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商標法・第3

商標法の問題(23問)

この章を解く(23問)→

商標は、登録後の取消し・無効・使用権で差が出る

商標法を実務レベルで問う章です。識別力などの登録要件、不使用取消審判・不正使用取消審判、存続期間と更新、防護標章、一商標一出願、専用・通常使用権、先願、新しいタイプの商標、無効審判の除斥期間を収録しています。取消・無効の審判制度と使用権の扱いが、2級らしい論点になります。

第3章は商標法です。2級では識別力だけでなく、不使用取消審判、不正使用取消審判、無効審判、防護標章、専用使用権・通常使用権まで問われます。

  • 不使用取消と不正使用取消を分ける。
  • 無効審判には除斥期間が問題になる場面がある。
  • 専用使用権と通常使用権の登録・効力を確認する。

この章で確認する論点

3章では、商標権の効力が及ばない範囲・商標登録の要件・不使用取消審判・商標登録を受けることができない商標・商標権の存続期間と更新を中心に23問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

商標法を他資格と横断して確認する場合は、知的財産法を学べる資格と無料問題も使えます。

  • 産地・品質だけの記述的商標も、使い込んで出所表示として認識されれば登録できる。イはこれを否定しているので誤り。
  • 3年使っていない登録商標は『何人も』取消しを請求できる。アもイも前提を取り違えており両方誤り。
  • 識別力があっても、国旗などとの同一・類似は登録から外れます。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

商標法3条4条5条6条8条18条19条20条25条26条30条31条32条46条47条50条53条64条

問題と解説を読む23問・答え付き

答え・解説つきで23問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2025年12月時点の法令に準拠
1商標登録の要件(識別力)

商標登録の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標は、原則として商標登録を受けることができない。
  • 商品の産地・品質等を普通に表示する標章のみからなる商標は、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品等であることを認識できるものとなっても、商標登録を受けることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
識別力

商標法第3条第1項その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標e-Gov原文

誤り
使用による識別力

商標法第3条第2項使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができるe-Gov原文

ひっかけ産地・品質だけの記述的商標も、使い込んで出所表示として認識されれば登録できる。イはこれを否定しているので誤り。

解説商標は、識別力を欠く一定の商標を除いて登録を受けられる。識別力を欠くのは、普通名称、慣用商標、記述的表示、ありふれた氏・名称、極めて簡単でありふれた標章などである(商標法3条1項)。アは、その商品・役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標が原則登録できないとするもので、同項1号のとおり正しい。ただし、産地・品質等を普通に表示する記述的商標等(同項3号~5号)でも、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品等であることを認識できるものとなれば登録を受けられる(同条2項)。よってイの『登録を受けることはできない』は誤り。

補足使用による識別力(3条2項)が認められるには、原則として出願商標と同一の商標が全国的に需要者に認識されている必要がある。使用形態が出願商標と異なると同一とは扱われない。

2不使用取消審判

登録商標の不使用取消審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 登録商標は、いったん登録されれば、その後一切使用されなくても、取り消されることはない。
  • 不使用取消審判を請求できるのは、当該商標について利害関係を有する者に限られる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
不使用取消

商標法第50条第1項継続して三年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときe-Gov原文

誤り
請求人適格

商標法第50条第1項何人も、その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ3年使っていない登録商標は『何人も』取消しを請求できる。アもイも前提を取り違えており両方誤り。

解説継続して3年以上、日本国内で商標権者・専用使用権者・通常使用権者のいずれもが各指定商品・役務について登録商標を使用していないときは、その商標登録の取消しについて不使用取消審判を請求できる(商標法50条1項)。アは『登録されれば一切使用されなくても取り消されることはない』とするが、この3年以上の不使用が取消事由になるので誤り。イは請求人を利害関係人に限るとするが、不使用取消審判は『何人も』請求できるのでこちらも誤り。審判請求があると、商標権者の側が請求登録前3年以内の使用を証明しない限り取り消される(同条2項)。

補足審判請求前3月から請求登録日までの使用は、請求を予知した後のものだと請求人が証明すれば、正当な理由がない限り使用と認められない(50条3項。いわゆる駆け込み使用の封じ込め)。

3商標登録を受けることができない商標

商標登録を受けることができない商標に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国旗、菊花紋章、勲章、褒章又は外国の国旗と同一又は類似の商標であっても、識別力があれば商標登録を受けることができる。
  • 国旗や菊花紋章等と同一又は類似の商標は、識別力の有無にかかわらず、商標登録を受けることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
公益的不登録事由

