本文へ移動
労働契約法・第14

企業と従業員の関係の問題(20問)

この章を解く(20問)→

労働法は、3級の数字から制度の理由へ進める

従業員との関係を深く問う労働法の章です。解雇権濫用法理と解雇予告、有期労働契約の無期転換ルール(通算5年)、就業規則による不利益変更、不当労働行為、労働協約の規範的効力、セクシュアルハラスメント防止措置、安全配慮義務、労働者派遣の申込みみなし、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止を収録しています。3級の労働法より一段踏み込んだ論点で、要件を条文で確認できます。

第14章は解雇、有期労働契約、就業規則、不当労働行為、ハラスメント、安全配慮義務を扱います。2級では数字だけでなく、労働者保護の制度趣旨まで問われます。

  • 無期転換は通算5年を超える有期契約で見る。
  • 就業規則の不利益変更は合理性を確認する。
  • 不当労働行為と安全配慮義務を分ける。

この章で確認する論点

14章では、解雇の規律・有期労働契約の無期転換ルール・就業規則による労働条件の不利益変更・就業規則の作成・届出義務・不当労働行為を中心に20問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

労働契約法を他資格と横断して確認する場合は、労働法を学べる資格と無料問題も使えます。

  • 予告手当を払えば理由なく解雇できる、と思うとアの実体規制を見落とす。手続を踏んでも理由が不合理なら無効。
  • 数字を3年と覚えると、無期転換のイで取り違える。基準は通算5年超。
  • 不利益変更は同意がなければ不可、と決めると合理性で変更できるイを見抜けない。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

労働契約法3条5条10条15条16条18条19条

労働基準法20条32条35条37条39条89条

労働組合法7条16条

男女雇用機会均等法9条11条

育児・介護休業法5条6条

労働者派遣法40条の6

問題と解説を読む20問・答え付き

答え・解説つきで20問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月〜2026年6月時点の法令に準拠
1解雇の規律(解雇権濫用法理と解雇予告)

解雇に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効となる。
  • 使用者が労働者を解雇しようとする場合、原則として少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
解雇は使用者の一方的な契約終了なので、理由の客観的合理性と社会的相当性が必要になる。予告手続を踏んでも、不合理な解雇は権利濫用として無効になる。

労働契約法第16条解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とするe-Gov原文

正しい
解雇予告は、労働者に生活準備の期間又は金銭的補償を与える手続規制である。30日前予告か30日分以上の平均賃金の支払が原則となる。

労働基準法第20条第1項少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならないe-Gov原文

ひっかけ予告手当を払えば理由なく解雇できる、と思うとアの実体規制を見落とす。手続を踏んでも理由が不合理なら無効。

解説解雇には二重の歯止めがある。実体面では、客観的合理性と社会的相当性を欠く解雇は権利濫用として無効(労働契約法16条)。手続面では、少なくとも30日前の予告か30日分以上の平均賃金が必要(労働基準法20条)。アは解雇権濫用法理、イは解雇予告で、ともに正しい。

補足経営上の理由による整理解雇では、判例上、人員削減の必要性・解雇回避努力・人選の合理性・手続の相当性という4つの要素で有効性が厳しく判断される。

2有期労働契約の無期転換ルール

有期労働契約の無期転換に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一の使用者との間の有期労働契約の通算期間が5年を超える労働者が無期労働契約の締結を申し込んだときは、使用者はその申込みを承諾したものとみなされる。
  • 無期転換の申込みができるようになるのは、有期労働契約の通算期間が3年を超えたときである。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
同一使用者のもとで有期契約が長く反復更新されると、実質的には継続雇用への期待が強くなる。通算5年超で申込みがあれば、使用者の承諾がみなされる。

労働契約法第18条第1項使用者は当該申込みを承諾したものとみなすe-Gov原文

誤り
無期転換の数字は3年ではなく5年超である。期間制限や派遣の話と混同せず、労契法18条の基準として押さえる。

労働契約法第18条第1項通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者e-Gov原文

ひっかけ数字を3年と覚えると、無期転換のイで取り違える。基準は通算5年超。

解説有期労働契約が同一使用者のもとで通算5年を超えた労働者は、無期労働契約への転換を申し込むことができ、使用者は承諾したものとみなされる(労働契約法18条1項)。基準は通算「5年超」で、転換後の労働条件は契約期間を除き原則として従前と同一になる。アは正しく、イは基準を3年とした点で誤り。

