問1株主有限責任と株式譲渡自由の原則e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の株主に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。
- イ.株主は、その有する株式を譲渡することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 104条どおり株主有限責任 → 正しい
会社法第104条「株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 127条どおり株式譲渡自由 → 正しい
会社法第127条「株主は、その有する株式を譲渡することができる。」一次資料を確認
ひっかけ倒産したら株主も会社の借金を背負う、という思い込みを外せるか。株主の負担は出資額どまりで、アはそのとおり。
解説株主が会社の債務についてどこまで負担するかは、出資した株式の引受価額が限度であり、それを超えて個人で責任を負うことはない(会社法104条・株主有限責任)。だから会社が倒産しても株主は出資分を失うだけで、アは条文どおり正しい。手にした株式を手放す自由も保障されており、株主はその有する株式を譲渡することができる(127条)。出資した資金を回収する道(投下資本の回収)を確保する趣旨で、イも正しい。両方正しく、答えは『アー正、イー正』。
補足127条の譲渡自由には例外があり、定款で会社の承認を要する譲渡制限株式とすることもできる(原則は自由、制限は定款で個別に設定)。
問2株主総会の権限e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役会設置会社における株主総会の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会設置会社においては、株主総会は、会社法に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
- イ.会社法上、株主総会の決議を必要とする事項について、取締役会が決定できる旨を定款で定めれば、その定款の定めは有効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 取締役会設置会社の株主総会は、会社法に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる(会社法295条2項)。例えば、取引先の選び方のような日常の業務の決定は、取締役会の役割で、総会の決議事項ではない。
会社法第295条第2項「取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 株主総会の決議を必要とする事項(会社法が総会の決議を要求している事項)について、株主総会以外の機関が決定できるとする定款の定めは、効力を有しない(同条3項)。例えば、「取締役の選任は取締役会が決める」と定款に書いても無効で、選任は総会の決議による。
会社法第295条第3項「株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。」一次資料を確認
ひっかけ株主総会は最高機関だから何でも決められる、と一律に考えるとアでつまずく。取締役会があると決議事項は絞られる。
解説株主総会が何を決められるかは機関設計で変わる。取締役会設置会社では機動的な経営を取締役会に委ねるため、株主総会が決議できるのは会社法に規定する事項と定款で定めた事項に限られる(会社法295条2項)。アはこの限定どおりで正しい。一方、本来株主総会が決めるべき事項を取締役会など別の機関が決定できるとする定款の定めは、効力を有しない(同条3項)。株主の根幹の権限まで取り上げることは許されないからで、その定款を有効とするイは誤り。アが正、イが誤りだから『アー正、イー誤』。
補足取締役会を置かない会社なら株主総会は一切の事項を決議できる万能機関で(295条1項)、権限が限定されるのは取締役会設置会社の場合に限られる。
問3役員の選任と取締役の資格e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の役員に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役その他の役員は、取締役会の決議によって選任する。
- イ.法人は、取締役となることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 取締役などの役員は、株主総会の決議によって選任する(会社法329条1項)。取締役会の決議ではない。例えば、新しい取締役を選ぶのは、取締役会ではなく、株主総会である。
会社法第329条第1項「株主総会の決議によって選任する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 法人は、取締役となることができない(同法331条1項1号)。取締役になれるのは自然人に限られる。例えば、他の会社を取締役に選任することはできない。
会社法第331条第1項「次に掲げる者は、取締役となることができない。」一次資料を確認
ひっかけ経営の人事は取締役会、と早合点するとアを取り違える。役員を選ぶのは株主総会のほう。
解説取締役・会計参与・監査役をまとめて役員といい、これらを選ぶのは株主総会の決議である(会社法329条1項)。会社の所有者である株主が経営を委ねる相手を選ぶ構造で、選任機関を取締役会とするアは誤り。取締役の資格についても制限があり、法人は取締役となることができない(331条1項1号)。取締役は会社の業務執行に関する判断を自ら下す立場で、自然人であることが求められるためで、法人はなれないとするイは正しい。アが誤りでイが正しく、答えは『アー誤、イー正』。
補足代表取締役の選定は取締役会(または取締役の互選等)が行うが、その前提となる取締役そのものは株主総会が選ぶ、という順序の違いに注意。
問4取締役会の権限e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役会設置会社の取締役会に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会は、重要な財産の処分及び譲受けの決定を、各取締役に委任することができる。
- イ.取締役会は、すべての取締役で組織し、代表取締役の選定及び解職を行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 重要な財産の処分及び譲受けなどの重要な業務執行の決定は、取締役に委任できず、取締役会が決定する(会社法362条4項1号)。例えば、会社の主力工場の売却を、社長一人に任せることはできない。
会社法第362条第4項「重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。」一次資料を確認
会社法第362条第4項第1号「重要な財産の処分及び譲受け」一次資料を確認
- イ.正しい
- 取締役会は、すべての取締役で組織され(同条1項)、代表取締役の選定及び解職を行う(同条2項3号)。例えば、社長(代表取締役)を新たに選ぶ権限は、取締役会にある。
会社法第362条第1項「取締役会は、すべての取締役で組織する。」一次資料を確認
会社法第362条第2項第3号「代表取締役の選定及び解職」一次資料を確認
ひっかけ効率重視で重要な決定も社長に丸投げできる、と考えるとアで外す。重要な業務執行は取締役会の手元に残る。
解説取締役会設置会社では、取締役会はすべての取締役で組織され(会社法362条1項)、業務執行の決定・取締役の職務執行の監督・代表取締役の選定および解職を行う(同条2項)。組織と権限をこのとおり述べるイは正しい。日常の業務執行は代表取締役らに任せられるが、会社への影響が大きい重要な業務執行の決定は取締役会自身が行わねばならず、各取締役には委任できない(同条4項)。その筆頭が1号の重要な財産の処分および譲受けで、これを各取締役に委任できるとするアは誤り。アが誤りでイが正しいから『アー誤、イー正』。
補足委任できない重要事項は1号の重要財産の処分・譲受けに限らず、多額の借財や支配人など重要な使用人の選任・解任、支店等の重要な組織の設置・変更・廃止も4項各号に並ぶ。
問5代表取締役の権限e-Gov等の一次資料で確認済み
代表取締役の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代表取締役の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対しても対抗することができる。
- イ.代表取締役は、株式会社の業務に関する裁判外の行為についてのみ権限を有し、裁判上の行為をする権限はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 代表取締役の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗できない(会社法349条5項)。例えば、社内で「1,000万円以上の契約は取締役会の承認を要する」と決めていても、そのことを知らない取引先に対しては、制限を理由に契約の効力を否定できない。
会社法第349条第5項「前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する(同条4項)。裁判外の行為に限られず、訴えの提起などの裁判上の行為もできる。
会社法第349条第4項「株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。」一次資料を確認
ひっかけ社内で代表権に枠をはめれば取引相手にも主張できる、というのがアの落とし穴。事情を知らない相手には通らない。
解説代表取締役は、会社の業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を持つ(会社法349条4項・包括的代表権)。契約締結などの取引行為だけでなく訴訟行為も含む広い権限で、裁判上の行為の権限はないとするイは誤り。会社が内部規程や取締役会決議でこの代表権に制限(たとえば一定額以上の取引は事前承認を要する等)を加えても、その制限は善意の第三者に対抗することができない(同条5項)。取引相手は会社内部の事情を知り得ないのが通常で、取引の安全を守る必要があるからで、善意の第三者にも対抗できるとするアも誤り。両方誤りで『アー誤、イー誤』。
補足5項で守られるのは善意の第三者であり、制限を知っていた相手(悪意)に対しては内部制限を主張できる。
問6株式会社の設立方法e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の設立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、発起設立又は募集設立のいずれかの方法により設立することができる。
- イ.各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 25条1項が2つの設立方法を定める → 正しい
会社法第25条第1項「株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 25条2項どおり発起人は最低1株引受 → 正しい
会社法第25条第2項「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ発起設立と募集設立、どちらでも発起人が最低1株引き受ける点は共通。そこを境界に置いて読む問題。
解説株式会社の作り方は2通りある(会社法25条1項)。発起人が設立時発行株式の全部を引き受けるのが発起設立、発起人が一部を引き受けたうえ残りを引き受ける株主を募集するのが募集設立で、この2方法のいずれかとするアは正しい。どちらの方法でも、各発起人は設立に際して設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない(同条2項)。発起人は会社設立の企画者であり、自らも出資者になることが求められるからで、1株以上の引受義務を述べるイも正しい。両方正しく、答えは『アー正、イー正』。
補足募集設立では設立時株主を集めて創立総会を開く手続が加わるぶん手間が増え、中小の会社設立では手続の簡素な発起設立が多く使われる。
問7株主の権利e-Gov等の一次資料で確認済み
株主の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主は、その有する株式につき、剰余金の配当を受ける権利及び株主総会における議決権を有する。
- イ.株主に剰余金の配当を受ける権利及び残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない旨を定款で定めた場合、その定めは有効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 105条1項どおり株主の基本的権利 → 正しい
- イ.誤り
- 105条2項でその定款の定めは無効 → 有効ではない
会社法第105条第2項「株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。」一次資料を確認
