資格問題ドリルビジネス実務法務検定2級 対策
ホームビジネス実務法務検定2級章別対策>第13
会社法・第13

株式会社の組織と運営の問題(78問)

論点 75目安 約156組合せ 78
この章を解く(78問)→

この章で扱う論点75論点

株主総会の特別決議の要件2監査役の権限2事業譲渡等の承認2取締役の競業取引・利益相反取引の制限と任務懈怠責任株主総会の権限取締役の資格・員数取締役会の専決事項と代表取締役の選定取締役会の決議役員等の第三者に対する責任株主代表訴訟取締役の義務役員等の責任の一部免除会計帳簿の閲覧等の請求募集株式の発行剰余金の配当株主総会の招集取締役の報酬等株式の譲渡事業譲渡の承認株式会社の解散事由株式会社の設立事業譲渡等の承認を要する行為株主提案権株式会社の機関設計機関設計の規律代表取締役の権限取締役会の招集監査役会会計監査人の権限株主の権利行使に関する利益供与の禁止利益供与の推定株主の権利株主平等の原則議決権基準日株主平等の例外と自己株式基準日と権利行使期間取締役等の説明義務株主総会決議の取消しの訴え資本金の額の減少単元株式数自己株式の取得会計参与の権限計算書類の定時株主総会への提出・承認剰余金の配当に関する事項の決定種類株式新株予約権の内容特別支配株主の株式等売渡請求公開会社における募集事項の決定株主名簿の名義書換特別支配株主株式会社の設立方法株式の併合定款の絶対的記載事項変態設立事項監査役の子会社調査権株主総会の招集の通知競業取引の承認機関利益相反取引取締役の報酬の決定取締役会の決議要件特別利害関係取締役役員等の対会社責任役員等の対第三者責任役員の解任報酬等の意義と決定利益相反取引と取締役会決議株主に対する剰余金の配当資本金の額の原則資本準備金への計上株主総会の普通決議の定足数と多数決要件普通決議と特別決議の表決数の区別特別決議における定款による加重反対株主の株式買取請求の相手方と価格買取請求の価格基準

各選択肢に根拠条文(e-Gov法令データ照合済み)と、正誤の理由・覚え方のコツをつけています。

問題と解説を読む78

通読・復習用に、この章の全問題と解説を掲載しています。1問ずつ解きながら進めたい場合は「この章を解く」からどうぞ。

1取締役の競業取引・利益相反取引の制限と任務懈怠責任

取締役会設置会社であるA株式会社の取締役Bに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • Bが自己のためにA社の事業の部類に属する取引(競業取引)をしようとする場合、Bは、その取引につき重要な事実を開示して取締役会の承認を受けなければならない。
  • Bが自己のためにA社と直接取引(利益相反取引)をした場合、その取引について取締役会の承認を受けていれば、その取引によってA社に損害が生じても、Bは任務を怠らなかったことを証明することで損害賠償責任を免れる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
事業の部類に属する取引 → 重要事実を開示 → 取締役会の承認(根拠:会社法第356条第1項第1号
誤り
損害発生 → 任務懈怠が推定 → 自己のための直接取引は無過失でも免責されない(根拠:会社法第423条第3項

「承認さえ受ければ責任を免れる」と覚えると、イで誤ります。

取締役は会社の利益のために職務を行う立場にあるため、会社と利益が衝突しうる取引(競業取引・利益相反取引)には歯止めがかけられている。まず取引の前段階として、競業取引や利益相反取引をするには重要な事実を開示して承認を受けなければならない(会社法356条1項)。取締役会設置会社ではこの承認機関が株主総会から取締役会に読み替えられる(同法365条1項)。これが記述アの局面で、結論は正しい。次に取引の後段階、すなわち実際に会社に損害が出たときの責任。利益相反取引によって会社に損害が生じた場合、その取引を行った取締役などは任務を怠ったものと推定される(同法423条3項)。さらに、自己のためにした直接取引をした取締役の損害賠償責任は、自分に落ち度がなかったこと(無過失)を理由としても免れることができない無過失責任とされている(同法428条1項)。だから記述イの『承認を受けて無過失を証明すれば免責される』は誤り。コツは、『取引前の承認手続』と『取引後の損害賠償責任』を別の局面として切り分けること。承認は取引のゴーサインにすぎず、損害が出たときの責任を当然に消すわけではない。

2株主総会の権限(取締役会設置会社)

取締役会設置会社における株主総会の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役会設置会社では、株主総会は、会社法に規定する事項および定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
  • 株主総会の決議を要する事項を取締役会その他の機関が決定できる旨を定款で定めれば、その定めは有効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
機関が分化 → 株主総会の権限は限定(根拠:会社法第295条第2項
誤り
株主総会の本質的権限 → 定款で奪えない(根拠:会社法第295条第3項

「定款で自由に権限を動かせる」と覚えると、イで誤ります。

取締役会という常設の意思決定機関を置く会社では、機動的な経営判断を取締役会に委ね、株主総会は会社法が定める基本事項と定款で定めた事項に限って決議する(会社法295条2項)。一方で、株主総会が決めるべきと法が定めた事項を、定款によって取締役会など他の機関に決めさせることはできず、そのような定款の定めは効力を有しない(同条3項)。権限は限定されるが、株主総会の根幹的な決定権限まで定款で奪うことはできない、という二段構えで理解する。

3取締役の資格・員数

株式会社の取締役の資格および員数に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公開会社は、定款をもって、取締役が株主でなければならない旨(株主資格の要件)を定めることができる。
  • 取締役会設置会社においては、取締役は3人以上でなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
原則禁止 → 例外は非公開会社のみ(根拠:会社法第331条第2項
正しい
合議体 → 最低3人(根拠:会社法第331条第5項

「公開会社なら定款で何でも定められる」と考えると、アで誤ります。

取締役は会社の経営を担う者だが、広く人材を確保する観点から、原則として『株主でなければ取締役になれない』という定款の定めは認められない(会社法331条2項本文)。ただし、株主が固定的な閉鎖的会社(公開会社でない会社)では、株主に経営を委ねたいというニーズがあるため、例外的にこの定めが許される(同項ただし書)。公開会社では認められない点が引っかけ。また、取締役会は合議体なので、取締役会設置会社では取締役が3人以上必要とされる(同条5項)。

4取締役会の専決事項と代表取締役の選定

取締役会設置会社の取締役会の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 重要な財産の処分および譲受けや多額の借財は、重要な業務執行の決定として、取締役会が決定しなければならず、各取締役に決定を委任することができない。
  • 代表取締役の選定は、取締役会の決議によらず、各取締役が単独で行うことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
重要な業務執行 → 取締役会で決定(根拠:会社法第362条第4項
誤り
選定権限 → 各取締役単独では不可(根拠:会社法第362条第3項

「日常業務だから一人で決められる」と考えると、イで誤ります。

取締役会設置会社では、重要な業務執行の決定は合議体である取締役会が担い、特に『重要な財産の処分及び譲受け』『多額の借財』などは取締役個人に委任できない(会社法362条4項)。会社に大きな影響を与える判断を一人に委ねるのを防ぐ趣旨である。また、会社を対外的に代表する代表取締役の選定・解職も取締役会の職務であり(同条2項3号)、取締役会は取締役の中から代表取締役を選定しなければならない(同条3項)。重要な決定ほど合議で行う、という設計を押さえる。

5株主総会の特別決議の要件

株主総会の特別決議の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特別決議は、定款に別段の定めがない限り、出席した株主の議決権の過半数の賛成があれば成立する。
  • 特別決議は、原則として、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席することを要する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
重要事項 → 加重された賛成数(根拠:会社法第309条第2項
正しい
重要事項 → 定足数を要求(根拠:会社法第309条第2項

「過半数で決まる」と覚えると、アで誤ります。

株主総会の決議には重みに応じた種類がある。通常の事項は普通決議(出席株主の議決権の過半数)で足りるが、定款変更・事業譲渡・組織再編・自己株式の有利取得など会社や株主に重大な影響を及ぼす事項は特別決議による。特別決議は、定足数として議決権の過半数を有する株主の出席を原則とし(定款で3分の1以上まで軽減可能)、表決数として出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を要する(会社法309条2項)。『過半数』で足りるのは普通決議で、特別決議は3分の2以上、と数字で区別するのがコツ。

6取締役会の決議(特別利害関係・賛成の推定)

