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商標法・第3

商標法の問題(23問)

論点 21目安 約46組合せ 23
この章を解く(23問)→

この章で扱う論点21論点

商標権の効力が及ばない範囲3商標登録の要件不使用取消審判商標登録を受けることができない商標商標権の存続期間と更新防護標章登録一商標一出願商標権の効力専用使用権通常使用権商標の先願商標登録出願不正使用による商標登録の取消審判商標権の設定の登録商標登録の無効審判の除斥期間存続期間の更新登録の申請更新登録の申請をしなかった場合の効果先使用による商標の使用をする権利先使用権と混同防止表示請求商標登録無効審判商標登録無効審判の単位

各選択肢に根拠条文(e-Gov法令データ照合済み)と、正誤の理由・覚え方のコツをつけています。

問題と解説を読む23

通読・復習用に、この章の全問題と解説を掲載しています。1問ずつ解きながら進めたい場合は「この章を解く」からどうぞ。

1商標登録の要件(識別力)

商標登録の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標は、原則として商標登録を受けることができない。
  • 商品の産地・品質等を普通に表示する標章のみからなる商標は、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品等であることを認識できるものとなっても、商標登録を受けることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
識別力(根拠:商標法第3条第1項
誤り
使用による識別力(根拠:商標法第3条第2項

ありふれた表示でも、使い込んで有名になれば登録できます。

自己の業務に係る商品・役務について使用する商標は、識別力を欠く一定の商標(普通名称、慣用商標、記述的表示、ありふれた氏・名称、極めて簡単でありふれた標章、その他需要者が出所を認識できない商標)を除き、商標登録を受けられる(商標法3条1項)。ただし、記述的表示等(同項3号~5号)に該当する商標でも、使用された結果、需要者が出所を認識できるもの(使用による識別力を獲得したもの)は、登録を受けられる(同条2項)。

2不使用取消審判

登録商標の不使用取消審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 登録商標は、いったん登録されれば、その後一切使用されなくても、取り消されることはない。
  • 不使用取消審判を請求できるのは、当該商標について利害関係を有する者に限られる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
不使用取消(根拠:商標法第50条第1項
誤り
請求人適格(根拠:商標法第50条第1項

3年使われていない登録商標は、誰でも取消しを請求できます。

継続して3年以上、日本国内で商標権者・専用使用権者・通常使用権者のいずれもが各指定商品・役務について登録商標を使用していないときは、何人も、その商標登録の取消しについて不使用取消審判を請求できる(商標法50条1項)。審判請求があると、被請求人(商標権者)が請求登録前3年以内の使用を証明しない限り、商標登録は取り消される(同条2項。立証責任が商標権者側にある)。使用されない商標を整理し、商標選択の自由を確保する制度である。

3商標登録を受けることができない商標

商標登録を受けることができない商標に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国旗、菊花紋章、勲章、褒章又は外国の国旗と同一又は類似の商標であっても、識別力があれば商標登録を受けることができる。
  • 国旗や菊花紋章等と同一又は類似の商標は、識別力の有無にかかわらず、商標登録を受けることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
公益的不登録事由(根拠:商標法第4条第1項
正しい
登録排除(根拠:商標法第4条第1項

国旗等は、識別力があっても商標登録できません。

商標登録には、識別力(商標法3条)に加え、登録を受けられない事由(不登録事由。同4条)に該当しないことが必要である。4条1項は、国旗・菊花紋章・勲章・外国国旗等と同一・類似の商標(1号)、国際機関の標章(3号)、公序良俗違反(7号)、他人の周知・著名商標と混同を生ずる商標(10号・15号)、他人の登録商標と同一・類似の商標(11号)などを列挙する。これらは識別力の有無と別の関門として登録を排除する。

4商標権の存続期間と更新

商標権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の存続期間は、設定の登録の日から10年をもって終了する。
  • 商標権の存続期間は、一度終了すると、更新することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
10年(根拠:商標法第19条第1項
誤り
更新(根拠:商標法第19条第2項