ひっかけイが落とし穴。配当と残余財産の両方を全部奪う定款は、定めても効力がない。
解説株主は出資の見返りとして、剰余金の配当を受ける権利及び株主総会における議決権を持つ(会社法105条1項)。前者は経済的利益を得る自益権、後者は経営に参加する共益権で、アはこの基本的権利の内容をそのまま述べており正しい。ところがイは、剰余金配当を受ける権利と残余財産の分配を受ける権利の全部を株主に与えない旨の定款の定めも有効だとする。この点、両方の権利の全部を与えない定款の定めは、その効力を有しない(同条2項)。出資者である意味を失わせるからである。よってイは誤り。種類株式で配当か残余財産の一方を制限することはできるが、経済的権利を丸ごと奪う設計だけは認められない。
補足無効になるのは配当・残余財産分配の『全部』を奪う定款。一方だけを与えない種類株式(無配当株など)は適法に設計できる。
問8取締役の忠実義務と競業・利益相反取引e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引(競業取引)をしようとするときは、その取引につき重要な事実を開示して承認を受けなければならない。
- イ.取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 356条1項1号どおり競業避止 → 正しい
会社法第356条第1項「当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。」一次資料を確認
会社法第356条第1項第1号「株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき」一次資料を確認
- イ.正しい
- 355条の忠実義務どおり → 正しい
会社法第355条「取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。」一次資料を確認
ひっかけアもイも条文の素直な言い換え。どこにも引っかけはなく、ともに正しい。
解説取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない(会社法355条の忠実義務)。イはこの条文どおりで正しい。この義務の具体化として、会社の利益を犠牲に自己や第三者の利益を図る危険のある取引が規制される。取締役が自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引(競業取引)をしようとするときは、その取引につき重要な事実を開示し、承認を受けなければならない(356条1項1号)。アはこの競業取引の規制どおりで正しい。よってアもイも正しい。承認を与える機関は株主総会だが、取締役会設置会社では取締役会に読み替えられる(365条1項)。
補足承認機関は会社の機関設計で変わる。356条は株主総会の承認とするが、取締役会設置会社では取締役会の承認に読み替えられる(365条1項)。
問9取締役の解任e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役の解任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役を解任するには正当な理由が必要であり、正当な理由がなければ、株主総会の決議によっても取締役を解任することはできない。
- イ.正当な理由がないのに解任された取締役は、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 会社法339条1項は、役員をいつでも株主総会の決議で解任できるとする。正当な理由は解任そのものの要件ではなく、理由なく解任した場合の損害賠償問題として後から処理される。
会社法第339条第1項「いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 任期途中の解任を自由に認める一方、正当な理由なく解任された役員の期待利益を放置しないため、会社法339条2項は損害賠償請求を認める。解任の有効性と損害賠償の有無を分けるのがポイント。
会社法第339条第2項「正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。」一次資料を確認
ひっかけ解任に正当理由は要らない。正当理由が問題になるのは、解任の可否ではなく損害賠償の場面です。
解説役員は、いつでも株主総会の決議によって解任することができる(会社法339条1項)。会社の所有者である株主が、信頼できない経営者を理由を問わず外せるようにする趣旨で、解任に正当な理由は要らない。アはこの『いつでも』に反し、正当理由がなければ解任できないとする点で誤り。もっとも、解任が自由だからといって役員が無防備というわけではなく、任期途中で正当な理由なく解任された役員は、会社に対し、解任によって生じた損害(残りの任期分の報酬相当額など)の賠償を請求できる(同条2項)。地位を奪う自由は認めつつ、不意に職を失う役員の不利益は金銭で調整する。イは339条2項どおりで正しい。よってアは誤りで、イは正しい。解任そのものの可否(339条1項)と、不当解任の後始末(339条2項)は別の話として整理される。
補足同じ解任でも監査役の解任は株主総会の特別決議が必要で(会社法343条4項・309条2項7号)、普通決議で足りる取締役とは違う。監査役の地位を強くして独立性を保つ趣旨。
問10監査役の権限と取締役の任期e-Gov等の一次資料で確認済み
監査役及び取締役に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.監査役は、会社の会計の監査を行うのみで、取締役の職務の執行を監査する権限はない。
- イ.取締役の任期は、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までが原則である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 381条1項で取締役の職務執行を監査する → 権限はある
会社法第381条第1項「監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 332条1項は原則2年 → 10年は誤り(非公開会社で定款により最長10年に伸長可)
会社法第332条第1項「取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。」一次資料を確認
ひっかけ監査役の監査は会計だけでなく業務にも及びます。取締役の任期の原則は2年で、10年は非公開会社の上限です。
解説監査役の監査は、会計の数字を見る会計監査だけにとどまらない。監査役は、取締役(会計参与設置会社では取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する機関であり(会社法381条1項)、取締役が法令・定款を守って職務を行っているかを見る業務監査にも及ぶ。アは監査役を会計監査専門と狭く捉える点で誤り。次に取締役の任期は、原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までである(332条1項)。イはこれを10年とするが、10年は非公開会社が定款で伸長できる上限(同条2項)であって原則ではないため誤り。アもイも条文の原則を外しており、『アー誤、イー誤』。任期の数字は、原則2年・非公開会社の上限10年という対応で正誤が決まる。
補足同じ会社の役員でも監査役の任期は原則4年で、取締役と違って定款・決議による短縮ができない(会社法336条1項)。独立性を守るための身分保障。
問11株式の譲渡制限と譲渡承認の手続e-Gov等の一次資料で確認済み
譲渡制限株式の譲渡承認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、その他人が当該株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
- イ.株式会社が譲渡等の承認をするか否かの決定をするには、必ず株主総会の決議によらなければならず、取締役会設置会社であっても取締役会の決議によることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 譲渡制限株式の株主は、その株式を他人に譲り渡そうとするときは、会社に対し、その他人が株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求できる(会社法136条)。例えば、株主Aが知人Bに株式を売りたいとき、Aは会社に対して、Bへの譲渡を承認するかどうかの決定を求められる。
会社法第136条「承認をするか否かの決定をすることを請求することができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 承認をするか否かの決定は、株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の決議によらなければならない(会社法139条1項本文)。取締役会設置会社なら、取締役会の決議で足りる。「必ず株主総会」と言い切る点が誤りである。なお、定款で別段の定めを置くこともできる(同項ただし書)。
会社法第139条第1項「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない」一次資料を確認
ひっかけアは条文どおり。イは「必ず株主総会」と言い切る点に引っかけがある。
解説譲渡制限株式とは、譲渡による取得について会社の承認を要する旨を定めた株式である(会社法2条17号)。その株主は、株式を他人に譲り渡そうとするとき、会社に対し承認をするか否かの決定を請求できる(136条)。アはこの請求権どおりで正しい。承認をするか否かの決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては取締役会)の決議による(139条1項)。したがって承認機関は機関設計で変わり、取締役会設置会社では取締役会が決定する。「常に株主総会で、取締役会では不可」とするイは誤り。よってアは正しく、イは誤り。
補足139条1項ただし書により、定款で別段の定めを置けば承認機関を代表取締役等に変えることもできる。
問12株主総会の決議要件(普通決議と特別決議)e-Gov等の一次資料で確認済み
株主総会の決議の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主総会の普通決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
- イ.定款変更など会社法が定める一定の重要事項についての特別決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 309条1項の普通決議の要件どおり → 正しい
会社法第309条第1項「出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う」一次資料を確認
- イ.正しい
- 309条2項の特別決議の要件どおり → 正しい
会社法第309条第2項「出席した当該株主の議決権の三分の二」一次資料を確認
ひっかけアもイも条文どおりで、ともに正しい。数字を入れ替える引っかけに注意。
解説株主総会の普通決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う(会社法309条1項)。アはこの普通決議の要件どおりで正しい。一方、定款変更や合併など会社法が列挙する重要事項は特別決議により、出席株主の議決権の3分の2以上に当たる多数を要する(同条2項)。イはこの特別決議の要件どおりで正しい。よってアもイも正しい。可決に必要な賛成割合が普通決議と特別決議で異なる点を押さえる。
補足特別決議の定足数(過半数)は定款で3分の1以上まで引き下げられ、可決要件の3分の2は定款で引き上げられる(309条2項)。
問13剰余金の配当の決定と分配可能額の制限e-Gov等の一次資料で確認済み
剰余金の配当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、株主総会の決議を経ることなく、取締役の決定のみで随時、剰余金の配当をすることができる。
- イ.剰余金の配当により株主に対して交付する金銭等の帳簿価額の総額は、その効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 454条1項は株主総会決議を要求 → 「取締役の決定のみ」は誤り
会社法第454条第1項「その都度、株主総会の決議によって」一次資料を確認
- イ.正しい
- 461条1項の財源規制どおり → 正しい
ひっかけアは決定機関を取締役だけにしている点が引っかけ。イは財源規制の条文どおり。
解説株式会社が剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、配当財産の種類・帳簿価額の総額などの事項を定めなければならない(会社法454条1項)。したがって取締役の決定のみで随時配当できるとするアは誤り。一方、配当等により株主に対して交付する金銭等の帳簿価額の総額は、その効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない(461条1項)。これは会社財産を確保し債権者を保護する財源規制であり、イはこの規制どおりで正しい。よってアは誤りで、イは正しい。