取締役会の決議に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、その決議の議決に加わることができない。
  • 取締役会の決議に参加した取締役であって、議事録に異議をとどめなかった者は、その決議に賛成したものと推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
利益相反の懸念 → 議決から排除(根拠:会社法第369条第2項
正しい
沈黙 → 賛成の推定(責任追及の前提)(根拠:会社法第369条第5項

「黙っていれば責任を問われない」と考えると、イを見落とします。

取締役会の決議の公正さを保つため、決議について特別の利害関係を有する取締役は議決に加わることができない(会社法369条2項)。自分の利害が絡む決議で投票させると判断がゆがむためである。また、違法・不当な決議に対する責任追及を実効的にするため、決議に参加した取締役で議事録に異議をとどめない者は、その決議に賛成したものと推定される(同条5項)。反対の立場なら議事録に異議を記録しておかないと、賛成扱いされて責任を負いうる。

7役員等の第三者に対する責任

取締役の第三者に対する損害賠償責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役は、その職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
  • 取締役は、その職務を行うについて軽過失があったにすぎない場合でも、会社法上、当然に第三者に対して損害賠償責任を負う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
重い帰責 → 第三者保護(根拠:会社法第429条第1項
誤り
要件は悪意・重過失 → 軽過失では不成立(根拠:会社法第429条第1項

「過失があれば常に責任を負う」と考えると、イで誤ります。

取締役が任務を怠ると、会社だけでなく取引先などの第三者が損害を被ることがある。そこで会社法は、役員等が職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、第三者に生じた損害を賠償する責任を負わせる特別の制度を設けている(会社法429条1項)。これは不法行為とは別に第三者を保護する趣旨である。要件は『悪意または重大な過失』であり、単なる軽過失では成立しない点が重要。会社に対する責任(423条)と混同せず、第三者責任は帰責の程度が重く設定されていると理解する。

8株主代表訴訟

株主による責任追及等の訴え(株主代表訴訟)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公開会社では、6箇月前から引き続き株式を有する株主は、会社に対し、取締役などの責任を追及する訴えの提起を請求することができる。
  • 株主の提訴請求の日から30日以内に会社が責任追及等の訴えを提起しないときは、その株主は会社のために訴えを提起することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
濫訴防止 → 一定の保有期間(根拠:会社法第847条第1項
誤り
待機期間は60日(根拠:会社法第847条第3項

待機期間を「30日」と覚えると、イで誤ります。

取締役などが会社に損害を与えても、会社(経営陣)が身内に対する訴えを起こさないことがある。そこで株主が会社に代わって責任を追及できる制度が株主代表訴訟である。まず公開会社では、6箇月前から引き続き株式を有する株主が、会社に対し責任追及等の訴えの提起を請求する(会社法847条1項。継続保有要件は濫訴防止の趣旨)。会社が請求の日から60日以内に訴えを提起しないときに、初めて株主自身が会社のために訴えを提起できる(同条3項)。待機期間『60日』を正確に覚えるのがコツ。

9取締役の義務(忠実義務・善管注意義務)

取締役の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。
  • 株式会社と取締役との関係は、委任に関する規定に従う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
忠実義務(根拠:会社法第355条
正しい
委任関係(根拠:会社法第330条

取締役は会社から経営を委ねられた立場です。

株式会社と取締役(役員・会計監査人)との関係は、委任に関する規定に従う(会社法330条)。したがって取締役は受任者として善良な管理者の注意義務(善管注意義務。民法644条)を負う。加えて会社法は、取締役は法令・定款・株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならないという忠実義務を定める(会社法355条)。両者は、会社の利益のために誠実に経営にあたるべき取締役の義務を表すものとして重要である。

10役員等の責任の一部免除

役員等の会社に対する責任の免除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 役員等の会社に対する任務懈怠責任は、いかなる場合も総株主の同意がなければ一切免除することができない。
  • 役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、一定の限度を超える部分について株主総会の決議によって責任を免除することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
一部免除あり(根拠:会社法第425条第1項
正しい
一部免除の要件(根拠:会社法第425条第1項

「全部免除しかない」と考えると、アで誤ります。

役員等の会社に対する任務懈怠責任(会社法423条1項)は、原則として総株主の同意がなければ全部を免除できない(同424条)。もっとも、責任を過度に重くすると人材確保や経営判断が萎縮するため、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、最低責任限度額を超える部分について、株主総会の特別決議等によって一部免除することができる(同425条1項)。全部免除(総株主の同意)と一部免除(善意・無重過失+決議)の区別を押さえる。

11会計帳簿の閲覧等の請求

会計帳簿の閲覧等の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株主は、その持株数にかかわらず、単独で、会社の営業時間外であっても会計帳簿の閲覧を請求することができる。
  • 総株主の議決権の100分の3以上等の要件を満たす株主は、請求の理由を明らかにして、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
単独・時間外では不可(根拠:会社法第433条第1項
正しい
少数株主権(根拠:会社法第433条第1項

「株主なら誰でも単独で帳簿を見られる」と考えると、アで誤ります。

会計帳簿には会社の機微な情報が含まれるため、その閲覧等の請求は一定の持株要件を満たす株主の権利(少数株主権)とされている。総株主の議決権の100分の3以上、または発行済株式(自己株式を除く)の100分の3以上を有する株主は、株式会社の営業時間内であればいつでも、請求の理由を明らかにして、会計帳簿またはこれに関する資料の閲覧・謄写を請求できる(会社法433条1項)。なお会社は、競業者による請求など一定の拒絶事由がある場合を除き、これを拒めない。単独・無理由・時間外で当然に閲覧できるわけではない。

12募集株式の発行(有利発行)

募集株式の発行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 募集事項の決定は、定款に別段の定めがある場合等を除き、原則として株主総会の決議によらなければならない。
  • 払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、株主総会において、その払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
募集株式の発行(根拠:会社法第199条第2項
正しい
既存株主の保護(根拠:会社法第199条第3項

有利発行は既存株主の利益に関わるため手続が重くなります。

募集株式の発行は会社の資金調達手段だが、既存株主の持分が希釈されうるため手続が定められている。募集事項の決定は、原則として株主総会の決議による(会社法199条2項。公開会社では原則取締役会だが、有利発行は株主総会の特別決議が必要)。特に、払込金額が引受人に特に有利な金額である場合(有利発行)には、取締役は株主総会において、その払込金額で募集をする必要がある理由を説明しなければならない(同199条3項)。既存株主の利益を保護するための手続である。

13剰余金の配当(財源規制)

剰余金の配当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、分配可能額を超えて剰余金の配当を行うことができる。
  • 剰余金の配当により株主に交付する金銭等の帳簿価額の総額には、会社法上の上限はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
財源規制(根拠:会社法第461条第1項
誤り
債権者保護(根拠:会社法第461条第1項

配当は無制限にできるものではありません。

株式会社の財産は株主だけでなく会社債権者の引当てでもあるため、株主への払戻しには財源規制がある。剰余金の配当などにより株主に対して交付する金銭等の帳簿価額の総額は、その行為の効力発生日における分配可能額を超えてはならない(会社法461条1項)。これは、配当で会社財産が過度に流出して債権者が害されるのを防ぐ債権者保護の制度である。分配可能額を超える配当(違法配当)には、関係者の責任などの効果が生じる。

14株主総会の招集

株主総会の招集に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
  • 株主総会は、必要がある場合には、いつでも招集することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
定時総会(根拠:会社法第296条第1項
正しい
臨時総会(根拠:会社法第296条第2項

株主総会には定時と臨時があります。

株主総会には、毎事業年度の終了後一定の時期に必ず招集される定時株主総会(会社法296条1項)と、必要がある場合にいつでも招集できる臨時株主総会(同条2項)がある。株主総会は、原則として取締役が招集する(同条3項)が、一定の要件を満たす株主が招集を請求し、自ら招集できる場合もある。定時・臨時の区別と招集権者を押さえる。

15取締役の報酬等

取締役の報酬等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役の報酬等についての一定の事項は、定款にその事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
  • 取締役の報酬等は、取締役会の決議のみで自由に定めることができ、株主総会の関与は不要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
お手盛り防止(根拠:会社法第361条第1項
誤り
株主の関与(根拠:会社法第361条第1項

