本文へ移動

本ページには広告(PR・アフィリエイトリンク)を含みます。

労働法・第7章

企業と従業員の関係の問題(57問)

この章を解く(57問)→

この章の概要

働く人と会社の関係をあつかう労働法の章です。解雇権濫用法理、賃金支払の原則、法定労働時間・休憩・休日・年次有給休暇、割増賃金、就業規則の作成義務、解雇予告、男女同一賃金と労働条件の明示を収録しています。数字(時間・日数・割増率・人数)が多く、丸暗記だと取り違えやすいので、各選択肢の根拠条文で「なぜその数字か」まで確認できます。

この章で確認する論点

第7章では、解雇権濫用法理・賃金支払の原則・解雇の予告・法定労働時間・年次有給休暇を中心に57問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

他の資格との比較は、労働法を学べる資格と無料問題も参照できます。

  • 雇った側がいつでも自由に切れる、というイが誤り。合理的理由と相当性を欠く解雇は権利濫用で無効になる。
  • 賞与のまとめ払いや数か月分の後払いを当たり前と思うと足をすくわれる。原則は毎月1回以上・一定期日。アもイも条文どおり。
  • アで問われているのは1日の上限。8時間であって、10時間ではない。
ビジネス実務法務検定3級の参考書・問題集9冊を比較する →

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

労働基準法:3条・4条・6条・9条・10条・12条・13条・14条・15条・16条・17条・18条(ほか28条)

労働基準法の残り28条を開く

19条・20条・22条・23条・24条・26条・27条・32条・32条の2・32条の3・33条・34条・35条・36条・37条・38条・38条の2・39条・41条・56条・65条・67条・89条・90条・91条・106条・107条・108条

労働契約法:3条・5条・6条・7条・8条・9条・10条・12条・14条・15条・16条・17条(ほか1条)

労働契約法の残り1条を開く

18条

育児・介護休業法:5条・6条

男女雇用機会均等法:9条・11条

最低賃金法:4条

問題と解説を読む全57問・答え付き

答え・解説つきで57問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年6月〜2026年10月時点の法令に準拠
問1解雇権濫用法理e-Gov等の一次資料で確認済み

労働契約法に基づく解雇に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効となる。
  • イ.労働契約法上、解雇は使用者が自由に行うことができ、その効力が否定されることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
労契法16条どおり解雇権濫用は無効 → 正しい

労働契約法第16条「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」一次資料を確認

イ.誤り
16条で濫用的解雇は無効 → 自由ではない

労働契約法第16条「その権利を濫用したものとして、無効とする。」一次資料を確認

ひっかけ雇った側がいつでも自由に切れる、というイが誤り。合理的理由と相当性を欠く解雇は権利濫用で無効になる。

解説使用者はいつでも自由に労働者を辞めさせられるわけではない。労働契約法16条は、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効とする(解雇権濫用法理)。判例法理(最判昭50.4.25)を明文化したもので、(1)客観的に合理的な理由があり、(2)社会通念上相当と認められて初めて解雇は有効になる。この基準を述べるアは正しく、解雇は自由でその効力が否定されることはないとするイは16条に反し誤り。アが正、イが誤りだから『アー正、イー誤』。

補足解雇が有効かどうか(労契法16条)と、解雇するなら踏むべき手続(労基法20条の解雇予告)は別問題で、両方をクリアして初めて適法な解雇になる。

問2賃金支払の原則e-Gov等の一次資料で確認済み

賃金の支払に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
  • イ.賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
24条1項の3原則どおり → 正しい

労働基準法第24条第1項「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」一次資料を確認

イ.正しい
24条2項の毎月払・一定期日払どおり → 正しい

労働基準法第24条第2項「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ賞与のまとめ払いや数か月分の後払いを当たり前と思うと足をすくわれる。原則は毎月1回以上・一定期日。アもイも条文どおり。

解説賃金を確実に労働者本人へ届けるため、労働基準法24条は支払方法を縛る。1項が通貨で(現物給与の禁止)、直接労働者に(本人以外への支払の禁止)、その全額を(一部控除の禁止)支払えと定め、アはこの3つどおりで正しい。さらに2項が、賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払えと定め、毎月払・一定期日払を述べるイも正しい。あわせて賃金支払の5原則と呼ばれる。両方正しく、答えは『アー正、イー正』。

補足口座振込のような通貨以外の支払や社会保険料の天引きのような一部控除は、法令や労使協定があれば認められ、賞与など臨時の賃金は毎月払・一定期日払の対象外になる。

問3法定労働時間e-Gov等の一次資料で確認済み

法定労働時間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働者に、休憩時間を除き、1日について10時間を超えて労働させてはならない。
  • イ.使用者は、労働者に、休憩時間を除き、1週間について40時間を超えて労働させてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
32条2項は1日8時間が上限 → 10時間は誤り

労働基準法第32条第2項「一日について八時間を超えて、労働させてはならない。」一次資料を確認

イ.正しい
32条1項どおり週40時間が上限 → 正しい

労働基準法第32条第1項「一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。」一次資料を確認

ひっかけアで問われているのは1日の上限。8時間であって、10時間ではない。

解説労働基準法32条が定める法定労働時間は2つの数字で決まる。休憩時間を除き、1週間について40時間(1項)、1日について8時間(2項)が上限である。これを超えて働かせる時間外労働をさせるには、いわゆる三六(さぶろく)協定を労使で締結して労働基準監督署に届け出たうえ、割増賃金を支払う必要がある。アは1日の上限を『10時間まで』とするが、2項の上限は8時間なので誤り。イは『1週40時間』で1項のとおりだから正しい。本問は1日と1週で別々の数字を当てる形になっており、アで問われたのは1日の数字である。

補足1日8時間・1週40時間は別々の上限で、両方が同時にかかる。週40時間内でも1日8時間を超えれば時間外労働になる。

問4年次有給休暇e-Gov等の一次資料で確認済み

年次有給休暇に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、雇入れの日から起算して3箇月間継続勤務した労働者に対して、10労働日の有給休暇を与えなければならない。
  • イ.使用者は、労働者が請求する時季に有給休暇を与えなければならず、いかなる場合も他の時季に変更することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
39条1項は6箇月継続勤務が要件 → 3箇月は誤り

労働基準法第39条第1項「その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して」一次資料を確認

イ.誤り
39条5項で事業の正常運営を妨げる場合は時季変更できる

労働基準法第39条第5項「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」一次資料を確認

ひっかけアは『3箇月』、イは『いかなる場合も変更できない』。誤りはこの2語に集約される。

解説年次有給休暇は、雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し、かつ全労働日の8割以上出勤した労働者に、使用者が10労働日を与えなければならない(労働基準法39条1項)。アはこの起算要件を『3箇月』とするので誤り。付与の時季は労働者の請求した時季が原則だが、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者は他の時季に変更して与えることができる(同条5項ただし書の時季変更権)。イは『いかなる場合も変更できない』と言い切るが、この時季変更権があるため誤り。両方誤りで『アー誤、イー誤』となる。要件の『6箇月』と、変更を否定する『いかなる場合も』の2語が、それぞれの誤りの核である。

補足時季変更権は『他の時季に与える』権利で、有給そのものを拒める権利ではない。継続勤務年数が延びれば付与日数も増え、6年6箇月以上で年20日に達する。

問5就業規則の作成義務e-Gov等の一次資料で確認済み

就業規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。
  • イ.就業規則の作成及び届出の義務は、常時5人以上の労働者を使用する使用者に課されている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
89条どおり作成・届出義務 → 正しい

労働基準法第89条「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。」一次資料を確認

イ.誤り
89条は常時10人以上が基準 → 5人は誤り

労働基準法第89条「常時十人以上の労働者を使用する使用者は」一次資料を確認

ひっかけアとイは同じ義務を裏表で問う。違うのは人数だけで、正しいのは10人。

解説就業規則の作成・届出義務がかかる事業場の規模は、常時10人以上の労働者を使用する使用者である(労働基準法89条)。この使用者は就業規則を作成し、行政官庁(労働基準監督署)に届け出なければならない。記載事項には始業・終業の時刻や休憩・休日・休暇、賃金の決定や支払方法、退職(解雇の事由を含む)などがある。アは『常時10人以上』で89条のとおりだから正しい。イは同じ義務の基準を『5人以上』とするので誤り。アとイは数字だけが食い違っており、分かれ目は人数の『10人』か『5人』かにある。

補足10人未満の事業場には作成義務がなく、任意に作っても届出義務は生じない。この『常時10人』は事業場ごとに数える。

問6解雇の予告e-Gov等の一次資料で確認済み

解雇の予告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働者を解雇しようとする場合、予告も予告手当も要せず、いつでも即時に解雇することができる。
  • イ.使用者が30日前に解雇の予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
20条1項で少なくとも30日前の予告が必要 → 即時解雇は不可