補足取締役会設置会社は定款で定めれば年1回の中間配当を取締役会決議でできる(454条5項)。また会計監査人設置会社等は要件を満たせば配当決定を取締役会に委ねられる(459条)。
問14監査役の兼任禁止と任期e-Gov等の一次資料で確認済み
監査役に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.監査役は、その会社の取締役を兼ねることはできないが、その会社の子会社の取締役や支配人その他の使用人を兼ねることは認められている。
- イ.監査役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までが原則である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない(会社法335条2項)。自社の取締役だけでなく、子会社の取締役や使用人との兼任も禁止される。例えば、親会社の監査役が子会社の経理部長を兼ねることはできない。
会社法第335条第2項「監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人」一次資料を確認
会社法第335条第2項「兼ねることができない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 監査役の任期は、原則として選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までである(同336条1項)。取締役の原則2年と混同しやすい。例外として、公開会社でない株式会社は、定款で選任後10年以内まで伸ばせる(同条2項)。
会社法第336条第1項「選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする」一次資料を確認
ひっかけアは「子会社ならよい」、イは「2年」と、いずれも数字・範囲をずらした引っかけ。
解説監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人、又は子会社の会計参与・執行役を兼ねることができない(会社法335条2項)。監査の独立性を確保する趣旨であり、子会社の取締役・使用人の兼任も禁止される。よって「子会社なら兼任可」とするアは誤り。また監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までが原則である(336条1項)。取締役の原則2年より長く設定され、監査役の地位の安定を図っている。任期を2年とするイは誤り。よってアもイも誤り。
補足公開会社でない株式会社は、定款で監査役の任期を選任後10年以内まで伸長できる(336条2項)。任期を短縮することは原則できない。
問15会社の種類と持分会社の社員の責任e-Gov等の一次資料で確認済み
持分会社の社員の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.合同会社の社員は、その全部が有限責任社員であり、有限責任社員は、その出資の価額を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。
- イ.合名会社を設立する場合には、その定款に、社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 576条4項(全部有限責任)+580条2項(出資額限度)どおり → 正しい
会社法第576条第4項「その社員の全部を有限責任社員とする旨」一次資料を確認
会社法第580条第2項「有限責任社員は、その出資の価額」一次資料を確認
- イ.正しい
- 576条2項どおり合名会社は全員無限責任 → 正しい
会社法第576条第2項「その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し」一次資料を確認
ひっかけアもイも会社の種類ごとの社員の責任を正しく述べており、ともに正しい。
解説持分会社(合名会社・合資会社・合同会社の総称)の社員の責任は種類ごとに異なる。合同会社は、定款で社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならず(会社法576条4項)、有限責任社員は出資の価額を限度として会社の債務を弁済する責任を負う(580条2項)。アはこのとおりで正しい。合名会社は、定款で社員の全部を無限責任社員とする旨を記載・記録しなければならない(576条2項)。イはこのとおりで正しい。よってアもイも正しい。なお合資会社は無限責任社員と有限責任社員の両方で構成される(576条3項)。
補足合資会社は無限責任社員と有限責任社員の両方で構成される(576条3項)。3種類のうち中間にあたる。
問16株式会社の定款作成e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の定款作成に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員が署名又は記名押印しなければならない。
- イ.株式会社は、定款を作成しなくても設立できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法第26条第1項の「株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し」と一致するため正しい。
会社法第26条第1項「株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
会社法第26条第1項「株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し」一次資料を確認
ひっかけ会社は定款なしでも作れる、と考えるとイを正しいと誤る。株式会社の設立には発起人による定款の作成が必要。
解説株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない(会社法26条1項)。定款は会社の組織や運営の根本ルールを定める基本文書で、設立の出発点になる。アはこのとおりで正しい。イは定款を作成しなくても設立できるとするが、26条1項に反し誤り。まず定款を作ることが設立手続の第一歩である。
補足発起人が作成した定款(原始定款)は、原則として公証人の認証を受けなければ効力を生じない(30条1項)。定款には、目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額など、必ず記載すべき絶対的記載事項がある(27条)。
問17株主平等原則e-Gov等の一次資料で確認済み
株主平等原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、株主をその有する株式の内容及び数に応じて平等に取り扱わなければならない。
- イ.株式会社は、同じ内容・数の株式を持つ株主を理由なく不平等に扱ってよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法第109条第1項の「株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない」と一致するため正しい。
会社法第109条第1項「株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
会社法第109条第1項「株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない」一次資料を確認
ひっかけ会社は株主を自由に差別してよい、と考えるとイを正しいと誤る。株式の内容・数に応じた平等取扱いが求められる。
解説株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない(会社法109条1項)。これを株主平等原則という。持株数が多ければそれに比例した扱いを受けるという意味での平等で、頭数の平等ではない。アはこのとおりで正しい。イは同じ内容・数の株式を持つ株主を理由なく不平等に扱ってよいとするが、株主平等原則に反し誤り。多数派株主が少数派株主を不当に扱うことを防ぐ基本原則である。
補足ただし非公開会社(全株式に譲渡制限のある会社)では、剰余金の配当や議決権などについて、株主ごとに異なる取扱いをする旨を定款で定めることができる(属人的定め。109条2項)。
問18株式譲渡自由の原則e-Gov等の一次資料で確認済み
株式譲渡自由の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主は、原則としてその有する株式を譲渡することができる。
- イ.株主は、法律上いかなる場合も株式を譲渡することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法第127条の「株主は、その有する株式を譲渡することができる」と一致するため正しい。
会社法第127条「株主は、その有する株式を譲渡することができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
会社法第127条「株主は、その有する株式を譲渡することができる」一次資料を確認
ひっかけ株式は一切譲渡できない、と考えるとイを正しいと誤る。株主は原則としてその株式を自由に譲渡できる。
解説株主は、原則としてその有する株式を譲渡することができる(会社法127条)。これを株式譲渡自由の原則という。株主は会社に出資の払戻しを直接求めることが原則できないため、投下した資本を回収する手段として株式の譲渡が保障されている。アはこのとおりで正しい。イは法律上いかなる場合も譲渡できないとするが、127条の原則に反し誤り。もっとも定款で譲渡に会社の承認を要する旨を定めること(譲渡制限株式)はでき、原則自由・例外制限という関係になる。
補足もっとも、株式会社は、その発行する株式の全部または一部について、譲渡に会社の承認を要する旨を定款で定めることができる(譲渡制限株式。107条・108条)。中小企業では、好ましくない者が株主になるのを防ぐため、この制限が広く使われている。
問19株主総会の招集e-Gov等の一次資料で確認済み
株主総会の招集に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
- イ.定時株主総会は、設立後一度も招集しなくてよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法第296条第1項の「定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない」と一致するため正しい。
会社法第296条第1項「定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
会社法第296条第1項「定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ株主総会は開かなくてよい、と考えるとイを正しいと誤る。定時株主総会は毎事業年度後に招集しなければならない。
解説定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない(会社法296条1項)。決算の承認など、株主が定期的に会社の状況を確認し重要事項を決める場であるため、毎年の開催が義務づけられている。アはこのとおりで正しい。イは設立後一度も招集しなくてよいとするが、296条1項に反し誤り。必要に応じて開かれる臨時株主総会と異なり、定時株主総会は毎事業年度ごとに必ず招集される点を押さえる。
補足定時株主総会のほかに、必要がある場合にはいつでも招集できる臨時株主総会がある(296条2項)。株主総会の招集は、原則として取締役が決定して行う(298条・296条3項)。
問20取締役と会社の関係e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役と会社の関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社と取締役など役員との関係は、委任に関する規定に従う。
- イ.株式会社と取締役の関係は、常に売買契約に関する規定に従う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法第330条の「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う」と一致するため正しい。
会社法第330条「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
会社法第330条「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う」一次資料を確認