取締役が自分の報酬を自由に決められるわけではありません。

取締役が自分たちの報酬を自由に決められると、いわゆる『お手盛り』により会社や株主の利益が害されるおそれがある。そこで、取締役の報酬・賞与その他の職務執行の対価として会社から受ける財産上の利益(報酬等)についての一定の事項は、定款にその事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定めることとされている(会社法361条1項)。取締役会だけで自由に決定することはできず、株主の関与が必要となる点が重要である。

16株式の譲渡(譲渡自由と譲渡制限)

株式の譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株主は、その有する株式を譲渡することができる。
  • 譲渡制限株式の株主は、これを他人に譲り渡そうとするときは、会社に対し、その取得について承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
株式譲渡自由(根拠:会社法第127条
正しい
譲渡承認(根拠:会社法第136条

株式は原則自由に譲れますが、定款で制限できます。

株主は、その有する株式を自由に譲渡できるのが原則である(株式譲渡自由の原則。会社法127条)。投下資本の回収を保障する趣旨である。もっとも、株主の構成を限定したい会社は、定款で株式の譲渡に会社の承認を要する旨を定めることができ(譲渡制限株式)、その株主が株式を譲り渡そうとするときは、会社に対し承認をするか否かの決定を請求する(同136条)。原則自由、定款で制限可能、という構造を押さえる。

17事業譲渡の承認

事業譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社が事業の全部の譲渡をする場合には、原則として、効力発生日の前日までに株主総会の決議によって契約の承認を受けなければならない。
  • 事業の全部の譲渡は、取締役会の決議のみで行うことができ、株主総会の承認は不要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
重要事項(根拠:会社法第467条第1項
誤り
株主の関与(根拠:会社法第467条第1項

事業譲渡は会社の基礎に関わるため株主が関与します。

事業譲渡は会社の事業の基礎を変動させる重要な行為なので、株主の保護のため手続が定められている。株式会社が事業の全部の譲渡、事業の重要な一部の譲渡、他の会社の事業の全部の譲受けなどをする場合には、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって当該行為に係る契約の承認を受けなければならない(会社法467条1項。この決議は特別決議)。取締役会のみで決定することはできない。会社の基礎的変更には株主の関与が要る点を押さえる。

18株式会社の解散事由

株式会社の解散に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、破産手続開始の決定があっても、これを理由として解散することはない。
  • 株式会社は、株主総会の決議によって解散する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
解散事由(根拠:会社法第471条
正しい
任意解散(根拠:会社法第471条第3号

解散にはいくつかの法定事由があります。

株式会社は、(1) 定款で定めた存続期間の満了、(2) 定款で定めた解散事由の発生、(3) 株主総会の決議、(4) 合併(消滅する場合)、(5) 破産手続開始の決定、(6) 解散を命ずる裁判、によって解散する(会社法471条)。株主総会の決議による任意の解散だけでなく、破産手続開始の決定なども法定の解散事由となる。解散後は清算手続に入る。

19株式会社の設立(定款・発起人)

株式会社の設立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社の定款には、目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、発起人の氏名又は名称及び住所を記載し、又は記録しなければならない。
  • 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
絶対的記載事項(根拠:会社法第27条
正しい
発起人の引受け(根拠:会社法第25条第2項

会社設立には定款の作成と発起人の出資が必要です。

株式会社の設立には、まず発起人が定款を作成する。定款には、目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額又はその最低額・発起人の氏名又は名称及び住所という絶対的記載事項を記載しなければならない(会社法27条。これを欠くと定款が無効)。また、各発起人は、設立に際し設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない(同25条2項)。発起設立か募集設立かを問わず、発起人は出資者として会社設立に関与する。

20事業譲渡等の承認を要する行為

事業譲渡等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 他の会社の事業の全部を譲り受ける場合には、譲受会社において株主総会の承認は一切不要である。
  • 事業の重要な一部の譲渡は、その規模にかかわらず、株主総会の承認を要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
譲受側も承認(根拠:会社法第467条第1項
誤り
重要な一部(根拠:会社法第467条第1項第2号

事業譲渡の承認は『譲る側』だけの話ではありません。

会社法467条1項は、株主総会の承認を要する行為を列挙する。事業の全部の譲渡(1号)だけでなく、事業の重要な一部の譲渡(2号。譲り渡す資産が総資産額の5分の1以下等の小規模なものを除く)、他の会社の事業の全部の譲受け(3号)なども含まれる。すなわち、事業を譲り渡す側だけでなく、他社の事業全部を譲り受ける側にも株主総会の承認が必要となる。会社の基礎を変える取引を広く株主のコントロール下に置く趣旨である。

21株主提案権

株主提案権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株主は、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。
  • 取締役会設置会社では、株主提案権は、原則として総株主の議決権の100分の1以上又は300個以上の議決権を6箇月前から引き続き有する株主に限り行使できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
株主提案権(根拠:会社法第303条第1項
正しい
少数株主権(根拠:会社法第303条第2項

株主は総会の議題を提案できますが、要件があります。

株主は、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的(議題)とすることを請求できる(議題提案権。会社法303条1項)。もっとも、取締役会設置会社では濫用防止のため要件が加重され、原則として総株主の議決権の100分の1以上又は300個以上の議決権を6箇月前から引き続き有する株主に限り行使でき、株主総会の日の8週間前までに請求しなければならない(同条2項)。少数株主権として、持株・保有期間の要件がある点を押さえる。

22株式会社の機関設計

株式会社の機関に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。
  • 公開会社は、取締役会を置かなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
取締役の必置(根拠:会社法第326条第1項
正しい
取締役会設置義務(根拠:会社法第327条第1項

会社の規模・性質で必要な機関が変わります。

株式会社の機関設計は、定款自治が認められつつ一定の規律がある。まずすべての株式会社に、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない(会社法326条1項)。そして、定款で取締役会・監査役・会計監査人等を置くことができる(同条2項)。もっとも、公開会社・監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社は取締役会を置かなければならない(同327条1項)など、会社の類型に応じた設置義務がある。

23監査役の権限

監査役に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 監査役は、その職務を行うため必要があるときであっても、子会社に対して事業の報告を求めたり、その業務・財産の状況を調査することは一切できない。
  • 監査役は、取締役や使用人に対して事業の報告を求めることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
調査権(根拠:会社法第381条第3項
誤り
報告請求権(根拠:会社法第381条第2項

監査役には強い調査権限があります。

監査役は、取締役(会計参与設置会社では取締役及び会計参与)の職務の執行を監査し、監査報告を作成する(会社法381条1項)。その実効性を確保するため、監査役は、いつでも取締役・会計参与・支配人その他の使用人に対し事業の報告を求め、業務・財産の状況を調査でき(同条2項)、必要があるときは子会社に対して事業の報告を求め、その業務・財産の状況を調査できる(同条3項。子会社は正当な理由があれば拒める)。監査役の広範な調査権限を押さえる。

24機関設計の規律

株式会社の機関設計に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公開会社であっても、定款で定めれば取締役会を置かないことができる。
  • 指名委員会等設置会社は、監査役を置かなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
設置義務(根拠:会社法第327条第1項
誤り
監査役の不設置(根拠:会社法第327条第4項

機関設計には『置く義務』と『置いてはならない』があります。

会社法は機関設計について、設置義務と設置禁止の両方を定める。公開会社は取締役会を置かなければならない(会社法327条1項1号)。一方、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査等委員会・監査委員会が監査機能を担うため、監査役を置いてはならない(同条4項)。また、これらは会計監査人を置かなければならない(同条5項)。『置く義務』と『置いてはならない』の双方があることを押さえる。

25代表取締役の権限

代表取締役に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
  • 代表取締役の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対しても対抗することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
包括的代表権(根拠:会社法第349条第4項
誤り
取引の安全(根拠:会社法第349条第5項

社内で代表権を制限しても、善意の取引相手には主張できません。

代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする包括的な代表権を有する(会社法349条4項)。この代表権に内部的な制限(一定額以上の取引には取締役会の承認を要する等)を加えても、その制限は善意の第三者に対抗することができない(同条5項)。取引相手をいちいち内部規程の確認に巻き込まず、取引の安全を図る趣旨である。

26取締役会の招集

取締役会の招集に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役会は、各取締役が招集するのが原則であるが、招集権者を定款又は取締役会で定めることができる。
  • 招集権者が定められている場合、それ以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の招集を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
招集権者(根拠:会社法第366条第1項
正しい
招集請求権(根拠:会社法第366条第2項

