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電子情報処理組織による輸出入及び港湾関連情報処理業務等に関する法律・第23

NACCS法(電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等:定義・業務・監督②)の問題(15問)

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この章で確認する論点

23章では、電子情報処理組織の定義・輸出入等関連業務の定義・関税等の定義・情報通信技術活用法の適用・処分通知等の発信時期のみなし規定を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

電子情報処理組織による輸出入及び港湾関連情報処理業務等に関する法律を他資格と横断して確認する場合は、関税・通関法規を学べる資格と無料問題も使えます。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

電子情報処理組織による輸出入及び港湾関連情報処理業務等に関する法律2条3条4条9条12条15条16条22条23条24条26条28条

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年7月時点の法令に準拠
1電子情報処理組織の定義

NACCS法上の電子情報処理組織の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • NACCS法上の「電子情報処理組織」とは、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の使用に係る電子計算機のみから成る組織をいい、税関等の行政機関や民間事業者の電子計算機は含まれない。
  • 電子情報処理組織の定義における「関係行政機関」には港湾法上の港湾管理者が含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
2条1号が定義を定める

NACCS法第2条電子情報処理組織輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と税関その他の関係行政機関(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第一項(定義)に規定する港湾管理者を含む。次条第二項において同じ。)の使用に係る電子計算機及び当該関係行政機関以外の輸出入等関連業務を行う者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいうe-Gov原文

正しい
2条1号括弧書が港湾管理者を含める

NACCS法第2条税関その他の関係行政機関(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第一項(定義)に規定する港湾管理者を含む。次条第二項において同じ。)e-Gov原文

ひっかけ「関係行政機関」には税関だけでなく港湾管理者も含まれる。

解説NACCS法上の「電子情報処理組織」は、①輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(NACCS運営会社)の電子計算機、②税関その他の関係行政機関(港湾管理者を含む)の電子計算機、③輸出入等関連業務を行う民間事業者の電子計算機、の3者を電気通信回線で接続した組織をいう(2条1号)。

補足NACCSはNippon Automated Cargo and Port Consolidated Systemの略で、輸出入・港湾関連手続を一元的に処理する電子システムである。

2輸出入等関連業務の定義

輸出入等関連業務の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 輸出入等関連業務には、税関手続又は国際運送貨物に係る業務は含まれるが、その範囲はNACCS法自体に条数を明記する形で確定的に列挙されている。
  • 輸出入等関連業務には、外国為替及び外国貿易法に基づく申請等又は処分通知等であって政令で定めるものに関する業務も含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
2条2号イが「政令で定めるもの」という限定を付す

NACCS法第2条税関手続又は国際運送貨物に係る業務で政令で定めるものe-Gov原文

正しい
2条2号ホが外為法関連業務を含める

NACCS法第2条外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号。これに基づく命令を含む。)に基づく申請等又は処分通知等であつて政令で定めるものに関する業務e-Gov原文

ひっかけ輸出入等関連業務は税関手続に限らず、検疫・出入国管理・外為法まで幅広くカバーする。

解説輸出入等関連業務(2条2号)は、税関手続(イ)、出入国管理関連(ロ)、食品衛生・検疫関連(ハ)、植物防疫・家畜伝染病予防等(ニ)、外為法関連(ホ)、港則法等国土交通省所管法令関連(ヘ)、港湾法の入出港書類統一関連(ト)の7類型から成り、通関業務だけでなく検疫・出入国管理・為替管理まで横断する複合的な業務範囲であることが特徴である。

補足各号の具体的な業務範囲は政令(NACCS法施行令)に委任されている。

3関税等の定義

NACCS法上の「関税等」の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • NACCS法上の「関税等」とは、関税、とん税、特別とん税及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律に規定する内国消費税をいう。
  • 「関税等」の定義規定は、輸徴法(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律)第2条第1号の規定を直接引用する形で定められている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
2条3号が関税等の定義を定める

NACCS法第2条関税等関税、とん税、特別とん税及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第二条第一号(定義)に規定する内国消費税をいうe-Gov原文

正しい
2条3号が輸徴法の定義を引用する構造を持つ

NACCS法第2条輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第二条第一号(定義)に規定する内国消費税をいうe-Gov原文