労働基準法第20条第1項「少くとも三十日前にその予告をしなければならない。」一次資料を確認

イ.正しい
20条1項どおり解雇予告手当が必要 → 正しい

労働基準法第20条第1項「三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」一次資料を確認

ひっかけアは『予告も手当もいらない』と言い切る点で20条に正面から反する。

解説解雇の予告は労働基準法20条が手続を定める。使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告をしなければならず、30日前に予告をしないときは、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない(20条1項)。予告日数と手当日数は通算でき、たとえば10日前に予告すれば不足する20日分以上の平均賃金を支払えばよい。アは『予告も手当も要せず即時解雇できる』とするが、この手続を無視しているので誤り。イは予告をしない場合の手当額として20条1項のとおりだから正しい。なお20条は解雇の『手続』を定めるにとどまり、解雇それ自体が有効か(労働契約法16条の解雇権濫用の問題)は別の次元で判断される。

補足天災事変等で事業継続が不可能になった場合や、労働者の責に帰すべき事由による解雇では、労働基準監督署長の認定を受ければ予告も手当も不要になる。

問7男女同一賃金と労働条件の明示e-Gov等の一次資料で確認済み

労働条件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
  • イ.使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
4条の男女同一賃金の原則どおり → 正しい

労働基準法第4条「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。」一次資料を確認

イ.正しい
15条1項の明示義務どおり → 正しい

労働基準法第15条第1項「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ賃金の性差別は4条、契約時の労働条件明示は15条1項。後者は口頭・採用後でよいわけではない。

解説使用者は、労働者が女性であることを理由に、賃金について男性と差別的取扱いをしてはならない(労働基準法4条。男女同一賃金の原則)。賃金以外の場面での性差別は男女雇用機会均等法が受け持つ。あわせて、使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならず(15条1項)、口頭で足りるわけでも採用後に決めればよいわけでもない。アは4条、イは15条1項のとおりで、どちらも正しい。なお15条で明示された労働条件が事実と相違していた場合、労働者は即時に労働契約を解除できる(同条2項)。

補足明示された労働条件が事実と違っていれば、労働者は即時に労働契約を解除できる(労働基準法15条2項)。

問8休憩e-Gov等の一次資料で確認済み

休憩時間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を与えなければならない。
  • イ.休憩時間は、必ずしも労働時間の途中に与える必要はなく、勤務の終了後にまとめて与えてもよい。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
34条1項どおり → 正しい

労働基準法第34条第1項「労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。」一次資料を確認

イ.誤り
34条1項で休憩は労働時間の途中に与える → 終了後は不可

労働基準法第34条第1項「休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ休憩は『労働時間の途中』に与えるのが要件。終業時にまとめて付与しても要件を満たさない。

解説使用者は、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならない(労働基準法34条1項)。途中に置くことが求められるのは、休憩が労働による疲労を回復させるためのものだからで、勤務の終了後にまとめて与えても休憩を与えたことにはならない。アは休憩時間の長さで34条1項どおりに正しい。イは『終了後にまとめてよい』とするが、途中付与が要件なので誤り。なお休憩は原則として一斉に与え(同条2項。労使協定があれば例外)、自由に利用させなければならない(同条3項)という縛りもかかっている。

補足休憩は原則一斉付与(労使協定で例外を作れる)で、かつ自由に利用させる必要がある(34条2項・3項)。

問9休日e-Gov等の一次資料で確認済み

休日に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働者に対して、毎月少なくとも1回の休日を与えなければならない。
  • イ.4週間を通じて4日以上の休日を与える使用者については、毎週1回の休日を与える原則の規定は適用されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
休日は、毎週少なくとも1回与えなければならない(労働基準法35条1項)。毎月ではない。例えば、月に4回の休日があっても、ある週にまったく休日がなければ、原則の規定に反する。

労働基準法第35条第1項「毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。」一次資料を確認

イ.正しい
4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者には、毎週1回の休日を与える原則は適用されない(同条2項)。例えば、4週間で4日の休日を、週をまたいでまとめて与えることができる。

労働基準法第35条第2項「四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。」一次資料を確認

ひっかけ休日の原則は毎週少なくとも1回。『毎月1回』に置き換えると35条1項に反する。

解説休日(法定休日)について、労働基準法35条1項は、使用者が労働者に毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないとする(毎週休日制)。ここは『毎週』であって『毎月』ではない。もっとも例外として、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者には、毎週1回の原則は適用されない(同条2項。変形休日制)。週ごとに休日が偏ってもよいが、4週間で4日以上は確保しなければならない。アは『毎月少なくとも1回』とするが正しくは毎週1回なので誤り、イは2項の変形休日制どおりで正しい。ちなみに国民の祝日に労働者を休ませることは、労働基準法上の義務ではない。

補足週1回(又は4週4日)が労基法上の法定休日で、ここに働かせると3割5分の休日割増がかかる。週休2日の2日目のように上回る休日は所定休日(法定外)で、割増は法定労働時間を超えた分の時間外2割5分の扱いになる。

問10割増賃金と減給の制裁e-Gov等の一次資料で確認済み

割増賃金及び減給の制裁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者が労働時間を延長して時間外労働をさせた場合でも、通常の賃金を支払えば足り、割増賃金を支払う必要はない。
  • イ.就業規則で労働者に減給の制裁を定める場合でも、1回の減給額や総額について法律上の制限はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
37条1項で割増賃金の支払が必要 → 記述は誤り

労働基準法第37条第1項「割増賃金を支払わなければならない。」一次資料を確認

イ.誤り
91条で減給は1回半額・総額10分の1の制限あり → 記述は誤り

労働基準法第91条「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」一次資料を確認

ひっかけ時間外労働には割増賃金が要り、減給の制裁にも91条の上限がある。どちらも会社の自由ではない。

解説使用者が時間外労働をさせ、又は休日に労働させた場合には、通常の賃金に2割5分以上5割以下の範囲で政令が定める率以上を上乗せした割増賃金を支払わなければならない(労働基準法37条1項)。通常の賃金だけで足りるわけではない。減給の制裁の側にも上限があり、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、かつ総額が一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならない(91条)。生活の原資である賃金を過度に奪わせないための枠である。アは『割増賃金は不要』とする点で37条に反し誤り、イは『減給に制限はない』とする点で91条に反し誤り。よって両方誤りで『アー誤、イー誤』。

補足深夜労働(午後10時から午前5時)についても、2割5分以上の割増賃金が必要になる(労働基準法37条4項)。

問11業務上災害による解雇制限e-Gov等の一次資料で確認済み

労働基準法上の解雇制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働者が業務上負傷し療養のために休業する期間及びその後30日間は、原則として、その労働者を解雇することができない。
  • イ.天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合であっても、使用者は、業務上の負傷で療養休業中の労働者を解雇することは一切できない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
労基法19条1項本文の解雇制限 → 原則解雇できない → 正しい

労働基準法第19条第1項「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間」一次資料を確認

イ.誤り
19条1項ただし書で例外が認められる → 「一切できない」は誤り

労働基準法第19条第1項「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ「業務上のケガなら絶対に解雇されない」と言い切るイが誤り。天災事変等で事業の継続が不可能になった場合という例外がある。

解説労働基準法19条1項は、労働者が業務上負傷し又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間(および産前産後の女性が65条により休業する期間とその後30日間)は、使用者は解雇してはならないと定める。ケガや病気で働けない時期に職を失わせない趣旨である。もっとも同項ただし書は、使用者が打切補償(81条)を支払う場合、又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合には解雇制限が及ばないとする(後者は行政官庁の認定が必要)。原則を述べるアは正しく、例外を無視して「一切解雇できない」とするイは誤り。よってアは正しく、イは誤り。

補足業務上の負傷・疾病による療養休業中の解雇制限(労基法19条)と、解雇予告(労基法20条)は別の規律。解雇予告の例外(即時解雇できる場合)と、解雇制限の例外は混同しやすいので分けて整理する。

問12時間外・休日労働と三六協定e-Gov等の一次資料で確認済み

時間外労働及びいわゆる三六協定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、事業場の労働者の過半数を代表する者等との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合には、その協定で定めるところにより、法定労働時間を超えて労働させることができる。
  • イ.三六協定によって時間外労働をさせる場合でも、時間外労働の限度時間は、原則として、1か月について45時間及び1年について360時間とされている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
労基法36条1項の三六協定+届出 → 法定労働時間超えOK → 正しい