商標権は10年ごとに更新でき、半永久的に持てます。

商標権の存続期間は、設定の登録の日から10年をもって終了する(商標法19条1項)。ただし、商標権者の更新登録の申請により更新することができ(同条2項)、更新を繰り返すことで半永久的に権利を維持できる。商標は使用により事業者の業務上の信用が化体する財産であり、創作の保護(特許20年・意匠25年等の有限の存続期間)とは異なり、更新により存続させられる点が特徴である。

5防護標章登録

防護標章登録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者は、自己の指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている登録商標について、非類似の商品・役務での他人の使用により混同を生ずるおそれがあるときは、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。
  • 防護標章登録の前提として、その登録商標が自己の指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることが必要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
防護標章(根拠:商標法第64条第1項
正しい
著名性(根拠:商標法第64条第1項

有名な商標は、非類似の商品にまで保護を広げられます。

商標権の効力は原則として指定商品・役務及びこれに類似する範囲に及ぶが、著名な商標は非類似の商品・役務でも混同が生じうる。そこで、商標権者は、登録商標が自己の指定商品・役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合に、非類似の商品・役務での他人の使用により混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品・役務について、登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる(商標法64条)。著名商標の保護範囲を拡張する制度である。

6一商標一出願

商標登録出願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない。
  • 商標登録出願の指定は、政令で定める商品及び役務の区分に従ってしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
一商標一出願(根拠:商標法第6条第1項
正しい
商品・役務の区分(根拠:商標法第6条第2項

商標は一つずつ出願し、商品・役務を区分に従って指定します。

商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない(一商標一出願。商標法6条1項)。指定は政令で定める商品及び役務の区分(ニース分類に基づく区分)に従ってしなければならない(同条2項)が、一つの出願で複数の区分にまたがって指定できる(一出願多区分制)。なお、商品・役務の区分は類似の範囲を定めるものではない(同条3項)点に注意する。

7商標権の効力

商標権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。
  • 商標権について専用使用権を設定した場合でも、その専用使用権者が使用をする権利を専有する範囲について、商標権者が登録商標の使用をする権利を専有し続ける。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
専用権(根拠:商標法第25条
誤り
専用使用権の効果(根拠:商標法第25条

専用使用権を与えた範囲では、商標権者自身も使えなくなります。

商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する(専用権。商標法25条本文)。また、類似範囲については他人の使用を禁止できる(禁止権。同37条)。ただし、専用使用権を設定したときは、専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については、商標権者も使用できない(同25条ただし書)。専用使用権は物権的な独占的使用権で、特許の専用実施権(同68条)と同様の構造である。

8専用使用権

商標権の専用使用権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 専用使用権は、商標権者の承諾の有無にかかわらず、自由に第三者に移転することができる。
  • 専用使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
移転制限(根拠:商標法第30条第3項
正しい
独占的使用(根拠:商標法第30条第2項

専用使用権は独占的ですが、勝手に他人へ譲れません。

商標権者は、その商標権について専用使用権を設定できる(商標法30条1項。使用による識別力で登録された商標や地域団体商標を除く)。専用使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品・役務について登録商標の使用をする権利を専有する(同条2項。物権的な独占的使用権)。専用使用権の移転は、商標権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限られる(同条3項)。

9通常使用権

商標権の通常使用権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾でき、通常使用権者は設定行為で定めた範囲内で登録商標を使用する権利を有する。
  • 通常使用権は、その登録をしたときは、その後に商標権若しくは専用使用権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
通常使用権(根拠:商標法第31条第1項
正しい
登録の対抗力(根拠:商標法第31条第4項

通常使用権は登録すれば、後の権利者にも対抗できます。

商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾できる(商標法31条1項)。通常使用権者は、設定行為で定めた範囲内において登録商標を使用する権利を有する(同条2項。非独占的)。通常使用権は、登録をしたときは、その後に商標権・専用使用権を取得した者に対しても効力を生ずる(同条4項)。特許の通常実施権が登録なしで当然対抗できる(特許法99条)のと異なり、商標の通常使用権は登録が対抗要件となる点に注意する。