商標法第4条第1項国旗、菊花紋章、勲章、褒章又は外国の国旗と同一又は類似の商標e-Gov原文

正しい
登録排除

商標法第4条第1項次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができないe-Gov原文

ひっかけ識別力があっても、国旗などとの同一・類似は登録から外れます。

解説商標登録には、識別力(商標法3条)を備えるだけでなく、登録を受けられない事由(不登録事由。同4条)に該当しないことが必要である。4条1項1号は、国旗・菊花紋章・勲章・褒章・外国の国旗と同一又は類似の商標を、識別力の有無と関係なく登録から排除する公益的事由である。よって識別力があれば登録できるとするアは誤り、識別力の有無にかかわらず登録できないとするイが正しく、『アー誤、イー正』となる。4条1項にはほかに、国際機関の標章(3号)、公序良俗違反(7号)、他人の周知商標と同一・類似(10号)、他人の登録商標と同一・類似(11号)、他人の業務と混同を生ずるおそれ(15号)などがある。

補足私益的な事由(他人の周知商標との同一・類似=10号など)は、出願時と登録査定時の両方で該当して初めて拒絶される(4条3項)。公益的事由とは判断時点の扱いが異なる。

4商標権の存続期間と更新

商標権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の存続期間は、設定の登録の日から10年をもって終了する。
  • 商標権の存続期間は、一度終了すると、更新することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
10年

商標法第19条第1項商標権の存続期間は、設定の登録の日から十年をもつて終了するe-Gov原文

誤り
更新

商標法第19条第2項商標権の存続期間は、商標権者の更新登録の申請により更新することができるe-Gov原文

ひっかけ商標権は10年で終了しますが、更新登録の申請で何度でも延ばせます。

解説商標権の存続期間は、設定の登録の日から10年をもって終了する(商標法19条1項)。もっとも、商標権者の更新登録の申請により更新することができ(同条2項)、更新を繰り返せば半永久的に維持できる。だから『一度終了すると更新できない』とするイは誤りで、アは1項のとおり正しい。商標は使用により事業者の業務上の信用が化体する財産であり、創作を保護する特許権(20年)や意匠権(25年)のような有限の存続期間とは扱いが異なる。

補足更新登録の申請ができるのは、原則として存続期間の満了前6月から満了の日までです(商標法20条2項)。これを過ぎても満了後6月以内なら割増登録料の納付で申請できます。

5防護標章登録

防護標章登録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者は、自己の指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている登録商標について、非類似の商品・役務での他人の使用により混同を生ずるおそれがあるときは、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。
  • 防護標章登録の前提として、その登録商標が自己の指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることが必要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
防護標章

商標法第64条第1項その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができるe-Gov原文

正しい
著名性

商標法第64条第1項需要者の間に広く認識されているe-Gov原文

ひっかけ防護標章登録は、もとの登録商標が著名であることを前提に、非類似商品まで保護を広げる制度です。

解説商標権の効力は原則として指定商品・役務とこれに類似する範囲に及ぶにとどまるが、著名な商標は非類似の商品・役務でも混同が生じうる。そこで、登録商標が自己の指定商品・役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合に、非類似の商品・役務での他人の使用により混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品・役務について、登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる(商標法64条1項)。アはこの規定どおりで正しい。需要者の間に広く認識されていることはこの登録の前提であり、イも正しい。

補足防護標章登録に基づく権利の存続期間も10年ですが、更新は通常商標の「申請」と違い、64条の要件を改めて審査する更新登録の「出願」による点が特徴です(商標法65条の2・65条の3)。

6一商標一出願

商標登録出願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない。
  • 商標登録出願の指定は、政令で定める商品及び役務の区分に従ってしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
一商標一出願

商標法第6条第1項商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならないe-Gov原文

正しい
商品・役務の区分

商標法第6条第2項前項の指定は、政令で定める商品及び役務の区分に従つてしなければならないe-Gov原文

ひっかけ出願は商標1件ごと。商品・役務は政令の区分に従って並べる。1出願で複数区分もまたげる。

解説商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない(一商標一出願・商標法6条1項)。アはこの本文どおりで正しい。指定は政令で定める商品及び役務の区分に従ってする(同条2項)から、イも正しく、しかも一つの出願で複数区分にまたがる指定もできる(一出願多区分制)。注意したいのは、この区分はあくまで手続上の枠で、商品・役務が類似するかどうかの範囲を定めるものではない(同条3項)こと。区分が同じでも非類似のことがあり、区分が違っても類似することがある。