ひっかけ「関税等」は関税単体ではなく、とん税・特別とん税・内国消費税を含む包括概念。

解説NACCS法上の「関税等」は、①関税、②とん税、③特別とん税、④輸徴法上の内国消費税、の4種類の租税を包括する概念であり、口座振替納付(4条)等の規定の適用対象を画定する基本用語である。

補足とん税・特別とん税は開港に入港する外国貿易船に課される国税・地方税である。

4情報通信技術活用法の適用

情報通信技術活用法の適用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 電子情報処理組織を使用して行う申請等又は処分通知等については、当該電子情報処理組織を情報通信技術活用法上の電子情報処理組織とみなして、電子情報処理組織による申請等・処分通知等の規定を適用する。
  • この規定の適用にあたり、情報通信技術活用法第6条第3項中「当該申請等を受ける行政機関等」は「輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社」と読み替えられる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
3条1項がみなし規定を定める

NACCS法第3条前条第一号に規定する電子情報処理組織を使用して行う申請等又は処分通知等については、当該電子情報処理組織を情報通信技術活用法第六条第一項(電子情報処理組織による申請等)に規定する電子情報処理組織とみなして、同条又は情報通信技術活用法第七条(電子情報処理組織による処分通知等)の規定を適用するe-Gov原文

正しい
3条1項後段が読み替え規定を定める

NACCS法第3条この場合において、情報通信技術活用法第六条第三項中「当該申請等を受ける行政機関等」とあるのは「輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社」とe-Gov原文

ひっかけNACCSは行政の電子申請一般法(情報通信技術活用法)の特則として位置付けられる。

解説NACCS法3条は、税関等の行政機関向けの電子申請一般法である情報通信技術活用法(e-Gov等の根拠法)の規定を、NACCS特有の電子情報処理組織にも適用するための「みなし・読替え」規定である。行政機関等が担う役割の一部を、民間会社(輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社)が担う特殊な構造を反映した読み替えがされている。

補足「輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社」は通称NACCSセンターと呼ばれ、税関・関係行政機関からの委託を受けてシステム運営を行う特殊会社である。

5処分通知等の発信時期のみなし規定

処分通知等の発信時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 情報通信技術活用法第7条の規定により行われた処分通知等については、その内容にかかわらずすべて、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の電子計算機のファイル記録時に発せられたものとみなす。
  • 処分通知等の発信時期のみなし規定は、政令で定めるものに限って適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
3条2項が「政令で定めるもの」という限定を付す

NACCS法第3条前項の規定により適用される情報通信技術活用法第七条の規定により行われた処分通知等のうち政令で定めるものについては、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に税関その他の関係行政機関から発せられたものとみなすe-Gov原文

正しい
3条2項が「政令で定めるもの」という限定を付す

NACCS法第3条処分通知等のうち政令で定めるものについてはe-Gov原文

ひっかけ発信時期のみなし規定は「政令で定めるもの」への限定列挙。

解説電子的な処分通知等の効力発生時期は本来、行政機関等のファイルへの記録時が基準となる(情報通信技術活用法7条)が、NACCSの仕組み上、実際にファイル記録を行うのは民間の運営会社であるため、NACCS法3条2項が「会社のファイル記録時=行政機関からの発信時」とみなす特則を置いている。適用範囲は政令で定めるものに限定される点に注意。

補足この規定は、行政処分の効力発生時期という重要な法的効果に関わるため、限定列挙という慎重な立法形式が採られている。

6口座振替納付に係る納付書の送付依頼

口座振替納付に係る納付書の送付等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 税関長は、預金の払出しとその払い出した金銭による関税等の納付をその預金口座のある金融機関に委託して行おうとする者から納付書の当該金融機関への送付の依頼があった場合、常にその依頼を受けなければならない。
  • 納付書の送付の依頼は、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の使用に係る電子計算機と電気通信回線で接続された電子計算機が設置されている金融機関に限り可能である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
4条1項が確認要件を定める

NACCS法第4条その納付が確実であることが政令で定める方法により確認されたときに限り、その依頼を受けることができるe-Gov原文

正しい
4条1項括弧書が対象金融機関を限定する

NACCS法第4条その預金口座のある金融機関(輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の使用に係る電子計算機と電気通信回線で接続された電子計算機が設置されている金融機関に限る。)e-Gov原文

