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特許法・第1

特許法・実用新案法の問題(36問)

この章を解く(36問)→

特許は、発明の成立と出願の順番で見る

技術を守る特許法・実用新案法の章で、3級では著作権に次ぐ収録量(36問)です。発明の定義、特許要件(産業上利用可能性・新規性・進歩性)、新規性喪失の例外、職務発明、存続期間、特許権の効力と効力が及ばない範囲、先願主義、無効審判までを収録しています。「いつ・誰が・どこまで」権利を持つかを条文の要件で押さえるのが基本です。

第1章は特許法・実用新案法です。発明に当たるか、特許要件を満たすか、先に出願したのは誰か、権利の効力がどこまで及ぶかを順に確認します。

  • 発明は自然法則を利用した技術的思想の創作として見る。
  • 新規性・進歩性・産業上利用可能性を分ける。
  • 特許権の存続期間は出願日から20年で整理する。

この章で確認する論点

1章では、職務発明・特許権の存続期間・出願審査の請求・発明の定義・特許の要件を中心に36問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

特許法を他資格と横断して確認する場合は、知的財産法を学べる資格と無料問題も使えます。

  • 万有引力を見つけただけでは、それは発見であって発明ではない。
  • 公知の出所が他人か自分かは問わない。出願前に世に出た時点で新規性は消える。
  • 公知発明と少し違えば通る、というアの理屈を29条2項が塞いでいる。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

特許法2条29条30条35条38条39条41条43条44条48条の248条の364条65条67条68条69条73条77条78条79条95条100条102条108条121条123条126条

実用新案法3条15条

問題と解説を読む36問・答え付き

答え・解説つきで36問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2025年12月〜2026年6月時点の法令に準拠
1発明の定義

特許法上の「発明」に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許法上「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
  • 万有引力の法則のような自然法則それ自体の発見も、新規であれば特許法上の発明として保護される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
創作であること

特許法第2条第1項「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいうe-Gov原文

誤り
発見≠創作

特許法第2条第1項「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいうe-Gov原文

ひっかけ万有引力を見つけただけでは、それは発見であって発明ではない。

解説特許法上の発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう(特許法2条1項)。要件は『自然法則を利用』と『創作』の二つ。万有引力の法則のように自然法則それ自体を見つけただけのものは、創作ではなく発見にとどまるため発明に当たらない(イが誤りなのはここ)。アはこの定義そのままで正しい。なお、自然法則に反する永久機関や、自然法則を使わない単なる計算方法・ゲームのルールも、同じ理由で発明には該当しない。万有引力を『見つけた』のか、それを『利用して何かを創った』のかが分岐点になる。

補足自然法則『に反する』永久機関や、自然法則を『使わない』暗号方式・課金スキームのような人為的取決めも、同じ2条1項の網から外れる。

2特許の要件(産業上利用可能性・新規性)

特許の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 産業上利用することができる発明をした者は、一定の場合を除き、その発明について特許を受けることができる。
  • 特許出願前に日本国内または外国において公然知られた発明は、原則として特許を受けることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
産業上利用可能性

特許法第29条第1項産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができるe-Gov原文

正しい
新規性

特許法第29条第1項第1号特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明e-Gov原文

ひっかけ公知の出所が他人か自分かは問わない。出願前に世に出た時点で新規性は消える。

解説産業上利用することができる発明をした者は、29条1項各号の除外事由がない限り特許を受けられる(特許法29条1項柱書)。アはこの柱書のとおりで正しい。その除外事由の筆頭が新規性の喪失で、出願前に日本国内または外国で公然知られた発明は、原則として特許を受けられない(同項1号)。イはこれに当たり正しい。1号の『公然知られた』のほか、公然実施(2号)、刊行物記載・インターネット公開(3号)も同じく新規性を失わせる。出願より先に発明を世に出すと、自分の公表でも新規性は消える。

補足1号の『公然知られた』と2号の『公然実施された』は別号で、外形上は使っているが内容までは知られていない実施でも2号で新規性を失うことがある。

3進歩性

特許の要件のうち進歩性に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公知の発明から容易に発明をすることができたものであっても、その発明が公知の発明と完全に同一でなければ、当然に特許を受けることができる。
  • その発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が、出願前の公知発明等に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明は特許を受けることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
新規性だけでは不足