労働基準法第36条第1項「労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては」一次資料を確認

イ.正しい
労基法36条4項の限度時間どおり → 正しい

労働基準法第36条第4項「前項の限度時間は、一箇月について四十五時間及び一年について三百六十時間」一次資料を確認

ひっかけ三六協定を結べば無制限に残業させられるわけではない。限度時間(原則 月45時間・年360時間)という上限がある。

解説労働基準法は1日8時間・1週40時間の法定労働時間を定める(32条)が、36条1項により、使用者が事業場の過半数組合(ないときは過半数代表者)との書面による協定(三六協定)を締結し行政官庁に届け出れば、その協定の範囲で時間外労働・休日労働をさせることができる。ただし無制限ではなく、36条4項は時間外労働の限度時間を原則として1か月45時間・1年360時間と定める。三六協定の効果を述べるアも、限度時間を述べるイも条文どおりで正しい。よってアもイも正しい。

補足三六協定は時間外・休日労働を「させても罰せられない」ようにする免罰的効力を持つにとどまり、割増賃金の支払義務(労基法37条)は別に生じる。協定の締結と割増賃金は分けて理解する。

問13就業規則の作成手続e-Gov等の一次資料で確認済み

就業規則の作成手続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、就業規則を作成又は変更するにあたり、労働者の過半数を代表する者等の同意を得なければ、就業規則を作成することができない。
  • イ.使用者は、就業規則を行政官庁に届け出るにあたり、労働者の過半数を代表する者等の意見を記した書面を添付しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
使用者が就業規則を作成・変更するときは、労働者の過半数で組織する労働組合(ないときは労働者の過半数を代表する者)の意見を聴かなければならない(労働基準法90条1項)。求められるのは意見を聴くことで、同意ではない。例えば、代表者が反対意見を述べても、意見を聴いたうえで就業規則を作成できる。

労働基準法第90条第1項「労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
就業規則を行政官庁に届け出るときは、前項の意見を記した書面を添付しなければならない(同条2項)。例えば、届出の際に、過半数代表者が「賛成」「反対」などの意見を書いた意見書を一緒に出す。

労働基準法第90条第2項「前項の意見を記した書面を添付しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ「労働者の同意がなければ就業規則を作れない」というアが誤り。法が求めるのは同意ではなく意見を聴くこと。

解説労働基準法90条1項は、使用者が就業規則を作成し又は変更する場合に、当該事業場の過半数組合(ないときは過半数代表者)の意見を聴かなければならないと定める。これは『意見聴取』であって同意や合意までは求められていないため、反対意見があっても所定の手続を踏めば就業規則は有効に作成・変更できる。同条2項は、行政官庁への届出に際して、その意見を記した書面を添付しなければならないとする。同意を要件とするアは誤りで、意見書の添付を要するとするイは正しい。よってアは誤りで、イは正しい。

補足就業規則の作成・届出義務そのもの(常時10人以上で必要・労基法89条)と、その作成手続(意見聴取・意見書添付・労基法90条)は別の規律。作成義務の有無と作成手続を分けて整理する。

問14労働契約の成立e-Gov等の一次資料で確認済み

労働契約の成立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働契約は、使用者が一方的に労働条件を決定して労働者に通知することによって成立し、労働者の合意は成立の要件とされていない。
  • イ.労働契約が成立するためには、契約書を作成して行政官庁に届け出ることが法律上の効力発生要件とされている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する(労働契約法6条)。例えば、会社が「この条件で働け」と一方的に告げただけでは、労働者が応じていない以上、契約は成立しない。

労働契約法第6条「労働者及び使用者が合意することによって成立する」一次資料を確認

イ.誤り
同条が成立の要件としているのは労使の合意だけで、契約書の作成も行政官庁への届出も挙げていない。例えば、口頭で条件に合意して働き始めた場合でも、契約は成立している。なお、労働条件を書面などで明示する義務(労働基準法15条1項)は別の規制で、成立要件とは区別する。

労働契約法第6条「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し」一次資料を確認

ひっかけ「使用者が条件を通知すれば契約成立」「書面と届出が必要」はどちらも誤り。労働契約は労使の合意のみで成立する。

解説労働契約法6条は、労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立すると定める。すなわち労働契約は労使双方の合意のみで成立する諾成契約であり、契約書などの書面の作成・交付や行政官庁への届出は成立・効力の要件ではない。使用者の一方的通知で成立し労働者の合意が不要とするアは誤りであり、書面作成と届出を効力発生要件とするイも誤り。よってアもイも誤り。

補足労働契約は合意のみで成立するが(労契法6条)、使用者には別に労働条件の明示義務(労基法15条1項)がある。『成立要件』ではないが、明示しなければ使用者が義務違反となる点は区別する。

問15使用者の安全配慮義務e-Gov等の一次資料で確認済み

使用者の安全配慮義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとされている。
  • イ.使用者が安全配慮義務を負うのは、労働契約に当該義務を定める特約がある場合に限られ、特約がなければこの義務は生じない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
労契法5条の安全配慮義務どおり → 正しい

労働契約法第5条「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」一次資料を確認

イ.誤り
労契法5条で労働契約に伴い当然に負う → 特約限定は誤り

労働契約法第5条「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ」一次資料を確認

ひっかけ「特約がなければ安全配慮義務は生じない」というイが誤り。安全配慮義務は労働契約に伴い当然に発生する。

解説労働契約法5条は、使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとすると定める。これは判例(最判昭50.2.25)で認められてきた安全配慮義務を明文化したもので、労働契約が成立すれば、個別の特約がなくても使用者は労働契約に伴い当然にこの義務を負う。義務の内容を述べるアは正しく、特約がある場合に限られるとするイは誤り。よってアは正しく、イは誤り。

補足安全配慮義務(労契法5条)は私法上の義務で、違反すれば債務不履行責任が問題になる。これとは別に、危険防止のための具体的措置を公法上義務づける労働安全衛生法があり、両者は重なりつつ役割が異なる。

問16労働条件の明示e-Gov等の一次資料で確認済み

労働条件の明示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して労働条件を明示しなければならない。
  • イ.使用者は、労働契約締結時に労働条件を一切明示しなくてよい。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
労働基準法第15条第1項の「労働条件を明示しなければならない」と一致するため正しい。

労働基準法第15条第1項「労働条件を明示しなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
要件・効果のすり替え

労働基準法第15条第1項「労働条件を明示しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ労働条件は口約束でよく明示しなくてよい、と考えるとイを正しいと誤る。使用者は契約締結時に労働条件を明示しなければならない。

解説使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない(労働基準法15条1項)。労働者が働き始める前に条件を分かった上で契約できるようにする趣旨で、特に重要な事項は書面の交付などによる明示が求められる。アはこのとおりで正しい。イは労働条件を一切明示しなくてよいとするが、15条1項に反し誤り。あとで『聞いていない』という争いを防ぐための基本的な義務である。

補足賃金・労働時間・就業場所・始業終業時刻・休日など重要な事項は、書面の交付(労働者が希望すれば電子メール等でも可)によって明示しなければならない。明示された条件が事実と異なる場合、労働者は労働契約を即時に解除できる(15条2項)。

問17賃金全額払の原則e-Gov等の一次資料で確認済み

賃金全額払の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.賃金は、原則としてその全額を支払わなければならない。
  • イ.使用者は、労働者の同意や法令根拠がなくても賃金を自由に一部控除できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
労働基準法第24条第1項の「その全額を支払わなければならない」と一致するため正しい。

労働基準法第24条第1項「その全額を支払わなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
要件・効果のすり替え

労働基準法第24条第1項「その全額を支払わなければならない」一次資料を確認

ひっかけ使用者は賃金を自由に天引きできる、と考えるとイを正しいと誤る。賃金は全額払が原則で、控除には根拠が要る。

解説賃金は、原則としてその全額を労働者に直接支払わなければならない(労働基準法24条1項)。これを賃金全額払の原則という。使用者が一方的に賃金から天引き(控除)することを制限し、労働者が働いた分を確実に受け取れるようにする趣旨である。アはこのとおりで正しい。イは労働者の同意や法令の根拠がなくても自由に一部控除できるとするが、全額払の原則に反し誤り。所得税の源泉徴収など法令に定めがある場合や、労使協定がある場合には例外的に控除が認められる。

補足賃金の支払には、全額払のほか、通貨で支払う(通貨払)、労働者に直接支払う(直接払)、毎月1回以上一定の期日に支払う(毎月1回以上・一定期日払)という原則があり、あわせて賃金支払の5原則と呼ばれる(24条)。

問18休憩時間e-Gov等の一次資料で確認済み

休憩時間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働時間が6時間を超える場合、少なくとも45分の休憩時間を与えなければならない。
  • イ.労働時間が6時間を超えても、休憩時間を与える必要は一切ない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
労働基準法第34条第1項の「労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分」と一致するため正しい。

