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意匠法・第2

意匠法の問題(11問)

論点 11目安 約22組合せ 11
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この章で扱う論点11論点

意匠の定義意匠登録の要件と存続期間意匠権の効力意匠権の存続期間と登録要件意匠の先願主義意匠の新規性喪失の例外秘密意匠組物の意匠意匠登録を受けることができない意匠登録意匠の範囲と類否判断一意匠一出願

各選択肢に根拠条文(e-Gov法令データ照合済み)と、正誤の理由・覚え方のコツをつけています。

問題と解説を読む11

通読・復習用に、この章の全問題と解説を掲載しています。1問ずつ解きながら進めたい場合は「この章を解く」からどうぞ。

1意匠の定義

意匠法上の「意匠」に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠法上の「意匠」は、物品等の形状等であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。
  • 視覚を通じて美感を起こさせるものである必要はなく、外から見えない内部の技術的構造のみでも意匠として登録できる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
視覚性・美感(根拠:意匠法第2条第1項
誤り
視覚性が要件(根拠:意匠法第2条第1項

意匠は『見た目(デザイン)』の保護です。

意匠法上の意匠とは、物品(その部分を含む)、建築物、画像の形状・模様・色彩等であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう(意匠法2条1項)。意匠は物品等の『見た目(デザイン)』を保護する制度であり、視覚を通じて美感を起こさせることが要件である。したがって、外から見えない内部の技術的構造そのものは意匠の対象外で、それは技術的アイデアとして特許・実用新案で保護される。意匠=デザイン、特許・実用新案=技術、という役割分担を押さえる。

2意匠登録の要件と存続期間

意匠登録および意匠権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 工業上利用することができる意匠の創作をした者は、一定の場合を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。
  • 意匠権(関連意匠の意匠権を除く)の存続期間は、意匠登録出願の日から25年をもって終了する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
工業上利用可能性(根拠:意匠法第3条第1項
正しい
存続期間25年(根拠:意匠法第21条第1項

存続期間の起算点と年数を正確に覚えましょう。

意匠登録を受けるには、工業上利用することができる意匠の創作であることが必要で、その者は新規性・創作非容易性などの要件を満たし一定の除外事由に当たらなければ意匠登録を受けられる(意匠法3条)。意匠権(関連意匠の意匠権を除く)の存続期間は、意匠登録出願の日から25年をもって終了する(同21条1項)。権利ごとに存続期間が異なり、特許は出願から20年、意匠は出願から25年、商標は設定登録から10年(更新可)と整理して覚えるとよい。

3意匠権の効力

意匠権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。
  • 意匠権の効力は登録意匠と完全に同一の意匠にのみ及び、これに類似する意匠には及ばない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
類似範囲にも及ぶ(根拠:意匠法第23条
誤り
同一に限られない(根拠:意匠法第23条

意匠権は『そっくりさん(類似)』にも及びます。

意匠権者は、業として登録意匠およびこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する(意匠法23条)。重要なのは、効力が登録意匠と完全に同一のものだけでなく、これに類似する意匠にも及ぶ点である。したがって、登録意匠を少し変えただけの類似デザインを無断で実施する行為も侵害になりうる。デザインを保護する意匠権は、模倣を実効的に防ぐため類似範囲まで効力が及ぶように設計されている。

4意匠権の存続期間と登録要件

意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠権(関連意匠の意匠権を除く)の存続期間は、意匠登録出願の日から20年をもって終了する。
  • 意匠登録を受けるには、工業上利用することができる意匠であることは要件とされていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
25年(根拠:意匠法第21条第1項
誤り
工業上利用可能性(根拠:意匠法第3条第1項

存続期間の年数と、登録要件の取り違えに注意します。

意匠権(関連意匠の意匠権を除く)の存続期間は、意匠登録出願の日から25年をもって終了する(意匠法21条1項)。また意匠登録を受けるには、工業上利用することができる意匠の創作であることが要件となる(同3条1項)。意匠は量産される工業製品のデザインを保護する制度なので、工業上利用できることが前提となる。存続期間(25年)と登録要件(工業上利用可能性など)を、特許・商標と区別して正確に覚える。

5意匠の先願主義

意匠登録出願の先後関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一又は類似の意匠について異なった日に2以上の意匠登録出願があった場合、各出願人がそれぞれその意匠について意匠登録を受けることができる。
  • 意匠には先願主義の適用がなく、登録の可否は創作の先後によって決まる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
先願主義(根拠:意匠法第9条第1項
誤り
先願主義の適用(根拠:意匠法第9条第1項

