
補足会計検査院は独立性の高い憲法上の機関であるため、内閣の一員である内閣総理大臣との連絡協力規定から除外されている。
問2行政機関等職員による秘密漏えい罪の主体
行政機関等の職員等による秘密漏えい罪の主体に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.秘密漏えい罪の主体には、行政機関等の職員若しくは職員であった者が含まれる。
- イ.秘密漏えい罪の主体は行政機関等の職員等に限られ、これらの業務に従事する派遣労働者は主体に含まれない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 176条が主体の範囲を定める
個人情報保護法第176条「行政機関等の職員若しくは職員であった者、第六十六条第二項各号に定める業務若しくは第七十三条第五項若しくは第百二十一条第三項の委託を受けた業務に従事している者若しくは従事していた者又は行政機関等において個人情報、仮名加工情報若しくは匿名加工情報の取扱いに従事している派遣労働者若しくは従事していた派遣労働者が」e-Gov原文
- イ.誤り
- 176条が派遣労働者も主体に含める
個人情報保護法第176条「行政機関等において個人情報、仮名加工情報若しくは匿名加工情報の取扱いに従事している派遣労働者若しくは従事していた派遣労働者が」e-Gov原文
ひっかけ秘密漏えい罪の主体は正職員だけでなく委託先従事者・派遣労働者も含む広い範囲。
解説秘密漏えい罪(176条)の主体は、①行政機関等の職員・元職員、②委託業務従事者・元従事者、③派遣労働者・元派遣労働者、という広範な範囲をカバーする。行政機関等の個人情報を取り扱う立場にある者を網羅的に処罰対象とする趣旨である。
補足「第六十六条第二項各号に定める業務」「第七十三条第五項」「第百二十一条第三項」はいずれも個人情報の取扱いを外部委託する場面を指す。
問3秘密漏えい罪の対象・法定刑
秘密漏えい罪の対象・法定刑に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.秘密漏えい罪は、正当な理由がない限り成立するものであり、正当な理由がある場合には成立しない。
- イ.秘密漏えい罪の法定刑は、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 176条が「正当な理由がないのに」を構成要件とする
個人情報保護法第176条「正当な理由がないのに、個人の秘密に属する事項が記録された第六十条第二項第一号に係る個人情報ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 176条が法定刑を定める
個人情報保護法第176条「二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ秘密漏えい罪の法定刑(2年以下・100万円以下)は個人情報保護法の罰則の中でも重い部類。
解説秘密漏えい罪(176条)は、①主体の広範性(職員・元職員・委託先従事者・派遣労働者等)、②「正当な理由がないのに」という違法性阻却の余地を残した構成要件、③対象が「個人の秘密に属する事項が記録された個人情報ファイル」(複製・加工したものを含む)、④2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金という法定刑、という構造を持つ。行政機関等が保有する個人情報保護法上最も重い刑事罰である。
補足対象となる個人情報ファイルは「第六十条第二項第一号に係る」ものに限定される点も条文上の重要な限定要素である。
問4是正命令違反の罪
個人情報保護委員会の命令違反の罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第148条第2項又は第3項の規定による命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金に処せられる。
- イ.第178条の罪は、日本国外においてこれを犯した者にも適用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 178条が命令違反の罰則を定める
個人情報保護法第178条「第百四十八条第二項又は第三項の規定による命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 183条が国外犯規定の対象条文を限定列挙する
個人情報保護法第183条「第百七十六条、第百七十七条及び第百七十九条から第百八十一条までの規定は、日本国外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する」e-Gov原文
ひっかけ国外犯規定の対象条文は限定列挙(176・177・179〜181条)で、178条・182条は含まれない。
解説個人情報保護委員会による是正命令(148条2項・3項)への違反は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金という法定刑が定められている(178条)。国外犯規定(183条)の対象は176条・177条・179条〜181条に限定列挙されており、178条・182条はその対象から外れている点に注意が必要である。
補足148条は個人情報取扱事業者等に対する個人情報保護委員会の勧告・命令の根拠規定である。
問5不正利益目的提供・盗用罪
不正利益目的提供・盗用罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第176条に規定する者が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられる。
- イ.この罪は、176条の秘密漏えい罪と同一の法定刑(2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)が定められている。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 180条が罰則を定める