労働基準法第34条第1項「労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分」一次資料を確認

イ.誤り
要件・効果のすり替え

労働基準法第34条第1項「労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分」一次資料を確認

ひっかけ休憩は与えなくてよい、と考えるとイを正しいと誤る。労働時間が6時間を超えれば休憩を与える義務がある。

解説使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならない(労働基準法34条1項)。アはこの6時間超で45分以上という基準を正しく述べており正しい。イは6時間を超えても休憩を与える必要は一切ないとするが、34条1項に反し誤り。労働時間の長さに応じて最低限の休憩を確保させる規定で、数字(6時間・45分/8時間・1時間)を正確に押さえることが重要である。

補足休憩時間は、原則として一斉に与え(一斉付与)、かつ労働者が自由に利用できるようにしなければならない(34条2項・3項)。なお、労働時間がちょうど6時間以内であれば、休憩を与えなくても違反にはならない。

問19労働契約の基本原則e-Gov等の一次資料で確認済み

労働契約の基本原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場での合意に基づいて締結・変更すべきものとされる。
  • イ.労働契約は、使用者が一方的に自由な内容で成立・変更できるものとされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
労働契約法第3条第1項の「対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきもの」と一致するため正しい。

労働契約法第3条第1項「対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきもの」一次資料を確認

イ.誤り
要件・効果のすり替え

労働契約法第3条第1項「対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきもの」一次資料を確認

ひっかけ労働契約は使用者が一方的に決められる、と考えるとイを正しいと誤る。締結・変更は対等な合意が原則。

解説労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとされる(労働契約法3条1項)。現実には交渉力に差があるからこそ、法律は『対等の立場での合意』を基本原則として掲げている。アはこのとおりで正しい。イは使用者が一方的に自由な内容で成立・変更できるとするが、3条1項に反し誤り。特に労働条件の不利益な変更を使用者が一方的に押し付けることは、この原則に照らして問題となる。

補足労働契約法3条は、このほか、就業の実態に応じた均衡の考慮、仕事と生活の調和への配慮、信義誠実の原則、権利濫用の禁止も、労働契約の基本原則として定めている。

問20懲戒権の濫用e-Gov等の一次資料で確認済み

懲戒権の濫用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.懲戒が客観的合理性を欠き社会通念上相当でない場合、権利濫用として無効となる。
  • イ.就業規則に懲戒事由があれば、どのような懲戒も常に有効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
労働契約法第15条の「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」と一致するため正しい。

労働契約法第15条「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」一次資料を確認

イ.誤り
要件・効果のすり替え

労働契約法第15条「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」一次資料を確認

ひっかけ就業規則に懲戒事由があれば何でも懲戒できる、と考えるとイを正しいと誤る。客観的合理性と社会通念上の相当性がなければ権利濫用で無効。

解説使用者が労働者を懲戒する場合において、その懲戒が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、その懲戒は権利を濫用したものとして無効となる(労働契約法15条)。就業規則に懲戒の定めがあることは前提にすぎず、それだけで懲戒が有効になるわけではない。アはこのとおりで正しい。イは就業規則に懲戒事由があればどのような懲戒も常に有効とするが、15条に反し誤り。非行の程度と処分の重さが釣り合っているか(相当性)まで問われる点がポイントである。

補足懲戒が有効であるためには、あらかじめ就業規則などで懲戒の種類・事由が定められ、それが労働者に周知されていることも前提になる。また、同じ行為に重ねて懲戒しない(一事不再理)などの制約もある。

問21解雇の予告e-Gov等の一次資料で確認済み

労働基準法上の解雇の予告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者が労働者を解雇しようとする場合、理由を問わず必ず30日前に予告しなければならず、予告手当の支払による即時解雇は認められない。
  • イ.使用者は、少なくとも30日前に解雇の予告をするか、又は30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
20条1項:予告と手当は選択的

労働基準法第20条第1項「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」一次資料を確認

イ.正しい
20条1項:原則

労働基準法第20条第1項「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ『30日前予告』か『30日分の手当』か、どちらかでよい。

解説労働基準法20条1項は、解雇には少なくとも30日前の予告を求め、予告しない場合は30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払いを義務づける。両者は選択的で、手当を払えば即時解雇もできる。だから『手当による即時解雇は認められない』とするアは誤り。一方、『30日前予告か30日分以上の平均賃金の支払いが必要』とするイは原則どおりで正しい。結論はアー誤、イー正。

補足天災事変等でやむを得ず事業継続が不可能な場合や、労働者の責めに帰すべき事由による解雇は、予告も手当も不要(20条1項ただし書、要・行政官庁認定)。

問22解雇権濫用法理e-Gov等の一次資料で確認済み

解雇に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となる。
  • イ.解雇が有効と認められるには、客観的に合理的な理由と、社会通念上相当であることの双方が必要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
労契法16条:解雇権濫用法理

労働契約法第16条「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」一次資料を確認

イ.正しい
16条:2要件

労働契約法第16条「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」一次資料を確認

ひっかけ解雇は『理由があるだけ』では足りない。相当性も要る。

解説労働契約法16条は、客観的に合理的な理由を欠くか、または社会通念上相当と認められない解雇を、権利の濫用として無効とする(解雇権濫用法理)。だからアは正しい。裏返せば、解雇が有効と認められるには、合理的な理由と社会通念上の相当性の双方を満たす必要がある。だからイも正しい。予告手続(労基法20条)を踏んでも、この正当性要件を満たさなければ解雇は無効になる。結論はアー正、イー正。

補足労基法20条の予告は『手続』、労契法16条は『解雇できるか(正当性)』の問題で、別々に問われる。

問23賃金支払の原則e-Gov等の一次資料で確認済み

労働基準法上の賃金の支払に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.賃金は、労働者本人の同意があれば、その配偶者など親族に支払うことができる。
  • イ.賃金は、毎月でなくても、2か月に1回など一定の期日に支払えば足りる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
24条1項:直接払の原則

労働基準法第24条第1項「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」一次資料を確認

イ.誤り
24条2項:毎月払・一定期日払の原則

労働基準法第24条第2項「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ賃金は『本人に・毎月』が原則。親族払いや隔月払いは不可。

解説労働基準法24条は賃金支払の5原則(通貨払・直接払・全額払・毎月1回以上払・一定期日払)を定める。賃金は労働者本人に直接支払うのが原則で、本人の同意があっても親族に支払うことはできない(直接払の原則)。だからアは誤り。また、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならず、2か月に1回では足りない(毎月払・一定期日払の原則)。だからイも誤り。結論はアー誤、イー誤。

補足賃金支払の5原則=通貨払・直接払・全額払・毎月1回以上払・一定期日払。法令・労使協定等による例外がある(控除・口座振込など)。

問24解雇権濫用法理と賃金支払の原則の横断確認e-Gov等の一次資料で確認済み

解雇権濫用法理と賃金支払の原則を横断して確認する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効となる。
  • イ.賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
労契法16条どおり解雇権濫用は無効 → 正しい

労働契約法第16条「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」一次資料を確認

イ.正しい
賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない(労働基準法24条2項)。

労働基準法第24条第2項「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ異なる制度の要件や法律効果を一つのルールとして混同しない。

解説解雇権濫用法理と賃金支払の原則は、根拠条文と法律効果を分けて整理する。

補足各記述に付したe-Gov根拠を個別に確認する。

問25労働契約不履行の違約金・賠償予定の禁止e-Gov等の一次資料で確認済み

労働基準法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働契約の不履行について違約金を定める契約をしてはならない。
  • イ.損害賠償額を予定する契約は許される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない(労働基準法16条)。例えば、「途中で退職したら違約金50万円を支払う」という約束は、定めること自体が禁止される。

労働基準法第16条「労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」一次資料を確認

イ.誤り
違約金だけでなく、損害賠償額を予定する契約も禁止される(同条)。例えば、「無断欠勤1回につき損害賠償として5万円」と、あらかじめ金額を決めておく契約は許されない。なお、禁止されるのは金額をあらかじめ定めておくことで、実際に生じた損害の賠償を請求すること自体は、この条文が禁じるものではない。

労働基準法第16条「損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」一次資料を確認

ひっかけ「違約金はだめでも、損害賠償額の予定ならよい」と分けて考えるとイで誤る。16条は両方を禁止している。

解説労働基準法16条は、使用者が労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をすることを禁止する。労働者が辞めたときの違約金の定めによって労働者を職場に縛りつけることを防ぐ趣旨である。アはこの条文どおりで正しい。損害賠償額の予定も同じ条文で禁止されているため、許されるとするイは誤り。

補足禁止されるのは、違約金や賠償額を「あらかじめ定める」契約である。労働者の行為によって実際に損害が生じたときに、その損害の賠償を請求することは、16条が禁じるものではない。「予定」の禁止と「実損の請求」を区別する。

