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個人情報の保護に関する法律・第32

個人情報保護法(開示等請求の手続・仮名加工情報・匿名加工情報②)の問題(15問)

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この章で確認する論点

32章では、保有個人データに関する事項の公表等・利用目的を通知しない場合の対応・開示等請求に係る手数料・開示等請求訴訟の事前請求・個人情報取扱事業者による苦情処理を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

個人情報の保護に関する法律32条36条38条39条40条42条44条45条46条57条58条59条

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年7月時点の法令に準拠
1保有個人データに関する事項の公表等

保有個人データに関する事項の公表等について、次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 個人情報取扱事業者は、保有個人データに関し、当該個人情報取扱事業者の氏名又は名称及び住所等の事項について、本人の知り得る状態に置かなければならない。
  • 個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの利用目的の通知を求められたときは、いかなる場合であっても遅滞なくこれを通知しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
32条1項が公表等の義務を定める

個人情報保護法第32条個人情報取扱事業者は、保有個人データに関し、次に掲げる事項について、本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置かなければならない。一当該個人情報取扱事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名e-Gov原文

誤り
32条2項ただし書が例外を定める

個人情報保護法第32条個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの利用目的の通知を求められたときは、本人に対し、遅滞なく、これを通知しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ利用目的の通知義務には「既に明らか」等の例外がある。

解説個人情報取扱事業者は、保有個人データについて①事業者の氏名・名称・住所等、②全ての保有個人データの利用目的、③開示等請求に応じる手続、④その他政令で定める事項を本人の知り得る状態に置かなければならない(32条1項)。利用目的の個別通知義務(32条2項)にはただし書の例外がある。

補足通知しない旨を決定したときも、その旨を遅滞なく本人に通知しなければならない(32条3項)。

2利用目的を通知しない場合の対応

利用目的の通知に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 個人情報取扱事業者は、求められた保有個人データの利用目的を通知しない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
  • 保有個人データの利用目的の通知を拒否する場合、個人情報取扱事業者はその理由を説明する法的義務を負う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
32条3項が不通知決定の通知義務を定める

個人情報保護法第32条個人情報取扱事業者は、前項の規定に基づき求められた保有個人データの利用目的を通知しない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならないe-Gov原文

誤り
36条が努力義務を定める

個人情報保護法第36条本人に対し、その理由を説明するよう努めなければならないe-Gov原文

ひっかけ「通知しない旨の通知」は義務、「その理由の説明」は努力義務。

解説利用目的の不通知決定(32条3項)は通知義務があるが、その理由の説明(36条)は努力義務にとどまる。両者を混同しないこと。

補足36条の理由説明の努力義務は、32条3項のほか33条3項・34条3項・35条7項の措置拒否等の場面にも及ぶ。

3開示等請求に係る手数料

開示等請求に係る手数料について、次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 個人情報取扱事業者は、利用目的の通知を求められたとき又は開示の請求を受けたときは、当該措置の実施に関し、手数料を徴収することができる。
  • 個人情報取扱事業者が手数料を徴収する場合、その額は個人情報取扱事業者が自由に定めることができ、実費との関連性は問われない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
38条1項が手数料徴収を認める

個人情報保護法第38条個人情報取扱事業者は、第三十二条第二項の規定による利用目的の通知を求められたとき又は第三十三条第一項の規定による開示の請求を受けたときは、当該措置の実施に関し、手数料を徴収することができるe-Gov原文

誤り
38条2項が手数料額の限定を定める

個人情報保護法第38条個人情報取扱事業者は、前項の規定により手数料を徴収する場合は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、その手数料の額を定めなければならないe-Gov原文

ひっかけ手数料は「実費を勘案した合理的範囲内」という制約付き。

解説個人情報取扱事業者は、利用目的通知・開示請求への対応につき手数料を徴収できるが(38条1項)、その額は実費を勘案して合理的と認められる範囲内でなければならない(38条2項)。事業者の裁量で自由に高額な手数料を設定することはできない。

補足訂正・利用停止等の請求(34条・35条)には手数料徴収の規定がなく、38条の対象は利用目的通知・開示請求に限られる点に注意。

4開示等請求訴訟の事前請求

開示等請求に係る訴えの提起に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 本人は、開示・訂正等・利用停止等の請求に係る訴えを提起しようとするときは、あらかじめ当該請求を行い、その到達した日から2週間を経過した後でなければ、原則として訴えを提起することができない。
  • 被告となるべき者が当該請求を拒んだ場合であっても、2週間の経過を待たなければ訴えを提起することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
39条1項本文が事前請求原則を定める