補足有期契約と次の有期契約の間に一定以上の空白期間(原則6か月)があると通算がリセットされる(18条2項のクーリング)。空白の作り方次第で通算年数が途切れる。

3就業規則による労働条件の不利益変更

就業規則の変更による労働条件の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 就業規則の変更による労働条件の不利益変更は、労働者全員の個別の同意がない限り、一切認められない。
  • 変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ就業規則の変更が合理的なものであるときは、労働条件は変更後の就業規則によることになる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
就業規則による不利益変更は厳しく制限されるが、全員の個別同意が絶対条件ではない。周知と合理性があれば、変更後の就業規則が労働条件になる。

労働契約法第10条労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとするe-Gov原文

正しい
労契法10条は、周知に加えて、不利益の程度、変更の必要性、内容の相当性、交渉状況などから合理性を判断する。要件を満たせば変更が認められる。

労働契約法第10条変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更がe-Gov原文

ひっかけ不利益変更は同意がなければ不可、と決めると合理性で変更できるイを見抜けない。

解説就業規則の変更による労働条件の不利益変更は、変更後の就業規則を周知させ、かつ変更が不利益の程度・必要性・内容の相当性・労働組合等との交渉状況に照らして合理的であれば認められる(労働契約法10条)。全員の個別同意までは要しない。アは同意必須とした点で誤り、イは要件どおりで正しい。

補足もっとも、賃金や退職金のように重要な労働条件を切り下げる変更には、判例上、高度の必要性に基づいた合理性が要求され、合理性のハードルが上がる。

4就業規則の作成・届出義務

就業規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 就業規則の作成義務は、常時5人以上の労働者を使用する使用者に生じる。
  • 就業規則は作成すれば足り、行政官庁への届出までは必要とされていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
就業規則の作成・届出義務の人数基準は常時10人以上である。5人以上ではなく、人数基準の取り違えが典型的な誤りになる。

労働基準法第89条常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成しe-Gov原文

誤り
就業規則は社内で作成するだけでは足りず、行政官庁への届出まで義務づけられている。作成義務と届出義務をセットで押さえる。

労働基準法第89条就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならないe-Gov原文

ひっかけ人数基準を5人と覚えたり、作れば届出は不要と考えると、両方とも外す。基準は10人、作成+届出が義務。

解説常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁(労働基準監督署長)に届け出なければならない(労働基準法89条)。基準は10人以上で、作成だけでなく届出までが義務。アは5人以上とした点で誤り、イは届出不要とした点で誤り。

補足就業規則の作成・変更にあたっては、過半数労働組合(ないときは過半数代表者)の意見を聴かなければならない(90条1項)。同意までは不要だが、意見書の添付が届出の要件になる。

5不当労働行為

不当労働行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 労働者が労働組合の正当な行為をしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他不利益な取扱いをすることは、不当労働行為にあたる。
  • 使用者が、雇用する労働者の代表者との団体交渉を正当な理由なく拒むことは、不当労働行為にあたる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
組合活動を理由に解雇や不利益取扱いを認めると、労働者が団結権を行使できなくなる。正当な組合活動を理由とする不利益取扱いは禁止される。

労働組合法第7条第1号労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすることe-Gov原文

正しい
団体交渉は労働組合が使用者と労働条件を交渉する中心的手段である。正当な理由なく拒むことは、団体交渉権を空洞化させるため不当労働行為となる。

労働組合法第7条第2号団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むことe-Gov原文

ひっかけ団交を断るだけなら自由、と考えるとイを誤りと取り違える。正当な理由のない団交拒否は不当労働行為。

解説労働組合法7条は不当労働行為を禁じる。組合活動を理由とする不利益取扱い(1号)、正当な理由のない団体交渉拒否(2号)、組合の運営への支配介入(3号)が典型。アは1号、イは2号にあたり、ともに正しい。

