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特許法・第1

特許法・実用新案法の問題(34問)

論点 30目安 約68組合せ 34
この章を解く(34問)→

この章で扱う論点30論点

共有に係る特許権2登録の効果2過失の推定2判定2職務発明職務発明と相当の利益先使用による通常実施権差止請求権特許無効審判訂正審判特許発明の技術的範囲特許権の効力特許出願の願書と添付書類通常実施権の対抗力特許権の存続期間生産方法の推定利用関係と裁定通常実施権発明の新規性喪失の例外出願公開特許権の放棄専用実施権・通常実施権の放棄特許を受けることができない発明不特許事由他人の特許発明等との関係特許を受ける権利特許を受ける権利の共有書類提出命令書類提出命令の目的と起点再審回復特許権の効力制限再審回復特許権と善意の時期

各選択肢に根拠条文(e-Gov法令データ照合済み)と、正誤の理由・覚え方のコツをつけています。

問題と解説を読む34

通読・復習用に、この章の全問題と解説を掲載しています。1問ずつ解きながら進めたい場合は「この章を解く」からどうぞ。

1職務発明

職務発明に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用者等は、従業者等がその職務発明について特許を受けたとき等は、その特許権について通常実施権を有する。
  • 従業者がした職務発明について、契約や勤務規則であらかじめ使用者に特許を受ける権利を取得させる定めをしても、その定めは無効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
法定通常実施権(根拠:特許法第35条第1項
誤り
予約承継(根拠:特許法第35条第3項

会社は職務発明を実施でき、契約で権利を会社のものにできます。

職務発明とは、従業者等がした発明で、その性質上使用者等の業務範囲に属し、かつ発明に至った行為が従業者等の現在・過去の職務に属するものをいう(特許法35条1項)。使用者等は職務発明の特許権について法定の通常実施権を有する。さらに、職務発明については、契約・勤務規則等であらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させる定め(予約承継)が認められ、その場合権利は発生時から使用者に原始帰属する(同条3項)。職務発明以外の発明についての予約承継の定めは無効である(同条2項)。

2職務発明と相当の利益

職務発明における従業者の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 従業者は、職務発明について使用者に特許を受ける権利を取得させた場合であっても、相当の利益を受ける権利を有しない。
  • 従業者は、契約・勤務規則等により職務発明について使用者等に特許を受ける権利を取得させたとき等は、相当の金銭その他の経済上の利益(相当の利益)を受ける権利を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
相当の利益(根拠:特許法第35条第4項
正しい
相当の利益請求権(根拠:特許法第35条第4項

発明をした従業者には『相当の利益』を受ける権利があります。

従業者等は、契約・勤務規則等により職務発明について使用者等に特許を受ける権利を取得させ、特許権を承継させ、又は専用実施権を設定したとき等は、相当の金銭その他の経済上の利益(相当の利益)を受ける権利を有する(特許法35条4項)。2015年改正で、対価が金銭に限られないこと(留学機会の付与等も含む)が明確化された。相当の利益の内容を定める基準の策定手続や、不合理性の判断も法定されている(同条5項~7項)。

3先使用による通常実施権

先使用による通常実施権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、特許出願の際に現に日本国内でその発明の実施である事業をしている者等は、その特許権について通常実施権(先使用権)を有する。
  • 先使用権は、その者が実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において認められる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
先使用権(根拠:特許法第79条
正しい
範囲(根拠:特許法第79条

他人が特許を取る前から実施していた人は、無償で実施を続けられます。

特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又はその発明をした者から知得して、特許出願の際に現に日本国内でその発明の実施である事業をしている者・その準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権(先使用権)を有する(特許法79条)。他人の出願前から実施していた者を保護する無償の法定通常実施権で、実施・準備の範囲内に限られる点に注意する。

4差止請求権

特許権の侵害に対する差止請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者又は専用実施権者は、自己の特許権等を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
  • 差止請求をするに際し、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
差止請求(根拠:特許法第100条第1項
誤り
廃棄・除却請求(根拠:特許法第100条第2項