個人情報保護法第39条本人は、第三十三条第一項、第三十四条第一項又は第三十五条第一項、第三項若しくは第五項の規定による請求に係る訴えを提起しようとするときは、その訴えの被告となるべき者に対し、あらかじめ、当該請求を行い、かつ、その到達した日から二週間を経過した後でなければ、その訴えを提起することができないe-Gov原文

誤り
39条1項ただし書が例外を定める

個人情報保護法第39条ただし、当該訴えの被告となるべき者がその請求を拒んだときは、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ事前請求原則には「請求拒絶時」の例外がある。

解説開示・訂正等・利用停止等請求に係る訴えの提起には、あらかじめ当該請求を行い、到達日から2週間経過することが原則要件とされる(39条1項本文)が、被告となるべき者が請求を拒んだときはこの限りでない(同項ただし書)。この規律は仮処分命令の申立てにも準用される(39条3項)。

補足請求は通常到達すべきであった時に到達したものとみなされる(39条2項、発信主義的な擬制規定)。

5個人情報取扱事業者による苦情処理

個人情報取扱事業者による苦情処理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。
  • 個人情報取扱事業者は、苦情の適切かつ迅速な処理の目的を達成するために必要な体制の整備に努めなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
40条1項が苦情処理の努力義務を定める

個人情報保護法第40条個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならないe-Gov原文

正しい
40条2項が体制整備の努力義務を定める

個人情報保護法第40条個人情報取扱事業者は、前項の目的を達成するために必要な体制の整備に努めなければならないe-Gov原文

ひっかけ苦情処理は「処理そのもの」と「体制整備」の2段階の努力義務。

解説個人情報取扱事業者は、苦情の適切かつ迅速な処理(40条1項)とそのための体制整備(40条2項)の両方について努力義務を負う。

補足認定個人情報保護団体が存在する分野では、対象事業者の苦情処理は認定団体(53条)とも重層的に機能する。

6仮名加工情報の第三者提供の制限

仮名加工情報の第三者提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮名加工情報取扱事業者は、法令に基づく場合を除くほか、仮名加工情報(個人情報であるものを除く)を第三者に提供してはならない。
  • 仮名加工情報取扱事業者による仮名加工情報の取扱いについては、第23条から第25条まで及び第40条の規定が読替えのうえ準用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
42条1項が第三者提供の禁止を定める

個人情報保護法第42条仮名加工情報取扱事業者は、法令に基づく場合を除くほか、仮名加工情報(個人情報であるものを除く。次項及び第三項において同じ。)を第三者に提供してはならないe-Gov原文

正しい
42条3項が準用範囲を定める

個人情報保護法第42条第二十三条から第二十五条まで、第四十条並びに前条第七項及び第八項の規定は、仮名加工情報取扱事業者による仮名加工情報の取扱いについて準用するe-Gov原文

ひっかけ仮名加工情報は「個人情報でなくなる=無規制」ではない。

解説仮名加工情報(他の情報と照合しない限り本人を識別できないように加工した情報)は、個人情報に該当しないものについても、第三者提供の原則禁止(42条1項)、安全管理措置等の準用(42条3項)といった固有の規制に服する。個人情報の規制を単純に免れるものではない。

補足仮名加工情報の提供を受ける者については、27条5項・6項の規定が読替えのうえ準用される(42条2項)。

7匿名加工情報の提供に係る公表・明示義務

匿名加工情報の提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 匿名加工情報取扱事業者は、匿名加工情報を第三者に提供するときは、あらかじめ、第三者に提供される匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目及びその提供の方法について公表しなければならない。
  • 匿名加工情報取扱事業者は、第三者への提供に際し、当該提供に係る情報が匿名加工情報である旨を当該第三者に明示しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
44条が事前公表・明示義務を定める

個人情報保護法第44条匿名加工情報取扱事業者は、匿名加工情報(自ら個人情報を加工して作成したものを除く。以下この節において同じ。)を第三者に提供するときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、第三者に提供される匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目及びその提供の方法について公表するとともに、当該第三者に対して、当該提供に係る情報が匿名加工情報である旨を明示しなければならないe-Gov原文