補足不当労働行為があったときは、労働者・労働組合は労働委員会に救済を申し立てることができ、労働委員会は原状回復を命じる救済命令を出す(27条以下)。裁判所とは別の救済ルートが用意されている。

6労働協約の規範的効力

労働協約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は無効となり、その部分は基準の定めるところによる。
  • 労働協約に定める労働条件の基準は努力目標にすぎず、これに反する労働契約も有効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
労働協約の労働条件基準は、単なる約束ではなく個々の労働契約を直接規律する。協約に反する契約部分は無効となり、協約基準に置き換わる。

労働組合法第16条労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とするe-Gov原文

誤り
労働協約を努力目標にすぎないとすると、組合が獲得した労働条件を個別契約で切り下げられてしまう。16条はそのような切下げを無効にする。

労働組合法第16条基準に違反する労働契約の部分は、無効とするe-Gov原文

ひっかけ協約は労使の約束だから当事者間の努力目標、と考えるとイを正しいと誤る。基準には労働契約を直接縛る効力がある。

解説労働協約に定める労働条件等の基準に違反する労働契約の部分は無効となり、その部分は協約の基準による(労働組合法16条)。これを協約の規範的効力という。アは規範的効力をそのまま述べて正しく、イは努力目標にすぎないとした点で誤り。

補足一つの工場事業場で同種の労働者の4分の3以上が一つの労働協約の適用を受けるときは、残りの同種労働者にもその協約が拡張適用される(17条の一般的拘束力)。

7職場におけるセクシュアルハラスメント防止措置

職場におけるセクシュアルハラスメントに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事業主は、職場における性的な言動に関し、労働者からの相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
  • セクシュアルハラスメントの防止措置は事業主の努力義務にすぎず、措置を講じなくても法令上の問題は生じない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
セクハラ防止では、事後対応だけでなく、相談体制の整備など雇用管理上の措置を事前に講じることが求められる。事業主の法的義務である。

男女雇用機会均等法第11条第1項労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないe-Gov原文

誤り
均等法11条1項は『講じなければならない』と定めており、努力義務ではない。会社の自主努力に任されるだけの制度ではない。

男女雇用機会均等法第11条第1項必要な措置を講じなければならないe-Gov原文

ひっかけハラスメント対策は会社の自主努力、と考えるとイを正しいと取り違える。均等法は措置を義務づけている。

解説事業主は、職場のセクシュアルハラスメントについて、相談に応じる体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない(男女雇用機会均等法11条1項)。これは努力義務ではなく法的義務。アは措置義務どおりで正しく、イは努力義務にすぎないとした点で誤り。

補足措置義務はセクハラに限らず、妊娠・出産等に関するハラスメント(11条の3)や、労働施策総合推進法によるパワーハラスメントにも及び、相談窓口の設置などが共通して求められる。

8使用者の安全配慮義務

使用者の安全配慮義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用者の安全配慮義務は判例上認められるにとどまり、労働契約法には明文の規定が置かれていない。
  • 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとされている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
安全配慮義務はかつて判例上発展したが、現在は労働契約法5条に明文化されている。古い理解のまま『明文なし』とすると誤りになる。

労働契約法第5条使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとするe-Gov原文

正しい
労働者は使用者の指揮命令下で働くため、使用者には生命・身体等の安全を確保しながら働けるよう配慮する義務がある。

労働契約法第5条労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとするe-Gov原文

ひっかけ安全配慮義務は判例だけ、という古い理解だとアを正しいと誤る。労契法5条で明文化済み。

解説使用者は、労働契約に伴い、労働者が生命・身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をする義務を負う(労働契約法5条)。かつては判例上の義務だったが、現在は明文化されている。アは明文がないとした点で誤り、イは条文どおりで正しい。

補足安全配慮義務に違反して労働者に損害が生じた場合、使用者は債務不履行(民法415条)に基づく損害賠償責任を負う。過労死・過労自殺の事案で問題になることが多い。

9労働者派遣における労働契約申込みみなし

労働者派遣に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 派遣先が違法派遣に該当することを知りながら派遣労働者を受け入れた場合には、その時点で、派遣先が派遣労働者に対し労働契約の申込みをしたものとみなされる。
  • 派遣先がその行為が違法派遣に該当することを知らず、知らなかったことに過失もなかった場合でも、労働契約の申込みみなしが適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
派遣法40条の6第1項の労働契約申込みみなし