問26前借金と賃金の相殺禁止e-Gov等の一次資料で確認済み

労働基準法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働を条件とする前貸しの債権と賃金を相殺してはならない。
  • イ.労働者が退職予定なら、前借金と賃金を当然に相殺できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
17条と一致する。

労働基準法第17条「前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。」一次資料を確認

イ.誤り
退職予定による例外はない。

労働基準法第17条「賃金を相殺してはならない。」一次資料を確認

ひっかけ労働者保護の強行的な規制を契約自由と混同しない。

解説アは正しく、イは誤り。労働を条件とする前貸債権と賃金の相殺は禁止される。

補足労働基準法の条文を確認する。

問27労働契約に付随する強制貯金の禁止e-Gov等の一次資料で確認済み

労働基準法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働契約に付随して貯蓄契約をさせてはならない。
  • イ.使用者が委託を受けて貯蓄金を管理する場合、労働者の返還請求があれば遅滞なく返還しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
18条1項と一致する。

労働基準法第18条「労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。」一次資料を確認

イ.正しい
18条5項と一致する。

労働基準法第18条「労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ労働者保護の強行的な規制を契約自由と混同しない。

解説ア・イともに正しい。強制貯金は禁止され、委託管理金は請求時に遅滞なく返還する。

補足労働基準法の条文を確認する。

問28退職時証明書の記載範囲e-Gov等の一次資料で確認済み

労働基準法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.退職者が所定事項の証明書を請求した場合、使用者は遅滞なく交付しなければならない。
  • イ.証明書には、労働者が請求していない事項も使用者判断で記入できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
22条1項と一致する。

労働基準法第22条「使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。」一次資料を確認

イ.誤り
請求外事項は記入禁止である。

労働基準法第22条「証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。」一次資料を確認

ひっかけ労働者保護の強行的な規制を契約自由と混同しない。

解説アは正しく、イは誤り。証明書は遅滞なく交付し、請求外事項を記入してはならない。

補足労働基準法の条文を確認する。

問29退職時の賃金・金品返還期限e-Gov等の一次資料で確認済み

労働基準法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.退職時に権利者から請求があれば、使用者は七日以内に賃金を支払い、労働者の金品を返還しなければならない。
  • イ.金品に争いがある場合、異議のない部分も争い解決まで返還しなくてよい。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
23条1項と一致する。

労働基準法第23条「七日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。」一次資料を確認

イ.誤り
異議のない部分は期間中に返還する。

労働基準法第23条「異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ労働者保護の強行的な規制を契約自由と混同しない。

解説アは正しく、イは誤り。請求後七日以内に支払い・返還し、争いのない部分も留保できない。

補足労働基準法の条文を確認する。

問30休業手当の支払要件と額e-Gov等の一次資料で確認済み

休業手当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、休業の理由を問わず、休業期間中の労働者に対して、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。
  • イ.使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者が休業期間中の労働者に支払う手当は、平均賃金の100分の60以上でなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
26条が休業手当を義務づけるのは、休業の原因が使用者側にあるとき。休業の理由を問わず一律に手当が生じるという規定ではない。

労働基準法第26条「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
休業中は賃金がなくなり生活に響くため、賃金の全額ではなく平均賃金の6割を最低ラインとして保障している。

労働基準法第26条「その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない」一次資料を確認

ひっかけ手当の対象は、使用者の責に帰すべき事由による休業だけ。

解説労働基準法26条の休業手当は、使用者の責に帰すべき事由による休業について、平均賃金の100分の60以上を支払わせる制度。休業の原因が使用者側にない場合は、この条の支払義務の対象にならない。

補足100分の60は下限で、就業規則などでこれを上回る額を定めることは妨げられない。基準になる平均賃金は、算定事由の発生日以前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割って求める(12条1項)。

問31労働時間等の適用除外(管理監督者・監視断続労働)e-Gov等の一次資料で確認済み

労働時間等に関する規定の適用除外について、次のア・イの記述の正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.監督若しくは管理の地位にある者には、労働時間、休憩及び休日に関する規定に加えて、年次有給休暇に関する規定も適用されない。
  • イ.監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたものには、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
労働基準法41条が適用を除外するのは、「労働時間、休憩及び休日に関する規定」である。監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)も、この範囲で除外される(同条2号)。年次有給休暇の規定は除外の対象に含まれていないので、管理監督者にも付与しなければならない。例えば、店長として管理監督者にあたる人にも、年次有給休暇が与えられる。

労働基準法第41条「この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない」一次資料を確認

労働基準法第41条第2号「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」一次資料を確認

イ.正しい
監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたものには、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されない(同条3号)。許可を受けて初めて除外される点が、管理監督者との違いである。例えば、マンションの守衛の業務について、使用者が許可を受けた場合である。

労働基準法第41条第3号「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」一次資料を確認

ひっかけ除外されるのは「労働時間、休憩及び休日」の規定だけ。

解説労働基準法41条は、農業・畜産・水産業などの事業(林業を除く)に従事する者、管理監督者や機密の事務を取り扱う者、許可を受けた監視・断続的労働の従事者に、労働時間、休憩及び休日の規定を適用しないとする。年次有給休暇は、この除外の対象に含まれていない。

補足41条が外すのは労働時間、休憩及び休日の規定だけなので、解雇の予告(20条)、賃金の全額払(24条)、年次有給休暇(39条)の規定は、管理監督者にもそのまま適用される。

問32産前産後の休業(請求の要否の違い)e-Gov等の一次資料で確認済み

産前産後の休業に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合、使用者は、その者を就業させてはならない。
  • イ.産後8週間を経過しない女性については、本人が休業を請求した場合に限り、使用者は、その者を就業させてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合には、その者を就業させてはならない(労働基準法65条1項)。産前の休業は、本人の請求があって初めて、使用者の就業禁止義務が生じる。請求がなければ、産前に働くことが禁じられているわけではない。

労働基準法第65条第1項「六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない」一次資料を確認

イ.誤り
使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない(同条2項本文)。この規定には、本人の「請求」という要件がない。したがって、請求した場合に限るとする点が誤りである。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合に、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えない(同項ただし書)。

労働基準法第65条第2項「使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない」一次資料を確認

ひっかけ産前は請求が要件で、産後は請求が要件ではない。

解説労働基準法65条は、産前6週間(多胎妊娠は14週間)について「休業を請求した場合」に就業を禁じ、産後8週間については請求の有無を問わず就業を禁じる。日数の違いと合わせて、請求の要否の違いが問われやすい。

補足産後6週間を経過した女性が請求し、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えない(65条2項ただし書)。産後6週間までは、本人が希望しても就業させることはできない。

問33有期労働契約の無期転換(労働契約法18条)e-Gov等の一次資料で確認済み

有期労働契約から期間の定めのない労働契約への転換について、次のア・イの記述の正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.同一の使用者との間で締結された有期労働契約の通算契約期間が3年を超える労働者は、契約期間の満了日までに申込みをすれば、期間の定めのない労働契約に転換できる。
  • イ.有期契約の労働者が無期転換の申込みをしても、使用者はこれを承諾するか拒否するかを、自由に決めることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
無期転換の基準は、通算の契約期間が5年を超えることである(労働契約法18条1項)。3年は、労働基準法14条が定める有期労働契約の期間の上限と混同しやすい。例えば、2年の契約を2回更新して通算6年になった労働者は、申込みにより無期転換できる。

労働契約法第18条第1項「が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす」一次資料を確認

イ.誤り
無期転換の申込みがあると、使用者は承諾したものとみなされ、拒否できない(同項)。例えば、通算5年を超えた労働者が申込みをすれば、使用者が「更新しない」と言っても、無期労働契約が成立する。

労働契約法第18条第1項「使用者は当該申込みを承諾したものとみなす」一次資料を確認

ひっかけ基準は通算5年超で、使用者の承諾は不要。

解説同一の使用者との有期労働契約の通算契約期間が5年を超える労働者が、現在の契約の期間満了日までに無期労働契約の締結を申し込むと、使用者は承諾したものとみなされる(労働契約法18条1項)。転換後の労働条件は、別段の定めがない限り、契約期間を除いて従前と同一になる。

補足有期契約の間に、6か月以上(直前の契約期間が1年に満たないときは、その2分の1を基礎に厚生労働省令で定める期間以上)の空白期間があるときは、その前の契約期間は通算しない(18条2項)。

問34就業規則の変更と就業規則違反の労働契約e-Gov等の一次資料で確認済み

就業規則と労働契約の関係について、次のア・イの記述の正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、その変更が合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、変更後の就業規則に定めるところによる。
  • イ.就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となり、無効となった部分は就業規則で定める基準による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
個々の労働者の同意を得なくても、周知と変更の合理性を満たせば、就業規則の変更によって労働条件を変更できる。合理性は、不利益の程度、変更の必要性などの事情を総合して判断する。