正しい
44条が明示義務も定める

個人情報保護法第44条当該第三者に対して、当該提供に係る情報が匿名加工情報である旨を明示しなければならないe-Gov原文

ひっかけ仮名加工情報=提供原則禁止、匿名加工情報=公表・明示を条件に提供可、と対比して覚える。

解説匿名加工情報取扱事業者が第三者提供を行う際は、①提供する匿名加工情報の項目・提供方法の公表、②提供先への当該情報が匿名加工情報である旨の明示、の2つの義務を負う(44条)。仮名加工情報が原則第三者提供禁止(42条1項)であるのと対照的に、匿名加工情報は公表・明示を条件に提供が可能である点が異なる。

補足「自ら個人情報を加工して作成したもの」を除く匿名加工情報(他者から取得した匿名加工情報)も44条の対象に含まれる。

8匿名加工情報の識別行為の禁止

匿名加工情報の識別行為の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 匿名加工情報取扱事業者は、匿名加工情報を取り扱うに当たっては、当該匿名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、削除された記述等や加工方法に関する情報を取得してはならない。
  • 匿名加工情報取扱事業者が、本人を識別する目的で匿名加工情報を他の情報と照合する行為は、禁止の対象となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
45条が識別行為の禁止を定める

個人情報保護法第45条匿名加工情報取扱事業者は、匿名加工情報を取り扱うに当たっては、当該匿名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、当該個人情報から削除された記述等若しくは個人識別符号若しくは第四十三条第一項若しくは第百十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により行われた加工の方法に関する情報を取得し、又は当該匿名加工情報を他の情報と照合してはならないe-Gov原文

正しい
45条が照合行為も禁止する

個人情報保護法第45条又は当該匿名加工情報を他の情報と照合してはならないe-Gov原文

ひっかけ識別行為の禁止は「情報取得」と「照合」の両方をカバーする。

解説匿名加工情報の識別行為の禁止(45条)は、①削除された記述等・個人識別符号・加工方法に関する情報の取得、②他の情報との照合、の2類型を禁止する。匿名加工情報の匿名性(再識別不可能性)を維持するための規律である。

補足匿名加工情報を作成した事業者自身にも、作成時の加工方法等情報について安全管理措置が別途求められる(43条6項等)。

9匿名加工情報の安全管理措置等

匿名加工情報の安全管理措置等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 匿名加工情報取扱事業者は、匿名加工情報の安全管理のために必要かつ適切な措置等を自ら講じ、かつ、その内容を公表する法的義務を負う。
  • 匿名加工情報の安全管理措置等は、個人情報の安全管理措置(23条)とは異なり、努力義務にとどまる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
46条が「努めなければならない」という努力義務の文言を用いる

個人情報保護法第46条匿名加工情報取扱事業者は、匿名加工情報の安全管理のために必要かつ適切な措置、匿名加工情報の取扱いに関する苦情の処理その他の匿名加工情報の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならないe-Gov原文

正しい
46条が「努めなければならない」という努力義務の文言を用いる

個人情報保護法第46条その他の匿名加工情報の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならないe-Gov原文

ひっかけ個人データの安全管理措置=法的義務、匿名加工情報の安全管理措置=努力義務。

解説匿名加工情報に関する安全管理措置・苦情処理等(46条)は「講じ、かつ、公表するよう努めなければならない」という努力義務規定であり、個人データについて法的義務として課される安全管理措置(23条)とは規律の強さが異なる。匿名加工情報は個人情報でないことに由来する規制の緩和である。

補足この努力義務の構造は、報道機関等の適用除外事業者に課される努力義務(57条3項)とパラレルである。

10報道機関等の適用除外

個人情報保護法の適用除外に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関が、報道の用に供する目的で個人情報等・個人関連情報を取り扱う場合であっても、個人情報保護法第4章(個人情報取扱事業者等の義務等)の規定は適用される。
  • 適用除外事業者も、個人情報等の適正な取扱いを確保するための措置を自ら講じ、かつ公表するよう努めなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
57条1項1号が報道機関の適用除外を定める

個人情報保護法第57条放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道を業として行う個人を含む。)報道の用に供する目的e-Gov原文