労働者派遣法第40条の6第1項労働契約の申込みをしたものとみなすe-Gov原文

誤り
派遣法40条の6第1項ただし書の例外

労働者派遣法第40条の6第1項ただし書知らず、かつ、知らなかつたことにつき過失がなかつたときは、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ違法状態なら常に直接雇用が成立する、と読むとイを正しいと取り違える。善意無過失の派遣先は除かれる。

解説派遣先が違法派遣(禁止業務への派遣、無許可事業主からの受入れ、期間制限違反等)に該当する行為を、それと知りながら行った場合には、その時点で派遣先が派遣労働者に対し、同一条件での労働契約の申込みをしたものとみなされる(労働者派遣法40条の6第1項)。ただし派遣先が善意かつ無過失のときは適用されない。アは正しく、イは善意無過失でも適用されるとした点で誤り。

補足派遣には期間制限があり、同一の事業所での派遣受入れは原則3年(事業所単位)、同一の派遣労働者を同一組織単位で受け入れるのも原則3年(個人単位)が上限になる。

10妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止

妊娠・出産等を理由とする取扱いに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事業主は、女性労働者が妊娠したこと、出産したこと等を理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
  • 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、事業主が妊娠等を理由とする解雇でないことを証明しない限り、無効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
均等法9条3項の不利益取扱い禁止

男女雇用機会均等法第9条第3項当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないe-Gov原文

正しい
均等法9条4項の解雇無効の推定

男女雇用機会均等法第9条第4項妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とするe-Gov原文

ひっかけ産休中の解雇でも会社が理由を語らなければ有効、と思うとイを誤る。立証責任は事業主側に転換されている。

解説事業主は、女性労働者の妊娠・出産等を理由とする解雇その他の不利益取扱いをしてはならない(男女雇用機会均等法9条3項)。さらに、妊娠中・出産後1年以内の解雇は無効とされ、事業主が妊娠等を理由としないことを証明しない限り覆らない(同条4項)。アもイも条文どおりで正しい。

補足9条4項は、解雇が妊娠等を理由としないことの証明責任を事業主に負わせる点に特徴がある。労働者側が「妊娠が理由だ」と立証しなくても、まず無効が出発点になる。

11時間外・休日・深夜労働の割増賃金

時間外労働等に対する割増賃金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用者が労働時間を延長し、または休日に労働させた場合、その時間またはその日の労働については、通常の労働時間または労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内で政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
  • 深夜労働に対する割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当および通勤手当を必ず算入しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
時間外・休日労働は、通常の勤務より労働者の負担が重い。労基法37条は、一定率以上の割増賃金を支払わせることで過重労働の抑制と補償を図る。

労働基準法第37条第1項通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないe-Gov原文

誤り
家族手当や通勤手当は、労働時間の長短や労務の価値に直接連動しない性質があるため、割増賃金の基礎から除外される。必ず算入するわけではない。

労働基準法第37条第5項家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しないe-Gov原文

ひっかけ「手当も賃金だから割増の基礎に入る」と考えるとイを正しいと取り違える。家族手当・通勤手当は算入しない。

解説使用者が労働時間を延長し、または休日に労働させたときは、通常の労働時間または労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内で政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない(労働基準法37条1項)。アはこの規定どおりで正しい。一方、割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当・通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない(同条5項)。これらは労働の量・質と直接結び付かない属人的な手当だからである。したがって「必ず算入しなければならない」とするイは誤り。割増率(時間外・深夜は2割5分以上、休日は3割5分以上等)と算入除外の手当は混同しやすいので、条文の枠組みで押さえておきたい。

補足深夜(午後10時から午前5時まで)の労働には2割5分以上、1か月60時間を超える時間外労働には5割以上の割増が必要となる(同条1項ただし書・4項)。割増事由が重なる場合は率を合算する。

