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著作権法・第4

著作権法の問題(41問)

論点 39目安 約82組合せ 41
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この章で扱う論点39論点

私的使用のための複製2教科用図書への掲載2二次的著作物の利用に関する原著作者の権利公表権・同一性保持権氏名表示権侵害とみなす行為著作者人格権の一身専属性著作物の利用の許諾利用権の譲渡・放送の許諾著作権の保護期間と人格権権利の目的とならない著作物複製権と権利の目的とならない著作物著作権侵害における損害額の推定著作物の例示営利を目的としない上演等著作者の死後における人格的利益の保護著作者の推定引用学校その他の教育機関における複製等授業目的公衆送信補償金著作者の権利と無方式主義試験問題としての複製等試験問題としての複製と補償金著作権の発生口述権頒布権実演家の放送権・有線放送権頒布権の対象著作者の死後における人格的利益の保護のための請求学校教育番組の放送等著作権の譲渡著作権譲渡における特掲相続人の不存在等の場合の著作権の消滅著作者の権利と著作隣接権との関係著作権者不明等の場合における著作物の利用著作物の放送と裁定放送裁定の協議要件と補償金商業用レコードへの録音商業用レコードの期間要件

各選択肢に根拠条文(e-Gov法令データ照合済み)と、正誤の理由・覚え方のコツをつけています。

問題と解説を読む41

通読・復習用に、この章の全問題と解説を掲載しています。1問ずつ解きながら進めたい場合は「この章を解く」からどうぞ。

1二次的著作物の利用に関する原著作者の権利

二次的著作物の原著作物の著作者の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 二次的著作物の原著作物の著作者は、その二次的著作物の利用に関して、何らの権利も有しない。
  • 二次的著作物を利用する場合、二次的著作物の著作者の許諾を得れば足り、原著作物の著作者の許諾は不要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
原著作者の権利(根拠:著作権法第28条
誤り
二重の許諾(根拠:著作権法第28条

翻訳・映画化等の利用には、原作者と二次的著作物の著作者の両方の許諾が要ります。

二次的著作物(原著作物を翻訳・編曲・変形・翻案して創作した著作物。著作権法2条1項11号)の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する(同28条)。したがって、二次的著作物を利用するには、二次的著作物の著作者の許諾に加え、原著作物の著作者(原著作者)の許諾も必要となる。小説の映画化作品の利用などで二重の許諾が必要になる点が重要である。

2公表権・同一性保持権

著作者人格権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作者は、まだ公表されていない著作物を公衆に提供し、又は提示する権利(公表権)を有する。
  • 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更・切除その他の改変を受けない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
公表権(根拠:著作権法第18条第1項
正しい
同一性保持権(根拠:著作権法第20条第1項

著作者人格権には公表権・氏名表示権・同一性保持権があります。

著作者人格権は、著作者の人格的利益を保護する権利で、公表権・氏名表示権・同一性保持権から成る。公表権は、まだ公表されていない著作物(同意を得ずに公表されたものを含む)を公衆に提供・提示する権利(著作権法18条1項)。同一性保持権は、著作物及びその題号の同一性を保持し、その意に反する変更・切除その他の改変を受けない権利である(同20条1項)。著作者人格権は一身専属で譲渡できない(同59条)。

3氏名表示権

氏名表示権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供・提示に際し、実名・変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利(氏名表示権)を有する。
  • 著作物を利用する者は、著作者の別段の意思表示がない限り、著作者が既に表示しているところに従って著作者名を表示することはできず、常に無名で利用しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
氏名表示権(根拠:著作権法第19条第1項
誤り
既存表示の踏襲(根拠:著作権法第19条第2項

著作者は名前を出すか・どう出すかを決められます。

氏名表示権は、著作者が、その著作物の原作品に、又は公衆への提供・提示に際し、実名・変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利である(著作権法19条1項)。著作物を利用する者は、著作者の別段の意思表示がない限り、既に著作者が表示しているところに従って著作者名を表示できる(同条2項)。また、著作物の利用の目的・態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがなく、公正な慣行に反しない限り、表示を省略できる(同条3項)。

4侵害とみなす行為

著作権法上の侵害とみなす行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国内において頒布する目的をもって、輸入の時に国内で作成したとすれば著作権侵害となるべき行為によって作成された物を輸入する行為は、著作権を侵害する行為とみなされない。
  • 著作権を侵害する行為によって作成された物を、情を知って頒布し、又は頒布の目的をもって所持する行為は、著作権を侵害する行為とみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
みなし侵害(輸入)(根拠:著作権法第113条第1項
正しい
みなし侵害(頒布)(根拠:著作権法第113条第1項