補足区分の数だけ出願料・登録料が積み上がるので、多区分指定は手続の単純化にはなるが費用面では区分ごとの計算になる。

7商標権の効力

商標権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。
  • 商標権について専用使用権を設定した場合でも、その専用使用権者が使用をする権利を専有する範囲について、商標権者が登録商標の使用をする権利を専有し続ける。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
専用権

商標法第25条商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有するe-Gov原文

誤り
専用使用権の効果

商標法第25条専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ専用使用権を与えた範囲では、もとの商標権者すら自分で使えなくなる。

解説商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する(専用権・商標法25条本文)。アはこの本文どおりで正しい。ただし専用使用権を設定したときは、専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については商標権者も使用できない(同条ただし書)から、イは「専有し続ける」とする点で誤り。専用使用権は設定範囲で唯一使える者を専用使用権者に切り替えるもので、特許の専用実施権(特許法77条2項)と同じく、設定した本人が締め出される構造になっている。

補足専用使用権の設定・移転は登録しなければ効力を生じない(商標法30条4項が準用する特許法98条1項2号)。

8専用使用権

商標権の専用使用権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 専用使用権は、商標権者の承諾の有無にかかわらず、自由に第三者に移転することができる。
  • 専用使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
移転制限

商標法第30条第3項専用使用権は、商標権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができるe-Gov原文

正しい
独占的使用

商標法第30条第2項専用使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有するe-Gov原文

ひっかけ独占して使える権利でも、他人へ譲るには商標権者の承諾がいる。

解説専用使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する(商標法30条2項。物権的な独占的使用権)。イはこの条文どおりで正しい。一方アは、専用使用権を商標権者の承諾の有無にかかわらず自由に第三者へ移転できるとするが、専用使用権の移転は商標権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限られる(同条3項)。よってアは誤り。独占的に使える権利でも、譲渡は自由ではない。

補足公益著名商標(商標法4条2項)や地域団体商標の商標権には、そもそも専用使用権を設定できない(30条1項)。

9通常使用権

商標権の通常使用権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾でき、通常使用権者は設定行為で定めた範囲内で登録商標を使用する権利を有する。
  • 通常使用権は、その登録をしたときは、その後に商標権若しくは専用使用権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
通常使用権

商標法第31条第1項商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾することができるe-Gov原文

正しい
登録の対抗力

商標法第31条第4項通常使用権は、その登録をしたときは、その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずるe-Gov原文

ひっかけ登録しておけば、後から商標権を買った人にも通常使用権を主張できる。

解説商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾でき(商標法31条1項)、通常使用権者は設定行為で定めた範囲内で登録商標を使用する権利を有する(同条2項。非独占的)。アはこの内容で正しい。イは、通常使用権を登録すれば、その後に商標権・専用使用権を取得した者に対してもその効力を生ずる、とするもので、同条4項の文言どおり正しい。つまり商標の通常使用権は、登録してはじめて後の権利取得者に対抗できる。

補足特許の通常実施権は登録なしで当然に対抗できる(特許法99条)が、商標の通常使用権は登録が対抗要件という違いがある。

10商標の先願

商標登録出願の先願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一又は類似の商品・役務について使用をする同一又は類似の商標について異なった日に複数の商標登録出願があったときは、後の出願人も当然に商標登録を受けることができる。
  • 同一又は類似の商標について同日に複数の出願があったときは、すべての出願人がそれぞれ商標登録を受けることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
先願主義

商標法第8条第1項最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができるe-Gov原文

誤り
同日出願

商標法第8条第2項同日に二以上の商標登録出願があつたときは、商標登録出願人の協議により定めた一の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができるe-Gov原文

ひっかけ同一・類似の商標がぶつかったら、異日なら最先、同日なら協議で一人に絞られる。

解説商標法も先願主義を採る。同一又は類似の商品・役務について使用をする同一又は類似の商標について、異なった日に二以上の出願があったときは、最先の商標登録出願人のみが登録を受けられる(商標法8条1項)。アは後願人も当然に登録を受けられるとするため誤り。同日に二以上の出願があったときは、協議により定めた一の出願人のみが登録を受けられ(同条2項)、協議不成立等のときはくじによるため(同条5項)、すべての出願人が登録を受けられるとするイも誤り。