12年次有給休暇の付与と時季変更権

年次有給休暇に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用者は、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続しまたは分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。
  • 使用者は、原則として労働者の請求する時季に有給休暇を与えなければならないが、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に与えることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
年次有給休暇は、6か月継続勤務と8割以上出勤という客観的要件を満たせば発生する。初回付与日数は10労働日である。

労働基準法第39条第1項その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならないe-Gov原文

正しい
年休の時季指定は労働者が行うのが原則だが、事業の正常な運営を妨げる場合には使用者が時季変更権を行使できる。常に請求日どおりとは限らない。

労働基準法第39条第5項請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができるe-Gov原文

ひっかけ「年休は労働者が指定した日に必ず取れる」と覚えていると、時季変更権を扱うイを誤りと取り違える。

解説使用者は、雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対し、継続しまたは分割した10労働日の年次有給休暇を与えなければならない(労働基準法39条1項)。出勤率と継続勤務の要件を満たせば法律上当然に発生するので、アは正しい。年休は労働者が請求する時季に与えるのが原則だが、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者は時季変更権を行使して他の時季に与えることができる(同条5項)。したがってイも正しい。時季指定権は労働者に、時季変更権は使用者にあるという役割分担を押さえる。

補足勤続年数に応じて付与日数は加算され、6年6か月以上で年20日が上限となる(同条2項)。また年10日以上付与される労働者には、使用者が年5日について時季を指定して取得させる義務がある(同条7項)。

13懲戒処分の有効性(懲戒権の濫用)

使用者による懲戒に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 懲戒が懲戒権の濫用に当たるか否かは、懲戒の客観的合理性のみによって判断され、社会通念上の相当性は考慮されない。
  • 懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質および態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その懲戒は権利を濫用したものとして無効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
労契法15条は相当性も判断要素

労働契約法第15条社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとしてe-Gov原文

正しい
労契法15条の懲戒権濫用法理

労働契約法第15条当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とするe-Gov原文

ひっかけ「就業規則に根拠があれば懲戒は有効」と考えると、相当性の判断を無視するアを正しいと取り違える。

解説労働契約法15条は、使用者が労働者を懲戒できる場合でも、その懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質および態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、権利を濫用したものとして無効になると定める。判断は合理性と相当性の両面で行われるため、相当性は考慮されないとするアは誤り。これに対しイは条文の枠組みそのままで正しい。懲戒は就業規則上の根拠があることが前提だが、根拠があっても処分が重すぎる(相当性を欠く)と濫用として無効になりうる点が要点である。

補足懲戒処分が有効であるためには、就業規則に懲戒の種別と事由が定められ周知されていること(罪刑法定主義的な要請)に加え、本条の合理性・相当性を満たす必要がある。

14有期労働契約の更新拒絶の制限(雇止め法理)

有期労働契約の更新拒絶(雇止め)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 有期労働契約が過去に反復して更新され、その雇止めが期間の定めのない労働契約の解雇と社会通念上同視できる場合であっても、使用者は理由のいかんを問わず自由に契約の更新を拒絶することができる。
  • 更新拒絶の制限が及ぶのは契約が過去に反復更新された場合に限られ、労働者が契約の更新を期待することについて合理的な理由がある場合は対象とならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
労契法19条1号の雇止め制限

労働契約法第19条使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときはe-Gov原文

労働契約法第19条従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなすe-Gov原文

誤り
労契法19条2号の合理的期待類型

労働契約法第19条第2号当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められることe-Gov原文

ひっかけ「期間満了なら自由に終了できる」「反復更新の場合だけ保護される」と単純化すると両方を取り違える。

解説労働契約法19条は、有期労働契約の雇止めを一定の場合に制限する(雇止め法理の明文化)。第1号は、過去に反復更新され、その雇止めが解雇と社会通念上同視できる場合、第2号は、労働者が契約の更新を期待することについて合理的な理由がある場合を対象とする。これらに当たる契約で労働者が更新の申込みをし、使用者の拒絶が客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められないときは、従前と同一の労働条件で申込みを承諾したものとみなされる。したがって、理由を問わず自由に拒絶できるとするアは誤り、合理的期待の類型を対象外とするイも誤り。