ひっかけ納付書送付依頼の受理には金融機関のNACCS接続+納付確実性確認の2要件が必要。

解説口座振替納付の納付書送付依頼制度(4条1項)は、①対象金融機関がNACCS接続済みであること、②納付の確実性が政令で定める方法により確認されることの2要件を満たす場合に限り、税関長が依頼を受けられる仕組みである。

補足この制度により通関業者等が関税等を口座振替で一括納付する実務が可能になっている。

7納付書送付時のみなし納付

納付書送付時のみなし納付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 納付書送付の依頼により納付書が送付された場合であっても、当該納付書に係る関税等が実際に金融機関で決済されるまでは、関税法上の出港手続や輸入の許可の規定において納付があったものとはみなされない。
  • 延滞税の適用については、納付書送付の依頼により送付された納付書に基づく関税等の納付は、当該納付書の送付の日ではなく、実際の入金確認日をもって納付されたものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
4条2項がみなし納付規定を定める

NACCS法第4条前項の依頼により納付書が送付された場合には、当該納付書の送付の時に当該納付書に係る関税等が納付されたものとみなして、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第十七条第二項(出港手続)又は第七十二条(関税等の納付と輸入の許可)の規定を適用するe-Gov原文

誤り
4条3項が納付書送付日を基準とすることを定める

NACCS法第4条第一項の依頼により送付された納付書に基づき関税等が政令で定める日までに納付された場合には、その納付は当該納付書の送付の日にされたものとみなして、延滞税に関する規定を適用するe-Gov原文

ひっかけ出港手続等=送付時にみなし納付、延滞税=実納付を条件に送付日へ遡及、と規律が分かれる。

解説NACCS法4条2項・3項は、口座振替納付における「みなし納付時期」を二段階で定める。①出港手続・輸入許可との関係では納付書送付時に納付があったとみなし(2項)、②延滞税との関係では政令で定める日までに実際に納付されることを条件に、納付書送付日に遡って納付があったとみなす(3項)。両者の基準時点の違いを混同しないこと。

補足この二段階の規律により、通関実務上のスピードと税収確保のバランスが図られている。

8会社の業務の範囲

輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の業務範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 会社は、その目的を達成するため、輸出入等関連業務を電子情報処理組織により処理するために必要な電子計算機その他の機器を使用し、及び管理する業務を営むものとする。
  • 会社は、法定業務以外の業務を営むことはできず、財務大臣の認可を受けても目的達成に必要な業務を追加で営むことはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
9条1項1号が業務内容を定める

NACCS法第9条会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。一輸出入等関連業務(第二条第二号トに掲げる業務については、会社の使用に係る電子計算機を港湾法第四十八条の四第六項第一号(電子情報処理組織の設置及び管理等)の規定により国土交通大臣が指定した場合に限る。以下この項において同じ。)を電子情報処理組織により処理するために必要な電子計算機その他の機器を使用し、及び管理することe-Gov原文

誤り
9条2項が認可業務を認める

NACCS法第9条会社は、前項の業務を営むほか、財務大臣の認可を受けて、その目的を達成するために必要な業務を営むことができるe-Gov原文

ひっかけ会社の業務範囲は法定業務+財務大臣認可業務の二本立て。

解説会社の業務は、①法定業務(9条1項各号:電子計算機の使用管理、プログラム等の作成保管、関連業務者との情報送受信、附帯業務等)と、②財務大臣の認可を受けた目的達成のための追加業務(9条2項)の2種類から成る。追加業務の認可には、法務・厚労・農水・経産・国交の5大臣への事前協議が必要である(9条3項)。

補足5大臣協議(9条3項)は、NACCS業務が複数省庁の所管法令にまたがることを反映した規律である。

9追加業務の認可における関係大臣協議

追加業務の認可の手続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 財務大臣は、追加業務の認可をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣に協議しなければならない。
  • 会社の株式・社債・借入金に関する認可(12条)についても、財務大臣は同様に5大臣への事前協議を経なければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
9条3項が事前協議義務を定める

NACCS法第9条財務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣に協議しなければならないe-Gov原文