取締役会は原則どの取締役も招集できます。

取締役会は、原則として各取締役が招集する(会社法366条1項本文)。ただし、定款又は取締役会で招集権者を定めることができる(同項ただし書)。招集権者が定められている場合でも、他の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的事項を示して招集を請求でき(同条2項)、請求から一定期間内に招集通知が発せられないときは自ら招集できる(同条3項)。取締役会の機動的な開催を確保する仕組みである。

27監査役会

監査役会に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 監査役会は、監査の方針等を決定することができ、その決定によって各監査役の権限の行使を妨げることができる。
  • 監査役会は、すべての監査役で組織し、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
独任制(根拠:会社法第390条第2項
正しい
監査役会の構成(根拠:会社法第390条第1項

監査役会があっても、各監査役は独立して権限を行使できます。

監査役会は、すべての監査役で組織し(会社法390条1項)、監査報告の作成、常勤監査役の選定・解職、監査の方針等の決定を行う(同条2項)。監査役会は監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない(同条3項)。重要なのは、監査の方針等の決定は、各監査役の権限の行使を妨げることができない点である(同条2項ただし書)。監査役は独任制で、各自が独立して調査権等を行使できる。

28会計監査人の権限

会計監査人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 会計監査人は、計算書類等を監査するが、その職務を行うため必要があるときであっても、子会社に対して会計に関する報告を求めることは一切できない。
  • 会計監査人は、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査し、会計監査報告を作成する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
子会社調査権(根拠:会社法第396条第3項
正しい
計算書類の監査(根拠:会社法第396条第1項

会計監査人は計算書類の専門的なチェック役です。

会計監査人は、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査し、会計監査報告を作成する(会社法396条1項)。会計監査人は、いつでも会計帳簿等の閲覧・謄写や取締役・使用人への会計に関する報告請求ができ(同条2項)、必要があるときは子会社に対して会計に関する報告を求め、業務・財産の状況を調査できる(同条3項)。会計監査人は公認会計士又は監査法人でなければならず、計算書類の適正性を専門的に監査する。

29株主の権利行使に関する利益供与の禁止

株主の権利の行使に関する利益供与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、何人に対しても、株主の権利の行使に関し、自社又は子会社の計算において財産上の利益を供与してはならない。
  • 利益供与の禁止に違反して利益供与を受けた者は、これを会社又はその子会社に返還する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
利益供与の禁止(根拠:会社法第120条第1項
誤り
返還義務(根拠:会社法第120条第3項

総会屋対策などのため、株主への利益供与は禁止されています。

株式会社は、何人に対しても、株主の権利の行使に関し、自社又は子会社の計算において財産上の利益を供与してはならない(会社法120条1項。いわゆる総会屋対策等の趣旨)。特定の株主への無償の利益供与等は、権利行使に関する供与と推定される(同条2項)。違反して利益供与を受けた者はこれを会社等に返還しなければならず(同条3項)、関与した取締役等も供与した利益相当額の支払義務を負う(同条4項)。

30利益供与の推定

株主の権利の行使に関する利益供与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益を供与したときであっても、株主の権利の行使に関する利益供与と推定されることはない。
  • 利益供与の禁止に違反して利益供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
推定規定(根拠:会社法第120条第2項
正しい
返還義務(根拠:会社法第120条第3項

無償で株主に利益を渡すと、違法な供与と推定されます。

利益供与の禁止(会社法120条1項)の実効性を確保するため、推定規定が置かれている。株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益を供与したとき、又は有償でも会社等が受けた利益が著しく少ないときは、株主の権利の行使に関し利益供与をしたものと推定される(同条2項)。これにより会社側が『権利行使と無関係』であることを立証する必要が生じる。違反受領者の返還義務(同条3項)とあわせ、利益供与を抑止する仕組みである。

31株主の権利

株主の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株主は、剰余金の配当を受ける権利、残余財産の分配を受ける権利、株主総会における議決権等を有する。
  • 株主に剰余金の配当を受ける権利及び残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
株主の権利(根拠:会社法第105条第1項
正しい
本質的権利(根拠:会社法第105条第2項

株主の経済的な取り分を全部奪う定款は無効です。

株主は、その有する株式につき、(1) 剰余金の配当を受ける権利、(2) 残余財産の分配を受ける権利、(3) 株主総会における議決権その他法律上認められた権利を有する(会社法105条1項)。(1)(2)は自益権、(3)は共益権の代表である。株主の経済的利益の根幹を守るため、配当・残余財産分配の権利の全部を株主に与えない旨の定款の定めは効力を有しない(同条2項)。株主の本質的権利は定款でも奪えない。

32株主平等の原則

株主平等の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。
  • 株主平等の原則の下では、保有株式数にかかわらず、すべての株主を全く同一に取り扱わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
株主平等の原則(根拠:会社法第109条第1項
誤り
比例的平等(根拠:会社法第109条第1項

『平等』は持株数に応じた比例的な平等です。

株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない(株主平等の原則。会社法109条1項)。これは株主を頭数で同一に扱うのではなく、株式の数に応じた比例的な平等を意味する(一株一議決権など)。なお、公開会社でない株式会社は、剰余金配当・議決権等について株主ごとに異なる取扱いをする旨を定款で定めることができる(同条2項)という例外がある。

33議決権(一株一議決権・自己株式)

株主総会における議決権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、自己株式についても議決権を有する。
  • 株主は、原則として、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
自己株式(根拠:会社法第308条第2項
正しい
一株一議決権(根拠:会社法第308条第1項

会社が持つ自社株(自己株式)には議決権がありません。

株主は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する(一株一議決権の原則。会社法308条1項。単元株制度を定めている場合は一単元の株式につき一個)。ただし、株式会社は自己株式については議決権を有しない(同条2項)。会社が自社株の議決権を行使できると経営陣が議決権を操作できてしまうため、これを認めない。一株一議決権の原則と、自己株式の議決権なしを押さえる。

34基準日

基準日に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、基準日を定めて、基準日において株主名簿に記載・記録されている株主を、その権利を行使することができる者と定めることができる。
  • 株式会社が基準日を定めた場合であっても、基準日や行使できる権利の内容を公告する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
基準日(根拠:会社法第124条第1項
誤り
公告(根拠:会社法第124条第3項

株主は日々変わるので、ある日を基準に権利者を確定します。

株式は日々売買されるため、誰が配当・議決権等の権利を行使できる株主かを確定する必要がある。そこで株式会社は、基準日を定めて、基準日において株主名簿に記載・記録されている株主(基準日株主)をその権利を行使できる者と定めることができる(会社法124条1項)。基準日株主が行使できる権利は基準日から3箇月以内のものに限られ(同条2項)、原則として基準日の2週間前までに基準日等を公告しなければならない(同条3項。定款に定めがあれば不要)。

35株主平等の例外と自己株式

株主の取扱いに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公開会社でない株式会社であっても、剰余金の配当や議決権等について株主ごとに異なる取扱いをする旨を定款で定めることは一切できない。
  • 株主平等の原則の下では、会社は自己株式についても議決権を行使することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
属人的定め(根拠:会社法第109条第2項
誤り
自己株式(根拠:会社法第308条第2項

非公開会社には株主平等の例外(属人的定め)があります。

株主平等の原則(会社法109条1項)には例外がある。公開会社でない株式会社は、剰余金配当・残余財産分配・議決権に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる(属人的定め。同条2項)。閉鎖的な会社における当事者の合意を尊重する趣旨である。また、会社が保有する自己株式には議決権がない(同308条2項)。原則(株主平等)と例外(属人的定め)、自己株式の議決権なしをあわせて押さえる。

36基準日と権利行使期間

基準日に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、基準日を定めることはできず、常に権利行使の時点における株主が権利を行使する。
  • 基準日を定めた場合、基準日株主が行使することができる権利は、基準日から6箇月以内に行使するものに限られる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
基準日制度(根拠:会社法第124条第1項
誤り
3箇月(根拠:会社法第124条第2項

基準日株主が権利を行使できるのは『3箇月以内』です。

株式会社は基準日を定めて基準日株主を権利行使者と定めることができる(会社法124条1項)。この場合、基準日株主が行使することができる権利は、基準日から3箇月以内に行使するものに限られる(同条2項)。たとえば、定時株主総会の議決権行使のための基準日(事業年度末日とすることが多い)から3箇月以内に総会を開く必要がある。期間が『3箇月以内』である点が頻出の数字である。

