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民法・第8章

ビジネスに関連する家族法の問題(53問)

この章を解く(53問)→

この章の概要

ビジネスに関係する家族法・相続法の章です。法定相続分と相続人の順位・代襲相続、相続の承認・放棄、遺言(自筆証書遺言・遺言能力)、遺留分、婚姻の成立や夫婦の財産関係を収録しています。相続では「誰が・どの割合で」相続するかと、放棄・遺留分などの期間・要件が論点になり、図に描いて関係を整理すると正答に近づきます。

この章で確認する論点

第8章では、相続欠格・配偶者の相続権と法定相続分・相続の承認・放棄・自筆証書遺言と遺言能力・遺留分を中心に53問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

他の資格との比較は、民法を学べる資格と無料問題も参照できます。

  • 子と並ぶ配偶者の取り分は2分の1。配偶者が3分の2になるのは、相手が直系尊属のときです。
  • 起算点は『死亡時』ではなく『自己のために相続の開始があったことを知った時』から3箇月です。
  • 署名押印があっても、本文が印字なら自筆証書遺言は無効。全文の自書が要ります。
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この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

民法:731条・732条・738条・739条・740条・750条・752条・755条・761条・762条・763条・766条(ほか49条)

民法の残り49条を開く

768条・770条・772条・779条・784条・793条・795条・809条・817条の2・817条の5・818条・824条・877条・882条・887条・889条・890条・891条・892条・896条・897条・898条・900条・902条・903条・904条の2・907条・909条・910条・915条・921条・923条・924条・939条・960条・961条・967条・968条・969条・985条・1004条・1007条・1022条・1023条・1028条・1042条・1046条・1048条・1050条

問題と解説を読む全53問・答え付き

答え・解説つきで53問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年6月〜2026年10月時点の法令に準拠
問1配偶者の相続権と法定相続分e-Gov等の一次資料で確認済み

相続人と法定相続分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.被相続人の配偶者は、常に相続人となる。
  • イ.子及び配偶者が相続人であるときは、配偶者の相続分は3分の2、子の相続分は3分の1である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
890条どおり配偶者は常に相続人 → 正しい

民法第890条「被相続人の配偶者は、常に相続人となる。」一次資料を確認

イ.誤り
900条1号は各2分の1 → 2/3・1/3は誤り

民法第900条第1号「子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。」一次資料を確認

ひっかけ子と並ぶ配偶者の取り分は2分の1。配偶者が3分の2になるのは、相手が直系尊属のときです。

解説被相続人の配偶者は常に相続人となり(民法890条)、子・直系尊属・兄弟姉妹といった血族相続人と同順位で並ぶ。血族相続人の順位は、第1順位が子、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹で、先順位がいれば後順位は相続人にならない。配偶者と並ぶときの法定相続分は組み合わせで動く(900条)。子と配偶者なら各2分の1、配偶者と直系尊属なら配偶者3分の2・直系尊属3分の1、配偶者と兄弟姉妹なら配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1である。アは890条どおりで正しい。イは『配偶者2/3・子1/3』とするが、子と配偶者のときは各2分の1なので誤り。相手が直系尊属に変われば、はじめて配偶者の取り分が2分の1から3分の2へ上がる。

補足配偶者がいない(既に死亡など)ときは血族相続人だけで分け、子が複数なら各自の相続分は原則として均等になる(900条4号本文)。

問2相続の承認・放棄e-Gov等の一次資料で確認済み

相続の承認及び放棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。
  • イ.相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
915条1項の熟慮期間どおり → 正しい

民法第915条第1項「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」一次資料を確認

イ.正しい
939条どおり放棄は遡及的に相続人資格を失わせる → 正しい

民法第939条「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」一次資料を確認

ひっかけ起算点は『死亡時』ではなく『自己のために相続の開始があったことを知った時』から3箇月です。

解説相続が始まると、相続人はプラスの財産だけでなく借金などの負債も承継し得る。そこで民法は3つの選択肢を用意する。すべてを無限に承継する単純承認(920条)、相続財産の限度でのみ負債を負う限定承認、一切承継しない相続放棄である。この選択は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月の熟慮期間内にしなければならない(915条1項)。アはこの熟慮期間の定めどおりで正しい。相続放棄をすると、その相続に関しては初めから相続人とならなかったものとみなされ(939条)、負債を負わず、その者を飛ばした代襲相続も生じない。イは939条どおりで正しい。借金が多いなら3箇月以内に家庭裁判所で相続放棄、という実務の基本がここにある。

補足3箇月の熟慮期間は、利害関係人や検察官の請求により家庭裁判所が伸長できる(915条1項ただし書)。

問3自筆証書遺言と遺言能力e-Gov等の一次資料で確認済み

遺言に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.自筆証書遺言は、本文をパソコンで作成して印字し、末尾に署名押印すれば、全文を自書しなくても有効に成立する。
  • イ.15歳に達した者は、遺言をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない(民法968条1項)。本文を印字して署名押印しただけでは、全文を自書したことにならず、方式を満たさない。例えば、パソコンで作った遺言書に署名と押印だけを加えても、自筆証書遺言としては有効にならない。

民法第968条第1項「遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」一次資料を確認

イ.正しい
15歳に達した者は、遺言をすることができる(民法961条)。例えば、15歳になった中学3年生でも、遺言を作ることができる。

民法第961条「十五歳に達した者は、遺言をすることができる。」一次資料を確認

ひっかけ署名押印があっても、本文が印字なら自筆証書遺言は無効。全文の自書が要ります。

解説自筆証書遺言は、遺言者がその全文・日付・氏名を自書し、これに印を押さなければ成立しない(民法968条1項)。本文をパソコンで印字したものは、署名押印があっても無効である(2019年施行の改正で、添付する財産目録についてだけは自書不要となったが、本文の自書要件は変わらない)。アはこの方式に反するので誤り。一方、遺言ができる年齢(遺言能力)は15歳とされ(961条)、未成年者でも法定代理人の同意なく単独で有効な遺言ができる。契約などの財産行為について行為能力が制限される未成年者でも、最終意思である遺言は本人の意思を尊重すべきという趣旨である。イは961条どおりで正しい。

補足印字が許される財産目録でも、その各ページに遺言者の署名押印が必要になる(968条2項)。

問4遺留分e-Gov等の一次資料で確認済み

遺留分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.被相続人の兄弟姉妹は、相続人となる場合であっても、遺留分を有しない。
  • イ.直系尊属のみが相続人である場合の遺留分の割合は、遺留分を算定するための財産の価額の2分の1である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
遺留分が認められるのは兄弟姉妹以外の相続人で、兄弟姉妹は相続人でも遺留分を有しない(民法1042条1項)。例えば、子のいない被相続人の兄弟姉妹が相続人になる場合でも、遺言で全財産を他人に与えられたら、遺留分は主張できない。

民法第1042条第1項「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として」一次資料を確認

イ.誤り
直系尊属のみが相続人であるときの遺留分は、遺留分を算定するための財産の価額の3分の1である(同項1号)。2分の1ではない。例えば、相続人が親だけで、算定の基礎となる財産が3,000万円なら、遺留分全体は1,000万円になる。

民法第1042条第1項第1号「直系尊属のみが相続人である場合三分の一」一次資料を確認

ひっかけ相続人なら誰でも遺留分、ではありません。兄弟姉妹は最初から外れています。

解説遺留分は、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人(配偶者・子・直系尊属)に保障される、相続財産の最低限の取り分である。被相続人が遺言で全財産を第三者に与えても、遺留分権利者は遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる。要点は、兄弟姉妹には遺留分が認められないこと(1042条1項が『兄弟姉妹以外の相続人』と定める)。アはこの点で正しい。割合は、直系尊属のみが相続人である場合は遺留分算定の基礎財産の3分の1、それ以外の場合は2分の1である(同項各号)。イは直系尊属のみのときを『2分の1』とするが、正しくは3分の1なので誤り。各人が実際に得る遺留分は、この総体的な割合に各自の法定相続分を掛けて求める。