10商標の先願

商標登録出願の先願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一又は類似の商品・役務について使用をする同一又は類似の商標について異なった日に複数の商標登録出願があったときは、後の出願人も当然に商標登録を受けることができる。
  • 同一又は類似の商標について同日に複数の出願があったときは、すべての出願人がそれぞれ商標登録を受けることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
先願主義(根拠:商標法第8条第1項
誤り
同日出願(根拠:商標法第8条第2項

商標も先願主義で、原則早い者勝ちです。

商標法も先願主義を採る。同一又は類似の商品・役務について使用をする同一又は類似の商標について、異なった日に二以上の商標登録出願があったときは、原則として最先の商標登録出願人のみが登録を受けられる(商標法8条1項)。同日に二以上の出願があったときは、原則として協議により定めた一人のみが登録を受けられ、協議不成立等のときはくじによる(同条2項・5項)。近年の改正で、先願人の承諾があり混同のおそれがない場合等の併存登録(コンセント制度)も導入されている。

11商標登録出願(新しいタイプの商標)

商標登録出願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標登録を受けようとする者は、出願人の氏名、商標、指定商品又は指定役務及び区分等を記載した願書を、特許庁長官に提出しなければならない。
  • 立体的形状や色彩のみ、音からなる商標は、商標登録の対象とすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
願書(根拠:商標法第5条第1項
誤り
新しいタイプの商標(根拠:商標法第5条第2項

音や色彩だけの商標も登録できます。

商標登録を受けようとする者は、出願人の氏名、商標、指定商品・役務及び区分を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない(商標法5条1項)。2014年改正により、文字・図形等の伝統的な商標に加え、変化する商標(動き・ホログラム)、立体的形状、色彩のみ、音、位置といった新しいタイプの商標も登録の対象となり、これらは願書にその旨を記載する(同条2項)。

12不正使用による商標登録の取消審判

不正使用による商標登録の取消審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 専用使用権者や通常使用権者が、品質の誤認や出所の混同を生ずる態様で登録商標等を使用しても、商標登録が取り消されることはない。
  • 専用使用権者等が品質誤認・出所混同を生ずる登録商標等の使用をしたときは、何人も、その商標登録の取消審判を請求できる(商標権者が相当の注意をしていた場合を除く)。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
不正使用取消(根拠:商標法第53条第1項
正しい
請求人適格(根拠:商標法第53条第1項

使用権者の紛らわしい使い方は、商標登録の取消事由になります。

専用使用権者又は通常使用権者が、指定商品・役務又はこれらに類似する商品・役務についての登録商標又はこれに類似する商標の使用であって、商品の品質・役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品・役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、その商標登録の取消審判を請求できる(商標法53条1項。不正使用取消審判)。ただし、商標権者がその事実を知らず相当の注意をしていたときは除かれる。商標権者の使用権者に対する監督義務を担保する制度である。

13商標権の設定の登録

商標権の発生に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権は、設定の登録により発生する。
  • 商標権の設定の登録があったときは、商標権者の氏名や商標、指定商品又は指定役務等を商標公報に掲載しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
設定登録(根拠:商標法第18条第1項
正しい
公報掲載(根拠:商標法第18条第3項

商標権も登録料納付・設定登録で発生します。

商標権は、設定の登録により発生する(商標法18条1項)。登録料の納付があったときに設定の登録がされ(同条2項)、商標権者の氏名、出願番号、商標、指定商品・役務、登録番号等が商標公報に掲載される(同条3項)。商標掲載公報の発行日から2月間は出願書類等が公衆の縦覧に供され(同条4項)、この期間内は何人も登録異議の申立てができる(同43条の2)。特許権・意匠権と同様、設定登録により権利が発生する。

14商標登録の無効審判の除斥期間

商標登録の無効審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 識別力や先願等の一定の無効理由による商標登録の無効審判は、商標権の設定の登録の日から5年を経過した後は、請求することができない。
  • 商標登録の無効審判は、無効理由の種類にかかわらず、いつでも期間の制限なく請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
除斥期間(根拠:商標法第47条第1項
誤り
期間制限(根拠:商標法第47条第1項