特許法第29条第2項特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができないe-Gov原文

正しい
進歩性

特許法第29条第2項特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができないe-Gov原文

ひっかけ公知発明と少し違えば通る、というアの理屈を29条2項が塞いでいる。

解説新規性(出願前に同一発明が公知でないこと)を満たしても、それだけでは足りない。アは『同一でなければ当然に特許を受けられる』とするが、これは誤り。その発明の属する技術分野における通常の知識を有する者(当業者)が、出願前の公知発明等に基いて容易に発明をすることができたときは、進歩性を欠き特許を受けられない(特許法29条2項)。イはこの29条2項の文言どおりで正しい。判断軸が、新規性は『同じものがあるか』、進歩性は『容易に思いつけるか』と異なる。

補足進歩性の基準となる『当業者』は実在の特定人ではなく、その分野の通常知識を持つ仮想の人物として観念される。

4新規性喪失の例外

新規性喪失の例外に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許を受ける権利を有する者の意に反して公然知られるに至った発明は、一定の要件の下で、新規性を失わなかったものとして扱われる場合がある。
  • 新規性喪失の例外の適用を受けられるのは、発明が公然知られるに至った日から3年以内に特許出願をした場合である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
救済規定

特許法第30条第1項特許を受ける権利を有する者の意に反して第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明は、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願e-Gov原文

誤り
期間は1年

特許法第30条第1項その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願e-Gov原文

ひっかけ救済期間は1年。イの『3年』はこの一点だけで切れる。

解説出願前の公表は原則として新規性を奪うが、救済の余地がある。特許を受ける権利を有する者の意に反して29条1項各号に該当するに至った発明は、その該当するに至った日から1年以内にその者がした特許出願について、新規性を失わなかったものとして扱われうる(特許法30条1項)。アはこの趣旨どおりで正しい。期間は1年であって3年ではないため、『3年以内』とするイは誤り。意に反した公知のほか、自己の行為による公知も対象となるが、いずれも1年の枠と所定手続を外せば救済されない。

補足意に反する公知(30条1項)と、自己の行為による公知(30条2項)は別枠で、後者は出願時に適用を受ける旨の書面提出など所定の手続を要する。

5職務発明

職務発明に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用者等は、従業者等がした職務発明について従業者等が特許を受けたときは、その特許権について通常実施権を有する。
  • 契約や勤務規則等であらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させると定めたときは、その権利は発生した時から使用者等に帰属する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
従業者等が職務発明について特許を受けた場合でも、使用者等がその発明を業務で実施できるよう、特許法35条1項は特許権について通常実施権を認めている。特許権そのものが当然に使用者へ移るという意味ではない。

特許法第35条第1項その特許権について通常実施権を有するe-Gov原文

正しい
契約や勤務規則等で事前に取得させる定めがある場合は、発生後に従業者から承継するのではなく、特許法35条3項により特許を受ける権利が発生時から使用者等に帰属する。事前の定めの有無が分岐点になる。

特許法第35条第3項その特許を受ける権利は、その発生した時から当該使用者等に帰属するe-Gov原文

ひっかけ事前の定めの有無で、権利が最初から会社に立つか従業者に立つかが分かれる。

解説使用者等は、従業者等がした職務発明について従業者等が特許を受けたときは、その特許権について通常実施権を有する(特許法35条1項)。これは法律上当然に生じる無償の通常実施権で、アはこのとおり正しい。さらに、契約・勤務規則等であらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させると定めたときは、その権利は発生した時から使用者等に帰属する(同35条3項)。イはこの原始帰属の規定どおりで正しい。定めがなければ権利は従業者に生じ、使用者は1項の通常実施権を持つにとどまる。

補足35条3項で権利を会社に取得させた場合、従業者は対価ではなく『相当の利益』を受ける権利を持つ(35条4項。金銭に限らず留学や昇進等でもよい)。

6特許権の存続期間

特許権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権の存続期間は、特許権の設定の登録の日から起算して10年をもって終了する。
  • 特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
特許権は設定登録日から10年ではなく、特許出願の日から20年が原則である。記述は起算点を登録日、期間を10年としており、特許法67条1項の双方を取り違えている。