侵害品の輸入や、事情を知った販売も侵害とみなされます。

著作権法113条は、直接の支分権侵害でない一定の行為を侵害とみなす。(1) 国内頒布目的で、輸入時に国内で作成したとすれば侵害となるべき行為で作成された物(海賊版)を輸入する行為(1号)、(2) 侵害品を、情を知って頒布・頒布目的で所持・頒布の申出・業としての輸出等をする行為(2号)などである。さらに、リーチサイト・リーチアプリによる侵害著作物への誘導行為や、技術的保護手段の回避なども侵害とみなされる。直接侵害でなくても規制が及ぶ点を押さえる。

5著作者人格権の一身専属性

著作者人格権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。
  • 著作者人格権は財産的権利であり、著作権(財産権)と一体として第三者に譲渡することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
一身専属(根拠:著作権法第59条
誤り
譲渡不可(根拠:著作権法第59条

著作者人格権は売買・譲渡できません(著作者に残ります)。

著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない(著作権法59条)。したがって、著作権(財産権)を第三者に譲渡しても、著作者人格権は著作者のもとに残る。実務では、著作者人格権を行使しない旨の特約(不行使特約)が用いられることがある。著作者の死後も人格的利益は保護される(同60条)点とあわせて押さえる。

6著作物の利用の許諾

著作物の利用の許諾に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作物の利用許諾を得た者は、許諾に係る利用方法・条件の範囲を超えても、自由にその著作物を利用することができる。
  • 著作権者は他人にその著作物の利用を許諾でき、許諾を得た者は許諾に係る利用方法・条件の範囲内でその著作物を利用することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
範囲内利用(根拠:著作権法第63条第2項
正しい
利用許諾(根拠:著作権法第63条第1項

ライセンスを受けても、契約で決めた範囲内でしか使えません。

著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる(著作権法63条1項。ライセンス)。許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、許諾に係る著作物を利用することができる(同条2項)。許諾の範囲を超える利用は著作権侵害となる。利用権(許諾に基づき利用できる権利)は、著作権者の承諾を得ない限り譲渡できず(同条3項)、放送の許諾は別段の定めがない限り録音・録画の許諾を含まない(同条4項)。

7利用権の譲渡・放送の許諾

著作物の利用許諾に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作物の利用許諾により取得した利用権は、著作権者の承諾を得なくても、自由に第三者に譲渡することができる。
  • 著作物の放送についての利用許諾には、契約に別段の定めがなくても、当然に当該著作物の録音・録画の許諾が含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
利用権の譲渡制限(根拠:著作権法第63条第3項
誤り
許諾範囲(根拠:著作権法第63条第4項

ライセンスの転売は不可、放送許諾に録音録画は含まれません。

著作物の利用許諾に関し、利用権(許諾に基づき利用できる権利)は、著作権者の承諾を得ない限り譲渡できない(著作権法63条3項)。また、著作物の放送・有線放送についての許諾は、契約に別段の定めがない限り、当該著作物の録音・録画の許諾を含まない(同条4項)。許諾は範囲が限定的に解釈され、許諾された範囲を超える利用や、許諾されていない態様の利用は別途許諾が必要となる点を押さえる。

8著作権の保護期間と人格権

著作権・著作者人格権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作権の存続期間は、著作物が最初に公表された時に始まる。
  • 著作者人格権は、契約により第三者に譲渡することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
創作時起算(根拠:著作権法第51条第1項
誤り
一身専属(根拠:著作権法第59条

「公表時に始まる」「人格権は譲渡できる」はどちらも誤りです。

著作権は、著作物の創作の時に始まり(著作権法51条1項。登録等を要しない無方式主義)、原則として著作者の死後70年を経過するまで存続する(同条2項)。著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない(同59条)。著作権(財産権)が創作時に自動的に発生し譲渡可能であるのに対し、著作者人格権は譲渡不可で著作者に残るという、両者の性質の違いを正確に押さえる。

9権利の目的とならない著作物

著作権の目的とならない著作物に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 憲法その他の法令も著作物として著作権の目的となり、これを利用するには著作権者の許諾が必要である。
  • 裁判所の判決・決定・命令及び審判は、著作権の目的となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
法令(根拠:著作権法第13条
誤り
判決等(根拠:著作権法第13条