労働契約法第10条「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする」一次資料を確認

イ.正しい
就業規則には、労働条件の最低基準としての効力がある。個別の合意でこれを下回る内容を定めても、その部分は無効になり、就業規則の基準が適用される。

労働契約法第12条「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による」一次資料を確認

ひっかけ変更の効力には「周知」と「合理性」の両方が必要。

解説就業規則の変更で労働条件を変える場合は、変更後の就業規則の周知と、変更の合理性の2つが要る(労働契約法10条)。一方、就業規則の基準に届かない個別の労働契約は、その部分が無効になり、就業規則の基準が適用される(12条)。

補足労働者と使用者が、就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分は、10条本文の対象外になる。ただし、12条に該当する場合を除く(10条ただし書)。

問351か月単位の変形労働時間制の導入要件e-Gov等の一次資料で確認済み

1か月単位の変形労働時間制(労働基準法32条の2)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない定めをしたときは、特定された週又は日に法定労働時間を超えて労働させることができる。
  • イ.この変形労働時間制は、1か月を超える期間を平均して1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない定めをした場合にも、利用することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
使用者は、労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない定めをしたときは、特定された週又は日に、法定労働時間を超えて労働させることができる(労働基準法32条の2第1項)。例えば、月末が忙しい業務で、月末の週は長めに、月初の週は短めに働かせ、1か月を平均して週の法定労働時間の枠内に収める。

労働基準法第32条の2第1項「一箇月以内の一定の期間を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる」一次資料を確認

イ.誤り
32条の2が定める変形労働時間制は、「1か月以内」の一定の期間を平均する制度である(同項)。1か月を超える期間で平均する定めは、この条文の対象ではない。例えば、1年を通じて平均する制度は、別の条文(1年単位の変形労働時間制)が定めている。

労働基準法第32条の2第1項「一箇月以内の一定の期間を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間を超えない定めをしたとき」一次資料を確認

ひっかけ32条の2は「1か月以内」。期間を超えると別の制度になる。

解説使用者は、労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない定めをしたときは、特定された週において週の法定労働時間を、特定された日において1日の法定労働時間を超えて、労働させることができる(労働基準法32条の2第1項)。

補足労使協定による場合、使用者は、その協定を行政官庁に届け出なければならない(32条の2第2項)。

問36フレックスタイム制の導入要件と清算期間e-Gov等の一次資料で確認済み

フレックスタイム制(労働基準法32条の3)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.フレックスタイム制は、就業規則その他これに準ずるものに、始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を定めれば導入でき、労使協定を結ぶ必要はない。
  • イ.フレックスタイム制の清算期間は、3か月以内の期間に限られる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
フレックスタイム制は、就業規則その他これに準ずるものにより、始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとしたうえで、労使協定(書面)で、対象となる労働者の範囲、清算期間、清算期間における総労働時間などを定めたときに導入できる(労働基準法32条の3第1項)。就業規則の定めだけでは足りない。例えば、就業規則に定めがあっても、労使協定を結んでいなければ、フレックスタイム制としては扱えない。

労働基準法第32条の3第1項「使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたとき」一次資料を確認

イ.正しい
清算期間は、その期間を平均し1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、3か月以内の期間に限られる(同項2号)。例えば、清算期間を1か月、2か月、3か月のいずれかに定めることはできるが、4か月にすることはできない。

労働基準法第32条の3第1項第2号「清算期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、三箇月以内の期間に限るものとする」一次資料を確認

ひっかけ就業規則等の定めだけでは足りない。書面による協定が要る。

解説フレックスタイム制は、就業規則その他これに準ずるものに始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を定めたうえで、書面による労使協定で、対象労働者の範囲、清算期間、清算期間における総労働時間などを定めたときに導入できる(労働基準法32条の3第1項)。清算期間は3か月以内に限られる。

補足清算期間が1か月を超えるときは、清算期間を開始の日以後1か月ごとに区分した各期間ごとに、各期間を平均した1週間当たりの労働時間が50時間を超えないことも必要になる(32条の3第2項)。

問37事業場外労働のみなし労働時間制e-Gov等の一次資料で確認済み

事業場外で業務に従事した場合の労働時間の算定(労働基準法38条の2)について、次のア・イの記述の正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、原則として、所定労働時間労働したものとみなされる。
  • イ.その業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合には、その業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
外回りの営業のように、使用者が労働時間を把握できない場合に、実際の労働時間を算定する代わりに、所定労働時間労働したものとして扱う。

労働基準法第38条の2第1項「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす」一次資料を確認

イ.正しい
所定労働時間では終わらない業務まで所定労働時間とみなすと実態とずれる。そのため、ただし書は、その業務の遂行に通常必要とされる時間を基準にしている。

労働基準法第38条の2第1項ただし書「当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす」一次資料を確認

ひっかけみなしの基準は原則が所定労働時間、所定を超える業務は通常必要な時間。

解説労働者が事業場外で業務に従事し、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなされる。ただし、その業務の遂行に通常所定労働時間を超えて労働することが必要な場合は、その業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされる(労働基準法38条の2第1項)。

補足通常必要とされる時間について、事業場の労使協定があるときは、その協定で定める時間が、通常必要とされる時間になる(38条の2第2項)。この協定は、行政官庁への届出が必要である(同条3項)。

問38育児休業の申出と事業主が拒める場合e-Gov等の一次資料で確認済み

育児休業に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働者は、その養育する1歳に満たない子について、事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
  • イ.事業主は、労働者から育児休業の申出があったときは、いかなる場合であっても、その申出を拒むことができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
育児休業は、事業主に申し出ることで取得できる権利。事業主の承諾を得る必要はない。

育児・介護休業法第5条第1項「労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業」一次資料を確認

イ.誤り
拒めないのが原則だが、労使協定で育児休業をすることができないと定められた労働者(引き続き雇用された期間が1年に満たない者など)の申出は、例外として拒むことができる。

育児・介護休業法第6条第1項「事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない」一次資料を確認

育児・介護休業法第6条第1項第1号「当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者」一次資料を確認

ひっかけ拒めないのが原則。ただし、労使協定で対象外にした労働者は別。

解説労働者は、1歳に満たない子を養育するとき、事業主に申し出て育児休業をすることができる(育児・介護休業法5条1項)。事業主は、申出があったときは拒むことができないが、労使協定で対象外とされた労働者(引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者など)からの申出は、例外として拒める(6条1項)。

補足事業主は、労働者が育児休業の申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、その労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(10条)。

問39妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止と解雇の無効e-Gov等の一次資料で確認済み

妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したことなどを理由として、その女性労働者に対して、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
  • イ.妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は無効とされる。ただし、事業主が、その解雇が妊娠・出産等を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
条文が禁じているのは「解雇その他不利益な取扱い」で、解雇に限られない。妊娠や出産などに関する厚生労働省令で定める事由を理由とすることが要件になる。

男女雇用機会均等法第9条第3項「妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」一次資料を確認

イ.正しい
妊娠中や出産後1年以内の解雇は、原則として無効になる。妊娠・出産等を理由とする解雇でないことは、事業主が証明する。

男女雇用機会均等法第9条第4項「妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ無効となる期間は妊娠中から出産後1年。証明責任は事業主にある。

解説事業主は、女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、産前産後の休業を請求し又は休業したことなどを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(男女雇用機会均等法9条3項)。妊娠中及び出産後1年を経過しない女性労働者に対する解雇は無効となる。ただし、事業主が、その解雇が妊娠・出産等を理由とする解雇でないことを証明したときは、無効とならない(同条4項)。

補足女性労働者が婚姻したことを理由とする解雇も禁止される(9条2項)。また、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めも、してはならない(同条1項)。

問40年次有給休暇のうち5日の時季指定義務e-Gov等の一次資料で確認済み

年次有給休暇の付与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、年次有給休暇の日数が10労働日以上である労働者に対し、そのうち5日について、基準日から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
  • イ.5日の時季を定めて与える使用者の義務は、年次有給休暇が与えられるすべての労働者に適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
労働者が自分から請求しなくても、使用者が、年5日については、時季を定めて有給休暇を取得させなければならない。

労働基準法第39条第7項「これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る」一次資料を確認

労働基準法第39条第7項「労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
条文は「十労働日以上である労働者に係るものに限る」と対象を限定している。年休の日数が10労働日未満の労働者には、この義務は適用されない。

労働基準法第39条第7項「これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る」一次資料を確認

ひっかけ対象は年休が10労働日以上の労働者。5日を使用者が定めて与える。

解説使用者は、年次有給休暇の日数が10労働日以上である労働者について、そのうち5日を、基準日から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない(労働基準法39条7項)。