差止めには、侵害品の廃棄や製造設備の除却も含められます。

特許権者・専用実施権者は、自己の特許権等を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求できる(差止請求権。特許法100条1項)。差止請求に際しては、侵害の行為を組成した物(侵害品)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為も請求できる(同条2項)。差止めは過失を要件としない点で損害賠償(過失責任)と異なる。意匠法・商標法・著作権法・不正競争防止法にも同様の差止請求権がある。

5特許無効審判

特許無効審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許無効審判は、二以上の請求項に係る特許については、特許全体を一体としてのみ請求でき、請求項ごとに請求することはできない。
  • 特許が新規性・進歩性等の規定に違反してされたとき等は、特許無効審判を請求して、その特許を無効にすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
請求項ごと(根拠:特許法第123条第1項
正しい
無効理由(根拠:特許法第123条第1項

無効審判は、複数の請求項を請求項ごとに争えます。

特許が、補正要件違反、新規性・進歩性・拡大先願・先願等の規定違反、記載要件違反、冒認出願などの無効理由(特許法123条1項各号)に該当するときは、特許無効審判を請求して、その特許を無効にすることができる。二以上の請求項に係る特許については、請求項ごとに請求できる(同項後段)。無効審判は原則として利害関係人が請求でき(冒認・共同出願違反は権利を有する者のみ)、特許庁の審判で判断される。

6訂正審判

訂正審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者は、願書に添付した明細書・特許請求の範囲・図面の訂正について訂正審判を請求できるが、その訂正は特許請求の範囲の減縮等を目的とするものに限られる。
  • 訂正審判は、特許無効審判が特許庁に係属している間であっても、いつでも請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
目的の限定(根拠:特許法第126条第1項
誤り
係属中の制限(根拠:特許法第126条第2項

訂正審判で広げることはできず、無効審判中はその中で訂正します。

特許権者は、明細書・特許請求の範囲・図面の訂正について訂正審判を請求できる(特許法126条1項)。ただし訂正は、(1) 特許請求の範囲の減縮、(2) 誤記・誤訳の訂正、(3) 不明瞭な記載の釈明、(4) 引用関係の解消、を目的とするものに限られ、実質上特許請求の範囲を拡張・変更する訂正はできない。また、特許異議の申立てや特許無効審判が特許庁に係属している間は訂正審判を請求できず(同条2項)、その場合は当該手続の中で訂正請求を行う。

7特許発明の技術的範囲

特許発明の技術的範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない。
  • 技術的範囲を定めるにあたり、特許請求の範囲の用語の意義は明細書・図面を考慮して解釈するが、願書に添付した要約書の記載を考慮してはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
クレーム基準(根拠:特許法第70条第1項
正しい
要約書の除外(根拠:特許法第70条第3項

特許の権利範囲は『請求の範囲』で決まります。

特許発明の技術的範囲(特許権の効力が及ぶ範囲)は、願書に添付した特許請求の範囲(クレーム)の記載に基づいて定めなければならない(特許法70条1項)。この場合、特許請求の範囲に記載された用語の意義は、明細書の記載及び図面を考慮して解釈する(同条2項)が、願書に添付した要約書の記載を考慮してはならない(同条3項)。要約書は技術情報の検索用であり権利範囲の解釈資料とならない点に注意する。

8特許権の効力

特許権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。
  • 特許権について専用実施権を設定した場合でも、その専用実施権者が実施をする権利を専有する範囲について、特許権者が実施をする権利を専有し続ける。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
実施の専有(根拠:特許法第68条
誤り
専用実施権の効果(根拠:特許法第68条

専用実施権を与えた範囲では、特許権者自身も実施できなくなります。

特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する(特許法68条本文)。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、特許権者も実施できない(同条ただし書)。専用実施権は物権的な独占的実施権であり、設定範囲では特許権者自身の実施も排除される点で、通常実施権(非独占的)と異なる。

9特許出願の願書と添付書類

特許出願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許を受けようとする者は、所定の事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。
  • 特許出願の願書には、明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書を添付しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
願書(根拠:特許法第36条第1項
正しい
添付書類(根拠:特許法第36条第2項