法律や判決は、誰でも自由に使えます(著作権の対象外)。

国民に広く周知されるべき公共性の高いものは、著作権の目的とならない。具体的には、(1) 憲法その他の法令、(2) 国・地方公共団体の機関等が発する告示・訓令・通達等、(3) 裁判所の判決・決定・命令及び審判等、(4) これらの翻訳物・編集物で国等が作成するもの、である(著作権法13条)。これらは著作物に当たっても権利の目的とならず、許諾なく自由に利用できる。

10複製権と権利の目的とならない著作物

著作権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
  • 憲法その他の法令や裁判所の判決等は、著作権の目的とならず、許諾なく利用することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
複製権(根拠:著作権法第21条
正しい
対象外の著作物(根拠:著作権法第13条

複製権は著作権の中心、ただし法令・判決は対象外です。

著作者は、その著作物を複製する権利を専有する(複製権。著作権法21条)。複製権は支分権の中心的なもので、印刷・写真・録音・録画その他の方法による有形的再製が複製に当たる。一方、憲法その他の法令、国等の告示・通達、裁判所の判決等は、著作物であっても著作権の目的とならず、許諾なく自由に利用できる(同13条)。権利が及ぶもの(21条等)と及ばないもの(13条)の区別を押さえる。

11著作権侵害における損害額の推定

著作権侵害による損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作権侵害による損害賠償では、侵害者が譲渡した侵害作成物の数量等に基づいて損害額を算定する規定はない。
  • 著作権侵害の損害額は、権利者が個別に立証しなければならず、推定・算定の特則は一切設けられていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
損害額の算定(根拠:著作権法第114条第1項
誤り
立証負担の軽減(根拠:著作権法第114条第1項

著作権侵害にも損害額の立証を助ける規定があります。

著作権侵害の損害賠償でも、特許法102条等と同様、立証を助ける規定がある。著作権法114条1項は、侵害者が譲渡した侵害作成物の数量等に、権利者の単位数量当たりの利益額を乗じて損害額を算定する方法を定める。さらに、侵害者が侵害により受けた利益の額を損害額と推定する規定(同条2項)、使用料相当額を損害額として請求できる規定(同条3項)もある。権利者の立証負担を軽減する共通の仕組みである。

12私的使用のための複製

私的使用のための複製に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするときは、原則としてその使用する者が複製することができる。
  • 私的使用のための複製であれば、公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製する場合であっても、自由に複製することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
私的複製(根拠:著作権法第30条第1項
誤り
除外事由(根拠:著作権法第30条第1項

私的複製でも、街の高速ダビング機の利用などは認められません。

著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(私的使用)を目的とするときは、原則としてその使用する者が複製できる(著作権法30条1項)。ただし、(1) 公衆の使用に供することを目的として設置された自動複製機器を用いる複製、(2) 技術的保護手段の回避により可能となった複製を、その事実を知りながら行う場合、(3) 違法にアップロードされた著作物からのダウンロード(録音録画等)などは除かれる(同項各号)。

13私的使用のための複製(除外・主体)

私的使用のための複製に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製する場合も、私的使用目的であれば自由に複製することができる。
  • 私的使用のための複製は、その使用する者自身が複製することを要し、私的使用目的であっても、複製の主体は問わない(第三者が複製してよい)わけではない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
除外事由(根拠:著作権法第30条第1項
正しい
複製の主体(根拠:著作権法第30条第1項

私的複製は『使う本人が』複製するのが原則です。

私的使用のための複製は、その使用する者が複製することを要する(著作権法30条1項。複製の主体が私的使用者であること)。また、(1) 公衆用自動複製機器による複製、(2) 技術的保護手段の回避による複製、(3) 違法配信からのダウンロード等は除外される(同項各号)。事業者が顧客のために複製を代行する行為は、複製の主体が事業者となるため私的複製に当たらない点に注意する。

14著作物の例示

著作物の例示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • プログラムは、著作権法上、著作物として例示されている。
  • 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道も、言語の著作物として保護される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
著作物の例示(根拠:著作権法第10条第1項
誤り
創作性の欠如(根拠:著作権法第10条第2項