商標の無効審判には、原則5年の期間制限があります。

商標登録の無効審判は、無効理由により請求期間が異なる。識別力欠如(3条)、先願違反(8条)、他人の周知・著名商標との混同(4条1項10号・15号等)などの無効理由による無効審判は、商標権の設定の登録の日から5年を経過した後は請求できない(除斥期間。商標法47条1項)。長期間の使用により蓄積した信用と法的安定性を保護する趣旨である。一方、公序良俗違反(4条1項7号)等の重大・公益的な無効理由には除斥期間がない。

15存続期間の更新登録の申請

商標権の存続期間の更新登録の申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の存続期間の更新登録の申請は、存続期間の満了前6月から満了の日までの間にしなければならない。
  • 更新登録の申請を所定の期間内にすることができなかったときも、経済産業省令で定める期間内であれば、その申請をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
申請期間(根拠:商標法第20条第2項
正しい
追完(根拠:商標法第20条第3項

商標の更新は満了前6月から、忘れても一定期間は追完できます。

商標権の存続期間の更新登録の申請は、存続期間の満了前6月から満了の日までの間にしなければならない(商標法20条2項)。この期間内に申請できなかったときも、経済産業省令で定める期間内(満了後6月以内)であれば、割増登録料を納付して申請できる(同条3項。追完)。更新により商標権は半永久的に維持できるが、申請期間の管理が実務上重要である。

16更新登録の申請をしなかった場合の効果

商標権の更新登録の申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者が更新登録の申請期間内に申請をしなかった場合でも、商標権は当然には消滅しない。
  • 商標権者が更新登録の申請をすることができる期間内に申請しないときは、その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼって消滅したものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
更新失念(根拠:商標法第20条第4項
正しい
遡及消滅(根拠:商標法第20条第4項

更新を忘れると、商標権は満了時にさかのぼって消滅します。

商標権者が、更新登録の申請期間(満了前6月から満了日)及び追完期間(満了後6月以内)内に更新登録の申請をしないときは、その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼって消滅したものとみなされる(商標法20条4項)。商標権は更新により半永久的に維持できるが、申請を失念すると遡及的に消滅するため、更新期限の管理が実務上極めて重要である。

17先使用による商標の使用をする権利

商標の先使用権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 他人の商標登録出願前から、不正競争の目的でなくその商標を使用し、出願の際に自己の業務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていた者は、継続使用する場合には、その商標を使用する権利(先使用権)を有する。
  • 商標の先使用権が認められるためには、その商標が出願の際に全国的に著名であることが必要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
先使用権(根拠:商標法第32条第1項
誤り
周知性(根拠:商標法第32条第1項

他人が商標登録する前から使って有名なら、使い続けられます。

他人の商標登録出願前から、日本国内において不正競争の目的でなく、その商標又はこれに類似する商標を使用していた結果、その商標登録出願の際に、自己の業務に係る商品・役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは、その者は、継続使用する場合には、その商標を使用する権利を有する(先使用権。商標法32条1項)。要件は『周知』で足り、全国的著名までは不要である。特許の先使用権(特許法79条)と異なり、周知性が要件となる点に注意する。

18先使用権と混同防止表示請求

商標の先使用権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者は、先使用権を有する者に対し、商品・役務の混同を防ぐための表示を付すべきことを請求することはできない。
  • 商標権者は、先使用権を有する者に対し、その者と自己の業務に係る商品・役務の混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
混同防止表示請求(根拠:商標法第32条第2項
正しい
出所混同の回避(根拠:商標法第32条第2項

先使用権者と商標権者が併存する場合、混同防止の表示を求められます。

商標の先使用権(商標法32条1項)が認められると、商標権者の登録商標と先使用権者の商標が市場で併存することになり、出所の混同が生じうる。そこで、商標権者又は専用使用権者は、先使用権を有する者に対し、その者の業務に係る商品・役務と自己の業務に係る商品・役務との混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求できる(同条2項)。先使用権者と商標権者の利益を調整する規定である。

19商標権の効力が及ばない範囲(自己の氏名等)