特許出願には願書と所定の添付書類が必要です。

特許を受けようとする者は、出願人の氏名等を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない(特許法36条1項)。願書には、明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書を添付する(同条2項)。明細書の発明の詳細な説明は当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載する必要があり(同条4項。実施可能要件)、特許請求の範囲は発明の詳細な説明に記載したもので明確に記載する必要がある(同条6項。サポート要件・明確性要件)。これらの記載要件は無効理由ともなる。

10共有に係る特許権(持分・実施)

共有に係る特許権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。
  • 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許発明を実施することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
持分の処分制限(根拠:特許法第73条第1項
誤り
自己実施は自由(根拠:特許法第73条第2項

共有特許は、持分処分は同意要・自己実施は自由です。

特許権が共有に係るときは、(1) 各共有者は他の共有者の同意を得なければその持分を譲渡・質入れできない(特許法73条1項)、(2) 各共有者は契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意なく自己実施できる(同条2項)、(3) 各共有者は他の共有者の同意を得なければ専用実施権の設定・通常実施権の許諾ができない(同条3項)。持分処分とライセンスは同意が必要だが、自己実施は自由という点を押さえる。

11共有に係る特許権(実施権の許諾)

共有に係る特許権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なくても、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができる。
  • 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明を実施することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
ライセンスの制限(根拠:特許法第73条第3項
正しい
自己実施は自由(根拠:特許法第73条第2項

他人に使わせるには同意が要りますが、自分で使うのは自由です。

共有特許権について、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができない(特許法73条3項)。他人による実施は他の共有者の利益に影響するためである。一方、各共有者の自己実施は、契約で別段の定めをした場合を除き、同意なく自由にできる(同条2項)。共有著作権(著作権法65条)が行使に全員の合意を要するのと比べ、特許の共有は自己実施が自由な点が特徴である。

12通常実施権の対抗力

通常実施権の対抗力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 通常実施権は、その発生後にその特許権若しくは専用実施権を取得した者に対しても、その効力を有する。
  • したがって、特許権が第三者に譲渡されても、既存の通常実施権者は、登録がなくても新たな特許権者に実施権を対抗することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
当然対抗(根拠:特許法第99条
正しい
登録不要(根拠:特許法第99条

ライセンスを受けていれば、特許が売られても使い続けられます。

かつて通常実施権の対抗には登録が必要だったが、2011年改正で当然対抗制度が導入された。通常実施権は、その発生後にその特許権若しくは専用実施権又はその特許権についての専用実施権を取得した者に対しても、その効力を有する(特許法99条)。すなわち、登録がなくても、特許権が第三者に譲渡された場合の新権利者等に対して実施権を対抗できる。ライセンシーの地位を安定させる重要な制度である。

13特許権の存続期間

特許権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了する。
  • 特許権の存続期間は、特許権の設定の登録の日から20年をもって終了する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
20年(出願日起算)(根拠:特許法第67条第1項
誤り
起算点(根拠:特許法第67条第1項

特許は『出願の日』から20年です(登録日からではありません)。

特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了する(特許法67条1項)。権利の発生は設定登録時だが、期間の計算は出願日を起算点とする点に注意する(審査に長期間を要した場合等のために、一定の要件で延長登録の出願による期間の延長も認められる。同条2項以下)。商標権(設定登録から10年・更新可)や意匠権(出願から25年)と起算点・年数を区別して押さえる。

14生産方法の推定

物を生産する方法の発明の特許に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 物を生産する方法の発明について特許がされている場合、その物が特許出願前に日本国内で公然知られた物でないときは、その物と同一の物は、その方法により生産したものと推定される。
  • 物を生産する方法の特許について、被疑侵害者が製造した物が同一であっても、その物の製造方法は常に特許権者が立証しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
生産方法の推定(根拠:特許法第104条
誤り
立証責任の転換(根拠:特許法第104条