プログラムも著作物ですが、単なる事実の報道は著作物ではありません。

著作権法は著作物を例示する。(1) 言語、(2) 音楽、(3) 舞踊・無言劇、(4) 美術、(5) 建築、(6) 図形、(7) 映画、(8) 写真、(9) プログラムの著作物である(著作権法10条1項。例示であり限定列挙ではない)。一方、事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、創作性を欠くため言語の著作物に該当しない(同条2項)。また、プログラム言語・規約・解法には保護が及ばない(同条3項)。

15営利を目的としない上演等

営利を目的としない上演等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演・演奏・上映・口述することができる。
  • その上演等について、実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この自由利用は認められない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
非営利上演(根拠:著作権法第38条第1項
正しい
無報酬要件(根拠:著作権法第38条第1項

学校の無料の発表会などは許諾なく上演できます(出演者無報酬が条件)。

公表された著作物は、(1) 営利を目的とせず、(2) 聴衆・観衆から料金を受けず、(3) 実演家・口述者に報酬が支払われない場合には、公に上演・演奏・上映・口述することができる(著作権法38条1項。学校の文化祭、無料のチャリティーコンサート等)。3要件のいずれかを欠くと自由利用は認められない。営利・有料・出演者有報酬のいずれかがあれば著作権者の許諾が必要となる点を押さえる。

16著作者の死後における人格的利益の保護

著作者の死後における人格的利益の保護に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作者が死亡して存しなくなった後は、著作者人格権の侵害となるべき行為も自由に行うことができる。
  • 著作物を公衆に提供・提示する者は、著作者の死後も、著作者が存しているとすれば著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
死後の保護(根拠:著作権法第60条
正しい
人格的利益の保護(根拠:著作権法第60条

著作者の死後も、その名誉・作品の同一性は保護されます。

著作者人格権は一身専属で、著作者の死亡により消滅する。しかし、著作物を公衆に提供・提示する者は、著作者の死後も、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない(著作権法60条本文。ただし行為の性質・程度や社会的事情の変動等により著作者の意を害しないと認められる場合は除く)。違反行為に対しては、一定の遺族が差止め等を請求できる(同116条)。死後も人格的利益が保護される点を押さえる。

17著作者の推定

著作者の推定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作物に実名等が著作者名として通常の方法で表示されていても、その者が著作者であるとの推定は働かない。
  • 著作者の推定規定は、実名が表示されている場合に限られ、周知の変名(ペンネーム等)が表示されている場合には適用されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
著作者の推定(根拠:著作権法第14条
誤り
変名も対象(根拠:著作権法第14条

作品に名前(ペンネーム含む)が表示された人は著作者と推定されます。

著作物の原作品に、又は著作物の公衆への提供・提示の際に、その実名又は周知の変名が著作者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の著作者と推定される(著作権法14条)。実名だけでなく周知のペンネーム等の変名の表示も推定の対象となる。著作権は無方式で発生し著作者の証明が難しいため、表示により著作者を推定し、立証負担を軽減する規定である。

18引用

著作物の引用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公表された著作物は、引用して利用することができる。
  • 引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
引用(根拠:著作権法第32条第1項
正しい
引用の要件(根拠:著作権法第32条第1項

引用は許諾なくできますが、ルール(公正な慣行・正当な範囲)が必要です。

公表された著作物は、引用して利用することができる(著作権法32条1項前段)。ただし、その引用は、(1) 公正な慣行に合致するものであり、(2) 報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない(同項後段)。判例上、引用部分と被引用部分の明瞭な区別(明瞭区別性)と、引用する側が主・される側が従という主従関係などが要件とされる。要件を満たさない引用は著作権侵害となる。

19学校その他の教育機関における複製等

教育機関における著作物の複製等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 営利を目的としない教育機関で教育を担任する者及び授業を受ける者は、授業の過程における利用に供する目的で、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製等することができる。
  • この複製等は、著作権者の利益を不当に害することとなる場合であっても、常に認められる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
授業目的の利用(根拠:著作権法第35条第1項
誤り
限界(根拠:著作権法第35条第1項

授業のためのコピーは認められますが、無制限ではありません。

営利を目的としない教育機関において教育を担任する者及び授業を受ける者は、授業の過程における利用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製・公衆送信・公の伝達ができる(著作権法35条1項本文)。ただし、著作物の種類・用途、複製部数・態様に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は認められない(同項ただし書)。授業目的での公衆送信には補償金の支払が必要である(同条2項。授業目的公衆送信補償金制度)。