商標権の効力が及ばない範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の効力は、自己の氏名を普通に用いられる方法で表示する商標にも及ぶ。
  • 商標権の効力は、自己の氏名等を普通に用いられる方法で表示する商標には及ばない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
効力の制限(根拠:商標法第26条第1項
正しい
氏名等の使用(根拠:商標法第26条第1項

自分の名前を普通に使う行為には、他人の商標権は及びません。

商標権の効力は、(1) 自己の肖像・氏名・名称・著名な雅号等を普通に用いられる方法で表示する商標、(2) 指定商品等の普通名称・産地・品質等を普通に用いられる方法で表示する商標(記述的表示)、(3) 慣用商標、(4) 商品等が当然に備える特徴のみからなる商標、(5) 需要者が出所を認識できる態様で使用されていない商標、には及ばない(商標法26条1項)。何人も自由に使用できるべき表示等を商標権者が独占できないようにする制限である。

20商標権の効力が及ばない範囲(記述的表示)

商標権の効力が及ばない範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の効力は、指定商品の普通名称・産地・品質等を普通に用いられる方法で表示する商標には及ばない。
  • 記述的表示を普通に用いる商標に商標権の効力が及ばないのは、これらの表示は本来何人も自由に使用できるべきものだからである。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
記述的表示(根拠:商標法第26条第1項
正しい
自由使用の確保(根拠:商標法第26条第1項

産地や品質を普通に表示する使用には、商標権が及びません。

商標権の効力は、指定商品・役務又はこれらに類似する商品・役務の普通名称・産地・販売地・品質・原材料・効能・用途・形状・数量・価格等を普通に用いられる方法で表示する商標(記述的表示)には及ばない(商標法26条1項2号・3号)。これらの表示は商品・役務の内容を説明するために誰もが自由に使用できるべきものだからである。商標登録の識別力(同3条1項3号)の要件と対応する制限であり、登録されても記述的使用には効力が及ばない。

21商標権の効力が及ばない範囲(総合)

商標権の効力が及ばない範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の効力は、指定商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する商標にも及ぶ。
  • 自己の氏名を普通に用いられる方法で表示する商標には、常に商標権の効力が及ぶ。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
記述的表示(根拠:商標法第26条第1項
誤り
氏名等の使用(根拠:商標法第26条第1項

「普通名称に及ぶ」「自己の氏名に常に及ぶ」はどちらも誤りです。

商標権の効力は、自己の氏名等を普通に用いられる方法で表示する商標(商標法26条1項1号)、指定商品等の普通名称・記述的表示を普通に用いられる方法で表示する商標(同項2号・3号)、慣用商標(同項4号)、商品等が当然に備える特徴のみからなる商標(同項5号)、出所表示として使用されていない商標(同項6号)には及ばない。識別機能を害さない公正な使用を確保するための制限で、登録商標と同一・類似でもこれらの使用には権利が及ばない。

22商標登録無効審判

商標登録の無効審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標登録が無効理由に該当するときは、その商標登録を無効にすることについて審判を請求することができる。
  • 指定商品又は指定役務が二以上のものについては、全指定商品・役務を一括してのみ無効審判を請求でき、個別の請求はできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文が無効審判請求を定める(根拠:商標法第46条
誤り
条文が指定ごとの請求を認める(根拠:商標法第46条

請求の単位

商標登録無効審判は無効理由に該当すれば請求できる。指定商品又は指定役務が二以上のときは、指定ごとに分けて請求できる。一括請求しかできないわけではない点に注意する。

23商標登録無効審判の単位

商標登録の無効審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標登録の無効審判は、無効理由の有無にかかわらず、いかなる商標登録についても当然に請求が認められる。
  • 指定商品又は指定役務が二以上のものについては、指定商品又は指定役務ごとに無効審判を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文は各号該当を前提とする(根拠:商標法第46条
正しい
条文が指定ごとの請求を認める(根拠:商標法第46条

請求の前提

商標登録無効審判は各号の無効理由に該当することが前提であり、無条件に請求できるわけではない。指定商品又は指定役務が二以上のときは指定ごとに請求できる。要件と請求単位を分けて理解する。