製造方法の特許は、立証の難しさを推定規定で補います。

物を生産する方法の発明(製法特許)の侵害立証は、相手の製造方法が外部から分かりにくく困難である。そこで、物を生産する方法の発明について特許がされている場合、その物が特許出願前に日本国内において公然知られた物でないときは、その物と同一の物は、その方法により生産したものと推定される(特許法104条)。これにより、被疑侵害者側が別の方法で製造したことを反証しなければならず、立証責任が事実上転換される。

15利用関係と裁定通常実施権

他人の権利を利用する関係にある特許発明の実施に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 自己の特許発明が他人の先願の特許発明等を利用する関係にある場合でも、特許権者は当該他人に対し実施のための通常実施権の許諾について協議を求めることはできない。
  • 利用関係にある場合の協議が成立しないときは、特許権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
協議(根拠:特許法第92条第1項
正しい
裁定(根拠:特許法第92条第3項

他人の特許を使わないと実施できない場合、協議・裁定の道があります。

後願の特許発明が先願の他人の特許発明等を利用する関係(利用発明。特許法72条)にある場合、後願の特許権者は自己の特許発明を実施できない。そこで、特許権者は先願権利者に対し実施のための通常実施権の許諾について協議を求めることができ(同92条1項)、協議が成立しないときは特許庁長官の裁定を請求できる(同条3項。裁定通常実施権)。利用・抵触関係を調整する制度である。

16発明の新規性喪失の例外

発明の新規性喪失の例外に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許を受ける権利を有する者の行為に起因して新規性を喪失するに至った発明は、その日から1年以内にその者がした特許出願に係る発明については、新規性を喪失しなかったものとみなされる場合がある。
  • 新規性喪失の例外の適用を受けるための期間は、新規性を喪失した日から6月以内である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
新規性喪失の例外(根拠:特許法第30条第2項
誤り
1年の期間(根拠:特許法第30条第2項

発表してしまった発明も、1年以内なら救済されます。

発明が出願前に公開されると新規性を失うが、権利者の意に反して公知となった場合や、権利者の行為に起因して公知となった場合(公報掲載による場合を除く)は、その該当するに至った日から1年以内にその者がした特許出願については、新規性等を喪失しなかったものとみなされる(新規性喪失の例外。特許法30条1項・2項)。行為に起因する場合の適用には、出願と同時の書面提出と、出願日から30日以内の証明書提出が必要である(同条3項)。

17出願公開

特許出願の出願公開に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許庁長官は、特許出願の日から1年6月を経過したときは、原則としてその特許出願について出願公開をしなければならない。
  • 出願公開は、出願人の氏名や明細書・特許請求の範囲に記載した事項等を特許公報に掲載することにより行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
出願公開(根拠:特許法第64条第1項
正しい
公開の方法(根拠:特許法第64条第2項

特許出願は原則1年6月で公開されます。

特許庁長官は、特許出願の日から1年6月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない(特許法64条1項。出願人の請求による早期公開も可)。出願公開は、出願人の氏名、出願番号、発明者、明細書・特許請求の範囲・図面の内容等を特許公報に掲載して行う(同条2項)。出願公開により発明内容が公衆に知られ、出願公開後の実施に対しては補償金請求権が生じうる(同65条)。

18特許権の放棄

特許権の放棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者は、専用実施権者又は質権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる。
  • 特許権者は、専用実施権者や質権者がいても、その承諾を得ることなく自由に特許権を放棄することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
放棄の制限(根拠:特許法第97条第1項
誤り
利害関係者の保護(根拠:特許法第97条第1項

他人に権利を設定していると、勝手に特許権を放棄できません。

特許権者は、専用実施権者又は質権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる(特許法97条1項)。専用実施権者も質権者・一定の通常実施権者の承諾を得た場合に限り専用実施権を放棄でき(同条2項)、通常実施権者も質権者の承諾を得た場合に限り通常実施権を放棄できる(同条3項)。利害関係者の権利を害さないための制限である。

19専用実施権・通常実施権の放棄

実施権の放棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 専用実施権者は、質権者や一定の通常実施権者があるときであっても、その承諾を得ることなく専用実施権を放棄することができる。
  • 通常実施権者は、質権者があるときであっても、その承諾を得ることなく通常実施権を放棄することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
専用実施権の放棄(根拠:特許法第97条第2項
誤り
通常実施権の放棄(根拠:特許法第97条第3項