37取締役等の説明義務

株主総会における取締役等の説明義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において株主から特定の事項について説明を求められた場合には、原則として当該事項について必要な説明をしなければならない。
  • 取締役等は、説明を求められた事項が株主総会の目的事項に関しない場合や、説明により株主の共同の利益を著しく害する場合等であっても、必ず説明しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
説明義務(根拠:会社法第314条
誤り
説明拒絶事由(根拠:会社法第314条

取締役は株主の質問に答える義務がありますが、例外もあります。

取締役・会計参与・監査役・執行役は、株主総会において株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない(説明義務。会社法314条本文)。ただし、その事項が株主総会の目的である事項に関しない場合、説明により株主の共同の利益を著しく害する場合、調査を要する場合その他正当な理由がある場合は、説明を拒むことができる(同条ただし書)。株主の質問権に対応する義務だが、無制限ではない。

38株主総会決議の取消しの訴え

株主総会決議の取消しの訴えに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なときは、株主等は決議取消しの訴えを提起することができる。
  • 株主総会等の決議の取消しの訴えは、決議の日から3箇月以内に提起しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
取消事由(根拠:会社法第831条第1項
正しい
提訴期間(根拠:会社法第831条第1項

決議の手続的な瑕疵は『取消し』で、期間制限があります。

株主総会等の決議に瑕疵がある場合の争い方は瑕疵の程度による。(1) 招集手続・決議方法の法令・定款違反や著しい不公正、(2) 決議内容の定款違反、(3) 特別利害関係人の議決権行使による著しく不当な決議は、比較的軽微な瑕疵として決議取消しの訴え(会社法831条1項)で争い、決議の日から3箇月以内に提起しなければならない。これに対し、決議内容の法令違反は決議無効の訴え(830条2項)で、提訴期間の制限なく争える。

39資本金の額の減少

資本金の額の減少に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社が資本金の額を減少するには、取締役会の決議のみで足り、株主総会の決議は不要である。
  • 株式会社は、資本金の額を減少することができ、原則として株主総会の決議によって減少する資本金の額等を定める。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
株主総会決議(根拠:会社法第447条第1項
正しい
減資(根拠:会社法第447条第1項

減資は会社の基礎に関わるため株主総会の決議が要ります。

資本金は会社債権者の引当ての基礎となる重要な計数なので、その減少(減資)には手続が定められている。株式会社は資本金の額を減少することができ、原則として株主総会の決議によって、減少する資本金の額・準備金への振替・効力発生日を定めなければならない(会社法447条1項)。あわせて、債権者が異議を述べる機会を与える債権者保護手続も必要となる。資本金減少には株主の関与と債権者保護の双方が要る。

40単元株式数

単元株制度に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、一定の数の株式をもって株主総会等において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を、定款で定めることができる。
  • 一単元の株式の数(単元株式数)は、会社が自由に定めることができ、法令上の上限はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
単元株(根拠:会社法第188条第1項
誤り
上限(根拠:会社法第188条第2項

単元株は『何株で1議決権か』を定める制度で、上限があります。

株式会社は、一定の数の株式をもって株主総会等において一個の議決権を行使できる一単元の株式とする旨を、定款で定めることができる(単元株制度。会社法188条1項)。少額の株式に伴う管理コストを抑える趣旨である。ただし、一単元の株式の数(単元株式数)は、法務省令で定める数を超えることはできない(同条2項)。株主の議決権を不当に制約しないための上限である。

41自己株式の取得

自己株式の取得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、いかなる場合であっても、自由に自己の株式を取得することができる。
  • 株式会社が自己株式を取得できるのは、株主との合意による取得や取得請求権付株式の取得など、法定の場合に限られる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
取得事由の限定(根拠:会社法第155条
正しい
限定列挙(根拠:会社法第155条

会社が自社株を買うのは自由ではなく、場合が限定されています。

自己株式の取得は、出資の払戻しと同様の効果を持ち、債権者や株主間の公平に影響するため、会社法155条が取得できる場合を限定列挙している。株主との合意による有償取得、取得請求権付株式・取得条項付株式の取得、合併・分割等による承継などである。特に株主との合意による有償取得には、原則として株主総会決議と分配可能額による財源規制がかかる。自己株式取得が自由でない点を押さえる。

42会計参与の権限

会計参与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 会計参与は、取締役と共同して計算書類及びその附属明細書等を作成し、会計参与報告を作成しなければならない。
  • 会計参与は、その職務を行うため必要があるときであっても、子会社に対して会計に関する報告を求めることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
計算書類の作成(根拠:会社法第374条第1項
誤り
調査権(根拠:会社法第374条第3項

会計参与は取締役と『共同して』計算書類を作る役割です。

会計参与は、取締役と共同して計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類、連結計算書類を作成し、会計参与報告を作成する(会社法374条1項)。会計参与は会計帳簿等の閲覧・謄写や取締役・使用人への会計報告請求ができ(同条2項)、必要があるときは子会社に会計報告を求め、業務・財産の状況を調査できる(同条3項)。会計参与は公認会計士・監査法人又は税理士・税理士法人でなければならず、計算書類の信頼性を高める機関である。

43計算書類の定時株主総会への提出・承認

計算書類に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役は、一定の監査・承認を受けた計算書類及び事業報告を、定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。
  • 定時株主総会に提出された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
提出(根拠:会社法第438条第1項
正しい
承認(根拠:会社法第438条第2項

計算書類は定時株主総会で承認、事業報告は報告です。

取締役は、監査役・会計監査人・取締役会等の監査・承認を受けた計算書類及び事業報告を、定時株主総会に提出・提供しなければならない(会社法438条1項)。提出された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない(同条2項)。一方、事業報告については、取締役がその内容を定時株主総会に報告すれば足りる(同条3項。承認は不要)。計算書類は『承認』、事業報告は『報告』という違いを押さえる(なお会計監査人設置会社で一定要件を満たせば計算書類は報告で足りる場合がある)。

44剰余金の配当に関する事項の決定

剰余金の配当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社が剰余金の配当をするときは、取締役会の決議のみで配当財産の種類・総額等を定めれば足り、株主総会の決議は不要である。
  • 株式会社は、剰余金の配当をしようとするときは、その都度、原則として株主総会の決議によって、配当財産の種類及び帳簿価額の総額等を定めなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
配当の決定機関(根拠:会社法第454条第1項
正しい
配当事項(根拠:会社法第454条第1項

配当は原則、株主総会の決議で決めます。

株式会社は、剰余金の配当をしようとするときは、その都度、原則として株主総会の決議によって、(1) 配当財産の種類及び帳簿価額の総額、(2) 株主への割当てに関する事項、(3) 効力発生日を定めなければならない(会社法454条1項)。一定の要件を満たす会社は取締役会で定めることもできる。あわせて、配当により株主に交付する金銭等の総額は分配可能額を超えてはならない(財源規制。同461条)。決定機関と財源規制の双方を押さえる。

45種類株式

種類株式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、剰余金の配当、残余財産の分配、株主総会において議決権を行使することができる事項等について異なる定めをした、内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。
  • 株式会社が発行できる株式は1種類に限られ、内容の異なる種類の株式を発行することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
種類株式(根拠:会社法第108条第1項
誤り
多様な設計(根拠:会社法第108条第1項

配当や議決権の内容が異なる『種類株式』を発行できます。

株式会社は、(1) 剰余金の配当、(2) 残余財産の分配、(3) 議決権を行使できる事項、(4) 譲渡制限、(5) 取得請求権、(6) 取得条項、(7) 全部取得条項、(8) 拒否権、(9) 取締役・監査役の選任、について異なる定めをした、内容の異なる二以上の種類の株式(種類株式)を発行できる(会社法108条1項)。配当優先株式や議決権制限株式などが典型例で、資金調達や経営の安定化に活用される。

46新株予約権の内容

新株予約権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社が新株予約権を発行する場合、その新株予約権を行使することができる期間を、新株予約権の内容として定める必要はない。
  • 新株予約権の内容として、その行使に際して出資される財産の価額やその算定方法を定める必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
行使期間(根拠:会社法第236条第1項
誤り
内容の法定(根拠:会社法第236条第1項