20授業目的公衆送信補償金

教育機関における公衆送信に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 教育機関で授業目的の公衆送信を行う場合でも、著作権者に補償金を支払う必要はない。
  • 教育機関が授業目的で公衆送信を行う場合には、その教育機関を設置する者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
補償金(根拠:著作権法第35条第2項
正しい
補償金制度(根拠:著作権法第35条第2項

授業のオンライン配信には補償金が必要です(コピーは不要)。

教育機関における著作物の複製は補償金なしで認められる(著作権法35条1項)が、授業目的での公衆送信(遠隔授業の配信、教材のオンライン送信等)を行う場合には、教育機関を設置する者が相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない(同条2項。授業目的公衆送信補償金制度。2018年改正で導入)。補償金は指定管理団体(SARTRAS)に一括して支払われ、権利者に分配される。複製は補償金不要・公衆送信は補償金必要という違いを押さえる。

21著作者の権利と無方式主義

著作者の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作者は、著作者人格権及び著作権を享有する。
  • 著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
著作者の権利(根拠:著作権法第17条第1項
正しい
無方式主義(根拠:著作権法第17条第2項

著作権は、創作しただけで自動的に発生します。

著作者は、著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)及び著作権(複製権・上演権・公衆送信権・翻案権等の財産権)を享有する(著作権法17条1項)。これらの権利の享有には、いかなる方式の履行をも要しない(同条2項。無方式主義)。すなわち、著作物を創作した時点で自動的に権利が発生し、登録・出願・表示等は不要である。設定登録により発生する特許権・意匠権・商標権(産業財産権)と対照的な点である。

22試験問題としての複製等

試験問題としての著作物の複製等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公表された著作物は、入学試験その他の試験・検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験・検定の問題として複製又は公衆送信することができる。
  • この試験問題としての複製等は、著作権者の利益を不当に害することとなる場合であっても、常に認められる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
試験問題の複製(根拠:著作権法第36条第1項
誤り
限界(根拠:著作権法第36条第1項

入試問題に文章を使うのは、事前許諾なしでできます。

公表された著作物は、入学試験その他人の学識技能に関する試験・検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験・検定の問題として複製・公衆送信できる(著作権法36条1項本文)。試験は秘密性の確保が必要で事前の許諾になじまないためである。ただし、著作物の種類・用途や公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は認められない(同項ただし書)。営利目的で行う場合は通常の使用料相当額の補償金の支払が必要である(同条2項)。

23試験問題としての複製と補償金

試験問題としての著作物の利用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 営利を目的として試験問題として著作物を複製する場合であっても、著作権者に補償金を支払う必要はない。
  • 営利を目的として試験問題としての複製等を行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
営利目的は補償金(根拠:著作権法第36条第2項
正しい
補償金(根拠:著作権法第36条第2項

予備校の模試など営利目的の場合は補償金が必要です。

試験問題としての著作物の複製・公衆送信は許諾なく行えるが(著作権法36条1項)、営利を目的として行う者(予備校の模擬試験、検定ビジネス等)は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない(同条2項)。学校の入学試験等の非営利の試験では補償金不要・営利目的の試験では補償金必要という区別を押さえる。

24著作権の発生(無方式主義・総合)

著作者の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作権(財産権)及び著作者人格権の享有には、登録その他の方式の履行が必要である。
  • 著作者は著作権(財産権)のみを享有し、著作者人格権を享有することはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
無方式主義(根拠:著作権法第17条第2項
誤り
二つの権利(根拠:著作権法第17条第1項

「方式が必要」「人格権はない」はどちらも誤りです。

著作者は、著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)及び著作権(財産権)を享有し(著作権法17条1項)、その享有にはいかなる方式の履行をも要しない(同条2項。無方式主義)。すなわち、著作物の創作と同時に両方の権利が自動的に発生し、登録・表示・出願等は不要である。著作権登録制度は存在するが、それは第三者対抗要件等のためのもので、権利の発生要件ではない。

25口述権

口述権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を有しない。
  • 口述権とは、音楽の著作物を公に演奏する権利のことをいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
口述権(根拠:著作権法第24条
誤り
対象(根拠:著作権法第24条

口述権は、小説等の朗読を公に行う権利です。

著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する(口述権。著作権法24条)。口述とは、朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達することをいう(同2条1項18号)。詩や小説の朗読会などが対象で、音楽の著作物を公に演奏する演奏権(同22条)とは支分権が異なる。著作権(財産権)は利用態様ごとの支分権から成り、それぞれ対象が定められている点を押さえる。