補足遺留分侵害額請求権は、相続開始と侵害する贈与・遺贈を知った時から1年、相続開始から10年で時効消滅する(1048条)。

問5婚姻の成立(届出)e-Gov等の一次資料で確認済み

婚姻の成立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.婚姻は、当事者間に婚姻の意思があり共同生活を始めていれば、届出をしなくても法律上の婚姻としての効力を生ずる。
  • イ.婚姻の届出は、当事者双方が署名すれば足り、証人は必要とされていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
739条1項は届出で効力 → 届出なしでは婚姻は成立しない

民法第739条第1項「届け出ることによって、その効力を生ずる。」一次資料を確認

イ.誤り
739条2項は成年の証人2人以上を要求 → 記述は誤り

民法第739条第2項「当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で」一次資料を確認

ひっかけ一緒に暮らしている事実があっても、届出がなければ法律上の夫婦ではない。アはそこを取り違えている。

解説婚姻の意思があり現に夫婦として暮らしていても、それだけでは法律上の婚姻にならない。民法739条1項は、婚姻は戸籍法の定めにより届け出ることによって効力を生ずるとする(届出婚主義)。だからアの『届出をしなくても効力を生ずる』は誤り。届出のない共同生活は事実婚(内縁)として一定の保護は受けるが、法律婚とは別物として扱われる。届出の方式も同条2項が決めており、当事者双方および成年の証人2人以上が署名した書面で、またはこれらの者が口頭でしなければならない。証人は要らないとするイは、この2人以上という要件を落としているので誤り。アもイも誤りで、答えは『アー誤、イー誤』。

補足口頭でも届出はできるが、その場合も成年の証人2人以上が要る点は書面の場合と変わらない(739条2項)。

問6夫婦間における財産の帰属e-Gov等の一次資料で確認済み

夫婦間の財産関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.夫婦の一方が婚姻中に自己の名で得た財産であっても、婚姻している以上、当然に夫婦の共有財産となる。
  • イ.夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
762条1項は自己名義取得を特有財産とする(夫婦別産制) → 共有ではない

民法第762条第1項「婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産」一次資料を確認

イ.正しい
762条2項どおり帰属不明財産は共有推定 → 正しい

民法第762条第2項「夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。」一次資料を確認

ひっかけ結婚=財産も合算、ではない。民法の建前は別産制で、共有は帰属が分からない分だけ。アはここを逆に読んでいる。

解説婚姻中に自分の収入で買ったものなど、夫婦の一方が自己の名で得た財産は、その人の特有財産になる(民法762条1項)。結婚しても財産が自動的に一つにまとまるわけではなく、別産制が原則である。よってアの『婚姻している以上、当然に共有』は誤り。共有と扱われるのは、どちらに属するか判然としない財産に限られ、それも762条2項が『共有に属するものと推定する』とするにとどまる。帰属不明の財産を共有と推定するイは条文どおりで正しい。アが誤りでイが正しいから、『アー誤、イー正』となる。

補足762条2項はあくまで推定なので、一方の所有だと証明できれば共有の扱いは覆る。離婚時の財産分与はこれとは別の清算制度。

問7相続の一般的効力e-Gov等の一次資料で確認済み

相続の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。
  • イ.被相続人の一身に専属したものも含めて、被相続人の権利義務はすべて相続人に承継される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(民法896条本文)。プラスの財産だけでなく、借金などの義務も含まれる。例えば、被相続人に預貯金と借入金があれば、どちらも相続人に引き継がれる。

民法第896条「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」一次資料を確認

イ.誤り
被相続人の一身に専属したものは、承継されない(民法896条ただし書)。「すべて」承継されるとする点が誤りである。例えば、被相続人本人でなければ果たせない、画家として絵を描く債務のようなものは、子に引き継がれない。

民法第896条ただし書「被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」一次資料を確認

ひっかけ承継は『一切』でも無制限ではなく、一身専属の権利義務だけは枠の外です。

解説相続が開始すると、相続人は相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(民法896条本文)。これを包括承継といい、土地・預金などのプラスの財産だけでなく、借入金などのマイナスの財産(債務)も当然に引き継ぐ。アはこの896条本文どおりで正しい。ただし『一切』には限度があり、被相続人の一身に専属したもの(その人だけに認められた権利義務。年金受給権や扶養を受ける権利、画家が絵を描く債務など)は、この限りでなく承継されない(同条ただし書)。イは一身専属のものまで含めてすべて承継されるとする点で、このただし書に反し誤り。よってアは正しく、イは誤り。借金まで引き継ぐ包括承継だからこそ相続放棄の制度が用意されている一方、地位そのものが本人限りの一身専属権は、放棄を待つまでもなく承継の枠から外れる。

補足借金ごと引き継ぐのが嫌なら、自己のために相続の開始を知った時から3か月以内に相続放棄や限定承認を選べる(民法915条1項)。

問8子の相続権と代襲相続e-Gov等の一次資料で確認済み

子の相続権及び代襲相続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.被相続人の子は、相続人となる。
  • イ.被相続人の子が相続の開始以前に死亡していたときは、その者の子(被相続人の孫)が、これを代襲して相続人となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
887条1項どおり → 正しい

民法第887条第1項「被相続人の子は、相続人となる。」一次資料を確認

イ.正しい
887条2項の代襲相続どおり → 正しい

民法第887条第2項「その者の子がこれを代襲して相続人となる。」一次資料を確認

ひっかけ子が先に亡くなっても家系が消えるわけではなく、孫が代襲して相続人になります。

解説被相続人の子は相続人となり(民法887条1項)、配偶者と並ぶ第1順位の血族相続人である。アはこの887条1項どおりで正しい。問題は、その子が先に亡くなっていた場合に家系ごと相続から外れるのかという点で、外れない。子が、相続の開始以前に死亡していたとき、又は相続欠格・廃除によって相続権を失ったときは、その者の子(被相続人の孫)が、これを代襲して相続人となる(同条2項。代襲相続)。亡くなった子が受けるはずだった相続分を、孫が引き継ぐ。イはこの887条2項どおりで正しい。アもイも条文に沿い、『アー正、イー正』。なお代襲は死亡・欠格・廃除のときに起き、相続放棄は『初めから相続人でなかった』扱いになるため代襲を生まない点が、ひっかけになりやすい。

補足代襲の原因は死亡・相続欠格・廃除に限られ、相続放棄では代襲は起きない。放棄者は初めから相続人でなかったものとみなされる(民法939条)ため。

問9相続人の順位e-Gov等の一次資料で確認済み

相続人の順位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.被相続人に子がいる場合であっても、被相続人の兄弟姉妹は、子と同順位で相続人となる。
  • イ.被相続人に子がなく、直系尊属と兄弟姉妹がいる場合には、直系尊属が兄弟姉妹に先立って相続人となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
889条で兄弟姉妹は子がない場合に相続 → 同順位ではない

民法第889条第1項「第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には」一次資料を確認

イ.正しい
889条1項で直系尊属が第1順位(兄弟姉妹より先)→ 正しい

民法第889条第1項第1号「被相続人の直系尊属」一次資料を確認

ひっかけ兄弟姉妹は子と同列に並びません。子がいない場合に、しかも直系尊属の次に回ってくる順位です。

解説血族相続人には順位があり、全員が同時に相続するわけではない。第1順位は子(及びその代襲者)で、子がいる限り、直系尊属や兄弟姉妹は相続人にならない。アは子がいても兄弟姉妹が子と同順位で相続人になるとするが、兄弟姉妹は子(887条により相続人となるべき者)がいない場合にはじめて登場するため、同順位ではなく誤り。子がいないときの順序は、第1号が被相続人の直系尊属(親など。親等の近い者が先)、第2号が兄弟姉妹である(民法889条1項)。したがって、子がなく直系尊属と兄弟姉妹がいるときは、直系尊属が兄弟姉妹に先立って相続人となる。イはこの889条1項の順序どおりで正しい。よってアは誤りで、イは正しい。配偶者だけは順位の枠の外にいて、子・直系尊属・兄弟姉妹のいずれと並ぶ場合でも常に相続人となる。