誤り
12条には5大臣協議の規定がない

NACCS法第12条会社は、会社法(平成十七年法律第八十六号)第百九十九条第一項(募集事項の決定)に規定するその発行する株式(第二十七条第二号において「新株」という。)、同法第二百三十八条第一項(募集事項の決定)に規定する募集新株予約権(同号において「募集新株予約権」という。)若しくは同法第六百七十六条(募集社債に関する事項の決定)に規定する募集社債(同号において「募集社債」という。)を引き受ける者の募集をし、株式交換若しくは株式交付に際して株式、社債若しくは新株予約権を発行し、又は弁済期限が一年を超える資金を借り入れようとするときは、財務大臣の認可を受けなければならないe-Gov原文

ひっかけ5大臣協議は「業務範囲の拡張」「組織の基本構造の変更」に関わる認可(9条・16条)に限定される。

解説財務大臣による認可事項のうち、5大臣(法務・厚労・農水・経産・国交)への事前協議が明記されているのは、追加業務の認可(9条3項)と定款変更等の認可(16条2項)に限られる。株式・社債・借入金の認可(12条)、重要財産の譲渡等の認可(15条)には、条文上そのような協議規定は置かれていない。認可事項ごとに手続の重さが異なる点に注意。

補足協議対象が業務範囲・組織構造に限定されるのは、財産管理的な事項(株式・社債・重要財産)は財務大臣の専管とする趣旨と考えられる。

10株式・社債・借入金の認可

会社の株式・社債・借入金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 会社が新株、募集新株予約権若しくは募集社債を引き受ける者の募集をし、又は弁済期限が1年を超える資金を借り入れようとするときは、事後遅滞なく財務大臣に届け出れば足りる。
  • 会社は、新株予約権の行使により株式を発行しようとするときは、あらかじめ財務大臣の認可を受けなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
12条1項が認可事項を定める

NACCS法第12条弁済期限が一年を超える資金を借り入れようとするときは、財務大臣の認可を受けなければならないe-Gov原文

誤り
12条2項が事後届出義務を定める

NACCS法第12条会社は、新株予約権の行使により株式を発行した後、遅滞なく、その旨を財務大臣に届け出なければならないe-Gov原文

ひっかけ新規の資金調達=事前認可、既存の新株予約権行使=事後届出、と段階で規律が異なる。

解説会社の資金調達行為は、①新株・募集新株予約権・募集社債の引受者募集、株式交換等での発行、1年超の長期借入は事前の財務大臣認可(12条1項)、②新株予約権の行使による株式発行は事後の届出(12条2項)と、規律の強さが分かれる。前者は資金調達の意思決定段階、後者は既に認可された新株予約権の行使という執行段階の違いによるものである。

補足1年以内の短期借入には財務大臣の認可は不要である(12条1項の反対解釈)。

11重要な財産の譲渡等の認可

重要な財産の譲渡等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 会社は、財務省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、財務大臣の認可を受けなければならない。
  • 「重要な財産」の範囲は、NACCS法自体において具体的な金額基準等が明記されている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
15条が重要財産処分の認可制を定める

NACCS法第15条会社は、財務省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、財務大臣の認可を受けなければならないe-Gov原文

誤り
15条が「財務省令で定める」と規定する

NACCS法第15条財務省令で定める重要な財産e-Gov原文

ひっかけ「重要な財産」の具体的基準は法律ではなく財務省令に委任されている。

解説重要財産の処分規制(15条)は、法律本体では「財務省令で定める重要な財産」という枠組みのみを定め、具体的な範囲(金額基準等)は下位法令である財務省令に委任する立法形式を採る。この委任立法の構造は、経済状況の変化に応じ機動的に基準を改定できるようにする趣旨である。

補足この財産処分規制は、会社が特殊法人的性格(政府関係機関)を持つことに由来する財務規律の一環である。

12定款の変更等の認可

定款の変更等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 会社の定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く)、合併、分割及び解散の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
  • 財務大臣は、定款の変更等の認可をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣に協議しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
16条1項が認可を効力発生要件とする

NACCS法第16条会社の定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、分割及び解散の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないe-Gov原文

正しい
16条2項が事前協議義務を定める

NACCS法第16条財務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣に協議しなければならないe-Gov原文