個人情報保護法第180条「第百七十六条に規定する者が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 180条・176条の法定刑を比較する
個人情報保護法第180条「一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ176条(秘密漏えい罪)と180条(不正利益提供・盗用罪)は主体は共通するが法定刑が異なる。
解説180条は176条に規定する者(行政機関等の職員等)による、不正な利益を図る目的での保有個人情報の提供・盗用を処罰する規定である。176条の秘密漏えい罪(2年以下・100万円以下)と主体は共通するが、法定刑は180条の方が軽い(1年以下・50万円以下)。これは、176条が個人情報ファイル単位の漏えいを対象とするのに対し、180条は保有個人情報単位(より個別的な情報)を対象とする点の違いを反映していると考えられる。
補足「不正な利益を図る目的」という主観的要件が180条の構成要件の中心である。
問6職権濫用収集罪
行政機関等の職員の職権濫用収集罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行政機関等の職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したときは、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられる。
- イ.この罪の対象は「文書、図画又は電磁的記録」に限られ、口頭で収集した秘密情報は対象とならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 181条が罰則を定める
個人情報保護法第181条「行政機関等の職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 181条が対象媒体を限定列挙する
個人情報保護法第181条「個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したとき」e-Gov原文
ひっかけ180条=保有情報の不正提供・盗用、181条=職権濫用による収集、と行為段階が異なる。
解説職権濫用収集罪(181条)は、①職権濫用、②職務外目的、③個人の秘密に属する事項が記録された文書・図画・電磁的記録の収集、という3要件を満たす場合に成立する。180条(保有個人情報の不正提供・盗用)と法定刑は同一(1年以下・50万円以下)だが、180条が「保有」段階の不正行為を対象とするのに対し、181条は「収集」段階の職権濫用を対象とする点で行為態様が異なる。
補足「電磁的記録」を含めている点は、紙媒体だけでなくデジタルデータの不正収集にも対応する現代的な規定である。
問7報告拒否・虚偽報告等の罪
個人情報保護委員会への報告拒否等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第146条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、50万円以下の罰金に処せられる。
- イ.182条1号の罪は、個人情報取扱事業者等ではなく行政機関等の職員のみを対象とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 182条1号が罰則を定める
個人情報保護法第182条「第百四十六条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき」e-Gov原文
- イ.誤り
- 182条1号が146条1項の違反を処罰対象とする
個人情報保護法第182条「第百四十六条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず」e-Gov原文
ひっかけ182条1号は民間事業者向け監督(146条)への非協力を対象とし、行政機関職員向けの規定ではない。
解説182条1号は、個人情報保護委員会の民間事業者向け監督権限(146条1項の報告徴収・立入検査)への非協力を処罰する規定である。176条・180条・181条が行政機関等の職員による情報の不正取扱いを処罰するのとは異なり、182条は民間の個人情報取扱事業者等の行政監督への非協力を対象とする点で、規律の対象主体が異なる。
補足146条は、旧個人情報保護法時代の「報告徴収・立入検査」規定を令和3年改正で一元化したものである。
問8認定個人情報保護団体への報告拒否の罪
認定個人情報保護団体に関する報告拒否の罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第153条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、当該違反行為をした者は、100万円以下の罰金に処せられる。
- イ.182条1号・2号のいずれも法定刑は50万円以下の罰金で共通している。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 182条2号が罰則を定める
個人情報保護法第182条「第百五十三条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき」e-Gov原文
- イ.正しい
- 182条柱書が両号共通の法定刑を定める
個人情報保護法第182条「次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ182条は146条向け(1号)・153条向け(2号)の2類型を共通の法定刑(50万円以下)でまとめる規定。
解説182条は柱書1本で1号(146条1項の報告拒否等)・2号(153条の報告拒否等)を列挙し、いずれも50万円以下の罰金という共通の法定刑を定める構造である。153条は個人情報保護委員会が認定個人情報保護団体に対して行う報告徴収の根拠規定であり、146条(個人情報取扱事業者等向け)とは監督対象が異なる。
補足認定個人情報保護団体制度自体は47条〜56条に定められ、153条はその監督に関する規定として位置付けられる。
問9国外犯規定の適用範囲