補足令和5年改正(令和6年4月1日施行)のコンセント制度では、先行登録権者の承諾があり、かつ混同を生ずるおそれがない場合に併存登録が認められる(商標法4条4項)。先願どうしの調整である8条とは別の場面。

11商標登録出願(新しいタイプの商標)

商標登録出願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標登録を受けようとする者は、出願人の氏名、商標、指定商品又は指定役務及び区分等を記載した願書を、特許庁長官に提出しなければならない。
  • 立体的形状や色彩のみ、音からなる商標は、商標登録の対象とすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
願書

商標法第5条第1項商標登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書に必要な書面を添付して特許庁長官に提出しなければならないe-Gov原文

誤り
新しいタイプの商標

商標法第5条第2項音からなる商標e-Gov原文

ひっかけ音や色彩だけ、という従来なら登録できなかった商標が、いまは登録対象になっている。

解説商標登録を受けようとする者は、出願人の氏名、商標、指定商品又は指定役務及び区分等を記載した願書を特許庁長官に提出する(商標法5条1項)。アはこのとおりで正しい。立体的形状・色彩のみ・音からなる商標は登録対象にならない、とするイは誤り。これらはいずれも登録の対象であり、音商標を含む新しいタイプの商標は5条2項でその旨を願書に記載して出願する。立体的形状は1996年改正で、色彩のみ・音・動き・ホログラム・位置は2014年改正で導入された。

補足色彩のみ・音・動き・ホログラム・位置の5類型を加えた2014年改正の施行は2015年4月1日。立体的形状はそれより前の1996年改正からの対象で、導入時期が分かれている。

12不正使用による商標登録の取消審判

不正使用による商標登録の取消審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 専用使用権者や通常使用権者が、品質の誤認や出所の混同を生ずる態様で登録商標等を使用しても、商標登録が取り消されることはない。
  • 専用使用権者等が品質誤認・出所混同を生ずる登録商標等の使用をしたときは、何人も、その商標登録の取消審判を請求できる(商標権者が相当の注意をしていた場合を除く)。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
不正使用取消

商標法第53条第1項何人も、当該商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるe-Gov原文

正しい
請求人適格

商標法第53条第1項何人も、当該商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ紛らわしい使い方をしたのは使用権者でも、責任を問われ取り消されるのは商標権者の登録のほうだ。

解説専用使用権者又は通常使用権者が、指定商品・役務又はこれらに類似する商品・役務について、登録商標又はこれに類似する商標を使用し、それが品質の誤認又は他人の業務に係る商品・役務との混同を生ずるものであるとき、何人も、その商標登録の取消審判を請求できる(商標法53条1項。不正使用取消審判)。取り消されることはないとするアは誤り、請求できるとするイは正しい。使用権者の不正使用に対する商標権者の監督義務を担保する制度である。

補足商標権者がその事実を知らず、相当の注意をしていたときは取り消されない(53条1項ただし書)。監督義務を尽くしていれば免れる点が、過失を問わない3年不使用取消審判(50条)との違い。

13商標権の設定の登録

商標権の発生に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権は、設定の登録により発生する。
  • 商標権の設定の登録があったときは、商標権者の氏名や商標、指定商品又は指定役務等を商標公報に掲載しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
設定登録

商標法第18条第1項商標権は、設定の登録により発生するe-Gov原文

正しい
公報掲載

商標法第18条第3項前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を商標公報に掲載しなければならないe-Gov原文

ひっかけ商標権が動き出すのは設定登録の時点。そして登録の中身は必ず商標公報に載る。

解説商標権は、設定の登録により発生する(商標法18条1項)。登録料の納付があったときに設定の登録がされ(同条2項)、設定登録があったときは商標権者の氏名、出願番号、商標、指定商品・役務、登録番号等を商標公報に掲載しなければならない(同条3項)。アは権利発生を設定登録とする18条1項どおりで正しく、イは設定登録時の公報掲載を義務づける18条3項どおりで正しいため、『アー正、イー正』。商標掲載公報の発行日から2月間は出願書類等が公衆の縦覧に供され(同条4項)、この期間内は登録異議の申立てができる(43条の2)。設定登録で権利が発生し、その内容が公報で公示されるという流れは特許権・意匠権と共通する。