ひっかけ会社と取締役は売買のような関係、と取り違えるとイを正しいと誤る。両者は委任の規定に従う関係である。
解説株式会社と取締役をはじめとする役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う(会社法330条)。委任とは、当事者の信頼に基づき一定の事務処理を任せる関係で、これに従う結果、取締役は会社に対して善良な管理者の注意をもって職務を行う義務(善管注意義務)を負う。アはこのとおりで正しい。イは常に売買契約に関する規定に従うとするが、330条に反し誤り。取締役の地位が信頼を基礎とする委任である点が、その義務や責任の出発点になる。
補足委任の規定に従う結果、取締役は会社に対して善良な管理者の注意義務(善管注意義務。民法644条)を負う。会社法はさらに、取締役が法令・定款や株主総会の決議を守り会社のため忠実に職務を行う忠実義務を課している(会社法355条)。
問21取締役の義務(善管注意義務・忠実義務)e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の取締役の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社と取締役との関係は委任に関する規定に従い、取締役は会社に対して善良な管理者の注意をもって職務を行う義務(善管注意義務)を負う。
- イ.取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 会社法330条+民法644条
会社法第330条・民法第644条「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 会社法355条:忠実義務
会社法第355条「取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ取締役は『委任を受けたプロ』として善管注意義務と忠実義務を負う。
解説株式会社と取締役の関係は委任であり(会社法330条)、受任者である取締役は善良な管理者の注意をもって職務を行う義務を負う(民法644条)。だからアは正しい。さらに会社法355条は、取締役が法令・定款・株主総会決議を守り、会社のため忠実に職務を行う忠実義務を定める。だからイも正しい。両者は別条文だが、判例(最大判昭45.6.24)は、忠実義務の規定は善管注意義務を敷衍し一層明確にしたにとどまるとしている。結論はアー正、イー正。
補足取締役が任務を怠って会社に損害を与えたときは、会社に対して損害賠償責任を負う(任務懈怠責任)。
問22株主総会の権限e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の株主総会の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会設置会社の株主総会は、会社の組織・運営・管理その他会社に関する一切の事項について決議をすることができる。
- イ.取締役会を設置していない株式会社の株主総会は、会社の組織・運営・管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 295条2項:権限が限定される
会社法第295条第2項「取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 295条1項:万能機関
会社法第295条第1項「株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。」一次資料を確認
ひっかけ取締役会を置くと、株主総会の権限はぐっと絞られる。
解説取締役会を設置していない株式会社では、株主総会が会社に関する一切の事項を決議できる万能機関である(会社法295条1項)。だからイは正しい。一方、取締役会設置会社では、機動的な経営を可能にするため、株主総会は会社法が定める事項と定款で定めた事項に限って決議できる(同条2項)。だから『一切の事項を決議できる』とするアは誤り。結論はアー誤、イー正。
補足取締役会設置会社では、業務執行の決定の多くは取締役会に委ねられ、株主総会は基礎的・重要事項に集中する。
問23株主有限責任と株式譲渡自由の原則と株主総会の権限の横断確認e-Gov等の一次資料で確認済み
株主有限責任と株式譲渡自由の原則と株主総会の権限を横断して確認する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。
- イ.会社法上、株主総会の決議を必要とする事項について、取締役会が決定できる旨を定款で定めれば、その定款の定めは有効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 104条どおり株主有限責任 → 正しい
会社法第104条「株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 株主総会決議を法律が要求する事項は、定款で取締役会などへ移せない。295条3項は、株主総会以外の機関が決められるとする定款を無効にしている。
会社法第295条第3項「株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。」一次資料を確認
ひっかけ異なる制度の要件や法律効果を一つのルールとして混同しない。
解説株主有限責任と株式譲渡自由の原則と株主総会の権限は、根拠条文と法律効果を分けて整理する。
補足各記述に付したe-Gov根拠を個別に確認する。
問24役員の選任と取締役の資格と取締役会の権限の横断確認e-Gov等の一次資料で確認済み
役員の選任と取締役の資格と取締役会の権限を横断して確認する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法人は、取締役となることができない。
- イ.取締役会は、重要な財産の処分及び譲受けの決定を、各取締役に委任することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 取締役は会社の業務執行や意思決定に関与し、善管注意義務・忠実義務などを負う地位である。会社法331条1項は欠格事由を定め、その一つとして法人を除外しているため、取締役になれるのは自然人に限られる。
会社法第331条第1項「次に掲げる者は、取締役となることができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 重要な財産の処分・譲受けは会社の資産や経営に大きく影響する重要な業務執行である。取締役会設置会社では、このような事項を個々の取締役に丸投げできず、取締役会自身が決定して監督機能を果たす必要がある。
会社法第362条第4項「重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。」一次資料を確認
会社法第362条第4項第1号「重要な財産の処分及び譲受け」一次資料を確認
ひっかけ異なる制度の要件や法律効果を一つのルールとして混同しない。
解説役員の選任と取締役の資格と取締役会の権限は、根拠条文と法律効果を分けて整理する。
補足各記述に付したe-Gov根拠を個別に確認する。
問25株主名簿の法定記載事項e-Gov等の一次資料で確認済み
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主名簿には、株主の氏名又は名称及び住所を記載又は記録しなければならない。
- イ.株主が株式を取得した日は、株主名簿の記載事項に含まれない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
ひっかけ主体、期限、必要手続を取り違えない。
解説アは正しく、イは誤り。株主の氏名等に加え、株式取得日も株主名簿記載事項である。
補足会社法の根拠条文を確認する。
問26株主名簿管理人の設置e-Gov等の一次資料で確認済み
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、株主名簿管理人を置く旨を定款で定め、株主名簿事務を委託することができる。
- イ.株主名簿管理人は、株式会社に代わって株主名簿の作成や備置きに関する事務を行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 123条と一致する。
会社法第123条「株主名簿管理人(株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 条文の定義と一致する。
会社法第123条「株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者」一次資料を確認
ひっかけ主体、期限、必要手続を取り違えない。
解説ア・イともに正しい。定款で定めて株主名簿管理人へ事務を委託できる。
補足会社法の根拠条文を確認する。
問27基準日株主が行使できる権利の期間e-Gov等の一次資料で確認済み
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.基準日を定める場合、基準日株主が行使できる権利は基準日から三箇月以内に行使するものに限られる。
- イ.基準日を定めた会社は、定款に定めがなくても基準日の前日までに公告すれば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 124条2項と一致する。
会社法第124条「基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 原則は二週間前までである。
会社法第124条「当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ主体、期限、必要手続を取り違えない。
解説アは正しく、イは誤り。権利は三箇月以内、公告は原則として二週間前までである。
補足会社法の根拠条文を確認する。
問28株主名簿の備置場所と閲覧請求e-Gov等の一次資料で確認済み
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主名簿管理人がいる場合、株主名簿はその営業所に備え置かなければならない。
- イ.株主や債権者が株主名簿の閲覧を請求するとき、請求理由を明らかにする必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 125条1項と一致する。
会社法第125条「株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 請求理由の明示が必要である。
会社法第125条「当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ主体、期限、必要手続を取り違えない。
解説アは正しく、イは誤り。管理人がいる場合の備置場所と閲覧請求の理由明示を確認する。
補足会社法の根拠条文を確認する。
問29会計帳簿の作成・保存期間e-Gov等の一次資料で確認済み
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、適時に正確な会計帳簿を作成しなければならない。
- イ.株式会社は、会計帳簿の閉鎖時から十年間、会計帳簿と事業に関する重要資料を保存しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 432条1項と一致する。
会社法第432条「適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 432条2項と一致する。
会社法第432条「会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ主体、期限、必要手続を取り違えない。
解説ア・イともに正しい。会計帳簿は適時・正確に作成し、閉鎖時から十年間保存する。
補足会社法の根拠条文を確認する。
問30取締役会の決議要件と議事録に異議をとどめない取締役e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役会の決議に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。ただし、定款でこれを上回る割合を定めた場合は、その割合以上による。
- イ.取締役会の決議に参加した取締役であって、議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 定足数と決議の要件がどちらも過半数で、定款によっていずれも厳しくできる。基準は取締役全員ではなく、議決に加わることができる取締役である。
会社法第369条第1項「取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う」一次資料を確認
- イ.正しい
- 反対だった取締役は、議事録に異議を記録しておかないと、決議に賛成したものとして責任を問われるおそれがある。
会社法第369条第5項「取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する」一次資料を確認
ひっかけ基準は「議決に加わることができる取締役」。異議は議事録に残す。