補足労働者の請求による取得(5項)や、労使協定による計画的付与(6項)で与えた日数(5日が上限)は、時季を定めて与えることを要しない(39条8項)。

問41最低賃金の効力(最低賃金額に達しない賃金の定め)e-Gov等の一次資料で確認済み

最低賃金の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.最低賃金の適用を受ける労働者が同意している場合には、使用者は、最低賃金額を下回る賃金を支払うことができる。
  • イ.最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で、最低賃金額に達しない賃金を定めたときは、その契約の全体が無効になる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない(最低賃金法4条1項)。労働者が同意していても、この義務を免れることはできない。例えば、「最低賃金より安くてもよい」と労働者が言っても、最低賃金を下回る賃金は認められない。

最低賃金法第4条第1項「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で、最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合に、無効となった部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす(同条2項)。契約全体が無効になるわけではない。例えば、最低賃金が時間額1,000円の場合に時間額900円と定めた契約は、賃金の部分だけが無効となり、時間額1,000円の定めになる。

最低賃金法第4条第2項「最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす」一次資料を確認

ひっかけ合意があっても最低賃金額を下回れない。無効になるのは、その部分だけ。

解説使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない(最低賃金法4条1項)。労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めたときは、その部分は無効となり、無効となった部分は最低賃金と同様の定をしたものとみなされる(同条2項)。

補足1か月を超えない期間ごとに支払われる賃金以外の賃金や、通常の労働時間又は労働日の賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるものは、最低賃金に算入されない(4条3項)。

問42職場の性的な言動(セクハラ)に対する事業主の措置義務e-Gov等の一次資料で確認済み

職場における性的な言動に起因する問題に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.事業主が、職場における性的な言動に起因する問題に関して、相談に応じ適切に対応するための体制の整備などの雇用管理上必要な措置を講ずることは、努力義務にとどまる。
  • イ.事業主は、労働者が職場における性的な言動に関する相談を行ったことを理由として、その労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
条文は「講じなければならない」と定めており、努力義務ではなく法的な義務になっている。

男女雇用機会均等法第11条第1項「当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
条文は、労働者が相談を行ったこと、又は事業主による相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由とする、解雇その他不利益な取扱いを禁じている。

男女雇用機会均等法第11条第2項「事業主は、労働者が前項の相談を行つたこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」一次資料を確認

ひっかけ措置は努力義務ではなく法的義務。相談を理由とする不利益取扱いも禁止。

解説事業主は、職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により、労働者が労働条件につき不利益を受け、又は就業環境が害されることのないよう、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない(男女雇用機会均等法11条1項)。労働者が相談を行ったことなどを理由とする解雇その他不利益な取扱いも禁止される(同条2項)。

補足他の事業主から、その事業主が講ずる11条1項の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、事業主は、これに応ずるように努めなければならない(11条3項)。

問43有期労働契約の期間の上限(3年と5年)e-Gov等の一次資料で確認済み

労働契約の期間の上限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、原則として、3年を超える期間について締結してはならない。
  • イ.満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約の期間の上限は、5年である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(一定の場合は5年)を超える期間について締結してはならない(労働基準法14条1項)。例えば、ダムの建設工事の完了までという一定の事業の完了に必要な期間を定める契約は、3年を超えてもよい。

労働基準法第14条第1項「労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、五年)を超える期間について締結してはならない」一次資料を確認

イ.正しい
満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約は、期間の上限が5年になる(同項2号)。例えば、満60歳以上の労働者と4年間の契約を結ぶことは、この条文には反しない。高度の専門的知識等を有する労働者との契約も、上限は5年である(同項1号)。

労働基準法第14条第1項第2号「満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く」一次資料を確認

ひっかけ原則は3年。満60歳以上などは5年。

解説労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、原則として3年を超える期間について締結してはならない。高度な専門的知識等を有する労働者との契約や、満60歳以上の労働者との契約は、5年までとなる(労働基準法14条1項)。

補足厚生労働大臣は、期間の定めのある労働契約の締結時及び期間の満了時の紛争を未然に防止するため、使用者が講ずべき契約期間の満了に係る通知に関する事項などの基準を定めることができる(14条2項)。

問44平均賃金の算定方法と最低保障額e-Gov等の一次資料で確認済み

平均賃金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.平均賃金とは、算定すべき事由の発生した日以前6か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。
  • イ.賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合には、平均賃金は、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60を下回ってはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
平均賃金の算定の基礎は、事由の発生した日以前3か月間の賃金の総額である(労働基準法12条1項)。6か月ではない。平均賃金は、解雇の予告手当や休業手当などの額の基準になる。

労働基準法第12条第1項「この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう」一次資料を確認

イ.正しい
賃金が労働した日や時間で算定される場合や、出来高払制などの場合は、賃金総額を労働した日数で割った額の100分の60が、平均賃金の下限になる(同項1号)。例えば、日給で働く人は、出勤日が少ないと総日数で割った額が小さくなるため、労働日数で割った額の6割を下回らないよう保障される。

労働基準法第12条第1項第1号「賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十」一次資料を確認

ひっかけ対象期間は3か月。日給・時間給・出来高払制には6割の最低保障。

解説平均賃金は、算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、賃金が労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合には、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60を下回ってはならない(労働基準法12条1項)。

補足平均賃金は、解雇の予告手当(20条)や休業手当(26条)などの額の基準として使われる。休業手当は、平均賃金の100分の60以上を支払う。

問45育児時間(生後満1年に達しない生児を育てる女性)e-Gov等の一次資料で確認済み

育児時間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.生後満1年に達しない生児を育てる女性は、休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
  • イ.使用者は、生後満1年に達しない生児を育てる女性から請求がなくても、育児時間を与えなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
育児時間は、法定の休憩時間とは別に請求できる。1日2回、各々少なくとも30分である。

労働基準法第67条第1項「生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる」一次資料を確認

イ.誤り
条文は、女性が育児時間を「請求することができる」と定めている。請求があれば、使用者は、その時間中はその女性を使用してはならない(同条2項)。

労働基準法第67条第1項「その生児を育てるための時間を請求することができる」一次資料を確認

ひっかけ育児時間は「請求」が前提。1日2回、各々30分以上。

解説生後満1年に達しない生児を育てる女性は、労働基準法34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求できる。使用者は、育児時間中は、その女性を使用してはならない(労働基準法67条)。

補足産前産後の休業(65条)は、産前は請求が要件で、産後は請求がなくても就業させてはならない。育児時間は、産後の休業とは別に、生児を育てる女性が請求できる時間である。

問46労働契約の内容と就業規則(労働契約法7条)e-Gov等の一次資料で確認済み

労働契約の締結と就業規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.就業規則で定められている労働条件が合理的であれば、使用者がその就業規則を労働者に周知させていなくても、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によることになる。
  • イ.労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、就業規則で定める基準に達しない場合(労働契約法12条に該当する場合)を除き、その合意が優先される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
条文は、合理的な労働条件が定められていることと、就業規則を労働者に周知させていたことの両方を求めている。周知がなければ、就業規則の内容が労働契約の内容にはならない。

労働契約法第7条「使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする」一次資料を確認

イ.正しい
個別の合意で就業規則と異なる労働条件を定めていた部分は、就業規則の基準に達しない場合(12条)を除き、就業規則の内容によらない。

労働契約法第7条ただし書「労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ就業規則が契約内容になるには「合理性」と「周知」の両方が必要。

解説労働契約を締結する場合、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていたときは、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件による。ただし、就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分は、12条に該当する場合を除き、この限りでない(労働契約法7条)。

補足就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効となり、無効となった部分は就業規則で定める基準による(労働契約法12条)。

問47労働条件の変更(合意による変更と就業規則による不利益変更)e-Gov等の一次資料で確認済み

労働契約の内容である労働条件の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。
  • イ.使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することは、原則としてできない。ただし、10条の場合は、この限りでない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
労働条件の変更の基本は、労働者と使用者の合意。使用者が一方的に決めることはできない。

労働契約法第8条「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」一次資料を確認

イ.正しい
就業規則の変更で一方的に不利益な変更をすることは、原則として認められない。周知と合理性を満たす10条の場合が、例外にあたる。

労働契約法第9条「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ変更の基本は合意。就業規則による不利益変更は10条の場合だけ。

解説労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更できる(労働契約法8条)。使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更して労働者の不利益に労働条件を変更することはできない。ただし、10条の場合は、この限りでない(9条)。

補足10条は、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、変更が合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は変更後の就業規則によるとする。労働契約で変更されない労働条件として合意していた部分は、12条に該当する場合を除き、この限りでない。

問48賃金台帳の調製(事業場ごと・支払の都度)e-Gov等の一次資料で確認済み

賃金台帳に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、賃金台帳を、企業全体で1つ調製すれば足りる。
  • イ.賃金台帳への記入は、賃金の計算期間の終了後、年度末にまとめて行えば足りる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
条文は「各事業場ごとに」賃金台帳を調製すると定めている。企業全体で1つにまとめることはできない。