補足公報掲載は単なるお知らせにとどまらず、発行日から2月間の登録異議申立て(43条の2)の起算点になる。

14商標登録の無効審判の除斥期間

商標登録の無効審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 識別力や先願等の一定の無効理由による商標登録の無効審判は、商標権の設定の登録の日から5年を経過した後は、請求することができない。
  • 商標登録の無効審判は、無効理由の種類にかかわらず、いつでも期間の制限なく請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
除斥期間

商標法第47条第1項商標権の設定の登録の日から五年を経過した後は、請求することができないe-Gov原文

誤り
期間制限

商標法第47条第1項商標権の設定の登録の日から五年を経過した後は、請求することができないe-Gov原文

ひっかけ「無効理由なら何でも、いつまでも争える」は誤り。多くの理由は登録から5年で締め切られる。

解説商標登録の無効審判は無効理由によって請求できる期間が変わる。識別力欠如(3条)、先願違反(8条)、他人の周知・著名商標との混同(4条1項10号・15号等)などを理由とする無効審判は、商標権の設定の登録の日から5年を経過した後は請求できない(除斥期間。商標法47条1項)。アはこの5年の除斥期間を述べた記述で正しい。イは無効理由の種類にかかわらずいつでも請求できるとするが、いま挙げた一定の無効理由には47条1項の期間制限があるため誤り。よって『アー正、イー誤』。長期間の使用で蓄積した信用と法的安定性を守るのが除斥期間の趣旨であり、公序良俗違反(4条1項7号)等の公益的な無効理由には期間制限がない。

補足5年で消えるのは私益的な瑕疵。公序良俗違反や不正目的のような公益に関わる理由は、何年経っても無効審判を請求できる。

15存続期間の更新登録の申請

商標権の存続期間の更新登録の申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の存続期間の更新登録の申請は、存続期間の満了前6月から満了の日までの間にしなければならない。
  • 更新登録の申請を所定の期間内にすることができなかったときも、経済産業省令で定める期間内であれば、その申請をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
申請期間

商標法第20条第2項更新登録の申請は、商標権の存続期間の満了前六月から満了の日までの間にしなければならないe-Gov原文

正しい
追完

商標法第20条第3項その期間が経過した後であつても、経済産業省令で定める期間内にその申請をすることができるe-Gov原文

ひっかけ更新は満了前6月からの窓口期間が原則だが、その後も省令の追完期間が控えている。

解説商標権の存続期間の更新登録の申請は、存続期間の満了前6月から満了の日までの間にしなければならない(商標法20条2項)。この期間内に申請できなかったときも、経済産業省令で定める期間内であれば申請できる(同条3項。追完)。アは2項の文言どおり、イは3項の追完を述べたもので、いずれも正しく『アー正、イー正』。3項の追完期間は満了後6月以内で、このときは更新登録料に加えて同額の割増登録料を納付する(43条)。更新自体に回数制限はなく、申請を繰り返す限り商標権は10年ごとに維持される。

補足追完で更新するときは更新登録料と同額の割増登録料が上乗せされる(43条)。特許の追納(割増特許料)と同じ「同額上乗せ」の発想。

16更新登録の申請をしなかった場合の効果

商標権の更新登録の申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者が更新登録の申請期間内に申請をしなかった場合でも、商標権は当然には消滅しない。
  • 商標権者が更新登録の申請をすることができる期間内に申請しないときは、その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼって消滅したものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
更新失念

商標法第20条第4項その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼつて消滅したものとみなすe-Gov原文

正しい
遡及消滅

商標法第20条第4項その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼつて消滅したものとみなすe-Gov原文

ひっかけ更新を逃すと権利は前に進んで切れるのではなく、満了の時点まで巻き戻って消える。

解説更新登録の申請ができる期間(満了前6月から満了日までの本来期間と、満了後6月以内の追完期間)内に申請をしないと、その商標権は存続期間の満了の時にさかのぼって消滅したものとみなされる(商標法20条4項)。アは「申請しなくても当然には消滅しない」とするが、4項が遡及消滅をみなし効果として定めている以上誤り。イは4項の文言そのままで正しい。よって『アー誤、イー正』。「消滅」ではなく「さかのぼって消滅したものとみなす」である点が要点で、満了日と消滅時点が一致するため、その間の権利関係は空白として扱われる。