補足順位とは別に、配偶者は常に相続人となる(民法890条)。子・直系尊属・兄弟姉妹のどれが相続人でも、配偶者はその者と並んで相続する。

問10重婚の禁止と親権e-Gov等の一次資料で確認済み

婚姻及び親権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.配偶者のある者であっても、相手方の同意があれば、重ねて婚姻をすることができる。
  • イ.親権は、親自身の利益のために行使することができる権利であり、子の利益のために行使すべきものとはされていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
732条で重婚は禁止 → 同意があってもできない

民法第732条「配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。」一次資料を確認

イ.誤り
818条1項で親権は子の利益のために行使 → 記述は誤り

民法第818条第1項「親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ重婚は同意があっても通りません。親権の向き先は親ではなく子です。

解説婚姻には成立を妨げる事由(婚姻障害)がいくつかあり、その一つが重婚の禁止である。配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない(民法732条)。アは相手方の同意があれば重婚できるとするが、同意の有無に関係なく禁止されるため誤り。誤って重婚の届出が受理されても取消しの対象になる。親権についても、誰のための権利かという点が問われる。親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない(818条1項)。イは親権を親自身の利益のための権利とし、子の利益のためのものではないとするが、818条1項と正反対で誤り。アもイも条文に反し、『アー誤、イー誤』。親権は親の支配権ではなく、子を監護・教育し(820条)その健全な成長を図るための権利義務だという位置づけが、この肢の正誤を決めている。

補足親権が子のための制度であることの裏返しとして、父母が虐待などで子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所が親権喪失の審判をすることができる(民法834条)。

問11配偶者居住権e-Gov等の一次資料で確認済み

配偶者居住権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産の分割によってこれを取得するものとされたときや遺贈の目的とされたときは、配偶者居住権を取得する。
  • イ.配偶者居住権を取得した配偶者は、居住建物の所有者に対して賃料を支払わなければ、その居住建物を使用及び収益することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
1028条1項の取得要件どおり → 正しい

民法第1028条第1項「被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において」一次資料を確認

イ.誤り
1028条1項は『無償で使用及び収益をする権利』 → 賃料が必要とするのは誤り

民法第1028条第1項「無償で使用及び収益をする権利」一次資料を確認

ひっかけ配偶者居住権は『無償』で住み続けられる権利。賃料支払を条件とするイが誤り。

解説配偶者居住権は、残された配偶者が住み慣れた建物に引き続き無償で住み続けられるようにする権利である(民法1028条)。要件は、被相続人の配偶者が、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していたこと、そのうえで、遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき、または配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき、のいずれかに該当することである。効果として、配偶者は居住建物の全部について『無償で』使用及び収益をする権利を得る。アはこの取得要件のとおりで正しい。イは『賃料を支払わなければ使用・収益できない』とするが、条文は無償の権利と定めるので誤り。なお、被相続人が相続開始時に建物を配偶者以外の者と共有していた場合には配偶者居住権は成立しない(同項ただし書)。よってアは正しく、イは誤り。

補足配偶者居住権は2020年4月施行の制度。被相続人が相続開始時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合は成立しない(1028条1項ただし書)。短期的に居住を保護する配偶者短期居住権(1037条)とは別の権利。

問12遺言の撤回e-Gov等の一次資料で確認済み

遺言の撤回に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
  • イ.前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
1022条どおり遺言は撤回自由 → 正しい

民法第1022条「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる」一次資料を確認

イ.正しい
1023条1項どおり抵触部分は撤回擬制 → 正しい

民法第1023条第1項「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」一次資料を確認

ひっかけ一度書いた遺言にも縛られない。遺言者は死ぬまで何度でも撤回・書き直しができる。

解説遺言は遺言者の最終意思を実現する制度なので、その意思が変われば自由に撤回できる。民法1022条は、遺言者はいつでも遺言の方式に従ってその遺言の全部又は一部を撤回できると定める。アはこのとおりで正しい。さらに、わざわざ『前の遺言を撤回する』と書かなくても、前の遺言と後の遺言が抵触するときは、その抵触する部分について後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされる(1023条1項)。イはこのとおりで正しい。撤回の自由は強行的で、遺言者は撤回権を放棄できない(1026条)。よってアもイも正しい。

補足遺言を撤回する権利は放棄できない(1026条)。撤回は遺言の方式に従う必要があるが、前の遺言と同じ方式である必要はない(自筆証書遺言を公正証書遺言で撤回するなども可)。遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合も同様に撤回とみなされる(1023条2項)。

問13相続欠格e-Gov等の一次資料で確認済み

相続人の欠格事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.相続に関する被相続人の遺言書を偽造した相続人であっても、相続人となる資格を当然に失うわけではない。
  • イ.詐欺によって被相続人に相続に関する遺言をさせた者は、その行為について刑に処せられた場合に限り、相続人となることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
891条5号で遺言書偽造者は欠格 → 資格を失わないとするのは誤り

民法第891条柱書「次に掲げる者は、相続人となることができない」一次資料を確認

民法第891条第5号「相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者」一次資料を確認

イ.誤り
891条4号は刑罰を要件としない → 『刑に処せられた場合に限り』は誤り

民法第891条柱書「次に掲げる者は、相続人となることができない」一次資料を確認

民法第891条第4号「詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者」一次資料を確認

ひっかけ相続欠格は家庭裁判所の手続なしに当然発生する。刑事処罰が必要なのは『殺害』型(1号)だけ。

解説相続欠格は、相続秩序を著しく害する非行をした者から、法律上当然に相続資格を奪う制度である(民法891条)。欠格事由は、故意に被相続人や先順位・同順位の相続人を死亡させ又は死亡させようとして刑に処せられた者(1号)、被相続人の殺害を知りながら告発・告訴しなかった者(2号)、詐欺・強迫によって被相続人の遺言を妨げた者(3号)やさせた者(4号)、相続に関する遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した者(5号)である。注意点は、刑に処せられたことを要件とするのは1号だけで、4号・5号は刑事処罰の有無を問わず当然に欠格となること。よってア(偽造しても資格を失わない)もイ(刑に処せられた場合に限り欠格)もいずれも誤り。欠格は家庭裁判所の手続を要する廃除(892条)とは異なり当然に生じる。よってアもイも誤り。

補足相続欠格(891条)は法律上当然に効力を生じ、家庭裁判所の手続を要しない。これに対し被相続人の意思に基づく相続人の廃除(892条)は家庭裁判所への請求が必要で、両者は区別される。欠格者の子は代襲相続できる(887条2項)。

問14協議上の離婚と財産分与e-Gov等の一次資料で確認済み

協議上の離婚及び財産分与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.夫婦が離婚をするには必ず裁判所の関与(調停又は裁判)が必要であり、当事者の協議のみによって離婚をすることはできない。
  • イ.協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
763条で協議離婚が認められる → 裁判所の関与を必須とするのは誤り

民法第763条「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる」一次資料を確認

イ.正しい
768条1項どおり財産分与請求権が認められる → 正しい

民法第768条第1項「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる」一次資料を確認

ひっかけ日本の離婚の大半は協議離婚。裁判所が必ず関与するわけではない。

解説日本では、夫婦は家庭裁判所などの関与なしに、当事者の協議だけで離婚できる(協議離婚、民法763条)。離婚は届出により効力を生じる。協議が調わないときに初めて調停・裁判(770条の裁判上の離婚)へ進む。したがって『必ず裁判所の関与が必要』とするアは誤り。次に、協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる(768条1項)。これは婚姻中に夫婦が協力して築いた財産の清算などを目的とする権利で、イはこのとおりで正しい。協議が調わなければ家庭裁判所に処分を請求できる(同条2項)。よってアは誤りで、イは正しい。

補足協議離婚は離婚の届出によって効力を生じる(764条・739条)。財産分与について協議が調わないときは、家庭裁判所に協議に代わる処分を請求でき、原則として離婚の時から2年(768条2項ただし書は令和の改正で延長された期間に注意)という期間制限がある点も押さえる。