実施権の放棄も、質権者等の承諾が要ります。

特許権・専用実施権・通常実施権の放棄は、いずれも利害関係者の権利を害さないよう制限される。専用実施権者は、質権者又は専用実施権についての通常実施権者があるときは、その承諾を得た場合に限り専用実施権を放棄でき(特許法97条2項)、通常実施権者は、質権者があるときは、その承諾を得た場合に限り通常実施権を放棄できる(同条3項)。権利の上に成立する他者の権利を保護する趣旨である。

20登録の効果

特許に関する登録の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く)や専用実施権の設定等は、登録しなければ、その効力を生じない。
  • 専用実施権の設定は、当事者間の契約のみで効力を生じ、登録は効力発生要件ではない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
効力発生要件(根拠:特許法第98条第1項
誤り
専用実施権の設定(根拠:特許法第98条第1項

専用実施権の設定などは、登録して初めて効力が生じます。

特許に関する一定の事項は、登録が効力発生要件である。すなわち、(1) 特許権の移転(相続その他の一般承継を除く)・信託による変更・放棄による消滅・処分の制限、(2) 専用実施権の設定・移転・変更・消滅・処分の制限、(3) 質権の設定等は、登録しなければその効力を生じない(特許法98条1項)。相続その他の一般承継による場合は登録不要だが、遅滞なく届け出る必要がある(同条2項)。なお通常実施権は当然対抗(同99条)で登録不要である。

21登録の効果(総合)

特許に関する登録の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権の移転は、相続による場合を含め、すべて登録しなければその効力を生じない。
  • 特許権を目的とする質権の設定は、登録の有無にかかわらず効力を生じる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
一般承継の例外(根拠:特許法第98条第1項
誤り
質権の設定(根拠:特許法第98条第1項

相続による移転は登録不要、質権設定は登録が必要です。

特許権の移転・専用実施権の設定・質権の設定等は登録が効力発生要件である(特許法98条1項)が、相続その他の一般承継による移転・消滅は例外で、登録を要しない(遅滞なく届け出る。同条2項)。一方、質権の設定は一般承継以外の処分であり、登録しなければ効力を生じない。『一般承継は登録不要・特定承継や設定は登録必要』という区別を押さえる。

22特許を受けることができない発明

特許を受けることができない発明に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明は、特許を受けることができない。
  • 公序良俗を害するおそれがある発明であっても、新規性・進歩性があれば特許を受けることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
不特許事由(根拠:特許法第32条
誤り
公益的制限(根拠:特許法第32条

反社会的な発明は、技術的に優れていても特許になりません。

公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明については、新規性・進歩性等(特許法29条)の要件を満たしても、特許を受けることができない(同32条。不特許事由)。技術的な優劣とは別に、公益的な観点から特許付与を排除する規定である。なお、かつて存在した医薬発明等の不特許事由は廃止されており、現行法の不特許事由は公序良俗等を害するおそれがある発明に限られる。

23不特許事由(総合)

特許を受けることができない発明に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公衆の衛生を害するおそれがある発明であっても、産業上利用することができるものであれば特許を受けることができる。
  • 発明が公序良俗を害するおそれがあるか否かは、特許を受けることができるかどうかの判断とは無関係である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
不特許事由(根拠:特許法第32条
誤り
判断要素(根拠:特許法第32条

公序良俗・公衆衛生を害するおそれは、特許可否に直結します。

特許を受けるには、産業上の利用可能性・新規性・進歩性(特許法29条)等の要件を満たす必要があるが、これらを満たしても、公の秩序・善良の風俗・公衆の衛生を害するおそれがある発明は特許を受けられない(同32条。不特許事由)。公序良俗等を害するおそれは独立した不特許事由として特許可否の判断に関係する。技術的要件とは別の公益的な制限である。