26頒布権

頒布権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
  • 著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を、当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
頒布権(根拠:著作権法第26条第1項
正しい
原著作物への効力(根拠:著作権法第26条第2項

頒布権は映画の著作物に特有の権利です。

頒布権は、映画の著作物をその複製物により頒布(譲渡・貸与)する権利で、映画の著作物に特有の支分権である(著作権法26条1項。劇場用映画のフィルム配給制度に由来)。映画の著作物において複製されている著作物(原作小説・音楽等)の著作者も、当該映画の複製物による頒布について同様の権利を有する(同条2項)。一般の著作物については、譲渡権(26条の2)・貸与権(26条の3)が認められる。

27実演家の放送権・有線放送権

実演家の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 実演家は、その実演を放送し、又は有線放送する権利を有しない。
  • 実演家は、その実演を放送し、又は有線放送する権利を専有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
放送権(根拠:著作権法第92条第1項
正しい
著作隣接権(根拠:著作権法第92条第1項

実演家には、実演を放送する権利もあります。

実演家は、その実演を放送し、又は有線放送する権利を専有する(著作権法92条1項。放送権・有線放送権)。ただし、放送される実演を有線放送する場合や、許諾を得て録音・録画されている実演を放送・有線放送する場合等は適用されない(同条2項)。実演家には、録音権・録画権(同91条)、放送権・有線放送権(同92条)、送信可能化権、譲渡権、貸与権、二次使用料を受ける権利等の著作隣接権が認められる。

28頒布権の対象(映画特有)

頒布権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 頒布権は、すべての種類の著作物について、その複製物を譲渡又は貸与する権利として認められる。
  • 映画の著作物の頒布権は、映画の著作物において複製されている著作物(原作小説等)には及ばない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
映画特有(根拠:著作権法第26条第1項
誤り
原著作物への効力(根拠:著作権法第26条第2項

頒布権は映画だけ、しかも原作にも及びます。

頒布権は、映画の著作物に特有の支分権で、映画の著作物をその複製物により頒布する権利である(著作権法26条1項)。映画の著作物において複製されている著作物(原作小説・脚本・音楽等)の著作者も、当該映画の複製物による頒布について同様の権利を有する(同条2項)。一般の著作物の複製物の譲渡・貸与については、譲渡権(同26条の2)・貸与権(同26条の3)が別に定められている。頒布権が映画に特有である点を押さえる。

29著作者の死後における人格的利益の保護のための請求

著作者の死後における人格的利益の保護に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作者の死後においては、その遺族は、著作者人格権の侵害となるべき行為等をする者又はするおそれがある者に対し、差止め等の請求をすることができる。
  • ここでいう遺族とは、死亡した著作者又は実演家の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
遺族の請求(根拠:著作権法第116条第1項
正しい
遺族の範囲(根拠:著作権法第116条第1項

著作者の死後は、遺族が人格的利益を守るために請求できます。

著作者人格権は一身専属で死亡により消滅するが、死後も人格的利益は保護される(著作権法60条)。その実効性を確保するため、著作者又は実演家の死後においては、その遺族(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹)が、人格的利益を害する行為をする者又はするおそれがある者に対し、差止め等(同112条)の請求や名誉回復等の措置(同115条)の請求をすることができる(同116条1項)。遺族には請求できる順位があり、著作者が遺言で別に指定することもできる(同条2項・3項)。

30教科用図書への掲載

教科用図書への著作物の掲載に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公表された著作物を教科用図書に掲載するには、常に著作権者の事前の許諾を得なければならない。
  • 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度で教科用図書に掲載でき、掲載する者は補償金を著作権者に支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
教科書掲載(根拠:著作権法第33条第1項
正しい
補償金(根拠:著作権法第33条第2項

教科書への掲載は許諾不要ですが、補償金が必要です。

公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書(検定教科書等)に掲載することができる(著作権法33条1項。許諾不要)。教科書に掲載する者は、その旨を著作者に通知するとともに、文化庁長官が定める算出方法による補償金を著作権者に支払わなければならない(同条2項)。教育の公共性に配慮しつつ、著作権者の利益にも配慮した制度で、許諾不要だが補償金は必要という点を押さえる。

31学校教育番組の放送等

学校教育番組における著作物の利用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、学校向けの放送番組等で放送し、その放送番組用の教材に掲載することができる。
  • 学校教育番組で著作物を利用する場合、補償金の支払を要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
学校教育番組(根拠:著作権法第34条第1項
誤り
補償金(根拠:著作権法第34条第2項