問15認知e-Gov等の一次資料で確認済み

認知に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。
  • イ.認知は、認知をした時から将来に向かってのみ効力を生じ、子の出生の時にさかのぼって効力を生ずることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
779条どおり認知が認められる → 正しい

民法第779条「嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる」一次資料を確認

イ.誤り
784条本文は出生時に遡及 → 将来に向かってのみとするのは誤り

民法第784条「認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる」一次資料を確認

ひっかけ認知の効力は『認知した時から』ではなく『生まれた時にさかのぼる』。遡及効が要点。

解説婚姻関係にない男女の間に生まれた子(嫡出でない子)と父との法律上の親子関係は、当然には生じず、認知によって発生する。民法779条は、嫡出でない子はその父又は母がこれを認知することができると定める。アはこのとおりで正しい。そして認知の効力は、認知をした時からではなく、子の出生の時にさかのぼって生じる(784条本文)。これにより、認知された子は出生時から父の子であったものとして扱われ、扶養や相続の前提となる親子関係が基礎づけられる。イは『将来に向かってのみ効力を生じ、さかのぼらない』とするので誤り。ただし遡及効には限界があり、第三者が既に取得した権利を害することはできない(同条ただし書)。よってアは正しく、イは誤り。

補足認知の遡及効には限界があり、第三者が既に取得した権利を害することはできない(784条ただし書)。嫡出でない子は、認知により父との間で法律上の親子関係が生じ、扶養・相続などの権利義務が認められる。

問16婚姻適齢e-Gov等の一次資料で確認済み

婚姻適齢に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.婚姻は、18歳にならなければすることができない。
  • イ.婚姻は、15歳になれば誰でもすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
現行法では婚姻できる年齢は男女とも18歳。成年年齢と同じ数字だが、根拠条文は婚姻適齢を定める民法731条。

民法第731条「婚姻は、十八歳にならなければ、することができない」一次資料を確認

イ.誤り
15歳は遺言能力の年齢と混同しやすい。婚姻適齢は15歳ではなく18歳なので、「15歳になれば誰でも婚姻できる」は誤り。

民法第731条「婚姻は、十八歳にならなければ、することができない」一次資料を確認

ひっかけ婚姻は15歳や16歳でできる、という古い感覚のままだとイを正しいと誤る。婚姻適齢は男女とも18歳。

解説婚姻は、18歳にならなければすることができない(民法731条)。これを婚姻適齢という。現行法では男女とも18歳で統一されている。アはこのとおりで正しい。イは15歳になれば誰でも婚姻できるとするが、731条が定める18歳の要件に反し誤り。成年年齢(18歳)ともそろえられており、数字を正確に押さえることが大切である。

補足成年年齢が18歳になったことで、婚姻に父母の同意を要する未成年者の婚姻という仕組みもなくなった。18歳になれば、親の同意なく単独で婚姻できる。

問17婚姻届出e-Gov等の一次資料で確認済み

婚姻届出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって効力を生ずる。
  • イ.婚姻は、当事者が口頭で合意するだけで届出なしに効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
民法第739条第1項の「届け出ることによって、その効力を生ずる」と一致するため正しい。

民法第739条第1項「届け出ることによって、その効力を生ずる」一次資料を確認

イ.誤り
要件・効果のすり替え

民法第739条第1項「届け出ることによって、その効力を生ずる」一次資料を確認

ひっかけ婚姻は合意さえあれば成立する、と考えるとイを正しいと誤る。婚姻は届出をして初めて効力を生じる。

解説婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる(民法739条1項)。これを届出婚主義という。当事者に婚姻の意思があっても、届出をしなければ法律上の夫婦とは認められない。アはこのとおりで正しい。イは当事者が口頭で合意するだけで届出なしに効力を生ずるとするが、届出を効力要件とする739条1項に反し誤り。事実上夫婦のように生活していても、届出がなければ法律婚にはならない点を押さえる。

補足届出をしないまま夫婦同然に生活する関係は内縁(事実婚)と呼ばれる。内縁には婚姻に準じた一定の保護が及ぶが、配偶者としての相続権などは認められない。

問18夫婦の同居協力扶助義務e-Gov等の一次資料で確認済み

夫婦の同居協力扶助義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
  • イ.夫婦には、互いに協力し扶助する義務はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
民法752条は、夫婦関係の基本的義務として同居・協力・扶助を一体で定める。婚姻による身分上の効果を問う基本問題。

民法第752条「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
夫婦間には互いに協力し扶助する義務がある。義務はないとする記述は、752条が明示する協力扶助義務を正面から否定している。

民法第752条「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ夫婦に協力・扶助の義務はない、と考えるとイを正しいと誤る。夫婦は同居し互いに協力・扶助しなければならない。

解説夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない(民法752条)。同居義務・協力義務・扶助義務は、夫婦という共同生活の基本をなす義務である。扶助とは、相手が自分と同程度の生活を送れるように支え合うことをいう。アはこのとおりで正しい。イは互いに協力し扶助する義務はないとするが、752条に反し誤り。夫婦が単なる同居人ではなく、生活を支え合う関係であることを法が定めている。

補足このほか夫婦は、婚姻から生じる費用を分担し(婚姻費用の分担。760条)、日常の家事に関する債務について連帯して責任を負う(日常家事債務の連帯責任。761条)。

問19相続欠格(第8章)e-Gov等の一次資料で確認済み

相続欠格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.一定の重大な非行に該当する者は、相続人となることができない。
  • イ.相続欠格事由に該当しても、常に相続人となることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
民法第891条の「相続人となることができない」と一致するため正しい。

民法第891条「相続人となることができない」一次資料を確認

イ.誤り
要件・効果のすり替え

民法第891条「相続人となることができない」一次資料を確認

ひっかけどんな非行があっても相続はできる、と考えるとイを正しいと誤る。一定の重大な非行があると相続欠格として相続人になれない。

解説被相続人や先順位の相続人を故意に死亡させたり、遺言を偽造・変造したりするなど、民法891条が定める一定の重大な非行に該当する者は、相続人となることができない。これを相続欠格という。アはこのとおりで正しい。イは相続欠格事由に該当しても常に相続人となることができるとするが、891条に反し誤り。相続欠格は、被相続人の意思や特別の手続を必要とせず、事由があれば法律上当然に相続資格を失う点に特徴がある。

補足相続欠格は、欠格事由があれば法律上当然に効果が生じる。これに対し、被相続人への虐待・重大な侮辱などがあった場合に、被相続人が家庭裁判所に請求して相続資格を失わせる制度が廃除である(892条)。

問20遺言能力e-Gov等の一次資料で確認済み

遺言能力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.15歳に達した者は、遺言をすることができる。
  • イ.遺言は、20歳に達しなければ一切することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
遺言は身分行為・財産処分の性質を持つが、民法961条は15歳に達した者に遺言能力を認める。成年である必要はない。

民法第961条「十五歳に達した者は、遺言をすることができる」一次資料を確認

イ.誤り
遺言能力は成年年齢や20歳とは連動しない。15歳で遺言可能なので、20歳に達しなければ一切できないとする記述は過度に厳しい。

民法第961条「十五歳に達した者は、遺言をすることができる」一次資料を確認

ひっかけ遺言は成年でないとできない、と考えるとイを正しいと誤る。15歳に達すれば遺言ができる。

解説15歳に達した者は、遺言をすることができる(民法961条)。遺言については、財産に関する通常の法律行為の行為能力とは別に、15歳という基準が定められている。アはこのとおりで正しい。イは20歳に達しなければ一切遺言できないとするが、961条が定める15歳に反し誤り。契約などは成年(18歳)を基準にする一方、遺言は15歳からできるという年齢の違いを押さえておくとよい。

補足遺言は満15歳から単独ででき、未成年者でも法定代理人の同意なく有効に遺言できる。ただし、遺言は法律の定める方式(自筆証書・公正証書など)に従わなければ効力を生じない(960条)。