意匠にも『先に出願した人が優先』のルールがあります。

意匠制度も特許と同様に先願主義を採用している。同一又は類似の意匠について異なった日に2以上の意匠登録出願があったときは、最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる(意匠法9条1項)。創作の先後ではなく出願の先後で決まる点、また『同一』だけでなく『類似』の意匠まで対象になる点が特徴である。同日出願の場合は協議による(同条2項)。

6意匠の新規性喪失の例外

意匠の新規性喪失の例外に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠には新規性喪失の例外の制度はなく、出願前に公開された意匠は一切意匠登録を受けることができない。
  • 意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して公知になった意匠は、一定の要件の下、公知になった日から1年以内の出願について新規性喪失の例外の適用を受けうる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
救済制度(根拠:意匠法第4条第1項
正しい
1年の期間(根拠:意匠法第4条第1項

意匠にも『うっかり公開』の救済があります。

意匠も特許と同様、出願前に公開すると原則として新規性を失う。しかし、意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して、または自己の行為により公知になった意匠は、その該当するに至った日から1年以内にした意匠登録出願について、新規性を失わなかったものとして扱われうる(新規性喪失の例外。意匠法4条)。所定の証明書の提出などの手続が必要である。特許(30条)と同様の救済制度がある点を押さえる。

7秘密意匠

秘密意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる。
  • 秘密意匠の制度により、意匠は登録後も無期限に秘密にしておくことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
秘密意匠(根拠:意匠法第14条第1項
誤り
期間の上限(根拠:意匠法第14条第1項

デザインを一定期間だけ隠せる制度です。

意匠は登録されると公報で公開されるのが原則だが、製品発売前に模倣されるのを防ぐなどの目的で、意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求できる(秘密意匠。意匠法14条1項)。秘密にできるのは最長3年であり、無期限ではない。デザイン保護に特有の制度である。

8組物の意匠

組物の意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 複数の物品をセットにしたものについては、必ず各物品を個別に出願しなければならず、一意匠としてまとめて意匠登録を受けることはできない。
  • 同時に使用される2以上の物品等であって所定のもの(組物)を構成する物品等に係る意匠は、組物全体として統一があるときは、一意匠として意匠登録を受けることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
組物の意匠(根拠:意匠法第8条
正しい
一意匠一出願の例外(根拠:意匠法第8条

セット商品のデザインはまとめて登録できます。

意匠は原則として物品ごとに一意匠一出願だが、その例外として組物の意匠がある。同時に使用される2以上の物品・建築物・画像であって経済産業省令で定めるもの(組物)を構成する物品等に係る意匠は、組物全体として統一があるときは、一意匠として出願し意匠登録を受けることができる(意匠法8条)。セット販売される商品群のデザインをまとめて保護する制度であり、個別出願を要しない点が特徴である。

9意匠登録を受けることができない意匠

意匠の不登録事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠は、意匠登録を受けることができない。
  • 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠であっても、新規性があれば意匠登録を受けることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
機能的形状の除外(根拠:意匠法第5条
誤り
公序良俗(根拠:意匠法第5条

デザインでも『機能だけの形』や『公序良俗違反』は登録できません。

意匠は工業上利用できる新規で創作非容易なものでも、一定の場合は登録を受けられない。意匠法5条は、(1) 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠、(2) 他人の業務に係る物品等と混同を生ずるおそれがある意匠、(3) 物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠等を不登録事由とする。特に機能的形状を一私人に独占させると競争を阻害するため除外される。デザイン保護の限界を画する規定である。

10登録意匠の範囲と類否判断

登録意匠の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載され、又は写真等により現された意匠に基づいて定めなければならない。
  • 登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、もっぱらその分野の専門家(当業者)の視点で行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
範囲の確定(根拠:意匠法第24条第1項
誤り
需要者基準(根拠:意匠法第24条第2項

意匠の似ているかは『買う人の見た目の印象』で判断します。

登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添付した図面・写真・ひな形・見本により現された意匠に基づいて定める(意匠法24条1項)。そして、登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行う(同条2項)。特許の技術的範囲(当業者基準)と異なり、意匠の類否は『見る人(需要者)の美感』を基準とする点が特徴である。

11一意匠一出願

意匠登録出願の単位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠登録出願は、原則として、意匠ごとにしなければならない(一意匠一出願)。
  • 意匠登録出願は、常に複数の意匠をまとめて一つの出願で行わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
一意匠一出願(根拠:意匠法第7条
誤り
原則は意匠ごと(根拠:意匠法第7条

意匠は原則『一つずつ』出願します。

意匠登録出願は、経済産業省令で定めるところにより、意匠ごとにしなければならない(一意匠一出願。意匠法7条)。権利範囲を明確にするため、原則として一つの意匠ごとに出願する。例外として、同時に使用される物品等のセットである組物の意匠は、全体として統一があれば一意匠として出願できる(同8条)。原則(一意匠一出願)と例外(組物)をセットで押さえる。