補足本条が適用されると更新拒絶は認められず、従前と同一条件で契約が継続したものと扱われる。無期転換ルール(18条)とは別の制度であり、両者の局面の違いに注意する。

15育児休業の申出と事業主の義務

育児休業の申出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 労働者は、その養育する1歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
  • 事業主は、労働者から育児休業の申出があったときは、原則として当該申出を拒むことができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
育介法5条1項の育児休業申出権

育児・介護休業法第5条第1項その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることによりe-Gov原文

正しい
育介法6条1項の申出拒否禁止

育児・介護休業法第6条第1項事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができないe-Gov原文

ひっかけ「休業を認めるかは会社の裁量」と考えるとイを誤りと取り違える。育児休業の申出は原則拒めない。

解説労働者は、その養育する1歳に満たない子について、事業主に申し出ることにより育児休業をすることができる(育児・介護休業法5条1項)。育児休業は労働者の権利として法律上保障されており、アは正しい。そして事業主は、労働者から育児休業の申出があったときは、その申出を拒むことができないのが原則である(同法6条1項本文)。育児休業は事業主の許可制ではなく申出により成立する点が重要で、イも正しい。なお、入社1年未満の労働者などについては労使協定により対象から除外できる場合がある(同項ただし書)ため、例外がある点も押さえておく。

補足有期雇用労働者も、子が1歳6か月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでない場合には申出ができる(同条1項ただし書)。育児休業は原則1歳まで(一定の事情があれば最長2歳まで延長可能)である。

16労働契約の原則と安全配慮義務

労働契約法の基本原則と安全配慮義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結・変更されるべきものとされている。
  • 使用者は、労働契約に伴い、労働者の生命・身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をするものとされている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
労働契約の原則

労働契約法第3条第1項対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものe-Gov原文

正しい
安全配慮義務

労働契約法第5条生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるようe-Gov原文

ひっかけ労働契約は使用者が一方的に決められる、と考えるとアを取り違える。締結・変更は対等な合意が原則。

解説労働契約法は、労働契約の基本原則を定める。労働契約は、労働者と使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、または変更すべきものとされる(労働契約法3条1項)。アはこのとおりで正しい。また使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命・身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとされる(安全配慮義務。同法5条)。イもこの安全配慮義務どおりで正しい。合意原則と安全配慮義務が労働契約法の土台になる。

補足安全配慮義務(5条)は、判例で認められてきた使用者の義務を明文化したものである。これに違反して労働者の生命・身体に損害が生じたときは、使用者は債務不履行として損害賠償責任を負うことがある。

17就業規則変更と懲戒

就業規則による労働条件変更と懲戒に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用者が就業規則を変更する場合、その変更後の就業規則を労働者に周知し、変更内容が合理的であれば、労働条件が変更されることがある。
  • 懲戒については、労働者の行為の性質・態様等に照らして客観的合理性を欠き社会通念上相当でなくても、使用者が懲戒事由を定めていれば常に有効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
就業規則変更

労働契約法第10条変更後の就業規則を労働者に周知させe-Gov原文

誤り
懲戒権濫用

労働契約法第15条客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合e-Gov原文

ひっかけ懲戒事由を就業規則に書いておけば常に懲戒できる、と考えるとイを正しいと誤る。客観的合理性と社会通念上の相当性がなければ権利濫用で無効。

解説使用者が就業規則を変更する場合、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ変更が合理的なものであれば、労働条件は変更後の就業規則によることになる(労働契約法10条)。アはこのとおりで正しい。一方、懲戒は就業規則に懲戒事由を定めていれば足りるわけではなく、労働者の行為の性質・態様その他の事情に照らして客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、権利を濫用したものとして無効となる(同法15条)。イは懲戒事由さえ定めていれば常に有効とした点で誤り。

補足就業規則の不利益変更は原則として労働者との合意が必要だが(9条)、10条の周知と合理性の要件を満たせば、合意なく労働条件を変更できる。合理性は、労働者の受ける不利益の程度や変更の必要性などから判断される。