新株予約権は『内容』として定めるべき事項が法定されています。

新株予約権とは、会社に対して行使することにより株式の交付を受けることができる権利である。株式会社が新株予約権を発行するときは、(1) 目的である株式の数又はその算定方法、(2) 行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法、(3) 行使期間、(4) 取得条項等を、新株予約権の内容として定めなければならない(会社法236条1項)。ストックオプションや買収防衛策等に用いられ、内容として定めるべき事項が法定されている。

47特別支配株主の株式等売渡請求

特別支配株主の株式等売渡請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社の特別支配株主(総株主の議決権の10分の9以上を有する者等)は、他の株主全員に対し、その有する株式の全部を自己に売り渡すことを請求することができる。
  • 特別支配株主の株式売渡請求は、対象会社の他の株主全員の個別の同意がなければ行うことができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
キャッシュアウト(根拠:会社法第179条第1項
誤り
対象会社の承認(根拠:会社法第179条第1項

支配株主が少数株主を金銭で締め出す制度です。

総株主の議決権の10分の9以上を有する特別支配株主は、対象会社の他の株主全員に対し、その有する株式の全部を自己に売り渡すことを請求できる(株式等売渡請求。会社法179条1項。いわゆるキャッシュアウト)。この請求は、対象会社の承認を得て行われ、少数株主の個別の同意は不要である。締め出される少数株主の保護として、売買価格決定の申立てや差止請求等の制度が設けられている。

48公開会社における募集事項の決定

公開会社における募集株式の発行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公開会社では、有利発行に該当する場合等を除き、募集株式の募集事項の決定は、取締役会の決議による。
  • 公開会社が取締役会の決議で募集事項を定めたときは、原則として、払込期日等の2週間前までに、株主に対し当該募集事項を通知(又は公告)しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
機動的な資金調達(根拠:会社法第201条第1項
正しい
株主への情報提供(根拠:会社法第201条第3項

公開会社は機動的に増資できますが、株主への情報提供が要ります。

公開会社は機動的な資金調達のため、有利発行(特に有利な払込金額での発行)に該当する場合等を除き、募集株式の募集事項の決定を取締役会の決議で行うことができる(会社法201条1項。非公開会社は株主総会の特別決議)。ただし、株主が募集の差止め等を検討できるよう、原則として払込期日等の2週間前までに、株主に対し募集事項を通知し又は公告しなければならない(同条3項・4項)。機動性と株主保護のバランスを図る規定である。

49株主名簿の名義書換

株主名簿の名義書換に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式を会社以外の者から取得した者(株式取得者)は、会社に対し、株主名簿記載事項を株主名簿に記載・記録することを請求することができる。
  • 株式を取得しても、会社に対して株主名簿の名義書換を請求することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
名義書換(根拠:会社法第133条第1項
誤り
対抗要件(根拠:会社法第133条第1項

株式を買ったら、会社に名義書換を請求して株主として扱われます。

株式を会社以外の者から取得した者(株式取得者)は、会社に対し、株主名簿記載事項を株主名簿に記載・記録すること(名義書換)を請求できる(会社法133条1項)。原則として、名義書換は名簿上の株主等と共同して請求する(同条2項)。株式の譲渡は名義書換をしなければ会社その他の第三者に対抗できない(同130条)ため、譲受人は名義書換により会社に対して株主としての地位を主張できる。

50特別支配株主(総合)

特別支配株主の株式等売渡請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特別支配株主の株式売渡請求は、対象会社の少数株主全員の同意がなければ行うことができない。
  • 特別支配株主とは、株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
個別同意不要(根拠:会社法第179条第1項
誤り
10分の9以上(根拠:会社法第179条第1項

「過半数」「全員の同意が必要」はどちらも誤りです。

特別支配株主とは、株式会社の総株主の議決権の10分の9(定款で加重可)以上を、当該株主及びその完全子法人等が有している場合の当該株主をいう(会社法179条1項)。過半数ではない。特別支配株主は他の株主全員に株式の売渡しを請求でき、これは対象会社の承認を得て行われるため、締め出される少数株主の個別の同意は不要である。要件(9割以上)と手続(個別同意不要)を正確に押さえる。

51株式会社の設立方法

株式会社の設立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける方法(発起設立)又は発起人が一部を引き受け残りを引き受ける者を募集する方法(募集設立)により設立することができる。
  • 株式会社の設立に際し、各発起人は、設立時発行株式を引き受ける必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
設立方法(根拠:会社法第25条第1項
誤り
発起人の引受義務(根拠:会社法第25条第2項

会社の作り方は発起設立と募集設立の2通りです。

株式会社は、(1) 発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける方法(発起設立)、又は (2) 発起人が一部を引き受け、残りについて引き受ける者を募集する方法(募集設立)により設立できる(会社法25条1項)。各発起人は、設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない(同条2項)。発起人は定款の作成・出資の履行等を行い、設立時取締役による調査等を経て、設立の登記により会社が成立する。

52株式の併合

株式の併合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社が株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、併合の割合や効力発生日等を定めなければならない。
  • 株式の併合は、取締役会の決議のみで行うことができ、株主総会の決議は不要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
株式の併合(根拠:会社法第180条第2項
誤り
決議要件(根拠:会社法第180条第2項

株式の併合は株主に影響が大きいため株主総会決議が要ります。

株式会社は株式の併合(例:2株を1株に)をすることができる(会社法180条1項)。株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議(特別決議)によって、併合の割合、効力発生日、種類株式発行会社では併合する種類、効力発生日における発行可能株式総数を定めなければならない(同条2項)。取締役は併合を必要とする理由を説明する(同条4項)。端数が生じて株主の利益に影響するため、株主総会の関与が求められる。

53定款の絶対的記載事項

株式会社の定款に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社の定款には、目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額又はその最低額・発起人の氏名等を記載しなければならない。
  • 定款に発起人の氏名又は名称及び住所を記載することは、任意である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
絶対的記載事項(根拠:会社法第27条
誤り
記載必須(根拠:会社法第27条

定款には必ず書かなければならない事項があります。

株式会社の定款には、(1) 目的、(2) 商号、(3) 本店の所在地、(4) 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、(5) 発起人の氏名又は名称及び住所、を記載・記録しなければならない(絶対的記載事項。会社法27条)。これらを欠くと定款全体が無効となる。このほか、定款には相対的記載事項(記載しないと効力を生じない変態設立事項等)や任意的記載事項がある。定款は公証人の認証を受けて効力を生じる(同30条)。

54変態設立事項

株式会社の設立における変態設立事項に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 現物出資や財産引受け等の事項は、定款に記載しなくても、当然にその効力を生ずる。
  • 金銭以外の財産を出資する者の氏名・当該財産及びその価額等(変態設立事項)は、定款に記載しなければ、その効力を生じない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
変態設立事項(根拠:会社法第28条
正しい
相対的記載事項(根拠:会社法第28条

現物出資など危険な事項は、定款に書いて初めて有効です。

株式会社の設立に際し、(1) 現物出資(金銭以外の財産の出資)、(2) 財産引受け(成立後に譲り受けることを約した財産)、(3) 発起人が受ける報酬その他の特別の利益、(4) 設立費用は、定款に記載・記録しなければその効力を生じない(変態設立事項・相対的記載事項。会社法28条)。これらは発起人によるお手盛り・会社財産の危険を伴うため、定款への記載と、原則として裁判所が選任する検査役の調査(同33条)が要求される。

55監査役の権限

監査役の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 監査役は、取締役の職務の執行を監査し、法務省令で定めるところにより監査報告を作成しなければならない。
  • 監査役は、いつでも、取締役等に対して事業の報告を求め、又は会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
業務監査(根拠:会社法第381条第1項
正しい
調査権(根拠:会社法第381条第2項

監査役は取締役の仕事をチェックし、強い調査権を持ちます。

監査役は、取締役(会計参与設置会社では取締役・会計参与)の職務の執行を監査し、監査報告を作成しなければならない(会社法381条1項。業務監査・会計監査)。監査役は、いつでも取締役・使用人等に事業の報告を求め、会社の業務・財産の状況を調査でき(同条2項)、必要があるときは子会社調査もできる(同条3項)。取締役の違法行為等に対しては、報告義務・差止請求権(同385条)等も認められ、業務執行の適法性を監督する機関である。

56監査役の子会社調査権

監査役の調査権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 監査役は、その職務を行うため必要があるときであっても、子会社に対して事業の報告を求めることはできない。
  • 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
子会社調査(根拠:会社法第381条第3項
正しい
子会社調査権(根拠:会社法第381条第3項