解説取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。定款でこれを上回る割合を定めることはできる(会社法369条1項)。決議に参加した取締役が議事録に異議をとどめないときは、その決議に賛成したものと推定される(同条5項)。
補足決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない(369条2項)。そのため、定足数の基礎となる「議決に加わることができる取締役」にも数えられない。
問31取締役会の招集通知の期間と招集手続の省略e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役会の招集手続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間前までに、各取締役に対してその通知を発しなければならない。定款でこれを下回る期間を定めることもできる。
- イ.取締役会は、取締役全員の同意があるときであっても、招集の手続を経ることなく開催することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間(これを下回る期間を定款で定めた場合はその期間)前までに、各取締役(監査役設置会社では各取締役及び各監査役)に対して、その通知を発しなければならない(会社法368条1項)。例えば、定款に「3日前までに通知する」と定めておけば、3日前までの通知で足りる。
会社法第368条第1項「取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる(同条2項)。例えば、全員が同意して今すぐ集まれるなら、通知の期間を置かずに開催できる。「全員の同意があっても開催できない」とする点が誤りである。
会社法第368条第2項「取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる」一次資料を確認
ひっかけ招集通知は1週間前。全員同意があれば手続を省ける。
解説取締役会の招集通知は、取締役会の日の1週間前までに各取締役へ発する。定款でこれより短い期間を定めることができる(会社法368条1項)。取締役(監査役設置会社では取締役及び監査役)の全員の同意があれば、招集の手続を経ずに開催できる(同条2項)。
補足株主総会の招集通知の期間は、会社法299条が別に定めている。取締役会の招集通知とは規定が異なる。
問32取締役の会社に対する責任と第三者に対する責任e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役等の損害賠償責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役が株式会社に対して損害賠償責任を負うのは、その任務を怠ったことについて、故意又は重大な過失があるときに限られる。
- イ.役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、その役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 会社に対する責任の要件は任務を怠ったこと。悪意又は重大な過失に限るのは、第三者に対する責任(429条1項)のほうである。
会社法第423条第1項「その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」一次資料を確認
- イ.正しい
- 取引先などの第三者が損害を受けた場合、役員に軽い過失があっただけでは責任を負わない。悪意又は重大な過失という重い要件が、会社に対する責任との違いになる。
会社法第429条第1項「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う」一次資料を確認
ひっかけ会社への責任は任務懈怠、第三者への責任は悪意又は重過失。
解説取締役が会社に対して責任を負うのは、その任務を怠ったとき(会社法423条1項)。第三者に対して責任を負うのは、職務を行うについて悪意又は重大な過失があったとき(429条1項)で、要件の重さが異なる。
補足429条2項は、募集の際の重要事項の虚偽の通知や、計算書類の重要事項の虚偽記載などについて、注意を怠らなかったことを証明しない限り、同様に責任を負うと定める(同項ただし書)。
問33株主による責任追及等の訴え(提訴請求と60日)e-Gov等の一次資料で確認済み
株主による役員等の責任追及の訴えに関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公開会社の株主が、役員等の責任を追及する訴えの提起を株式会社に請求するには、総株主の議決権の100分の3以上を有していなければならない。
- イ.株主が株式会社に責任追及の訴えの提起を請求してから60日以内に、株式会社が訴えを提起しないときでも、その株主が、株式会社のために訴えを提起することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 株主が提訴請求をするのに必要なのは、6か月(定款でこれを下回る期間を定めた場合はその期間)前から引き続き株式を有することであり、持株の割合の要件はない(会社法847条1項)。例えば、総株主の議決権の1%しか持たない株主でも、保有期間の要件を満たしていれば、単独で提訴請求ができる。なお、公開会社でない株式会社では、この保有期間の要件も不要である。
会社法第847条第1項「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」一次資料を確認
- イ.誤り
- 株式会社が提訴請求の日から60日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる(同条3項)。会社が提訴しないままでも、株主が訴えを起こせる。例えば、役員同士のかばい合いで会社が動かないときに、株主が代わりに提訴できる。
会社法第847条第3項「株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる」一次資料を確認
ひっかけ提訴請求の要件は保有期間で、持株割合ではない。待機期間は60日。
解説株主は、まず株式会社に対して、役員等の責任を追及する訴えの提起を請求する(会社法847条1項)。請求の日から60日以内に会社が訴えを提起しないときは、その株主が、株式会社のために訴えを提起できる(同条3項)。株主代表訴訟と呼ばれる手続である。
補足公開会社でない株式会社では、6か月の保有期間の要件が外れ、株主であれば足りる(847条2項)。60日の経過によって会社に回復できない損害が生ずるおそれがあるときは、株主は直ちに訴えを提起できる(同条5項)。
問34株主の議決権の数(単元株式・自己株式)e-Gov等の一次資料で確認済み
株主総会における議決権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社が単元株式数を定款で定めている場合でも、株主は、株主総会において、その有する株式1株につき1個の議決権を有する。
- イ.株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 株主は、株主総会において、原則として、その有する株式1株につき1個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、1単元の株式につき1個の議決権を有する(会社法308条1項)。例えば、単元株式数が100株の会社で、250株を持つ株主の議決権は、2個である。1株につき1個とする点が誤りである。
会社法第308条第1項ただし書「ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 株式会社は、自己株式については、議決権を有しない(同条2項)。例えば、会社が自社の株式を買い取って保有している場合、その株式は、株主総会の議決権の数に数えない。会社が自分の株式で議決権を行使すると、経営陣の意向が総会の結果に反映されるおそれがあるためである。
会社法第308条第2項「株式会社は、自己株式については、議決権を有しない」一次資料を確認
ひっかけ1株1議決権は原則。単元株式数を定めると1単元1個で、自己株式は数えない。
解説株主は、株主総会において、原則としてその有する株式1株につき1個の議決権を有する(会社法308条1項本文)。単元株式数を定款で定めている場合は、1単元の株式につき1個になる(同項ただし書)。株式会社は、自己株式については議決権を有しない(同条2項)。
補足議決権を有しない株主には、株式会社がその総株主の議決権の4分の1以上を有することなどにより、その経営を実質的に支配することが可能な関係にある株主(法務省令で定めるもの)も含まれる(308条1項かっこ書)。
問35株式会社の成立時期(設立の登記)e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の成立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
- イ.株式会社は、発起人が定款を作成した時に成立し、設立の登記は、成立した後に行う手続にすぎない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社が法人として成立する時点は、設立の登記をした時。定款の作成や出資の履行が済んでいても、登記をするまでは株式会社として成立していない。
会社法第49条「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 登記は、成立後の手続ではなく、成立そのものの要件になっている。定款の作成は設立の手続の一つにとどまる。
会社法第49条「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する」一次資料を確認
ひっかけ会社が成立するのは、定款の作成時ではなく、設立の登記の時。
解説株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する(会社法49条)。成立の時点を決めるのは、定款の作成や出資の履行ではなく、この登記である。
補足株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員が署名し又は記名押印する(26条1項)。定款の作成は設立の手続の一部で、これだけでは会社は成立しない。
問36取締役の報酬等の決め方(定款又は株主総会の決議)e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役の報酬等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役の報酬等について、定款に定めがなく株主総会の決議もない場合は、取締役会の決議によって、その額を定めることができる。
- イ.取締役の報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法を、定款に定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 条文は、報酬等の決定を、定款の定めか株主総会の決議のどちらかに委ねている。取締役会の決議で決められるとする規定は置かれていない。
会社法第361条第1項「次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める」一次資料を確認
- イ.正しい
- 報酬が業績連動などで額が固定されていない場合は、金額ではなく、その具体的な算定方法を定款又は株主総会の決議で定める。
会社法第361条第1項第2号「報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法」一次資料を確認
ひっかけ取締役の報酬等を決められるのは、定款か株主総会。取締役会ではない。
解説取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価としての財産上の利益は、額が確定しているものはその額、確定していないものはその具体的な算定方法などを、定款に定めていないときは株主総会の決議によって定める(会社法361条1項)。
補足報酬等に関する事項を定め、又は改定する議案を株主総会に提出した取締役は、株主総会で、その事項を相当とする理由を説明しなければならない(361条4項)。
問37種類株式の内容と公開会社の制限e-Gov等の一次資料で確認済み
異なる種類の株式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、株主総会において議決権を行使することができる事項について異なる定めをした内容の異なる2以上の種類の株式を発行することができる。
- イ.公開会社は、種類株主総会において取締役又は監査役を選任することを内容とする種類の株式を発行することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 株式会社は、議決権を行使できる事項などについて異なる定めをした、内容の異なる2以上の種類の株式を発行できる(会社法108条1項)。例えば、剰余金の配当は多いが議決権のない株式と、議決権のある普通の株式を発行できる。