18労働時間・休憩・休日

労働基準法上の労働時間・休憩・休日に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用者は、原則として、労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない。
  • 使用者は、毎週少なくとも1回の休日を与えれば足りず、4週間を通じ4日以上の休日を与える方法は認められていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
労働基準法32条の週40時間規制は、休憩時間を除いた実労働時間を対象にする。残業規制の前提になる法定労働時間の基本。

労働基準法第32条第1項休憩時間を除き一週間について四十時間を超えてe-Gov原文

誤り
休日は毎週1回が原則だが、4週間を通じ4日以上という変形的な与え方も認められる。出題文はこの例外を否定しているため誤り。

労働基準法第35条第2項四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者e-Gov原文

ひっかけ休日は毎週1回必ず与えなければならない、と決めつけるとイを正しいと誤る。4週で4日以上という与え方も条文上認められる。

解説使用者は、原則として、労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない(労働基準法32条1項。1日については8時間が上限。同条2項)。アはこのとおりで正しい。休日については、毎週少なくとも1回与えるのが原則だが(35条1項)、4週間を通じ4日以上の休日を与える方法(変形週休制)も認められている(同条2項)。イはこの4週4日の方法は認められていないとした点で誤り。

補足週40時間・1日8時間を超えて労働させ、または法定休日に労働させるには、労使協定(いわゆる三六協定)の締結・届出と、割増賃金の支払が必要になる(36条・37条)。

19年次有給休暇と就業規則

年次有給休暇と就業規則の作成届出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用者は、一定期間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、有給休暇を与えなければならない。
  • 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成して行政官庁に届け出なければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
年次有給休暇

労働基準法第39条第1項全労働日の八割以上出勤した労働者に対してe-Gov原文

正しい
就業規則

労働基準法第89条常時十人以上の労働者を使用する使用者e-Gov原文

ひっかけ年休は使用者の裁量で与えるかどうかを決められる、と考えるとアを取り違える。継続勤務と出勤率の要件を満たせば当然に発生する。

解説年次有給休暇は、雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、使用者が与えなければならない(労働基準法39条1項)。アはこのとおりで正しい。また、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない(89条)。イもこの就業規則の作成・届出義務どおりで正しい。いずれも使用者の裁量ではなく客観的な要件・基準で定まる。

補足年次有給休暇は継続勤務年数に応じて付与日数が増える。また、年10日以上の年休が付与される労働者については、使用者が年5日分は時季を指定して取得させなければならない(39条)。

20不当労働行為と労働協約

労働組合法上の不当労働行為と労働協約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用者は、労働者が労働組合の組合員であることなどを理由として、解雇その他の不利益取扱いをすることを禁止されている。
  • 労働協約に定める労働条件等に違反する労働契約部分は無効となり、無効部分は労働協約の基準による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
不当労働行為

労働組合法第7条第1号解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすることe-Gov原文

正しい
規範的効力

労働組合法第16条無効とする。この場合において無効となつた部分は、基準の定めるところによるe-Gov原文

ひっかけ組合員への不利益な扱いも使用者の自由、と考えるとアを取り違える。組合活動を理由とする不利益取扱いは不当労働行為として禁止される。

解説労働組合法は、使用者による一定の行為を不当労働行為として禁止する。使用者は、労働者が労働組合の組合員であることや正当な組合活動をしたことなどを理由として、解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない(労働組合法7条1号)。アはこのとおりで正しい。また労働協約には規範的効力があり、労働協約に定める労働条件その他の基準に違反する労働契約の部分は無効となり、無効となった部分は労働協約の基準の定めるところによる(同法16条)。イもこの規範的効力どおりで正しい。

補足不当労働行為には、不利益取扱い(7条1号)のほか、正当な理由のない団体交渉の拒否(2号)や、労働組合の運営への支配介入(3号)も含まれる。救済は労働委員会への申立てによって図られる。

関連する章

同じ論点や根拠法でつながる章です。級をまたいで深さを変えたり、関連する法律を横断して確認できます。

読み終えたら、解いて採点

この章の20問を、根拠条文つきで採点します。選択肢ごとの正誤を自分で判断してから答え合わせできます。

この章を解く(20問)→

登録不要・無料。各問に根拠条文の原文つき。 ビジネス実務法務検定2級の過去問の公開状況も確認できます。

この章を解く(20問)→