監査役の調査は、子会社にまで及びます。

監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる(会社法381条3項)。企業集団としての監査の実効性を確保する趣旨である。ただし、子会社は正当な理由があるときは、その報告又は調査を拒むことができる(同条4項)。会計監査人(同396条3項)・会計参与(同374条3項)にも同様の子会社調査権がある。

57株主総会の招集の通知

株主総会の招集の通知に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株主総会を招集するには、取締役は、原則として株主総会の日の2週間前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。
  • 取締役会設置会社においても、株主総会の招集通知は口頭ですれば足り、書面でする必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
招集通知(根拠:会社法第299条第1項
誤り
書面通知(根拠:会社法第299条第2項

株主総会は、原則2週間前までに書面で通知します。

株主総会を招集するには、取締役は、原則として株主総会の日の2週間前まで(公開会社でない株式会社は1週間前まで、取締役会設置会社以外で定款に定めればさらに短縮可)に、株主に対して招集通知を発しなければならない(会社法299条1項)。書面による議決権行使等を定めた場合や取締役会設置会社の場合は、通知は書面(又は株主の承諾を得て電磁的方法)でしなければならない(同条2項・3項)。通知には日時・場所・議題等を記載する(同条4項)。

58事業譲渡等の承認

事業譲渡等の承認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社が事業の全部の譲渡をする場合には、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、その契約の承認を受けなければならない。
  • 事業の重要な一部の譲渡(一定の基準を超えるもの)についても、株主総会の決議による承認が必要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
事業譲渡(根拠:会社法第467条第1項
正しい
重要な一部(根拠:会社法第467条第1項

会社の基礎に関わる事業譲渡には株主総会の承認が要ります。

株式会社は、(1) 事業の全部の譲渡、(2) 事業の重要な一部の譲渡(譲渡資産の帳簿価額が総資産額の5分の1を超えるもの)、(3) 他の会社の事業の全部の譲受け、(4) 事業の全部の賃貸・経営の委任等、(5) 設立後2年以内の事後設立等をする場合には、効力発生日の前日までに、株主総会の決議(特別決議)によってその契約の承認を受けなければならない(会社法467条)。会社の基礎的変更に当たるためである。反対株主には株式買取請求権が認められる(同469条)。

59事業譲渡等の承認(総合)

事業譲渡等の承認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社が事業の全部を譲渡する場合であっても、株主総会の決議による承認は不要である。
  • 他の会社の事業の全部を譲り受ける場合には、譲受会社において株主総会の承認を受ける必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
承認必要(根拠:会社法第467条第1項
誤り
譲受けも承認(根拠:会社法第467条第1項

事業の譲渡だけでなく、事業の譲受けも承認が要ります。

事業譲渡等の承認(会社法467条)は、譲渡側だけでなく譲受側にも及ぶ。事業の全部の譲渡(467条1項1号)、事業の重要な一部の譲渡(同項2号)に加え、他の会社の事業の全部の譲受け(同項3号)にも、株主総会の特別決議による承認が必要である。いずれも会社の事業の基礎的変更を伴うためである。なお、略式・簡易の手続による例外(同468条)もある。

60競業取引の承認機関

取締役会非設置会社における取締役の競業取引の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役が第三者のために会社の事業の部類に属する取引をしようとする場合であっても、自己のためにする場合と異なり、株主総会の承認を受ける必要はない。
  • 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするときは、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
自己/第三者の区別による誤解を突く(根拠:会社法第356条第1項第1号
正しい
承認機関と開示義務を正確に問う(根拠:会社法第356条第1項

『第三者のためなら自由』が罠

競業取引規制は、取締役が会社の取引先や顧客情報を利用して会社と競合する取引を行い会社の利益を奪うことを防ぐ趣旨である。『自己のために』だけでなく『第三者のために』する場合も含むのは、名義を他人にして規制を潜脱することを防ぐためである。承認機関は取締役会設置会社では取締役会、非設置会社では株主総会となる。

61利益相反取引(間接取引)

取締役と会社の利益相反取引に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役が自己のために会社と直接取引をしようとするときは、重要な事実の開示は不要であり、株主総会の承認のみを受ければよい。
  • 株式会社が取締役の債務を保証する場合のように、会社と取締役以外の者との間において会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするときも、株主総会の承認を受けなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
開示義務の省略可否を突く(根拠:会社法第356条第1項
正しい
直接取引だけでなく間接取引も対象と問う(根拠:会社法第356条第1項第3号

『承認さえあれば開示不要』が罠

利益相反取引には、取締役自身が会社の相手方となる直接取引(2号)と、会社が取締役の債務を保証するなど形式的には第三者との取引だが実質的に取締役の利益と相反する間接取引(3号)がある。いずれも会社の犠牲で取締役が利益を得る危険があるため、重要事実を開示したうえで承認を要する。開示は承認判断の前提であり省略できない。

62取締役の報酬の決定

取締役の報酬等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役の報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法を定める必要はなく、取締役会に一任することができる。
  • 取締役の報酬等のうち額が確定しているものについては、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によってその額を定める。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
取締役会一任という誤解を突く(根拠:会社法第361条第1項第2号
正しい
報酬決定の機関を正確に問う(根拠:会社法第361条第1項

『不確定なら取締役会一任でよい』が罠

取締役の報酬は取締役自身が決めるとお手盛りの危険があるため、定款又は株主総会の決議で定めることとされている。額が確定しているものはその額を、確定していないものは具体的な算定方法を定める必要がある。賞与その他職務執行の対価として受ける財産上の利益も報酬等に含まれる点に注意する。

63取締役会の決議要件

取締役会の決議に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 定款の定めによっても、取締役会の決議要件を法定の過半数より加重することはできない。
  • 取締役会の決議は、原則として議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
定款による加重の可否を突く(根拠:会社法第369条第1項
正しい
取締役会の原則的決議要件を問う(根拠:会社法第369条第1項

『法定要件は変えられない』が罠

取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数の出席(定足数)と、出席取締役の過半数の賛成(決議要件)で成立する。これは原則であり、定款でこれを上回る割合を定めて要件を加重することが認められている。逆に法定要件より緩和することはできない点に注意する。

64特別利害関係取締役

取締役会の決議における特別利害関係を有する取締役に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、その決議について議決に加わることができる。
  • 取締役会の決議に参加した取締役であって議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
議決権行使の可否を逆にして突く(根拠:会社法第369条第2項
正しい
議事録への異議と責任の関係を問う(根拠:会社法第369条第5項

『利害関係があっても議決できる』が罠

取締役会の決議において特別の利害関係を有する取締役は、会社の利益より自己の利益を優先するおそれがあるため議決に加わることができない。また、決議に参加した取締役は、議事録に異議をとどめないと決議に賛成したものと推定され、賛成した取締役として責任を問われうる。反対するなら議事録に異議をとどめておくことが重要である。

65役員等の対会社責任

役員等の株式会社に対する損害賠償責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
  • 取締役が356条1項の規定に違反して競業取引をしたときは、当該取引によって取締役や第三者が得た利益の額が会社の損害の額と推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
責任の主体と発生要件を正確に問う(根拠:会社法第423条第1項
正しい
損害額の推定規定を問う(根拠:会社法第423条第2項

両方正しいパターンに注意

役員等は任務を怠った(任務懈怠)ときに会社に対し損害賠償責任を負う。会社が損害額を立証するのは困難なことが多いため、取締役が競業取引規制に違反した場合には、その取引で取締役や第三者が得た利益の額が会社の損害額と推定され、立証負担が軽減される。これにより取締役の責任追及が実効的になる。

66役員等の対第三者責任

役員等の第三者に対する損害賠償責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 役員等がその職務を行うについて軽過失があったにとどまる場合でも、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
  • 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
必要な主観要件を軽くして突く(根拠:会社法第429条第1項
正しい
正しい主観要件を確認させる(根拠:会社法第429条第1項

『軽過失でも責任』が罠

役員等の第三者に対する責任は、職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときに発生する。会社に対する任務懈怠責任とは異なり、軽過失では足りず、悪意又は重過失という加重された主観要件が課されている。これは取締役の対第三者責任を一般不法行為とは別に特別に定めたもので、第三者保護と取締役の活動萎縮防止のバランスを図っている。