学校教育番組での利用も許諾不要ですが補償金が必要です。

公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組・有線放送番組等で放送・有線放送等を行い、当該番組用の教材に掲載することができる(著作権法34条1項。許諾不要)。利用する者は、その旨を著作者に通知するとともに、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない(同条2項)。教科用図書への掲載(同33条)と同様、許諾不要だが補償金が必要な利用である。

32教科用図書への掲載(総合)

教科用図書への著作物の掲載に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公表された著作物を教科用図書に掲載するには、著作権者の許諾を得る必要があり、許諾なく掲載することはできない。
  • 教科用図書への著作物の掲載は、補償金を支払うことなく自由に行うことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
許諾不要(根拠:著作権法第33条第1項
誤り
補償金(根拠:著作権法第33条第2項

「許諾が必要」「補償金不要」はどちらも誤りです。

公表された著作物の教科用図書への掲載は、学校教育の目的上必要な限度で許諾なく行えるが(著作権法33条1項)、著作者への通知と、文化庁長官が定める算出方法による補償金の著作権者への支払が必要である(同条2項)。『許諾不要・補償金必要』という組合せを正確に押さえる(学校教育番組(34条)、試験問題(36条の営利目的)等も同様の構造の利用がある)。

33著作権の譲渡

著作権の譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。
  • 著作権を譲渡する契約において、翻案権や二次的著作物の利用に関する原著作者の権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
譲渡可能性(根拠:著作権法第61条第1項
正しい
特掲推定(根拠:著作権法第61条第2項

著作権の譲渡では、翻案権等は『特掲』しないと移りません。

著作権(財産権)は、その全部又は一部を譲渡することができる(著作権法61条1項。著作者人格権は一身専属で譲渡不可(59条))。著作権を譲渡する契約において、翻案権(27条)又は二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(28条)が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は譲渡者に留保されたものと推定される(同61条2項)。譲受人がこれらの権利も取得したい場合は、契約に明記(特掲)する必要がある。

34著作権譲渡における特掲

著作権の譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作権を譲渡する契約では、翻案権や二次的著作物の利用に関する原著作者の権利も、特に明記しなくても当然に譲受人に移転する。
  • 翻案権等が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は譲渡者に留保されたものと推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
特掲の必要(根拠:著作権法第61条第2項
正しい
留保推定(根拠:著作権法第61条第2項

「著作権を全部譲渡」だけでは、翻案権等は移らないと推定されます。

著作権を譲渡する契約において、翻案権(著作権法27条)又は二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(同28条)が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は譲渡者に留保されたものと推定される(同61条2項)。すなわち『著作権を全部譲渡する』という契約だけでは、これらの権利は移転しないと推定される。譲受人がこれらの権利も確実に取得するには、契約書に明示的に特掲する必要があり、実務上重要な規定である。

35相続人の不存在等の場合の著作権の消滅

著作権の消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作権者が死亡し、相続人の不存在により著作権が国庫に帰属すべきこととなる場合でも、著作権は国に帰属して存続する。
  • 著作権者が死亡し、相続人の不存在によりその著作権が国庫に帰属すべきこととなるときは、その著作権は消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
著作権の消滅(根拠:著作権法第62条第1項
正しい
公有(根拠:著作権法第62条第1項

相続人がいない著作権は、国に帰属せず消滅します。

著作権は、(1) 著作権者が死亡した場合に、相続人の不存在により民法959条(残余財産の国庫帰属)の規定で国庫に帰属すべきこととなるとき、(2) 法人である著作権者が解散した場合に、その著作権が国庫に帰属すべきこととなるとき、には消滅する(著作権法62条1項)。一般の財産と異なり、著作権は国庫に帰属せず消滅し、公有(パブリックドメイン)となって誰でも自由に利用できる。文化的所産の公正な利用を図る趣旨である。

36著作者の権利と著作隣接権との関係

著作者の権利と著作隣接権との関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 著作隣接権に関する規定は、著作者の権利に影響を及ぼすものと解釈してはならない。
  • したがって、実演やレコードを利用する場合、著作隣接権者の許諾だけでなく、その元の著作物の著作者の権利にも配慮する必要がある。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
両者の併存(根拠:著作権法第90条
正しい
二重の権利(根拠:著作権法第90条