補足効果は「将来に向けて消滅」ではなく「満了時にさかのぼって消滅したものとみなす」。だから満了後に第三者が使っていても、遡及消滅後は商標権侵害を問えない。

17先使用による商標の使用をする権利

商標の先使用権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 他人の商標登録出願前から、不正競争の目的でなくその商標を使用し、出願の際に自己の業務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていた者は、継続使用する場合には、その商標を使用する権利(先使用権)を有する。
  • 商標の先使用権が認められるためには、その商標が出願の際に全国的に著名であることが必要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
先使用権

商標法第32条第1項継続してその商品又は役務についてその商標の使用をする場合は、その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有するe-Gov原文

誤り
周知性

商標法第32条第1項需要者の間に広く認識されているときe-Gov原文

ひっかけ先に使って有名なら使い続けられる。ただし条文が要求する有名さは「全国的著名」ではなく「周知」。

解説他人の商標登録出願前から、日本国内で不正競争の目的なくその商標(又は類似商標)を使ってきた結果、出願の際に自己の業務に係る商品・役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていた者は、継続して使用する場合、その商標を使用する権利を持つ(先使用権。商標法32条1項)。これがア。イは「全国的に著名であること」を要件とするが、条文が求めるのは需要者の間に広く認識されていること、つまり周知で足り、著名までは要らないので誤り。求められる認知度が周知どまりである点が、ここでの分かれ目になる。

補足同じ先使用権でも特許法79条は周知を要件にせず、出願の内容を知らずに自ら発明(又は知得)して実施・準備していたことで成立する。商標の先使用権だけが周知性を要件とする。

18先使用権と混同防止表示請求

商標の先使用権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権者は、先使用権を有する者に対し、商品・役務の混同を防ぐための表示を付すべきことを請求することはできない。
  • 商標権者は、先使用権を有する者に対し、その者と自己の業務に係る商品・役務の混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
混同防止表示請求

商標法第32条第2項混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができるe-Gov原文

正しい
出所混同の回避

商標法第32条第2項混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができるe-Gov原文

ひっかけ同じ商標が併存する以上、商標権者は黙って見ているしかない、とはならない。

解説先使用権が認められると、商標権者の登録商標と先使用権者の商標が市場で並び立ち、出所の混同が起こりうる。そこで商標権者(又は専用使用権者)は、先使用権を持つ者に対し、その者の業務に係る商品・役務と自己のそれとの混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求できる(商標法32条2項)。アはこの請求が「できない」とするので誤り、イは条文どおりで正しく、組み合わせは『アー誤、イー正』。先使用権者と商標権者の利益を調整するための請求権である。

補足請求できるのは「混同を防ぐ表示を付けろ」までで、先使用権者の使用そのものをやめさせることはできない。先使用権は32条1項で残り続ける。

19商標権の効力が及ばない範囲(自己の氏名等)

商標権の効力が及ばない範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の効力は、自己の氏名を普通に用いられる方法で表示する商標にも及ぶ。
  • 商標権の効力は、自己の氏名等を普通に用いられる方法で表示する商標には及ばない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
効力の制限

商標法第26条第1項自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標e-Gov原文

正しい
氏名等の使用

商標法第26条第1項商標権の効力は、次に掲げる商標e-Gov原文

商標法第26条第1項自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標e-Gov原文

ひっかけ自分の名前を普通に表示する行為には、他人の商標権の効力は及びません。

解説自己の肖像・氏名・名称・著名な雅号等を普通に用いられる方法で表示する商標には、他人の登録商標と同一・類似であっても商標権の効力が及ばない(商標法26条1項1号)。自分の名前を普通に表示する正当な使用まで他人が独占できないようにするための制限である。効力が及ぶとするアは1号に反して誤り、及ばないとするイは正。ここで保護されるのは『普通に用いられる方法』での表示であり、商標的に目立たせて使えば射程を外れる。

補足1号は自己の氏名等が常に自由という意味ではない。不正競争の目的での使用には及ばないし(26条2項)、他人が著名商標を有する場合は別途調整される。

20商標権の効力が及ばない範囲(記述的表示)

商標権の効力が及ばない範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の効力は、指定商品の普通名称・産地・品質等を普通に用いられる方法で表示する商標には及ばない。
  • 記述的表示を普通に用いる商標に商標権の効力が及ばないのは、これらの表示は本来何人も自由に使用できるべきものだからである。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
記述的表示

