問1関連意匠
関連意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.関連意匠の意匠登録出願は、本意匠の意匠登録出願の日から期間の制限なく、いつでもすることができる。
- イ.本意匠に類似する意匠(関連意匠)は、本意匠の意匠登録出願の日から10年を経過する日前である場合に限り、意匠登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
自社のバリエーション意匠を『関連意匠』としてまとめて保護できます。
意匠は類似範囲が不明確になりがちなため、自己の本意匠に類似する意匠(関連意匠)の登録を認める制度がある(意匠法10条1項。先願・新規性等の例外)。関連意匠の出願は、本意匠の意匠登録出願の日から10年を経過する日前である場合に限られる(2019年改正で出願可能期間が拡大)。デザインのバリエーション展開を保護する制度で、出願期間の制限を押さえる。
問2秘密意匠
秘密意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる。
- イ.秘密意匠の請求は、意匠登録出願と同時に、又は第一年分の登録料の納付と同時に、所定の書面を提出して行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
登録後すぐ公開したくない意匠は、最長3年秘密にできます。
意匠は登録により内容が公報で公開されるが、模倣防止や製品発表時期の調整のため、意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求できる(秘密意匠。意匠法14条1項)。この請求は、意匠登録出願と同時に、又は第一年分の登録料の納付と同時に、所定の書面を特許庁長官に提出して行う(同条2項)。意匠特有の制度である。
問3組物の意匠
組物の意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同時に使用される二以上の物品等であって経済産業省令で定めるもの(組物)を構成する物品等に係る意匠は、組物全体として統一があるときは、一意匠として出願し意匠登録を受けることができる。
- イ.組物の意匠は、組物を構成する各物品ごとに別々に出願しなければ、意匠登録を受けることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
コーヒーカップとソーサーのセット等は『組物』としてまとめて登録できます。
意匠は原則として意匠ごとに出願する(一意匠一出願。意匠法7条)が、その例外として組物の意匠がある。同時に使用される二以上の物品・建築物・画像であって経済産業省令で定めるもの(組物)を構成する物品等に係る意匠は、組物全体として統一があるときは、一意匠として出願し意匠登録を受けることができる(同8条)。ディナーセットや一組の事務用品などが例で、セット全体のデザインを一つの意匠権として保護できる。
問4意匠の先願
意匠登録出願の先願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一又は類似の意匠について異なった日に二以上の意匠登録出願があったときは、後の出願人であっても意匠登録を受けることができる。
- イ.同一又は類似の意匠について異なった日に二以上の意匠登録出願があったときは、最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
意匠も特許と同じく『早い者勝ち』(先願主義)です。
意匠法も特許法と同様に先願主義を採る。同一又は類似の意匠について異なった日に二以上の意匠登録出願があったときは、最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる(意匠法9条1項)。同日に二以上の出願があったときは、出願人の協議により定めた一人のみが登録を受けられ、協議が成立しないときはいずれも登録を受けられない(同条2項)。意匠は類似まで含めて先願の対象となる点が特徴である。
問5意匠登録を受けることができない意匠
意匠登録を受けることができない意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠であっても、新規性があれば意匠登録を受けることができる。
- イ.物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠等は、意匠登録を受けることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
公序良俗違反や、機能だけで決まる形状は意匠登録できません。
意匠登録の要件(新規性・創作非容易性等。意匠法3条)を満たしても、(1) 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠、(2) 他人の業務に係る物品等と混同を生ずるおそれがある意匠、(3) 物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠等は、意匠登録を受けることができない(同5条)。特に(3)は、機能上不可避な形状を特定人に独占させない趣旨である。
問6意匠登録の要件(新規性)
意匠登録の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠であっても、工業上利用できるものであれば意匠登録を受けることができる。
- イ.工業上利用することができる意匠の創作をした者は、新規性等を欠く一定の意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
意匠も特許と同様、出願前に知られた意匠は登録できません。
工業上利用することができる意匠の創作をした者は、新規性を欠く一定の意匠(出願前に公然知られた意匠、刊行物記載・公衆利用可能となった意匠、これらに類似する意匠)を除き、意匠登録を受けることができる(意匠法3条1項)。さらに、当業者が公知の形状等に基づいて容易に創作できた意匠は、創作非容易性を欠き登録を受けられない(同条2項)。工業上利用可能性・新規性・創作非容易性が意匠登録の基本要件である。
問7意匠権の存続期間
意匠権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権(関連意匠の意匠権を除く)の存続期間は、意匠登録出願の日から25年をもって終了する。
- イ.意匠権の存続期間は、設定の登録の日から20年をもって終了する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
意匠権は『出願の日』から25年です。
意匠権(関連意匠の意匠権を除く)の存続期間は、意匠登録出願の日から25年をもって終了する(意匠法21条1項。2019年改正で登録日から20年→出願日から25年に変更)。関連意匠の意匠権は、その基礎意匠の意匠登録出願の日から25年で終了する(同条2項)。特許権(出願から20年)、商標権(設定登録から10年・更新可)と、起算点・年数を区別して押さえる。
問8意匠権の効力
意匠権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。
- イ.意匠権の効力は、登録意匠だけでなく、これに類似する意匠の実施にも及ぶ。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
意匠権は、登録意匠に『類似する意匠』にも効力が及びます。
意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する(意匠法23条本文)。特許権が特許請求の範囲(クレーム)に記載された技術的範囲に及ぶのに対し、意匠権は『登録意匠及びこれに類似する意匠』という類似範囲まで効力が及ぶ点が特徴である。専用実施権を設定した範囲では意匠権者も実施できない(同条ただし書)。意匠の類否は需要者の視覚を通じた美感に基づいて判断される(同24条2項)。
問9意匠の新規性喪失の例外