ひっかけ定款変更等は「認可がなければ効力を生じない」という強い効力要件。

解説会社の組織の基本構造に関わる事項(定款変更・剰余金処分・合併・分割・解散)は、財務大臣の認可を効力発生要件とし(16条1項)、認可にあたっては追加業務の認可(9条3項)と同様に5大臣への事前協議が必要とされる(16条2項)。会社の存立の根幹に関わる事項ほど、認可の手続的重みが増す構造になっている。

補足「損失の処理」が16条1項の剰余金処分規制から明示的に除外されているのは、損失処理は会社の裁量に委ねるべき経営判断事項という位置付けによる。

13会社役職員の贈収賄罪

会社の役職員の贈収賄罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 会社の取締役、執行役、会計参与、監査役又は職員が、その職務に関して賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の拘禁刑に処せられる。
  • 収賄によって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときであっても、法定刑は3年以下の拘禁刑のまま加重されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
22条1項前段が収賄罪の基本刑を定める

NACCS法第22条会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑に処するe-Gov原文

誤り
22条1項後段が加重刑を定める

NACCS法第22条これによつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の拘禁刑に処するe-Gov原文

ひっかけ単純収賄(3年以下)と枉法収賄(5年以下)の法定刑の違いに注意。

解説会社役職員の収賄罪(22条)は、単純収賄(3年以下)と枉法収賄(不正行為・相当行為の不作為を伴う場合、5年以下)の2段階の法定刑を持つ。収受した賄賂は必要的没収・追徴の対象となる(22条2項)。会社は特殊法人であり、役職員にはみなし公務員的な刑事責任が課される点が特徴的である。

補足贈賄側(23条)は3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金であり、収賄側より罰金刑の選択肢がある分、法定刑の構成が異なる。

14贈賄罪と国外犯規定

贈賄罪及び国外犯規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 収賄罪に係る賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、自首したときであっても、必ず処罰され、刑の減軽又は免除の余地はない。
  • 会社役職員の贈賄罪(23条1項)は、刑法上の公務員の国外犯の例に従う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
23条2項が自首による減免を定める

NACCS法第23条前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができるe-Gov原文

誤り
24条2項が贈賄罪への国外犯適用を定める

NACCS法第24条前条第一項の罪は、刑法第二条(すべての者の国外犯)の例に従うe-Gov原文

ひっかけ収賄罪=公務員の国外犯(刑法4条)、贈賄罪=すべての者の国外犯(刑法2条)と適用条文が異なる。

解説NACCS法の贈収賄罪は、会社が特殊法人的性格を持つことを反映し、①贈賄側の自首減免(23条2項)、②収賄罪への公務員国外犯規定(刑法4条)の準用(24条1項)、③贈賄罪への「すべての者の国外犯」規定(刑法2条)の準用(24条2項)、という刑法総則との連動が図られている。会社役職員の収賄は、単なる私人間の贈収賄ではなく準公務員的な扱いを受ける。

補足刑法2条(すべての者の国外犯)は内乱罪・外患罪等の重大犯罪に適用される規定であり、贈賄罪への準用は異例の重い扱いといえる。

15報告拒否等の罪・両罰的過料・登記懈怠の過料

報告拒否等の罪及び過料に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 第20条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合、その違反行為をした会社の取締役等は、30万円以下の罰金に処せられる。
  • 第8条の規定に違反した者は、10万円以下の過料に処せられる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
26条が報告拒否等の罰則を定める

NACCS法第26条第二十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員は、三十万円以下の罰金に処するe-Gov原文

正しい
28条が8条違反の過料を定める

NACCS法第28条第八条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処するe-Gov原文

ひっかけNACCS法の制裁は贈収賄=刑事罰、行政監督違反=罰金・過料と段階的に構成される。

解説NACCS法の罰則は、①贈収賄罪(22条・23条:拘禁刑を含む刑事罰)、②報告拒否・検査拒否等(26条:30万円以下の罰金)、③認可事項違反等(27条:役員への100万円以下の過料)、④その他の軽微な義務違反(28条:10万円以下の過料)という段階的な体系になっている。刑事罰は贈収賄という重大な不正行為に限定され、行政監督への非協力・認可事項違反は過料・罰金という秩序罰的な性格の制裁にとどまる。

補足27条の過料は「その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役」に科される役員個人への制裁である。

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