商標法第26条第1項普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状e-Gov原文

正しい
自由使用の確保

商標法第26条第1項商標権の効力は、次に掲げる商標e-Gov原文

ひっかけ産地や品質を普通に表示する使用には、商標権が及びません。

解説指定商品・役務の普通名称・産地・販売地・品質・原材料・効能・用途・形状等を普通に用いられる方法で表示する商標(記述的表示)には、商標権の効力が及ばない(商標法26条1項2号・3号)。商品や役務の中身を説明する語は本来誰もが自由に使えるべきだからで、イはまさにこの趣旨を述べており正。アも条文どおりで正。記述的な語は識別力がなく登録自体が原則拒絶される(3条1項3号)が、仮に登録されてもこの26条で記述的使用は守られる。

補足記述的表示でも、使用により需要者に出所として広く認識されれば登録できる(商標法3条2項)。その場合でも記述的な普通の使用には26条で効力が及ばないという二重構造になる。

21商標権の効力が及ばない範囲(総合)

商標権の効力が及ばない範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標権の効力は、指定商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する商標にも及ぶ。
  • 自己の氏名を普通に用いられる方法で表示する商標には、常に商標権の効力が及ぶ。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
記述的表示

商標法第26条第1項商標権の効力は、次に掲げる商標e-Gov原文

誤り
氏名等の使用

商標法第26条第1項自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標e-Gov原文

ひっかけ「普通名称に及ぶ」「自己の氏名に常に及ぶ」はどちらも誤りです。

解説商標権の効力は、自己の氏名等を普通に用いられる方法で表示する商標(商標法26条1項1号)、指定商品等の普通名称・記述的表示を普通に表示する商標(同項2号・3号)、慣用商標(同項4号)、商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標(同項5号)、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識できる態様で使用されていない商標(同項6号)には及ばない。普通名称に及ぶとするア、自己の氏名に常に及ぶとするイは、いずれも26条1項に反して誤り。「及ぶ」「常に及ぶ」と言い切る肢は、この各号のどれかに当たれば崩れる。

補足26条1項6号は平成26年改正で加わった号で、商標として(出所表示の態様で)使われていないコンテンツ中の表示等には効力が及ばないことを明文化したもの。

22商標登録無効審判

商標登録の無効審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標登録が無効理由に該当するときは、その商標登録を無効にすることについて審判を請求することができる。
  • 指定商品又は指定役務が二以上のものについては、全指定商品・役務を一括してのみ無効審判を請求でき、個別の請求はできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文が無効審判請求を定める

商標法第46条商標登録を無効にすることについて審判を請求することができるe-Gov原文

誤り
条文が指定ごとの請求を認める

商標法第46条指定商品又は指定役務ごとに請求することができるe-Gov原文

ひっかけ指定が複数なら、ごとに分けて無効を請求できる。一括限定ではない。

解説商標登録が無効理由に当たるとき、その登録を無効にする審判を請求できる(46条)。アはこの請求自体を認める点で正しい。問題はイで、指定商品または指定役務が二以上ある登録について、全部を一括してしか請求できず個別請求は不可だとする。だが条文は指定商品または指定役務ごとに請求できると定めており、一部の指定だけを狙い撃ちにする無効審判も可能なので、イは誤り。

補足請求できるのは利害関係人で、しかも商標権が消滅した後でも請求できる(46条)。

23商標登録無効審判の単位

商標登録の無効審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商標登録の無効審判は、無効理由の有無にかかわらず、いかなる商標登録についても当然に請求が認められる。
  • 指定商品又は指定役務が二以上のものについては、指定商品又は指定役務ごとに無効審判を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文は各号該当を前提とする

商標法第46条次の各号のいずれかに該当するときe-Gov原文

正しい
条文が指定ごとの請求を認める

商標法第46条指定商品又は指定役務ごとに請求することができるe-Gov原文

ひっかけ無効理由なしの当然請求はできない。請求は各号該当が入口。

解説アは無効理由があるかどうかに関係なく、どんな商標登録でも当然に無効審判を請求できるとする。しかし46条は各号のいずれかに該当するときに請求できると定めており、列挙された無効理由に当たることが前提になるから誤り。イは指定商品または指定役務が二以上のとき指定ごとに請求できるとするもので、これは条文どおりで正しい。何の理由もない無条件の請求は認められない一方、請求の単位は指定ごとに割れる。

補足3条や4条1項8号・10号から15号などの理由は、設定登録から五年で除斥期間にかかり請求できなくなる(47条)。

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