正しい
57条3項が適用除外事業者の努力義務を定める

個人情報保護法第57条個人データ、仮名加工情報又は匿名加工情報の安全管理のために必要かつ適切な措置、個人情報等の取扱いに関する苦情の処理その他の個人情報等の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならないe-Gov原文

ひっかけ適用除外=無規制ではなく、自主的措置の努力義務が別途課される。

解説個人情報保護法は、報道機関・著述業者・宗教団体・政治団体が、それぞれ報道・著述・宗教活動・政治活動の用に供する目的で個人情報等を取り扱う場合、第4章の規定を適用しない(57条1項各号)。これは表現の自由・信教の自由・政治活動の自由への配慮によるものだが、適用除外事業者にも自主的な適正取扱いの努力義務が課される(57条3項)。

補足「報道」とは、不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること(意見・見解を含む)をいう(57条2項)。

11適用の特例(別表第二法人・地方独立行政法人)

個人情報保護法の適用の特例に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 別表第二に掲げる法人については、開示等請求手続に関する規定(第32条から第39条まで)及び認定個人情報保護団体に関する規定(第4節)を含め、個人情報保護法の規定は一切適用されない。
  • 適用の特例の対象となる法人にも、安全管理措置(第23条)等、開示等請求手続・認定団体規定以外の義務規定は適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
58条1項1号が適用除外の範囲を限定する

個人情報保護法第58条個人情報取扱事業者又は匿名加工情報取扱事業者のうち次に掲げる者については、第三十二条から第三十九条まで及び第四節の規定は、適用しない。一別表第二に掲げる法人e-Gov原文

正しい
58条1項が適用除外の範囲を限定する

個人情報保護法第58条第三十二条から第三十九条まで及び第四節の規定は、適用しないe-Gov原文

ひっかけ適用の特例は「開示等請求+認定団体」規定のみの限定的な除外。

解説58条の適用の特例は、行政機関に準じた性格を持つ別表第二法人・特定の地方独立行政法人について、開示等請求手続規定(32条〜39条)と認定個人情報保護団体規定(第4節)の適用のみを除外するものであり、安全管理措置等の基本的な義務規定まで免除するものではない。適用除外の範囲を正確に把握することが重要。

補足58条2項は逆に、地方公共団体の機関等が運営する病院・大学等の業務について、民間事業者と同様の規律(個人情報取扱事業者等とみなす規定)を適用する趣旨の規定である。

12学術研究機関等の責務

学術研究機関等の責務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 個人情報取扱事業者である学術研究機関等は、学術研究目的で行う個人情報の取扱いについて、個人情報保護法の適用が全面的に除外され、法律の規定を遵守する義務を負わない。
  • 学術研究機関等は、学術研究目的で行う個人情報の取扱いについて、その適正を確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、その内容を公表するよう努めなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
59条が「規定を遵守する」ことを明記する

個人情報保護法第59条個人情報取扱事業者である学術研究機関等は、学術研究目的で行う個人情報の取扱いについて、この法律の規定を遵守するとともに、その適正を確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならないe-Gov原文

正しい
59条が学術研究機関等の責務を定める

個人情報保護法第59条その適正を確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならないe-Gov原文

ひっかけ学術研究機関等は「適用除外」ではなく「遵守+自主的措置の努力義務」という規律に変わった。

解説かつて学術研究機関等には包括的な適用除外があったが、令和2年改正後は、学術研究機関等も個人情報保護法の規定を遵守する義務を負い、その上で適正確保のための自主的措置とその公表に努めることとされた(59条)。学術研究の自由への配慮は、報道機関等(57条)のような包括的適用除外ではなく、個別条項での例外規定(学術研究目的の例外要件等)という形で図られている。

補足個別の例外規定は、要配慮個人情報の取得(20条2項5号等)や利用目的の制限(18条3項5号等)に「学術研究目的」の例外として散在する。

13仮名加工情報の準用規定

仮名加工情報取扱事業者への準用規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮名加工情報取扱事業者による仮名加工情報の取扱いについては、開示等請求手続に関する規定(第32条から第39条まで)が準用される。
  • 仮名加工情報取扱事業者への準用にあたり、第23条の「漏えい、滅失又は毀損」は読み替えられることなくそのまま適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
42条3項が準用範囲を23条〜25条・40条等に限定する