労働基準法第108条「使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し」一次資料を確認

イ.誤り
記入の時期は、賃金を支払うたびに、遅れずに行う。年度末にまとめて記入する方法は認められない。

労働基準法第108条「賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ賃金台帳は事業場ごと、記入は支払の都度。

解説使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を、賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない(労働基準法108条)。

補足賃金台帳は、労働者名簿などと並んで、使用者が保存しなければならない書類にあたる(109条)。

問49事業場を異にする労働時間の通算と災害時の時間外労働e-Gov等の一次資料で確認済み

労働時間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
  • イ.災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合には、使用者は、常に、行政官庁の許可を受けることなく、事後の届出だけで労働時間を延長することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
条文は、事業場を異にする場合であっても、労働時間に関する規定の適用については通算すると定めている。複数の事業場で働く場合も、労働時間は合計して扱われる。

労働基準法第38条第1項「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」一次資料を確認

イ.誤り
臨時の必要があるときの時間外労働は、原則として行政官庁の許可を受けて行う。事後の届出で足りるのは、事態が急迫で、許可を受ける暇がない場合に限られる。

労働基準法第33条第1項「災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において」一次資料を確認

労働基準法第33条第1項ただし書「事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない」一次資料を確認

ひっかけ許可が原則、事後の届出は事態急迫の場合だけ。

解説労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する(労働基準法38条1項)。災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合には、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度で労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。事態急迫のために許可を受ける暇がない場合は、事後に遅滞なく届け出なければならない(33条1項)。

補足事後の届出があった場合に、行政官庁が労働時間の延長又は休日の労働を不適当と認めるときは、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるべきことを命ずることができる(33条2項)。

問50労働者と使用者の定義e-Gov等の一次資料で確認済み

労働者と使用者の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働基準法上の「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
  • イ.労働基準法上の「使用者」とは、事業主をいい、事業の経営担当者や、事業主のために行為をする者は含まれない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
職業の種類は問わない点がポイント。

労働基準法第9条「職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」一次資料を確認

イ.誤り
労働基準法の義務を負う主体は、事業主だけにとどまらない。

労働基準法第10条「この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」一次資料を確認

ひっかけ労働基準法の「使用者」は、事業主よりも広い。

解説労働基準法で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう(9条)。「使用者」とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう(10条)。

補足労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである(労働基準法2条1項)。

問51労働基準法に違反する労働契約の効力e-Gov等の一次資料で確認済み

労働基準法に違反する労働契約の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、契約全体が無効となる。
  • イ.労働基準法の基準に達しない労働条件を定める労働契約のうち、無効となった部分は、労働基準法で定める基準による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
契約のほかの部分は、有効のまま残る。

労働基準法第13条「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする」一次資料を確認

イ.正しい
基準に達しない部分は、労働基準法の基準が契約の内容になる。

労働基準法第13条「この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による」一次資料を確認

ひっかけ労働基準法違反の契約は、全体ではなく「その部分」だけが無効になり、基準で補われる。

解説労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、労働基準法で定める基準による(労働基準法13条)。

補足労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならず、その向上を図るように努めなければならない(労働基準法1条2項)。

問52児童の使用禁止(最低年齢)e-Gov等の一次資料で確認済み

児童の使用禁止(最低年齢)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。
  • イ.映画の製作又は演劇の事業については、行政官庁の許可を受けて、満13歳に満たない児童をその者の修学時間外に使用することもできる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
「満15歳になった日」ではなく「満15歳に達した日以後の最初の3月31日」までである点に注意。

労働基準法第56条第1項「使用者は、児童が満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了するまで、これを使用してはならない」一次資料を確認

イ.正しい
満13歳以上の児童の軽易な労働も、行政官庁の許可と修学時間外の使用が条件。

労働基準法第56条第2項「映画の製作又は演劇の事業については、満十三歳に満たない児童についても、同様とする」一次資料を確認

労働基準法第56条第2項「行政官庁の許可を受けて、満十三歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる」一次資料を確認

ひっかけ児童の使用禁止の期限は「満15歳に達した日以後の最初の3月31日」。

解説使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。ただし、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満13歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満13歳に満たない児童も同様である(労働基準法56条)。

補足使用者は、満18歳に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない(労働基準法57条1項)。

問53法令等の周知義務e-Gov等の一次資料で確認済み

法令等の周知義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、労働基準法及びこれに基づく命令の要旨、就業規則などを、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することなどの方法によって、労働者に周知させなければならない。
  • イ.就業規則は、労働者に周知させる必要はなく、行政官庁に届け出れば足りる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
周知の方法は、掲示、備付け、書面の交付などで、厚生労働省令に定められている。

労働基準法第106条第1項「使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則」一次資料を確認

労働基準法第106条第1項「常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
届出(89条)と周知(106条)は別の義務。

労働基準法第106条第1項「使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則」一次資料を確認

労働基準法第106条第1項「労働者に周知させなければならない」一次資料を確認

ひっかけ就業規則は「届出」と「周知」の両方が必要。

解説使用者は、労働基準法及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、一定の労使協定及び決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない(労働基準法106条1項)。

補足使用者は、労働基準法及びこれに基づく命令のうち、寄宿舎に関する規定及び寄宿舎規則を、寄宿舎の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける等の方法によって、寄宿舎に寄宿する労働者に周知させなければならない(労働基準法106条2項)。

問54労働者名簿の調製と訂正e-Gov等の一次資料で確認済み

労働者名簿の調製と訂正に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、日日雇い入れられる者を含むすべての労働者について調製しなければならない。
  • イ.労働者名簿に記入すべき事項に変更があった場合においては、使用者は、遅滞なく訂正しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
調製の単位は「各事業場ごと」。

労働基準法第107条第1項「使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
記入事項は、氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項。

労働基準法第107条第2項「前項の規定により記入すべき事項に変更があつた場合においては、遅滞なく訂正しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ労働者名簿は「各事業場ごと」で、日日雇い入れられる者は対象外。

解説使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。記入すべき事項に変更があった場合は、遅滞なく訂正しなければならない(労働基準法107条)。

補足使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない(労働基準法108条)。

問55出来高払制の保障給e-Gov等の一次資料で確認済み

出来高払制の保障給に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。
  • イ.出来高払制の労働者に対する賃金の保障は、使用者が任意に行うものであり、労働基準法上の義務ではない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
保障の内容は「労働時間に応じた一定額」。

労働基準法第27条「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
「しなければならない」と書かれた規定は義務。

労働基準法第27条「使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」一次資料を確認

ひっかけ出来高払制でも、労働時間に応じた一定額の賃金の保障は使用者の義務。

解説出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない(労働基準法27条)。賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる(同法28条)。

補足賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる(労働基準法28条)。

問56有期労働契約の契約期間中の解雇と出向命令の濫用e-Gov等の一次資料で確認済み

有期労働契約の契約期間中の解雇と出向命令の濫用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
  • イ.出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は無効とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
要件は「やむを得ない事由」。

労働契約法第17条第1項「使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」一次資料を確認

イ.正しい
使用者が出向を命ずることができる場合でも、濫用は許されない。

労働契約法第14条「当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする」一次資料を確認

ひっかけ有期労働契約の期間中の解雇は「やむを得ない事由」が必要で、出向命令にも濫用の限界がある。

解説使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない(労働契約法17条1項)。出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は無効となる(同法14条)。

補足使用者は、有期労働契約について、その契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない(労働契約法17条2項)。

問57均等待遇と中間搾取の排除e-Gov等の一次資料で確認済み

均等待遇と中間搾取の排除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.労働基準法3条は、使用者が労働者の性別を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱をすることを禁止している。
  • イ.何人も、業として他人の就業に介入して利益を得ることは、法律に基づいて許される場合であるかどうかにかかわらず、禁止されている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
女性であることを理由とする賃金の差別的取扱の禁止は、4条に別に定められている。

労働基準法第3条「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」一次資料を確認

イ.誤り
例外が認められるのは、法律に基づく場合だけ。

労働基準法第6条「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」一次資料を確認

ひっかけ均等待遇の理由は「国籍・信条・社会的身分」の3つ。性別は含まれない。

解説使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない(労働基準法3条)。何人も、法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない(同法6条)。

補足使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない(労働基準法5条)。

関連する章

同じ論点や根拠法でつながる章です。別の級の章や、関連する法律を扱う章へ移って確認できます。

読み終えたら、解いて採点

この章の57問を、根拠条文つきで採点します。選択肢ごとの正誤を自分で判断してから答え合わせできます。

この章を解く(57問)→

登録不要・無料。各問に根拠条文の原文つき。

この章を解く(57問)→