24過失の推定

特許権侵害における過失の推定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 他人の特許権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定される。
  • 特許権侵害に基づく損害賠償請求では、特許権者が侵害者の故意・過失を立証しなければならず、過失の推定は働かない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
過失の推定(根拠:特許法第103条
誤り
立証負担の軽減(根拠:特許法第103条

特許権侵害では、侵害者の過失が推定されます。

他人の特許権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定される(特許法103条)。特許は公報により公開されており、何人もその内容を知りうる状態にあるためである。損害賠償請求(民法709条)では本来権利者が侵害者の故意・過失を立証する必要があるが、この推定により立証負担が軽減される。意匠権(意匠法40条)等にも同様の過失推定規定があるが、商標権・著作権にはこの推定規定はない。

25過失の推定(総合)

特許権侵害における過失の推定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 他人の特許権を侵害した者について、過失があったものと推定する規定は設けられていない。
  • 特許権侵害に基づく損害賠償請求では、過失の推定は働かず、特許権者が侵害者の過失を立証しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
過失の推定(根拠:特許法第103条
誤り
立証負担の軽減(根拠:特許法第103条

「推定規定はない」「権利者が過失を立証」はどちらも誤りです。

他人の特許権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害行為について過失があったものと推定される(特許法103条)。特許が公報で公開されていることを前提に、侵害者の過失を推定し、権利者の立証負担を軽減する規定である。これにより、損害賠償請求(民法709条)において特許権者は侵害者の過失を立証する必要がなく、侵害者側が過失のないことを反証しなければならない。

26判定

特許発明の技術的範囲についての判定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許発明の技術的範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる。
  • 判定の求めがあったときは、特許庁長官が単独でその判定を行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
判定(根拠:特許法第71条第1項
誤り
判定の主体(根拠:特許法第71条第2項

ある製品が特許の権利範囲に入るか、特許庁に判定を求められます。

特許発明の技術的範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる(特許法71条1項)。判定の求めがあったときは、特許庁長官が三名の審判官を指定して判定をさせる(同条2項)。判定は、ある物・方法が特許発明の技術的範囲に属するか否かについての特許庁の公的な見解(鑑定的意見)であり、裁判所を法的に拘束するものではないが、実務上重視される。侵害の有無を判断する際の参考として利用される。

27判定(総合)

特許発明の技術的範囲についての判定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許発明の技術的範囲について、特許庁に判定を求めることはできない。
  • 判定は、特許庁長官が指定する1名の審判官が行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
判定(根拠:特許法第71条第1項
誤り
判定の主体(根拠:特許法第71条第2項

「判定を求められない」「1名で判定」はどちらも誤りです。

特許発明の技術的範囲については、特許庁に対し判定を求めることができ(特許法71条1項)、求めがあったときは三名の審判官が判定を行う(同条2項)。判定はある物・方法が特許発明の技術的範囲に属するかについての特許庁の公的見解で、無効審判等の審判手続の一部規定が準用されるが、判定自体に法的拘束力はない。侵害紛争の予防や解決の参考として活用される制度である。

28他人の特許発明等との関係(利用・抵触)

特許発明の実施と他人の権利との関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者であっても、その特許発明が特許出願の日前の出願に係る他人の特許発明・登録意匠等を利用するものであるとき等は、業としてその特許発明の実施をすることができない。
  • 特許権を取得しても、その発明を自由に実施できるとは限らず、利用・抵触関係があれば実施が制限される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
利用・抵触(根拠:特許法第72条
正しい
権利取得≠自由実施(根拠:特許法第72条

特許を取っても、他人の先行特許を使うなら実施できません。

特許権者・専用実施権者・通常実施権者は、その特許発明が特許出願の日前の出願に係る他人の特許発明・登録実用新案・登録意匠(類似意匠を含む)を利用するものであるとき、又はその特許権が出願日前の出願に係る他人の意匠権・商標権と抵触するときは、業としてその特許発明の実施をすることができない(特許法72条)。利用関係にある場合は、協議・裁定により実施のための通常実施権を得る道がある(同92条)。意匠法26条と同趣旨である。