意匠の新規性喪失の例外に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠の新規性喪失の例外の適用を受けるには、新規性を喪失した日から3年以内に意匠登録出願をすればよい。
- イ.意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して新規性を喪失した意匠は、その日から1年以内にした意匠登録出願については、新規性を喪失しなかったものとみなされる場合がある。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
意匠も、先に公開しても1年以内なら救済されます。
意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して新規性を喪失した意匠、又はその者の行為に起因して新規性を喪失した意匠(公報掲載による場合を除く)は、その該当するに至った日から1年以内にその者がした意匠登録出願については、新規性を喪失しなかったものとみなされる(意匠法4条1項・2項。特許法30条と同様)。適用には出願と同時の書面提出と、出願日から30日以内の証明書提出が必要である(同条3項)。
問10意匠登録出願
意匠登録出願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録を受けようとする者は、所定の事項を記載した願書に、意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない。
- イ.経済産業省令で定める場合は、図面に代えて、意匠を現した写真・ひな形又は見本を提出することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
意匠は『図面』で表しますが、写真等でも出願できます。
意匠登録を受けようとする者は、出願人・創作者の氏名等、意匠に係る物品・建築物・画像の用途等を記載した願書に、意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない(意匠法6条1項)。経済産業省令で定める場合は、図面に代えて、意匠を現した写真・ひな形又は見本を提出できる(同条2項)。意匠は視覚的なデザインを保護するため、図面等により意匠を明確に特定することが重要である。
問11意匠登録出願の拒絶の査定
意匠登録出願の審査に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査官は、意匠登録出願が登録要件を満たさない場合でも、拒絶をすべき旨の査定をすることはできず、必ず意匠登録をしなければならない。
- イ.審査官は、意匠登録出願に係る意匠が新規性等の要件を満たさない一定の場合には、拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
意匠も実体審査され、要件を欠けば拒絶されます。
意匠登録出願は審査官による実体審査を受ける。審査官は、出願に係る意匠が新規性・創作非容易性等の登録要件(意匠法3条等)を欠くとき、一意匠一出願の要件(7条)を満たさないとき、出願人が意匠登録を受ける権利を有しないとき等は、拒絶をすべき旨の査定をしなければならない(同17条)。特許のような出願審査請求制度はなく、すべての出願が審査される点が特徴である。
問12意匠権の設定の登録
意匠権の発生に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権は、設定の登録により発生する。
- イ.第一年分の登録料の納付があったときは、意匠権の設定の登録をする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
意匠権も特許・商標と同じく、設定登録で発生します。
意匠権は、設定の登録により発生する(意匠法20条1項)。登録査定後、第一年分の登録料の納付があったときに意匠権の設定の登録がされる(同条2項)。設定登録があると、意匠権者の氏名、出願番号、登録番号、図面等の内容が意匠公報に掲載される(同条3項。ただし秘密意匠の請求がある場合は図面等の掲載が秘密期間経過後となる)。特許権・商標権と同様、設定登録により権利が発生する。
問13他人の登録意匠等との関係(利用・抵触)
登録意匠の実施と他人の権利との関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権者であっても、その登録意匠が意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠・特許発明等を利用するものであるとき等は、業としてその登録意匠の実施をすることができない。
- イ.意匠権を取得すれば、その登録意匠が他人の先願の権利を利用・抵触する場合であっても、当然に自由に実施することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
意匠権を取っても、他人の先行権利を侵すなら実施できません。
意匠権者・専用実施権者・通常実施権者は、その登録意匠が出願日前の出願に係る他人の登録意匠(類似意匠を含む)・特許発明・登録実用新案を利用するものであるとき、又はその意匠権のうち登録意匠に係る部分が出願日前の出願に係る他人の特許権・実用新案権・商標権・出願日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業としてその登録意匠の実施をすることができない(意匠法26条)。産業財産権の取得は他人の実施を排除する権利であり、自己が自由に実施できることを保証するものではない点を押さえる(特許法72条も同趣旨)。
問14意匠の先願(同日出願)
意匠登録出願の先願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一又は類似の意匠について同日に二以上の意匠登録出願があったときは、すべての出願人がそれぞれ意匠登録を受けることができる。
- イ.同日出願で協議が成立しないときは、いずれの出願人も意匠登録を受けることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
意匠の同日出願は協議で一人に絞り、まとまらなければ全員不可です。
同一又は類似の意匠について同日に二以上の意匠登録出願があったときは、出願人の協議により定めた一の出願人のみが意匠登録を受けることができる(意匠法9条2項前段)。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも意匠登録を受けることができない(同項後段)。特許の同日出願(特許法39条2項)と同様の規律で、商標が協議不成立の場合にくじによる(商標法8条5項)のとは異なる点に注意する。
問15他人の登録意匠等との関係(利用・抵触・総合)
登録意匠の実施と他人の権利との関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権者は、その登録意匠が意匠登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触する場合であっても、その登録意匠を業として自由に実施することができる。
- イ.登録意匠が出願日前の出願に係る他人の特許発明を利用するものである場合でも、意匠権があれば実施に制限はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
「著作権と抵触しても自由に実施できる」「特許発明を利用しても制限はない」はどちらも誤りです。
意匠権者・専用実施権者・通常実施権者は、その登録意匠が出願日前の出願に係る他人の登録意匠・特許発明・登録実用新案を利用するものであるとき、又はその意匠権が出願日前の出願に係る他人の特許権・実用新案権・商標権・出願日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業としてその登録意匠の実施をすることができない(意匠法26条)。産業財産権の取得は他人の実施を排除する権利であって、自己の自由実施を保証するものではない。著作権との抵触(著作権は無方式で発生し出願日前に生じうる)にも注意を要する。