個人情報保護法の国外犯規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国外犯規定の適用対象には178条の是正命令違反の罪も含まれる。
- イ.国外犯規定の適用対象には182条の報告拒否等の罪も含まれる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 183条の対象条文に178条は含まれない
個人情報保護法第183条「第百七十六条、第百七十七条及び第百七十九条から第百八十一条までの規定は、日本国外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 183条の対象条文に182条は含まれない
個人情報保護法第183条「第百七十六条、第百七十七条及び第百七十九条から第百八十一条までの規定は、日本国外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する」e-Gov原文
ひっかけ国外犯規定は「秘密漏えい・不正利用系」の罪に限定され、「行政監督非協力系」の罪(178条・182条)には及ばない。
解説国外犯規定(183条)の対象は176条(秘密漏えい)・177条・179条〜181条(不正提供盗用・職権濫用収集等)に限定される。178条(是正命令違反)・182条(報告拒否等)という行政監督への非協力型の罪は、国外犯規定の対象から外れている。個人の秘密に関わる重大な不正行為(漏えい・不正利用・職権濫用)には国外犯処罰の必要性が高いが、国内の行政監督手続への協力義務違反は属地的な性格が強く、国外犯規定になじまないという整理と考えられる。
補足177条は今回未確認の条文だが、183条の対象条文として明記されている(個人情報データベース等不正提供罪に相当)。
問10両罰規定の法人罰金額
個人情報保護法の両罰規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第178条及び第179条の違反行為をしたときは、その法人に対しても行為者と同額の罰金刑(同条の罰金刑)が科される。
- イ.第182条の違反行為に係る法人の罰金刑は、行為者と同額の「同条の罰金刑」である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 184条1項1号が法人罰金額を定める
個人情報保護法第184条「第百七十八条及び第百七十九条一億円以下の罰金刑」e-Gov原文
- イ.正しい
- 184条1項2号が「同条の罰金刑」と定める
ひっかけ両罰規定の法人罰金額は対象条文により1億円以下(重い違反)と同額(軽い違反)に分かれる。
解説両罰規定(184条1項)は、①178条・179条(是正命令違反・個人情報データベース等不正提供)違反の法人罰金刑を高額の1億円以下(1号)、②182条(報告拒否等)違反の法人罰金刑を行為者と同額(2号)と、対象条文によって規律の重さを大きく変えている。是正命令違反等の重大な違反ほど高額の法人罰金が科される仕組みである。
補足この1億円という高額罰金は、いわゆる「法人重科」の考え方に基づき、企業による組織的な情報漏えい・不正利用を強く抑止する趣旨である。
問11法人でない団体への準用
法人でない団体に対する両罰規定の適用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法人でない団体について両罰規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表する。
- イ.法人でない団体に対する両罰規定の適用については、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定が準用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 184条2項前段が訴訟代表を定める
個人情報保護法第184条「法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 184条2項後段が準用を定める
個人情報保護法第184条「法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する」e-Gov原文
ひっかけ法人格のない団体にも両罰規定は及び、代表者・管理人が訴訟上の団体代表者となる。
解説両罰規定(184条)は法人だけでなく法人格のない団体(権利能力なき社団等)にも適用され得る。その場合、①代表者・管理人が訴訟行為につき団体を代表し(2項前段)、②法人を被告人・被疑者とする場合の刑事訴訟法規定(法人の代表者による訴訟行為等を定める刑事訴訟法の特則)を準用する(2項後段)ことで、法人でない団体にも実務上の訴訟追行が可能な仕組みが整えられている。
補足「法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるもの」という表現は、他の法律(例えば消費者契約法の適格消費者団体規定)でも共通して使われる立法パターンである。
問12過料(名称使用制限・届出違反)
個人情報保護法上の過料に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第30条第2項又は第56条の規定に違反した者は、50万円以下の罰金に処せられる。
- イ.第51条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、過料の対象とならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 185条1号が過料を定める
個人情報保護法第185条「次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。一第三十条第二項(第三十一条第三項において準用する場合を含む。)又は第五十六条の規定に違反した者」e-Gov原文
- イ.誤り
- 185条2号が届出義務違反を過料の対象とする
個人情報保護法第185条「第五十一条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者」e-Gov原文