会社法第108条第1項「株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる」一次資料を確認
会社法第108条第1項第3号「株主総会において議決権を行使することができる事項」一次資料を確認
- イ.誤り
- 公開会社は、種類株主総会で取締役又は監査役を選任することを内容とする種類の株式(108条1項9号)を発行できない(同項ただし書)。例えば、公開会社では、特定の種類の株主だけで取締役を選ぶ株式は発行できない。
会社法第108条第1項ただし書「ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない」一次資料を確認
ひっかけ種類株式は発行できるが、公開会社には発行できない種類がある。
解説株式会社は、剰余金の配当、残余財産の分配、株主総会において議決権を行使することができる事項などについて異なる定めをした、内容の異なる2以上の種類の株式を発行できる(会社法108条1項)。ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、種類株主総会で取締役又は監査役を選任することを内容とする種類の株式(9号)を発行できない。
補足種類株式を発行する場合は、その種類ごとの内容と発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない(108条2項)。
問38吸収合併の効力発生日と解散の対抗要件e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社が存続する吸収合併に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.吸収合併存続株式会社は、吸収合併の登記をした日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。
- イ.吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の前であっても、第三者に対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 存続会社が消滅会社の権利義務を承継するのは、登記をした日ではなく、効力発生日である(会社法750条1項)。例えば、合併契約で効力発生日を4月1日と定めたなら、登記が4月3日でも、権利義務は4月1日に承継される。
会社法第750条第1項「吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 消滅会社の解散を第三者に主張するには、吸収合併の登記が必要で、登記の前は主張できない(同条2項)。承継は効力発生日、第三者への主張は登記の後、と基準が分かれる。
会社法第750条第2項「吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない」一次資料を確認
ひっかけ承継は効力発生日、対抗は登記の後。基準日が違う。
解説吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する(会社法750条1項)。一方、吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、第三者に対抗することができない(同条2項)。
補足吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に消滅する(750条4項)。消滅会社の株主は、合併契約の定めに従い、効力発生日に、存続会社の株主などになる(同条3項)。
問39支配人の代理権と表見支配人e-Gov等の一次資料で確認済み
支配人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.支配人は、会社に代わって、その事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
- イ.会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、相手方が悪意であったときを除き、その本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 支配人には、会社の事業に関する一切の行為をする包括的な代理権が与えられている。この代理権に制限を加えても、善意の第三者には対抗できない(同条3項)。
会社法第11条第1項「支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 支店長や営業所長などの名称を付された使用人と取引した相手方は、その名称を信頼してよい。相手方が悪意(権限がないことを知っていた)のときは、この保護は受けられない。
会社法第13条「会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ肩書だけで権限があるとみなされる。ただし、相手方が悪意なら別。
解説支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する(会社法11条1項)。支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない(同条3項)。事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、相手方が悪意であったときを除き、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなされる(13条)。
補足支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる(11条2項)。表見支配人は、支配人と異なり、権限が「一切の裁判外の行為」に限られ、裁判上の行為には及ばない(13条)。
問40株主総会の決議の取消しの訴えの事由と期間e-Gov等の一次資料で確認済み
株主総会の決議の取消しの訴えに関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主総会の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なときは、株主は、訴えをもって、その決議の取消しを請求することができる。
- イ.株主総会の決議の取消しの訴えは、決議の日から1年以内であれば、提起することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 取消しの事由の一つが、招集の手続又は決議の方法の瑕疵。決議の内容が定款に違反するとき(2号)なども、取消しの事由になる。
会社法第831条第1項第1号「株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき」一次資料を確認
- イ.誤り
- 取消しを請求できる期間は、決議の日から3か月以内に限られる。期間を過ぎると、決議の取消しを訴えることはできなくなる。
会社法第831条第1項「株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる」一次資料を確認
ひっかけ取消しの訴えは、決議の日から3か月以内。
解説株主総会等の決議について、招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき、決議の内容が定款に違反するとき、特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって著しく不当な決議がされたときは、株主等は、決議の日から3か月以内に、訴えをもって決議の取消しを請求できる(会社法831条1項)。
補足招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反する場合でも、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、裁判所は請求を棄却できる(831条2項)。
問41資本金の額と資本準備金への計上e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の資本金の額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.設立又は株式の発行に際して株主となる者が払込み又は給付をした額のうち、資本金として計上しないことができるのは、その額の3分の1を超えない額である。
- イ.払込み又は給付に係る額のうち、資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 原則は払込み又は給付の全額が資本金になる(445条1項)。例外として、その2分の1を超えない額は、資本金に計上しないことができる。
会社法第445条第2項「前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 資本金に計上しなかった額は、どこにも計上しないわけではなく、資本準備金として計上する。
会社法第445条第3項「前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ資本金に計上しなくてよいのは2分の1まで。残りは資本準備金。
解説株式会社の資本金の額は、会社法に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が払込み又は給付をした財産の額とする(会社法445条1項)。その2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができ(同条2項)、計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない(同条3項)。
補足剰余金の配当をする場合には、配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じた額を、資本準備金又は利益準備金として計上しなければならない(445条4項)。
問42会社の商号に用いる文字の規制e-Gov等の一次資料で確認済み
会社の商号に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。
- イ.会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 株式会社なら「株式会社」、合同会社なら「合同会社」という文字を、商号中に用いる必要がある。
会社法第6条第2項「会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- たとえば、株式会社が商号中に合同会社という文字を用いることは、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いることにあたり、認められない。
会社法第6条第3項「会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない」一次資料を確認
ひっかけ会社の種類を示す文字が必要で、他の種類と誤認される文字は使えない。
解説会社は、その名称を商号とする(会社法6条1項)。会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、商号中にその文字を用いなければならず(同条2項)、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない(同条3項)。
補足6条が商号中に用いることを求めているのは、会社の種類を示す文字である。会社の事業の内容を示す文字を用いることは、この条では求められていない。
問43株式会社の解散の事由e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の解散に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、他の会社と合併するときは、存続する会社であっても、その合併によって解散する。
- イ.株式会社は、取締役会の決議によって解散する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 吸収合併で存続する会社は、合併後も存在し続ける。解散するのは、合併によって消滅する会社のほうである。
会社法第471条第4号「合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る」一次資料を確認
- イ.誤り
- 471条は解散の事由を限定して列挙している。決議によるものは、株主総会の決議で、取締役会の決議は含まれない。
ひっかけ合併で解散するのは消滅する会社だけ。決議は株主総会。
解説株式会社は、定款で定めた存続期間の満了、定款で定めた解散の事由の発生、株主総会の決議、合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る)、破産手続開始の決定、解散を命ずる裁判によって解散する(会社法471条)。