個人情報保護法第42条第二十三条から第二十五条まで、第四十条並びに前条第七項及び第八項の規定は、仮名加工情報取扱事業者による仮名加工情報の取扱いについて準用するe-Gov原文

誤り
42条3項後段が読み替え規定を定める

個人情報保護法第42条この場合において、第二十三条中「漏えい、滅失又は毀損」とあるのは「漏えい」とe-Gov原文

ひっかけ仮名加工情報への準用は「漏えい」のみに限定される読み替えがある。

解説仮名加工情報は「滅失又は毀損」しても本人への実害リスクが個人データほど大きくないと考えられるため、準用にあたり23条の対象を「漏えい」のみに限定する読み替えがされている(42条3項後段)。制度の趣旨(仮名加工情報の規律を個人データよりやや緩和する)を反映した読み替えである。

補足24条(安全管理措置の従業者への周知等)・25条(委託先の監督)・40条(苦情処理)は読み替えなくそのまま準用される。

14開示等請求規定の趣旨の横断的理解

保有個人データに関する事項の公表等及び開示等請求の手続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 手数料(38条)は、利用目的の通知・開示の請求への対応に限らず、訂正等・利用停止等のあらゆる請求への対応について徴収することができる。
  • 本人が開示等請求に係る訴えを提起するには、常に個人情報保護委員会への事前の申立てを経なければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
38条1項が対象を限定する

個人情報保護法第38条個人情報取扱事業者は、第三十二条第二項の規定による利用目的の通知を求められたとき又は第三十三条第一項の規定による開示の請求を受けたときは、当該措置の実施に関し、手数料を徴収することができるe-Gov原文

誤り
39条1項が事前請求の相手方を「被告となるべき者」とする

個人情報保護法第39条その訴えの被告となるべき者に対し、あらかじめ、当該請求を行いe-Gov原文

ひっかけ32〜39条は個別に暗記するより「請求権行使の流れ」として一体的に理解する。

解説32条〜39条の一連の規定は、本人の開示・訂正等・利用停止等請求権を実効あらしめるための手続的インフラである。①32条(公表等)で請求手続の透明性を確保、②38条(手数料)で対応の経済的枠組みを設定、③36条(理由の説明)で拒否時の説明責任を求め、④39条(事前の請求)で訴訟前の当事者間解決を促す、という一連の流れとして理解すると横断的に整理しやすい。

補足個人情報保護委員会は、これらの民事的な請求権行使とは別に、事業者への監督権限(報告徴収・命令等)を有する(第6章)。

15仮名加工情報と匿名加工情報の規律の対比

仮名加工情報と匿名加工情報の第三者提供規律の違いに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮名加工情報は公表・明示等の手続を履践すれば第三者提供が可能であるのに対し、匿名加工情報は法令に基づく場合を除き第三者提供が原則禁止される。
  • 匿名加工情報の識別行為の禁止(45条)は、匿名加工情報取扱事業者だけでなく仮名加工情報取扱事業者にも同様に準用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
42条と44条の規律の違いを対比する

個人情報保護法第42条仮名加工情報取扱事業者は、法令に基づく場合を除くほか、仮名加工情報(個人情報であるものを除く。次項及び第三項において同じ。)を第三者に提供してはならないe-Gov原文

誤り
42条3項の準用範囲に45条は含まれない

個人情報保護法第42条第二十三条から第二十五条まで、第四十条並びに前条第七項及び第八項の規定は、仮名加工情報取扱事業者による仮名加工情報の取扱いについて準用するe-Gov原文

ひっかけ仮名加工情報と匿名加工情報を混同しない。準用条文の範囲(42条3項)を正確に押さえる。

解説仮名加工情報(社内利用中心・第三者提供原則禁止)と匿名加工情報(第三者提供・オープンデータ利用を想定)は、いずれも「加工された個人関連情報」という点で似ているが、規律の設計思想が異なる。識別行為の禁止(45条)は匿名加工情報固有の規律であり、仮名加工情報には準用されない点が両者を区別する重要なポイントである。

補足仮名加工情報は「他の情報と照合しない限り」本人を識別できない情報であり、事業者内部では削除情報等を保有し続けている点で匿名加工情報と根本的に異なる。

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