問21法定相続分e-Gov等の一次資料で確認済み

法定相続分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1である。
  • イ.配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は3分の2、直系尊属の相続分は3分の1である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
900条1号

民法第900条第1号「子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。」一次資料を確認

イ.正しい
900条2号

民法第900条第2号「配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。」一次資料を確認

ひっかけ配偶者の取り分は『相手が誰か』で 1/2 → 2/3 → 3/4 と上がる。

解説法定相続分は、配偶者と一緒に相続する者が誰かで変わる。子と配偶者なら各2分の1(900条1号)、配偶者と直系尊属(親など)なら配偶者2/3・直系尊属1/3(2号)、配偶者と兄弟姉妹なら配偶者3/4・兄弟姉妹1/4(3号)。アは1号、イは2号のとおりで、ともに正しい。配偶者の取り分は相手の順位が下がるほど大きくなる、と覚えるとよい。結論はアー正、イー正。

補足配偶者と兄弟姉妹が相続人のときは、配偶者3/4・兄弟姉妹1/4(900条3号)。同順位の子・直系尊属・兄弟姉妹が複数いれば原則として頭割り。

問22自筆証書遺言の方式e-Gov等の一次資料で確認済み

自筆証書遺言の方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.自筆証書遺言は、本文をパソコンで作成し、これに署名・押印すれば有効に成立する。
  • イ.自筆証書によって遺言をするには、遺言者がその全文・日付・氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
968条1項:全文の自書が必要

民法第968条第1項「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」一次資料を確認

イ.正しい
968条1項:方式

民法第968条第1項「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ自筆証書遺言の本文は『全文を手書き』。パソコンは不可。

解説自筆証書遺言は、遺言者が全文・日付・氏名を自書し、押印して作成する(民法968条1項)。本文の全文自書が要件なので、パソコンで作成した本文に署名・押印しただけでは無効である。だからアは誤り、イは正しい。なお2018年改正で、添付する相続財産の目録については自書が不要となった(各葉に署名・押印は必要、968条2項)が、緩和されたのは目録だけで本文ではない。結論はアー誤、イー正。

補足財産目録を添付する場合、その目録は自書不要だが、毎葉に署名・押印が必要(968条2項)。日付・氏名・押印を欠くと無効になりやすい。

問23配偶者の相続権と法定相続分と相続の承認・放棄の横断確認e-Gov等の一次資料で確認済み

配偶者の相続権と法定相続分と相続の承認・放棄を横断して確認する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.被相続人の配偶者は、常に相続人となる。
  • イ.相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
被相続人の配偶者は常に相続人となる(民法890条)。子・直系尊属・兄弟姉妹と並んで同順位の相続人となる。

民法第890条「被相続人の配偶者は、常に相続人となる。」一次資料を確認

イ.正しい
民法939条のとおりで正しい。放棄者は初めから相続人でなかったものと扱われ、代襲相続も生じない。

民法第939条「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」一次資料を確認

ひっかけ異なる制度の要件や法律効果を一つのルールとして混同しない。

解説配偶者の相続権と法定相続分と相続の承認・放棄は、根拠条文と法律効果を分けて整理する。

補足各記述に付したe-Gov根拠を個別に確認する。

問24婚姻前契約がない夫婦の財産関係e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の家族法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.婚姻届出前に財産について別段の契約をしなかった夫婦の財産関係は、民法の法定財産制による。
  • イ.別段の財産契約は婚姻届出後にだけ行うことが予定されている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
755条と一致する。

民法第755条「婚姻の届出前に、その財産について別段の契約をしなかったときは、その財産関係は、次款に定めるところによる。」一次資料を確認

イ.誤り
条文は婚姻届出前を基準とする。

民法第755条「婚姻の届出前に、その財産について別段の契約をしなかったとき」一次資料を確認

ひっかけ原則と例外、協議と家庭裁判所の役割を区別する。

解説アは正しく、イは誤り。婚姻前に別段の契約がなければ法定財産制による。

補足民法の根拠条文を確認する。

問25協議離婚後の子の監護事項e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の家族法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.協議離婚では、子の監護者、親子交流、監護費用分担などを協議で定める。
  • イ.監護事項を定める際は、子の利益を最も優先して考慮する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
766条1項と一致する。

民法第766条「子の監護をすべき者又は子の監護の分掌、父又は母と子との交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。」一次資料を確認

イ.正しい
766条1項と一致する。

民法第766条「子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」一次資料を確認

ひっかけ原則と例外、協議と家庭裁判所の役割を区別する。

解説ア・イともに正しい。監護事項は協議で定め、子の利益を最優先する。

補足民法の根拠条文を確認する。

問26子の監護協議が調わない場合e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の家族法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.子の監護事項の協議が調わない場合、家庭裁判所が定める。
  • イ.協議不能でも家庭裁判所は関与できない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
766条2項と一致する。

民法第766条「協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。」一次資料を確認

イ.誤り
家庭裁判所が定める。

民法第766条「家庭裁判所が、同項の事項を定める。」一次資料を確認

ひっかけ原則と例外、協議と家庭裁判所の役割を区別する。

解説アは正しく、イは誤り。協議不成立・不能時は家庭裁判所が監護事項を定める。

補足民法の根拠条文を確認する。

問27配偶者がいる者による未成年養子縁組e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の家族法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.配偶者のある者が未成年者を養子とする場合、原則として配偶者とともに縁組しなければならない。
  • イ.配偶者の嫡出子を養子とする場合にも例外は一切ない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
795条本文と一致する。

民法第795条「配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。」一次資料を確認

イ.誤り
ただし書の例外がある。

民法第795条「配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。」一次資料を確認

ひっかけ原則と例外、協議と家庭裁判所の役割を区別する。

解説アは正しく、イは誤り。原則共同縁組だが、配偶者の嫡出子などの例外がある。

補足民法の根拠条文を確認する。

問28養子の嫡出子身分と扶養義務者e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の家族法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.養子は縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得する。
  • イ.直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養義務を負う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
809条と一致する。

民法第809条「養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。」一次資料を確認

イ.正しい
877条1項と一致する。

民法第877条「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」一次資料を確認

ひっかけ原則と例外、協議と家庭裁判所の役割を区別する。

解説ア・イともに正しい。養子の身分取得時点と親族間の扶養義務を確認する。

補足民法の根拠条文を確認する。

問29遺産分割の協議と家庭裁判所への請求e-Gov等の一次資料で確認済み

遺産の分割に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.共同相続人は、被相続人が遺言で遺産の分割を禁じた場合であっても、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
  • イ.遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
協議による分割は原則としていつでもできるが、被相続人が遺言で禁じた場合や、分割をしない旨の契約をした場合は例外になる。

民法第907条第1項「共同相続人は、次条第一項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合又は同条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる」一次資料を確認

イ.正しい
話し合いで決まらない場合の解決手段が用意されている。各共同相続人が、単独で家庭裁判所に分割を請求できる。

民法第907条第2項「遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる」一次資料を確認

ひっかけ協議による分割にも例外がある。決まらなければ家庭裁判所へ。

解説共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合や、分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で遺産の全部又は一部の分割をすることができる(民法907条1項)。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、家庭裁判所に分割を請求できる(同条2項)。

補足遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してする(906条)。法定相続分の割合で機械的に分けるわけではない。

問30遺産分割の遡及効と第三者の権利e-Gov等の一次資料で確認済み

遺産の分割の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼって、その効力を生ずる。
  • イ.遺産の分割は、第三者の権利を害する場合であっても、相続開始の時にさかのぼって、その効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
分割によって各相続人が取得した財産は、相続開始の時から、その相続人が取得したものとして扱われる。

民法第909条「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる」一次資料を確認

イ.誤り
分割前に相続財産について権利を取得した第三者の地位を、さかのぼる効力で覆すことはできない。

民法第909条「ただし、第三者の権利を害することはできない」一次資料を確認

ひっかけ分割の効力はさかのぼるが、第三者の権利は害せない。

解説遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない(民法909条)。

補足相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する(898条1項)。遺産の分割は、この共有状態を解消して、各相続人の取得する財産を決める手続にあたる。