補足471条が列挙する解散の事由のうち、裁判による解散は、824条1項又は833条1項の規定による解散を命ずる裁判である(471条6号)。
問44株主による株主総会の招集請求の要件e-Gov等の一次資料で確認済み
少数株主による株主総会の招集の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.総株主の議決権の100分の3以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる(定款でこれを下回る割合や期間を定めた場合は、その割合や期間)。
- イ.公開会社でない株式会社の株主が株主総会の招集を請求する場合も、議決権を6か月前から引き続き有していることが必要である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 総株主の議決権の100分の3(これを下回る割合を定款で定めた場合はその割合)以上の議決権を6か月(これを下回る期間を定款で定めた場合はその期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる(会社法297条1項)。例えば、議決権の3%を1年間持ち続けている株主は、取締役に対して、総会の招集を求められる。
会社法第297条第1項「総株主の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し」一次資料を確認
- イ.誤り
- 公開会社でない株式会社では、6か月前から引き続き有するという保有期間の要件は、単に「有する」と読み替えられ、不要となる(同条2項)。したがって、公開会社でない会社でも6か月前から引き続き有していることが必要とする点が誤りである。ただし、議決権の100分の3以上という割合の要件は残る。
会社法第297条第2項「公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする」一次資料を確認
ひっかけ公開会社なら3%と6か月。公開会社でない会社は保有期間が不要。
解説総株主の議決権の100分の3以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求できる(会社法297条1項)。公開会社でない株式会社では、6か月前から引き続き有するという要件が外れる(同条2項)。
補足招集の請求の後、遅滞なく招集の手続が行われないとき、又は請求の日から8週間以内の日を総会の日とする通知が発せられないときは、請求した株主は、裁判所の許可を得て、自ら株主総会を招集できる(297条4項)。
問45会計帳簿の閲覧等の請求と拒める場合e-Gov等の一次資料で確認済み
株主による会計帳簿の閲覧等の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主などは、株式会社の営業時間内は、いつでも、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写を請求することができる。この場合、請求の理由を明らかにしなければならない。
- イ.株式会社は、株主から会計帳簿の閲覧等の請求があったときは、請求の理由にかかわらず、これを拒むことができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会計帳簿の閲覧等の請求権は、議決権又は発行済株式の100分の3以上(定款でこれを下回る割合を定めた場合はその割合)を有する株主に認められる。
会社法第433条第1項「株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる」一次資料を確認
会社法第433条第1項「当該請求の理由を明らかにしてしなければならない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 権利の確保や行使に関する調査以外の目的の請求、業務の遂行を妨げる目的の請求、競争関係にある事業を営む者の請求などは、拒むことができる。
会社法第433条第2項「前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない」一次資料を確認
ひっかけ3%以上の株主が理由を示して請求できる。ただし、目的が不当なら拒める。
解説総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主又は発行済株式の100分の3以上の数の株式を有する株主は、営業時間内はいつでも、理由を明らかにして、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写を請求できる(会社法433条1項)。株式会社は、請求を行う株主が権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったときなど、2項各号のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒めない(同条2項)。
補足請求者が、会計帳簿等の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したときも、拒むことができる(433条2項4号)。
問46事業譲渡等の株主総会による承認(時期と対象)e-Gov等の一次資料で確認済み
事業譲渡等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社が事業の全部の譲渡をする場合の株主総会の決議による承認は、その行為の効力発生日の後に受けても足りる。
- イ.株式会社が他の会社の事業の全部を譲り受ける場合も、原則として、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、その契約の承認を受けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 事業の全部の譲渡は、会社にとって重大な行為。契約の承認は、効力が生ずる日の前日までに、株主総会の決議によって受ける必要がある。
会社法第467条第1項「の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 譲渡する側だけでなく、他の会社の事業の全部を譲り受ける側の株式会社も、株主総会の決議による承認を受ける行為として挙げられている。
ひっかけ承認は効力発生日の前日まで。譲受けも対象になる行為がある。
解説株式会社は、事業の全部の譲渡、事業の重要な一部の譲渡、他の会社の事業の全部の譲受けなどをする場合には、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、その契約の承認を受けなければならない(会社法467条1項)。
補足事業の重要な一部の譲渡でも、譲り渡す資産の帳簿価額が総資産額の5分の1(定款でこれを下回る割合を定めた場合はその割合)を超えないものは、承認の対象から除かれる(467条1項2号かっこ書)。
問47株主総会の議事録の備置期間と閲覧請求権者e-Gov等の一次資料で確認済み
株主総会の議事録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、株主総会の日から5年間、その議事録をその本店に備え置かなければならない。
- イ.株主総会の議事録の閲覧又は謄写を請求できるのは株主に限られ、債権者は請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 株主総会の議事録は、総会の日から10年間、本店に備え置く(会社法318条2項)。5年間なのは、支店に備え置く写しである(同条3項)。
会社法第318条第2項「株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 議事録の閲覧・謄写を請求できるのは、株主だけでなく債権者も含まれる(同条4項)。例えば、会社に貸付けをしている債権者も、営業時間内であれば議事録の閲覧を請求できる。
会社法第318条第4項「株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる」一次資料を確認
ひっかけ本店は10年、支店の写しは5年。請求できるのは株主と債権者。
解説株主総会の議事については、議事録を作成しなければならない(会社法318条1項)。株式会社は、株主総会の日から10年間、議事録を本店に備え置き(同条2項)、5年間、その写しを支店に備え置く(同条3項)。株主及び債権者は、営業時間内はいつでも、閲覧又は謄写を請求できる(同条4項)。
補足株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、議事録について閲覧又は謄写の請求ができる(318条5項)。
問48自己株式の有償取得に必要な株主総会の決議事項e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社が株主との合意により自己の株式を有償で取得する場合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、取得する株式の数などの事項を定めなければならない。
- イ.株式を取得することができる期間として株主総会の決議で定める期間は、1年を超えることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 取得する株式の数、交付する金銭等の内容と総額、株式を取得することができる期間を、あらかじめ株主総会の決議で定める必要がある。
会社法第156条第1項「株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 決議で定める事項の3号は、株式を取得することができる期間。この期間には、1年という上限がある。
会社法第156条第1項ただし書「ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない」一次資料を確認
ひっかけ決議で定めるのは株式の数、対価、期間の3つ。期間は1年まで。
解説株式会社が株主との合意により自己の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、取得する株式の数、株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及びその総額、株式を取得することができる期間を定めなければならない。株式を取得することができる期間は、1年を超えることができない(会社法156条1項)。
補足156条1項の規定は、155条1号・2号及び4号から13号までに掲げる場合には、適用されない(156条2項)。この場合の取得には、別の規律が用意されている。
問49取締役会の設置義務と監査役の設置e-Gov等の一次資料で確認済み
株式会社の機関設計に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公開会社は、取締役会を置かなければならない。
- イ.取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置く必要がない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 取締役会の設置が義務づけられる株式会社の一つが、公開会社。監査役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社も同様。
会社法第327条第1項第1号「次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 取締役会設置会社は、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除き、監査役を置かなければならない。例外は、公開会社でない会計参与設置会社である。
会社法第327条第2項「取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く」一次資料を確認
会社法第327条第2項「)は、監査役を置かなければならない」一次資料を確認
ひっかけ取締役会を置く会社は、原則として監査役も置く。
解説公開会社、監査役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社は、取締役会を置かなければならない(会社法327条1項)。取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く)は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でない会計参与設置会社は除かれる(同条2項)。
補足監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない(327条4項)。これらの会社は、会計監査人を置かなければならない(同条5項)。
問50株主総会の招集の通知e-Gov等の一次資料で確認済み