ひっかけ185条は3類型の義務違反を同一の過料(10万円以下)でまとめて規律する。
解説185条の過料規定は、①30条2項・56条違反(開示決定等の通知義務・認定団体の名称使用制限違反、1号)、②51条1項の届出義務違反(認定業務の廃止届出、2号)、③偽りその他不正の手段による保有個人情報の開示受領(85条3項、3号)の3類型を、いずれも10万円以下の過料という同一の制裁で規律する。
補足56条(名称の使用制限)は認定個人情報保護団体の詐称防止規定であり、その違反が刑事罰ではなく過料(行政上の秩序罰)にとどまる点に注意。
問13過料(不正な手段による開示受領)
不正な手段による保有個人情報の開示受領に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.偽りその他不正の手段により、第85条第3項に規定する開示決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者は、10万円以下の過料に処せられる。
- イ.この過料規定は、民間の個人情報取扱事業者が保有する個人データの開示請求手続に関する不正行為を対象とするものである。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 185条3号が過料を定める
個人情報保護法第185条「偽りその他不正の手段により、第八十五条第三項に規定する開示決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者」e-Gov原文
- イ.誤り
- 185条3号が85条3項(行政機関等の開示決定)に関する不正受領を対象とする
個人情報保護法第185条「第八十五条第三項に規定する開示決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者」e-Gov原文
ひっかけ185条3号は行政機関等特有の開示請求(85条3項)に関する不正行為を対象とする。
解説185条3号は、行政機関等が保有する個人情報の開示請求において、本人になりすます等の不正な手段により開示を受けた場合を過料の対象とする。これは民間事業者の保有個人データに対する開示請求(33条等)とは異なり、行政機関等の保有個人情報の開示手続(第5章)に特有の規律である。
補足民間事業者向けの開示請求(33条)に対応する不正受領の過料規定は185条には存在しない点も、行政機関等固有の規律であることを裏付ける。
問14秘密漏えい罪と不正利益提供罪の対比
176条の秘密漏えい罪と180条の不正利益提供・盗用罪の対比に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.176条の秘密漏えい罪と180条の不正利益提供・盗用罪は、いずれも「自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的」という同一の主観的要件を構成要件とする。
- イ.176条の対象は「個人情報ファイル」であるのに対し、180条の対象は「保有個人情報」であり、対象の単位が異なる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 176条・180条の構成要件の違いを対比する
個人情報保護法第180条「自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは」e-Gov原文
- イ.正しい
- 176条・180条の対象の単位の違い
個人情報保護法第180条「その業務に関して知り得た保有個人情報を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは」e-Gov原文
ひっかけ176条=ファイル単位・消極要件・重い刑、180条=個別情報単位・積極的目的要件・軽い刑、と対比して整理する。
解説176条と180条はいずれも行政機関等の職員等による情報の不正取扱いを処罰するが、①176条は個人情報ファイル(集合的な単位)を対象に「正当な理由がないのに」という消極的要件で処罰するのに対し、②180条は保有個人情報(個別の単位)を対象に「不正な利益を図る目的」という積極的な目的要件で処罰する。法定刑も176条(2年以下・100万円以下)の方が180条(1年以下・50万円以下)より重い。
補足この対比構造は、集合的なデータベースの漏えいという行為の重大性が、個別情報の不正利用より重く評価されるべきという立法趣旨を反映していると考えられる。
問15個人情報保護法罰則の全体構造
個人情報保護法第8章(罰則)の全体構造に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第8章の罰則のうち、法定刑に拘禁刑を含むのは176条・178条・180条・181条であり、182条・185条は罰金又は過料にとどまる。
- イ.過料(185条)は刑事罰ではなく行政上の秩序罰であり、前科として扱われない点で、罰金刑(182条等)とは法的性質が異なる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 各条文の法定刑の構造を対比する
個人情報保護法第182条「次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 185条が過料(秩序罰)として規定される
個人情報保護法第185条「次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する」e-Gov原文
ひっかけ過料(185条)は刑事罰ではなく行政上の秩序罰で、前科にならない点が罰金刑と決定的に異なる。
解説個人情報保護法第8章の制裁体系は、重大性に応じて①拘禁刑を伴う刑事罰(176・178・180・181条)、②罰金のみの刑事罰(182条)、③行政上の秩序罰である過料(185条)の3段階に整理できる。過料は刑事罰ではなく前科にならない点で、罰金刑と法的性質が大きく異なることを理解しておくことが重要である。
補足184条の両罰規定は176条〜182条の刑事罰(拘禁刑・罰金)を対象とし、185条の過料には両罰規定は及ばない(過料は個人に対してのみ科される)。