問31公正証書遺言の方式と検認が不要な理由e-Gov等の一次資料で確認済み

公正証書による遺言に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.公正証書によって遺言をするには、証人2人以上の立会いがあることと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授することが必要である。
  • イ.遺言書の検認を家庭裁判所に請求する規定は、公正証書による遺言については、適用されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
公正証書によって遺言をするには、証人2人以上の立会いがあること(民法969条1号)、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること(同条2号)などの方式に従わなければならない。例えば、遺言者が公証人の前で、証人2人の立会いのもと、遺言の内容を口頭で伝える。

民法第969条第1項第1号「証人二人以上の立会いがあること」一次資料を確認

民法第969条第1項第2号「遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること」一次資料を確認

イ.正しい
遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、家庭裁判所に提出して検認を請求しなければならないが(民法1004条1項)、この規定は、公正証書による遺言については適用されない(同条2項)。例えば、公正証書遺言は、家庭裁判所の検認を受けなくても、相続の手続に使える。

民法第1004条第2項「前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない」一次資料を確認

ひっかけ公正証書遺言は証人2人以上。検認は要らない。

解説公正証書によって遺言をするには、証人2人以上の立会いがあること、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授することの方式に従う(民法969条1項)。遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく家庭裁判所に検認を請求しなければならないが(1004条1項)、この規定は公正証書による遺言には適用されない(同条2項)。

補足封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない(1004条3項)。秘密証書遺言は、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して申述する方式による(970条1項3号)。

問32裁判上の離婚の事由と請求の棄却e-Gov等の一次資料で確認済み

裁判上の離婚に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.夫婦の一方は、配偶者に不貞な行為があったときに限り、離婚の訴えを提起することができる。
  • イ.裁判所は、配偶者に不貞な行為があるなど1号から3号までの事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
770条1項は4つの事由を挙げている。不貞な行為は1号にすぎず、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、その他婚姻を継続し難い重大な事由も、離婚の訴えの事由になる。

民法第770条第1項「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる」一次資料を確認

民法第770条第1項第4号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」一次資料を確認

イ.正しい
事由があれば当然に離婚が認められるわけではない。裁判所は、一切の事情を考慮して、婚姻の継続が相当と認めるときは、請求を棄却できる。

民法第770条第2項「裁判所は、前項第一号から第三号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる」一次資料を確認

ひっかけ離婚の事由は4つ。事由があっても、裁判所が棄却できる場合がある。

解説夫婦の一方は、配偶者に不貞な行為があったとき、配偶者から悪意で遺棄されたとき、配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときに限り、離婚の訴えを提起できる(民法770条1項)。1号から3号までの事由がある場合でも、裁判所は、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却できる(同条2項)。

補足夫婦は、その協議で、離婚をすることができる(763条)。協議上の離婚は、この裁判上の離婚とは別の手続で、770条1項のような事由は要件として定められていない。

問33寄与分の要件と遺贈の価額との関係e-Gov等の一次資料で確認済み

寄与分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、その者の相続分に寄与分が加えられる。
  • イ.寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額を超えない限り、遺贈の価額にかかわらず、定めることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
被相続人の事業への労務の提供や療養看護などで、財産の維持又は増加について特別の寄与をした共同相続人には、相続分に寄与分が加えられる(民法904条の2第1項)。例えば、長男が家業を手伝い続けて被相続人の財産の維持に特別の寄与をしたとき、その分が相続分に加えられる。

民法第904条の2第1項「被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは」一次資料を確認

イ.誤り
寄与分は、相続開始の時の財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えられない(同条3項)。例えば、財産が3,000万円で遺贈が1,000万円なら、寄与分は2,000万円が上限になる。遺贈の価額にかかわらず定められるのではない。

民法第904条の2第3項「寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない」一次資料を確認

ひっかけ寄与分の上限は、遺贈を差し引いた残額。

解説共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、寄与分が認められる(民法904条の2第1項)。寄与分は、相続開始の時に被相続人が有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えられない(同条3項)。

補足寄与分の協議が調わないとき、又は協議ができないときは、家庭裁判所が、寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して定める(904条の2第2項)。

問34限定承認の方式と共同相続人の全員による行使e-Gov等の一次資料で確認済み

相続の限定承認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみ、することができる。
  • イ.相続人は、限定承認をしようとするときは、家庭裁判所に申述をする必要はなく、被相続人の債権者に対して限定承認をする旨の意思表示をすれば足りる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
共同相続人の一部だけが限定承認をすることはできない。全員が共同して行う必要がある。

民法第923条「相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる」一次資料を確認

イ.誤り
限定承認は、当事者間の意思表示では足りない。915条1項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、申述することが必要である。

民法第924条「相続人は、限定承認をしようとするときは、第九百十五条第一項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ限定承認は、全員で、家庭裁判所に申述する。

解説相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる(民法922条)。相続人が数人あるときは、共同相続人の全員が共同してのみ、これをすることができる(923条)。限定承認をしようとするときは、915条1項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、申述しなければならない(924条)。

補足相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない(915条1項)。

問35嫡出の推定(婚姻成立から200日・解消から300日)e-Gov等の一次資料で確認済み

嫡出の推定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定される。
  • イ.婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定される(民法772条2項)。婚姻中の懐胎と推定されるのは、200日を経過した後に生まれた子である。例えば、婚姻成立の150日後に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定される。

民法第772条第2項「婚姻の成立の日から二百日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定し」一次資料を確認

イ.正しい
婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定される(同項)。例えば、婚姻成立から250日後に生まれた子や、離婚から280日後に生まれた子は、婚姻中の懐胎と推定される。

民法第772条第2項「婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」一次資料を確認

ひっかけ200日以内は婚姻前の懐胎、200日経過後と解消から300日以内は婚姻中の懐胎。

解説妻が婚姻中に懐胎した子は、その婚姻における夫の子と推定される。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも同様である(民法772条1項)。婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子は婚姻前に懐胎したものと、200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定される(同条2項)。

補足女が子を懐胎した時から出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは、その子は、出生の直近の婚姻における夫の子と推定される(772条3項)。

問36親権者による子の財産の管理と代表e-Gov等の一次資料で確認済み

親権を行う者の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について、その子を代表する。
  • イ.その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、親権を行う者は、本人の同意を得なければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
未成年の子は、自分だけでは法律行為が制限される。親権を行う者が子の財産を管理し、その代理人として法律行為を行う。

民法第824条「親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する」一次資料を確認

イ.正しい
子が自ら何かをする義務を負う契約(たとえば労務の提供)は、親権者が代表して決めることができず、子本人の同意が必要になる。

民法第824条「ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない」一次資料を確認

ひっかけ代表できるのは子の財産に関する法律行為。子自身の行為を目的とする債務には子の同意が要る。

解説親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない(民法824条)。

補足民法818条1項は、成年に達しない子は、父母の親権に服すると定める。親権を行う者の権限には、824条の財産管理と代表のほか、子の監護及び教育をする権利義務(820条)もある。

問37特別養子縁組の成立と養子となる者の年齢e-Gov等の一次資料で確認済み

特別養子縁組に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.特別養子縁組が成立しても、養子と実方の血族との親族関係は終了しない。
  • イ.特別養子縁組では、請求の時に15歳に達している者であっても、原則として養子となることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
特別養子縁組は、実方の血族との親族関係が終了する縁組である(民法817条の2第1項)。縁組が成立すると、養子と実方の血族との親族関係は終了する。

民法第817条の2第1項「家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組」一次資料を確認

イ.誤り
請求の時に15歳に達している者は、原則として養子となることができない(同法817条の5第1項)。例えば、請求の時に16歳の者は、原則として特別養子縁組の養子にはなれない。

民法第817条の5第1項「第八百十七条の二に規定する請求の時に十五歳に達している者は、養子となることができない」一次資料を確認

ひっかけ特別養子縁組は実方との親族関係が終了する。養子は原則15歳未満。

解説家庭裁判所は、要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(特別養子縁組)を成立させることができる(民法817条の2第1項)。請求の時に15歳に達している者は、原則として養子となることができない(817条の5第1項)。