株主総会の招集の通知に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公開会社が株主総会を招集するときは、取締役は、株主総会の日の2週間前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。
- イ.取締役会設置会社が株主総会を招集する場合の通知は、口頭ですることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 公開会社でない株式会社は1週間前まで(取締役会設置会社以外は定款でさらに短縮可)。
会社法第299条第1項「株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間」一次資料を確認
会社法第299条第1項「公開会社でない株式会社にあっては、一週間」一次資料を確認
- イ.誤り
- 株主の承諾を得て、書面に代えて電磁的方法で通知を発することもできる(299条3項)。
会社法第299条第2項第2号「次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない」一次資料を確認
会社法第299条第2項第2号「株式会社が取締役会設置会社である場合」一次資料を確認
ひっかけ招集通知の期間は公開会社なら2週間前、非公開会社なら1週間前。取締役会設置会社は書面が必要。
解説株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の2週間(公開会社でない株式会社では1週間)前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。株式会社が取締役会設置会社である場合などは、通知は書面でしなければならない(会社法299条1項・2項)。
補足取締役は、書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる(会社法299条3項)。
問51株主総会の招集手続の省略e-Gov等の一次資料で確認済み
株主総会の招集手続の省略に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
- イ.株主総会は、議決権を行使することができる株主の過半数の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 書面による議決権行使などを定めた場合は、この省略は使えない(300条ただし書)。
会社法第300条本文「株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 条文が求める同意の範囲は、「株主の全員」である。
会社法第300条本文「株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる」一次資料を確認
ひっかけ招集手続の省略に必要なのは「株主全員の同意」。
解説株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、書面による議決権の行使又は電磁的方法による議決権の行使を認めることを定めた場合は、この限りでない(会社法300条)。
補足取締役会設置会社の招集の通知は、書面でしなければならない(会社法299条2項2号)。
問52議決権の代理行使e-Gov等の一次資料で確認済み
議決権の代理行使に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株主が代理人によって議決権を行使する場合の代理権の授与は、複数の株主総会を通じて、1回の授与で包括的にすることができる。
- イ.株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない(310条1項)。
会社法第310条第2項「前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 株主は代理人を通じて議決権を行使できるが、会社側に数を制限する余地がある。
会社法第310条第5項「株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる」一次資料を確認
ひっかけ議決権の代理行使は「総会ごと」の授与が必要。代理人の数は会社が制限できる。
解説株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合、株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる(会社法310条)。
補足株式会社は、株主総会の日から3箇月間、代理権を証明する書面などをその本店に備え置かなければならない(会社法310条6項)。
問53書面による議決権の行使e-Gov等の一次資料で確認済み
書面による議決権の行使に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入されない。
- イ.書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに、その議決権行使書面を株式会社に提出して行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 算入することが条文に明記されている。
会社法第311条第2項「前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 提出の期限は、法務省令が定める時である。
会社法第311条第1項「書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う」一次資料を確認
ひっかけ書面で行使した議決権は、出席した株主の議決権として数えられる。
解説書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに議決権行使書面を株式会社に提出して行う。書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する(会社法311条1項・2項)。
補足株式会社は、株主総会の日から3箇月間、提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない(会社法311条3項)。
問54取締役会設置会社の業務執行と職務執行状況の報告e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役会設置会社の業務執行と職務執行状況の報告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会設置会社では、取締役は全員が当然に会社の業務を執行する。
- イ.取締役会設置会社の業務を執行する取締役は、1年に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 選定は、取締役会の決議によって行われる。
会社法第363条第1項「次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 1年ではなく「3箇月」。
会社法第363条第2項「三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ取締役会設置会社の業務執行者は限られ、報告の頻度は「3箇月に1回以上」。
解説取締役会設置会社では、代表取締役と、代表取締役以外の取締役であって取締役会の決議によって業務を執行する取締役として選定されたものが、業務を執行する。これらの取締役は、3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない(会社法363条)。
補足取締役会は、取締役の職務の執行を監督し、代表取締役の選定及び解職を行う(会社法362条2項)。
問55取締役会設置会社における競業・利益相反取引の承認と報告e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役会設置会社における競業・利益相反取引の承認と報告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会設置会社では、競業取引や利益相反取引について承認をするのは、株主総会ではなく取締役会である。
- イ.取締役会設置会社において、利益相反取引などをした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 取締役会設置会社でない会社は、株主総会の承認が必要。
会社法第365条第1項「取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする」一次資料を確認
- イ.正しい
- 承認(事前)と報告(事後)の2段階になっている。
会社法第365条第2項「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ取締役会設置会社では「承認は取締役会、事後に報告」。
解説取締役会設置会社における競業取引・利益相反取引の承認は、株主総会ではなく取締役会が行う。356条1項各号の取引をした取締役は、取引後、遅滞なく、その取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない(会社法365条)。
補足取締役は、競業取引や利益相反取引をしようとするときは、その取引について重要な事実を開示し、承認を受けなければならない(会社法356条1項)。
問56役員等の会社に対する損害賠償責任とその免除e-Gov等の一次資料で確認済み
役員等の会社に対する損害賠償責任とその免除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役の株式会社に対する任務懈怠による損害賠償責任は、取締役会の決議があれば、免除することができる。
- イ.取締役は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 定款の定めによる一部免除などの例外は別にある(426条)。
会社法第424条「前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 「役員等」は、取締役・会計参与・監査役・執行役・会計監査人。
会社法第423条第1項「その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」一次資料を確認
ひっかけ役員等の会社に対する責任の免除は、取締役会の決議では足りず、総株主の同意が原則。
解説取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(役員等)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う(会社法423条1項)。この責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない(同法424条)。
補足監査役設置会社(取締役が2人以上ある場合に限る)などは、善意でかつ重大な過失がない場合に、責任の一部を取締役の過半数の同意(取締役会設置会社は取締役会の決議)によって免除できる旨を定款で定めることができる(会社法426条1項)。
問57取締役会議事録の備置きと株主の閲覧請求e-Gov等の一次資料で確認済み
取締役会議事録の備置きと株主の閲覧請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会設置会社は、取締役会の日から10年間、取締役会の議事録をその本店に備え置かなければならない。
- イ.監査役設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときでも、取締役会の議事録の閲覧を請求するには、裁判所の許可を得る必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 「取締役会の日」には、取締役会の決議があったものとみなされた日も含まれる。
会社法第371条第1項「取締役会設置会社は、取締役会の日」一次資料を確認
会社法第371条第1項「をその本店に備え置かなければならない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 監査役を置かない取締役会設置会社の株主は、営業時間内はいつでも請求できる。
会社法第371条第3項「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする」一次資料を確認
ひっかけ取締役会の議事録の閲覧は、監査役設置会社などでは裁判所の許可が要る。
解説取締役会設置会社は、取締役会の日から10年間、議事録等をその本店に備え置かなければならない。株主は、その権利を行使するため必要があるときは、営業時間内はいつでも閲覧・謄写を請求できるが、監査役設置会社などでは裁判所の許可を得て請求することになる(会社法371条)。
補足取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、議事録等の閲覧・謄写を請求できる(会社法371条4項)。