29特許を受ける権利

特許を受ける権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許を受ける権利は、移転することができる。
  • 特許を受ける権利は、質権の目的とすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
移転可能性(根拠:特許法第33条第1項
誤り
質権の制限(根拠:特許法第33条第2項

特許前の『特許を受ける権利』は譲渡できますが、質入れはできません。

発明をした者は特許を受ける権利を有し、この権利は移転することができる(特許法33条1項。職務発明の予約承継等)。ただし、特許を受ける権利は質権の目的とすることができない(同条2項。権利が不安定なため)。また、共有に係るときは、各共有者は他の共有者の同意を得なければその持分を譲渡できず(同条3項)、仮専用実施権の設定等にも同意を要する(同条4項)。特許権(質権設定可・登録が効力要件)との違いを押さえる。

30特許を受ける権利の共有

特許を受ける権利が共有に係る場合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許を受ける権利が共有に係るとき、各共有者は、他の共有者の同意を得ることなく、その持分を譲渡することができる。
  • 特許を受ける権利が共有に係るとき、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
持分の処分制限(根拠:特許法第33条第3項
正しい
共有者の保護(根拠:特許法第33条第3項

共有の『特許を受ける権利』も、持分の譲渡に同意が要ります。

特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡することができない(特許法33条3項)。また、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について仮専用実施権を設定し、又は仮通常実施権を許諾することができない(同条4項)。共有特許権(同73条)と同様、共有者の利益を保護するための制限である。共同出願は共有者全員でしなければならない(同38条)点ともあわせて押さえる。

31書類提出命令

特許権侵害訴訟における書類提出命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 裁判所は、特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟において、当事者の申立てにより、書類又は電磁的記録の提出を命ずることができる。
  • 書類の所持者は、提出を拒むことについて正当な理由があっても、書類の提出を拒むことはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文が当事者の申立てを起点とする(根拠:特許法第105条
誤り
ただし書が拒否を認める(根拠:特許法第105条

ただし書の扱い

書類提出命令は当事者の申立てにより裁判所が命じる。ただし所持者に正当な理由があるときは提出を拒める。原則とただし書の例外を必ずセットで押さえる。例外を見落とすと誤答する。

32書類提出命令の目的と起点

特許権侵害訴訟における書類提出命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 書類提出命令は、損害の計算に必要な書類であっても対象とはならず、侵害の立証に必要な書類のみを対象とする。
  • 書類提出命令は、裁判所が当事者の申立てによらず職権で常に発する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
条文が損害計算のための書類も対象とする(根拠:特許法第105条
誤り
条文は当事者の申立てによるとする(根拠:特許法第105条

対象範囲と発令の起点

書類提出命令は侵害立証だけでなく損害計算のために必要な書類等も対象とする。発令は当事者の申立てを起点とし、職権で常に発するものではない。対象範囲と発令要件を区別して理解する。

33再審回復特許権の効力制限

再審により回復した特許権の効力の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 再審により特許権が回復した場合で物の発明についてされているとき、特許権の効力は、審決確定後再審請求登録前に善意に日本国内で生産した当該物には及ばない。
  • この効力制限は、その特許が物の発明についてされているときに適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
条文が善意の生産物を効力外とする(根拠:特許法第175条
正しい
条文が物の発明を要件とする(根拠:特許法第175条

適用範囲

再審で回復した特許権は、物の発明について善意に生産・輸入・取得された物には及ばない。第三者の善意の行為を保護する趣旨である。物の発明であることと善意であることが要件となる。

34再審回復特許権と善意の時期

再審により回復した特許権の効力の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 善意による行為であれば、再審の請求の登録後に日本国内で生産した物にも特許権の効力は及ばない。
  • 効力制限は、当該取消決定又は審決が確定した後の行為について問題となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文は再審の請求の登録前を要件とする(根拠:特許法第175条
正しい
条文が審決確定後を時的基準とする(根拠:特許法第175条

時的範囲

再審回復特許権の効力制限は、審決確定後から再審請求の登録前までの善意行為を保護する。登録後の行為は保護されない。時的範囲を正確に区切って理解することが重要である。