CD等の利用には、歌手等と作詞作曲者の両方の権利が関わります。

著作隣接権に関する規定(著作権法第4章)は、著作者の権利に影響を及ぼすものと解釈してはならない(同90条)。すなわち、著作隣接権(実演家・レコード製作者・放送事業者等の権利)と著作者の権利(著作権・著作者人格権)は独立して併存する。例えば、音楽CDを利用するには、レコード製作者・実演家(歌手・演奏家)の著作隣接権と、作詞家・作曲家の著作権の双方に配慮する必要がある。

37著作権者不明等の場合における著作物の利用

著作権者不明等の場合の著作物の利用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公表された著作物を利用しようとする者は、相当な努力を払っても著作権者と連絡することができない等の場合には、文化庁長官の裁定を受け、補償金を供託して、その著作物を利用することができる。
  • この裁定制度は、著作権者と連絡が取れない著作物(いわゆる権利者不明著作物)の利用を可能にするためのものである。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
裁定制度(根拠:著作権法第67条第1項
正しい
権利者不明(根拠:著作権法第67条第1項

権利者と連絡が取れない作品も、裁定を受ければ使えます。

公表された著作物等を利用しようとする者は、権利者情報を取得する措置をとっても著作権者と連絡することができず、かつ著作者が利用を廃絶しようとしていることが明らかでない等のときは、文化庁長官の裁定を受け、通常の使用料相当額として文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、その著作物を利用することができる(著作権法67条1項)。権利者不明著作物(オーファンワークス)の円滑な利用を可能にする制度である(国等は供託を要しない(同条2項))。

38著作物の放送と裁定

著作物の放送に係る裁定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公表された著作物を放送しようとする放送事業者は、一定の要件を満たすときは、文化庁長官の裁定を受け、補償金を著作権者に支払って、その著作物を放送することができる。
  • 未公表の著作物であっても、放送事業者は協議不成立を理由に文化庁長官の裁定を受けて放送することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文は文化庁長官の裁定と補償金支払いを要件としている(根拠:著作権法第68条
誤り
条文は公表された著作物を対象とする(根拠:著作権法第68条

対象著作物の範囲

放送の裁定制度は公表された著作物を前提とする。協議を求めたが成立しない場合に文化庁長官の裁定と補償金で放送が可能になる。未公表著作物は対象外である点に注意する。要件と対象を分けて押さえる。

39放送裁定の協議要件と補償金

著作物の放送に係る裁定の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 放送の裁定は、著作権者との協議を経ることなく、放送事業者の判断のみで直ちに受けることができる。
  • 放送の裁定における補償金は、放送事業者が独自に算定した額を著作権者に支払えば足りる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
第1号が協議要件を定める(根拠:著作権法第68条第1項第1号
誤り
条文は文化庁長官が定める額とする(根拠:著作権法第68条

要件と補償金の算定主体

放送裁定は協議不成立を要件とする。補償金は通常の使用料相当として文化庁長官が定める額であり、事業者が任意に決めるものではない。協議要件と補償金の算定主体を混同しないことが重要である。

40商業用レコードへの録音

商業用レコードへの録音に係る裁定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商業用レコードが最初に国内において販売され、その最初の販売の日から三年を経過した場合に、一定の要件のもとで他の商業用レコードを製作できる。
  • 録音の対象となるのは、著作権者の許諾を得て録音されている音楽の著作物である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
条文に三年経過の文言がある(根拠:著作権法第69条
正しい
条文が許諾録音済みの音楽の著作物を指定する(根拠:著作権法第69条

期間と対象

商業用レコードへの録音裁定は、最初の国内販売から三年経過が要件である。対象は著作権者の許諾を得て録音されている音楽の著作物に限られる。期間要件と対象要件を両方正確に押さえる。

41商業用レコードの期間要件

商業用レコードへの録音裁定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 商業用レコードが最初に国内において販売された日から一年を経過すれば、裁定を受けて他の商業用レコードを製作できる。
  • この裁定によれば、補償金を著作権者に支払って当該録音又は譲渡による公衆への提供をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文は三年を経過した場合とする(根拠:著作権法第69条
正しい
条文が公衆への提供を効果とする(根拠:著作権法第69条

期間の数値

商業用レコードの録音裁定の期間要件は三年である。一年と混同しやすいので注意する。効果として補償金支払いにより録音又は譲渡による公衆への提供ができる。数値と効果を正確に対応させる。