67役員の解任

役員及び会計監査人の解任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 役員及び会計監査人は、正当な理由がある場合に限り、株主総会の決議によって解任することができる。
  • 解任された役員は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
解任に正当理由が必要という誤解を突く(根拠:会社法第339条第1項
正しい
解任の自由と損害賠償の関係を問う(根拠:会社法第339条第2項

『正当理由がないと解任できない』が罠

役員の解任は、株主総会の決議によりいつでも理由を問わず行うことができる。会社と役員の信頼関係を重視する趣旨である。ただし、正当な理由なく解任された役員は、残任期分の報酬等について会社に損害賠償を請求できる。『解任の自由』と『損害賠償の要否』は別の次元の問題であり、解任できることと賠償が発生しないこととは区別する必要がある。

68報酬等の意義と決定

取締役の報酬等の意義と決定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 報酬等のうち額が確定しているものについては、定款で定めていない場合であっても、株主総会の決議を経ることなく取締役会限りで定めることができる。
  • 報酬や賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益は、報酬等として361条の規律の対象となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
決定機関を取締役会にすり替えて突く(根拠:会社法第361条第1項
正しい
報酬等の範囲を正確に問う(根拠:会社法第361条第1項

『取締役会で報酬を決められる』が罠

報酬等とは、報酬・賞与その他職務執行の対価として会社から受ける財産上の利益をいい、名目を問わず実質的に対価といえるものが含まれる。その決定はお手盛り防止のため定款又は株主総会の決議によることとされ、取締役会限りで決めることはできない。決定機関を取締役会とするひっかけに注意する。

69利益相反取引と取締役会決議

取締役の利益相反取引と取締役会の決議に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取締役が自己又は第三者のために会社と取引をしようとするときは、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
  • 会社と利益相反取引をしようとする取締役は、その承認に係る取締役会の決議において、特別の利害関係を有する取締役にあたらず議決に加わることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
直接取引の規律を正確に問う(根拠:会社法第356条第1項第2号
誤り
特別利害関係への該当を否定して突く(根拠:会社法第369条第2項

『当事者も承認決議に加われる』が罠

取締役が自己又は第三者のために会社と取引する直接取引は、重要事実を開示して承認を受ける必要がある。取締役会設置会社ではこの承認は取締役会で行うが、当該取引の当事者である取締役は特別の利害関係を有するため、その承認決議において議決に加わることができない。承認手続と議決排除はセットで理解する必要がある。

70株主に対する剰余金の配当

剰余金の配当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社は、その株主に対し、剰余金の配当をすることができる。ただし、当該株式会社自身は配当を受ける株主から除かれる。
  • 株式会社は、当該株式会社自身が保有する自己株式に対しても、剰余金の配当をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
括弧書の除外を確認(根拠:会社法第453条
誤り
除外規定を無視させる(根拠:会社法第453条

自己株式にも配当できると誤りやすい

株式会社は株主に対して剰余金の配当をできますが、条文の括弧書で「当該株式会社を除く」とされ、会社が保有する自己株式には配当されません。会社が自分自身に配当しても意味がないためです。括弧書の除外を読み落とさないようにしましょう。

71資本金の額の原則

資本金の額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株式会社の資本金の額は、別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。
  • 払込み又は給付に係る額の三分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
資本金の原則額を確認(根拠:会社法第445条第1項
誤り
割合(二分の一)を改変する(根拠:会社法第445条第2項

三分の一まで計上不要と数字を誤りやすい

資本金は原則として株主が払込み・給付した財産の額です。ただし、その二分の一を超えない額は資本金に計上しないことができ、その分は準備金に回ります。「二分の一」という数字を「三分の一」などにすり替えるひっかけに注意しましょう。

72資本準備金への計上

資本準備金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 払込み又は給付に係る額のうち資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。
  • 資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上するか否かを会社が任意に選べる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
準備金計上の義務を確認(根拠:会社法第445条第3項
誤り
義務(しなければならない)を任意に弱める(根拠:会社法第445条第3項

準備金計上を任意と誤りやすい

資本金に計上しなかった額は、宙に浮くのではなく資本準備金として必ず計上しなければなりません。会社の財産的基礎を守る趣旨で、計上は任意ではなく義務です。「任意に選べる」とする選択肢が条文の義務規定を弱めるひっかけになります。

73株主総会の普通決議の定足数と多数決要件

株主総会の普通決議に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株主総会の普通決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
  • 株主総会の普通決議は、定款の定めの有無にかかわらず、常に議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主の出席を要し、定款によってこの定足数を引き下げることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
普通決議の原則的な定足数・表決数を正しく述べている。(根拠:会社法第309条第1項
誤り
定款による別段の定めを認める条文を無視している点が誤り。(根拠:会社法第309条第1項

条文の冒頭句を見落とす誤り

第309条第1項は普通決議の原則を定める。定足数は議決権の過半数を有する株主の出席、表決は出席株主の議決権の過半数である。ただし冒頭の『定款に別段の定めがある場合を除き』により、定款で別段の定めが可能である。

74株主総会の特別決議の要件

株主総会の特別決議に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 一定の重要事項に係る株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
  • 特別決議の定足数は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数とされ、三分の一以上の割合を定款で定めた場合であっても、これを過半数より引き下げることは一切できない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
特別決議の表決数(三分の二以上)を正しく述べている。(根拠:会社法第309条第2項
誤り
定款による定足数緩和の括弧書を無視している点が誤り。(根拠:会社法第309条第2項

括弧書の緩和規定を見落とす誤り

第309条第2項は特別決議の要件を定める。定足数は議決権の過半数を有する株主の出席が原則だが、括弧書により定款で三分の一以上まで緩和できる。表決は出席株主の議決権の三分の二以上で、定款で加重できる。

75普通決議と特別決議の表決数の区別

株主総会の決議要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 株主総会の普通決議は、出席した当該株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
  • 一定の重要事項に係る株主総会の決議は、出席した当該株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
普通決議の表決数を特別決議の三分の二以上と取り違えている点が誤り。(根拠:会社法第309条第1項
正しい
特別決議の表決数を正しく述べている。(根拠:会社法第309条第2項

表決数の取り違え

第309条は第1項で普通決議(過半数)、第2項で特別決議(三分の二以上)を定める。三分の二以上を要するのは特別決議のみであり、両者の表決数を混同しないことが重要である。

76特別決議における定款による加重

株主総会の特別決議における定款の定めに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特別決議の表決数について、三分の二を上回る割合を定款で定めた場合には、その割合以上に当たる多数をもって決議を行わなければならない。
  • 特別決議の表決数は法律で三分の二以上と固定されており、定款によってこれより重い割合を定めることは認められていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
定款による表決数の加重を認める括弧書を正しく述べている。(根拠:会社法第309条第2項
誤り
定款による表決数の加重を否定している点が誤り。(根拠:会社法第309条第2項

加重不可と決めつける誤り

第309条第2項の括弧書は、特別決議の表決数について定款で三分の二を上回る割合を定めることを認める。三分の二以上は最低ラインであり、定款で加重はできるが緩和はできない。

77反対株主の株式買取請求の相手方と価格

吸収合併等における反対株主の株式買取請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
  • 吸収合併等をする場合の反対株主の株式買取請求は、存続株式会社等ではなく、当該反対株主が取引した相手方たる第三者に対して行わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
買取請求の相手方と価格を正しく述べている。(根拠:会社法第797条
誤り
請求の相手方を第三者とする点が条文に反し誤り。(根拠:会社法第797条

相手方を取り違える誤り

第797条は吸収合併等の反対株主に株式買取請求権を認める。請求の相手方は存続株式会社等であり、価格は公正な価格である。相手方を第三者と取り違えないこと。

78買取請求の価格基準

反対株主の株式買取請求の価格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 吸収合併等に反対する株主が株式買取請求をする場合、その買取りは公正な価格によって行われる。
  • 吸収合併等に反対する株主の株式買取請求においては、買取りの価格は当該株式の額面金額によることとされている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
買取価格の基準を正しく述べている。(根拠:会社法第797条
誤り
買取価格の基準を額面金額とする点が条文に反し誤り。(根拠:会社法第797条

価格基準の誤り

第797条は反対株主の株式買取請求の価格を『公正な価格』と定める。額面金額や取得価額が基準ではなく、合併等の効力発生を踏まえた公正な価格による点を押さえる。