補足養子となる者が15歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合で、15歳に達するまでに請求がされなかったことにやむを得ない事由があるときは、例外として15歳以上でも養子となれる(817条の5第2項)。養子となる者が15歳に達している場合は、その者の同意が必要である(同条3項)。

問38特別の寄与(特別寄与料)の請求e-Gov等の一次資料で確認済み

特別の寄与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人などを除く。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与料の支払を請求することができる。
  • イ.特別寄与料の支払について協議が調わないときに、家庭裁判所に協議に代わる処分を請求できる期間は、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から3年である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
相続人以外の親族が、無償で療養看護などをして被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をしたときは、相続人に特別寄与料の支払を請求できる(民法1050条1項)。寄与分(904条の2)は共同相続人の制度で、相続人以外の親族には使えない。例えば、亡くなった人の息子の妻が、無償で長年介護をしていた場合が当たる。

民法第1050条第1項「被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族」一次資料を確認

イ.誤り
家庭裁判所に協議に代わる処分を請求できるのは、相続の開始と相続人を知った時から6か月、または相続開始の時から1年を経過するまでである(同条2項)。3年ではない。例えば、相続の開始と相続人を知ってから半年を過ぎると、請求できなくなる。

民法第1050条第2項「特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ相続人以外の親族の制度。請求期間は6か月と1年。

解説被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人などを除く)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与料の支払を請求できる(民法1050条1項)。協議が調わないときは、家庭裁判所に協議に代わる処分を請求できるが、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月を経過したとき、又は相続開始の時から1年を経過したときは、請求できない(同条2項)。

補足特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない(1050条4項)。相続人が数人あるときは、各相続人は、特別寄与料の額に自己の相続分を乗じた額を負担する(同条5項)。

問39特別受益者の相続分と被相続人の意思e-Gov等の一次資料で確認済み

特別受益に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.共同相続人中に、被相続人から、婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなして、相続分を算定する。
  • イ.被相続人が特別受益に関する規定と異なる意思を表示したときであっても、その意思は考慮されず、規定どおりに相続分が算定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
生前に特別な贈与を受けた相続人と、そうでない相続人との公平を図るため、贈与の価額を相続財産に加えて相続分を計算し、その者の相続分から遺贈や贈与の価額を差し引く。

民法第903条第1項「共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし」一次資料を確認

イ.誤り
特別受益の持戻しの規定は、被相続人の意思で排除できる。異なる意思を表示していれば、その意思に従って相続分を算定する。

民法第903条第3項「被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う」一次資料を確認

ひっかけ特別受益は相続財産に加えて計算する。ただし、被相続人の意思で排除できる。

解説共同相続人中に、被相続人から遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時に有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、算定した相続分の中から遺贈又は贈与の価額を控除した残額を、その者の相続分とする(民法903条1項)。被相続人が異なる意思を表示したときは、その意思に従う(同条3項)。

補足婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、903条1項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定される(903条4項)。

問40遺留分侵害額請求権の期間制限e-Gov等の一次資料で確認済み

遺留分侵害額の請求権の期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。
  • イ.遺留分侵害額の請求権は、相続開始の時から10年を経過したときも、消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
遺留分侵害額の請求権は、知った時から1年で時効により消滅する(民法1048条)。3年ではない。例えば、父の死亡と、自分の遺留分を侵害する遺贈があったことを知った日から1年が過ぎると、請求できなくなる。

民法第1048条「遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する」一次資料を確認

イ.正しい
遺留分を侵害されたことを知らなかった場合でも、相続開始の時から10年が過ぎると、請求権は消滅する(同条)。「知った時から1年」と「相続開始の時から10年」の2本立てである。

民法第1048条「相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする」一次資料を確認

ひっかけ1年は「知った時」から、10年は「相続開始の時」から。

解説遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から10年を経過したときも、同様である(民法1048条)。

補足遺留分権利者及びその承継人は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる(1046条1項)。

問41夫婦の氏と養子とすることのできない者e-Gov等の一次資料で確認済み

婚姻と養子縁組に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.夫婦は、婚姻の際に、必ず夫の氏を称しなければならない。
  • イ.尊属又は年長者であっても、当事者が合意すれば、養子とすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
婚姻の際に、夫婦の話し合いで、夫又は妻のどちらの氏を称するかを定める。夫の氏に固定されているわけではない。

民法第750条「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」一次資料を確認

イ.誤り
自分の尊属(親や祖父母など)や、自分より年長の者を、養子とすることは禁止されている。当事者の同意があっても、養子縁組はできない。

民法第793条「尊属又は年長者は、これを養子とすることができない」一次資料を確認

ひっかけ夫婦の氏は夫か妻のどちらか。尊属・年長者は養子にできない。

解説夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する(民法750条)。尊属又は年長者は、これを養子とすることができない(793条)。

補足特別養子縁組では、請求の時に15歳に達している者は、原則として養子となることができない(817条の5第1項)。養子の年齢の制限は、普通養子と特別養子で異なる。

問42遺言による相続分の指定e-Gov等の一次資料で確認済み

遺言による相続分の指定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.被相続人は、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
  • イ.被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定めたときは、他の共同相続人の相続分は、900条及び901条の規定により定める。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
法定相続分は、被相続人が指定しないときの基準。被相続人は、遺言で、これと異なる相続分を定めることができる。

民法第902条第1項「被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる」一次資料を確認

イ.正しい
指定されなかった共同相続人の相続分は、法定相続分の規定(900条・901条)によって定められる。

民法第902条第2項「被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める」一次資料を確認

ひっかけ遺言で相続分を指定できる。指定がない相続人は法定相続分。

解説被相続人は、900条及び901条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託できる(民法902条1項)。一人又は数人の相続分のみを定めたときは、他の共同相続人の相続分は、900条・901条の規定により定める(同条2項)。

補足特別受益の規定(903条)や寄与分の規定(904条の2)も、法定相続分等の規定により算定した相続分を修正する。被相続人が異なる意思を表示したときは、その意思に従う(903条3項)。

問43遺留分侵害額請求の相手方と請求の内容(金銭の支払)e-Gov等の一次資料で確認済み

遺留分侵害額の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.遺留分権利者及びその承継人は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
  • イ.遺留分権利者は、遺留分を侵害する遺贈がされたときは、遺贈された物そのものの返還を、受遺者に請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継した相続人を含む。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる(民法1046条1項)。例えば、全財産を第三者に遺贈する遺言があった場合、遺留分を持つ子は、その第三者に対して金銭の支払を請求できる。

民法第1046条第1項「)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる」一次資料を確認

イ.誤り
請求できるのは、遺留分侵害額に相当する金銭の支払であり、遺贈された物そのものの返還ではない(同項)。例えば、不動産が第三者に遺贈された場合でも、遺留分権利者が請求できるのは、侵害された額に相当する金銭であって、不動産の返還ではない。

民法第1046条第1項「)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる」一次資料を確認

ひっかけ請求できるのは「金銭の支払」。物そのものの返還ではない。

解説遺留分権利者及びその承継人は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる(民法1046条1項)。遺留分侵害額は、遺留分の額から、遺留分権利者が受けた遺贈や特別受益の贈与の価額、取得すべき遺産の価額を控除し、承継する債務の額を加算して算定する(同条2項)。

補足遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する(1048条)。

問44扶養義務者の範囲(直系血族・兄弟姉妹と三親等内の親族)e-Gov等の一次資料で確認済み

扶養義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.扶養をする義務があるのは、直系血族に限られ、兄弟姉妹は含まれない。
  • イ.家庭裁判所は、特別の事情があるときは、直系血族及び兄弟姉妹のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
条文は、扶養義務者として、直系血族と兄弟姉妹を並べている。兄弟姉妹も、互いに扶養をする義務を負う。

民法第877条第1項「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」一次資料を確認

イ.正しい
1項に定める者以外でも、特別の事情があれば、家庭裁判所の判断で、三親等内の親族に扶養の義務を負わせることができる。

民法第877条第2項「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる」一次資料を確認

ひっかけ扶養義務者は直系血族と兄弟姉妹。特別の事情があれば三親等内の親族にも。

解説直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある(民法877条1項)。家庭裁判所は、特別の事情があるときは、これらの者のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる(同条2項)。

補足扶養をする義務のある者が数人ある場合に、扶養をすべき者の順序について協議が調わないときは、家庭裁判所が定める(878条)。扶養の程度又は方法についても、協議が調わないときは、家庭裁判所が定める(879条)。

問45推定相続人の廃除の要件e-Gov等の一次資料で確認済み

推定相続人の廃除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくは重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
  • イ.遺留分を有しない推定相続人についても、被相続人は、虐待などを理由に、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる(民法892条)。例えば、被相続人に暴力を振るい続けた子について、被相続人が廃除を請求する場合が考えられる。

民法第892条「が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる」一次資料を確認

イ.誤り
廃除の対象は、遺留分を有する推定相続人に限られる(同条)。遺留分を有しない推定相続人は、廃除の対象にならない。例えば、兄弟姉妹には遺留分がないため、廃除を請求することはできない。

民法第892条「遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう」一次資料を確認

ひっかけ廃除の対象は、遺留分を有する推定相続人だけ。

解説遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求できる(民法892条)。

補足推定相続人とは、相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう(892条かっこ書)。廃除の対象は、遺留分を有する推定相続人に限られる。

問46日常の家事に関する債務の連帯責任e-Gov等の一次資料で確認済み

日常の家事に関する債務の連帯責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。
  • イ.夫婦の一方が第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合であっても、他の一方は、日常の家事に関して生じた債務について連帯して責任を負う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
対象は「日常の家事に関して」した法律行為に限られる。

民法第761条本文「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う」一次資料を確認

イ.誤り
予告の相手は「第三者」で、予告があれば本文の連帯責任が外れる。

民法第761条ただし書「第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ日常の家事の連帯責任には、第三者への予告による例外がある。

解説夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない(民法761条)。

補足夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない(民法752条)。

問47成年被後見人の婚姻と婚姻の届出の受理e-Gov等の一次資料で確認済み

成年被後見人の婚姻と婚姻の届出の受理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。
  • イ.婚姻の届出は、その婚姻が民法その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
成年被後見人の婚姻には、成年後見人の同意が要件とされていない。

民法第738条「成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない」一次資料を確認

イ.正しい
婚姻適齢や重婚の禁止などの要件は、届出の受理の段階で確認される。

民法第740条「婚姻の届出は、その婚姻が第七百三十一条、第七百三十二条、第七百三十四条から第七百三十六条まで及び前条第二項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない」一次資料を確認

ひっかけ成年被後見人でも、婚姻に成年後見人の同意は要らない。

解説成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない(民法738条)。婚姻の届出は、その婚姻が731条、732条、734条から736条まで及び739条2項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない(同法740条)。

補足婚姻は、戸籍法の定めるところによりこれを届け出ることによって、その効力を生ずる(民法739条1項)。

問48相続の開始と共同相続の効力e-Gov等の一次資料で確認済み

相続の開始と共同相続の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.相続人が数人あるときであっても、相続財産は共有に属さず、各相続人の単独所有となる。
  • イ.相続は、死亡によって開始する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
共有の持分は、法定相続分などで算定した相続分になる(898条2項)。

民法第898条第1項「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」一次資料を確認

イ.正しい
相続の開始時点は、被相続人の死亡の時である。

民法第882条「相続は、死亡によって開始する」一次資料を確認

ひっかけ共同相続の相続財産は、まず「共有」になり、その後に遺産分割で分けられる。

解説相続は、死亡によって開始する(民法882条)。相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。共有の規定を適用するときは、各相続人の相続分を共有持分とする(同法898条)。

補足共同相続人は、遺産の分割を協議で行うことができ、協議が調わないときは、家庭裁判所に分割を請求できる(民法907条)。

問49祭祀に関する権利の承継e-Gov等の一次資料で確認済み

祭祀に関する権利の承継に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.系譜、祭具及び墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継するが、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
  • イ.祖先の祭祀を主宰すべき者を定める慣習が明らかでないときは、承継すべき者は、相続人全員の協議で定める。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
祭祀財産は、一般の相続財産とは別の承継ルールになる。

民法第897条第1項「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する」一次資料を確認

イ.誤り
承継者が決まらないときの最終的な決め手は、家庭裁判所。

民法第897条第2項「慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める」一次資料を確認

ひっかけ祭祀財産の承継者は「指定→慣習→家庭裁判所」の順に決まる。

解説系譜、祭具及び墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。慣習が明らかでないときは、承継すべき者は、家庭裁判所が定める(民法897条)。

補足系譜、祭具及び墳墓の所有権の承継は、相続の一般的効力(民法896条)の規定にかかわらず、897条の規定によって決まる。

問50法定単純承認e-Gov等の一次資料で確認済み

法定単純承認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは、保存行為などを除き、単純承認をしたものとみなされる。
  • イ.相続人が限定承認又は相続の放棄をした後であれば、相続財産の一部を隠匿し、私にこれを消費しても、単純承認をしたものとみなされることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
保存行為と、一定の期間を超えない賃貸は、処分から除かれる。

民法第921条第1号「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」一次資料を確認

イ.誤り
放棄の後でも、財産を隠したり消費したりすると、不利益を受ける。

民法第921条第3号「相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき」一次資料を確認

ひっかけ法定単純承認の事由は、手続の前だけでなく、限定承認・放棄をした後にも生じる。

解説相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき、915条1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき、限定承認又は相続の放棄をした後であっても相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったときは、単純承認をしたものとみなされる(民法921条)。

補足相続人が915条1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったときも、単純承認をしたものとみなされる(民法921条2号)。

問51遺言の効力の発生時期e-Gov等の一次資料で確認済み

遺言の効力の発生時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.遺言は、遺言者が遺言を作成した時から、その効力を生ずる。
  • イ.遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
作成しても、遺言者が生きている間は効力がない。

民法第985条第1項「遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる」一次資料を確認

イ.誤り
死亡後に条件が成就したときだけ、効力の発生が条件の成就時になる。

民法第985条第2項「遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる」一次資料を確認

ひっかけ遺言の効力の発生は「作成時」ではなく「死亡時」、条件が死亡後に成就したときは「成就時」。

解説遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる(民法985条)。

補足遺言は、いつでも、その全部又は一部を撤回することができる(民法1022条)。

問52遺言の方式と普通の方式による遺言の種類e-Gov等の一次資料で確認済み

遺言の方式と普通の方式による遺言の種類に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.遺言は、民法に定める方式に従わなければ、することができない。
  • イ.普通の方式による遺言の種類には、自筆証書、公正証書、秘密証書のほか、口頭による遺言が含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
民法が定める方式以外では、遺言をすることができない。

民法第960条「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない」一次資料を確認

イ.誤り
特別の方式によることを許す場合は、ただし書で別に扱われる。

民法第967条「遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない」一次資料を確認

ひっかけ普通の方式による遺言は3種類。口頭の遺言は含まれない。

解説遺言は、民法に定める方式に従わなければ、することができない(民法960条)。遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない(同法967条)。

補足自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない(民法968条1項)。

問53認知された者の価額の支払請求権と遺言執行者の任務e-Gov等の一次資料で確認済み

認知された者の価額の支払請求権と遺言執行者の任務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.相続の開始後認知によって相続人となった者は、他の共同相続人が既に遺産の分割その他の処分をしたときでも、その分割のやり直しを請求することができる。
  • イ.遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
請求できるのは、分割のやり直しではなく価額の支払。

民法第910条「他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する」一次資料を確認

イ.正しい
就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない(1007条1項)。

民法第1007条第2項「遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ分割後に認知された相続人が請求できるのは「分割のやり直し」ではなく「価額の支払」。

解説相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する(民法910条)。遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならず、任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない(同法1007条)。

補足遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる(民法1006条1項)。

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