特許法第67条第1項特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了するe-Gov原文

正しい
特許法67条1項は、特許権の存続期間を特許出願の日から20年とする。設定登録日は権利発生に関係するが、存続期間の起算点ではない。

特許法第67条第1項特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了するe-Gov原文

ひっかけ権利が生まれるのは登録時、しかし20年を数え始めるのは出願日。

解説特許権は設定の登録で発生するが、存続期間の終わりは出願日を基準に測る。特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了する(特許法67条1項)。イはこの条文どおりで正しい。アは『設定登録の日から10年』とするが、起算点も年数も誤り。発生時点(設定登録)と終期の起算点(出願日)がずれている点がそのまま誤答の作りどころになっている。医薬品等では延長制度もあるが、原則の数字は出願日から20年。

補足20年は権利者が払う段ではなく出願日で固定されるため、審査が長引いて登録が遅れると、実際に独占できる期間はその分だけ食われる。

7特許権の効力と効力が及ばない範囲

特許権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。
  • 特許権の効力は、試験または研究のためにする特許発明の実施には及ばない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
実施の専有

特許法第68条特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有するe-Gov原文

正しい
効力の制限

特許法第69条第1項特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばないe-Gov原文

ひっかけ68条の独占を、69条1項の試験・研究がそのまま一部くり抜いている。

解説特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する(特許法68条)。正当な権原なく業として実施する者を排除できる独占権で、アはこのとおり正しい。ただし効力は無制限ではなく、試験または研究のためにする特許発明の実施には及ばない(同69条1項)。イはこの69条1項どおりで正しい。検証や改良のための実施まで禁じれば技術の進歩を妨げるため、69条が68条の独占を切り欠いている。

補足69条1項が外すのは『試験・研究のため』の実施に限られ、研究を口実にした業としての販売や量産までは免れない。

8特許権侵害に対する差止請求権

特許権侵害への対応に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者は、自己の特許権を侵害する者または侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止または予防を請求することができる。
  • 特許権侵害に対して差止請求をするには、侵害者に故意または過失があることを立証しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
差止請求権

特許法第100条第1項自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができるe-Gov原文

誤り
損害賠償とは別

特許法第100条第1項自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ故意・過失が要るのは賠償の話。差止めは相手の落ち度を問わない。

解説特許権者は、自己の特許権を侵害する者または侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止または予防を請求できる(差止請求権。特許法100条1項)。アはこの100条1項どおりで正しい。差止めは侵害状態をやめさせる救済なので、相手の故意・過失は要件にならない。『故意または過失の立証が必要』とするイは誤り。故意・過失が要るのは損害賠償請求(民法709条)の側で、差止めと損害賠償で要件が分かれる。なお『おそれがある者』に対しても、侵害が現実化する前に予防を請求できる。

補足賠償側でも特許権侵害は過失が推定されるため(特許法103条)、被害者が相手の落ち度を一から立証する負担は軽い。

9先願主義

特許出願の先後関係に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一の発明について異なった日に2以上の特許出願があったときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。
  • 同一の発明について同日に2以上の特許出願があったときは、特許出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許を受けることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
先願主義

特許法第39条第1項同一の発明について異なつた日に二以上の特許出願があつたときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができるe-Gov原文

正しい
同日出願の処理

特許法第39条第2項同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができるe-Gov原文

ひっかけアもイも、条文をそのまま述べた肢。引っかける要素がない分、39条1項と2項の言い回しを丸ごと知っているかが問われる。

解説同一の発明について異なった日に2以上の特許出願があったときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる(特許法39条1項)。優先するのは早く発明した者ではなく、早く出願した者である。同一の発明について同日に2以上の出願があったときは、出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許を受けられ、協議が不成立に終わったり協議そのものができなかったりしたときは、いずれの出願人も特許を受けられない(同39条2項・4項)。アは39条1項、イは39条2項の文言どおりで、ともに正しい。

補足同日出願で協議がまとまらないと、誰も特許を受けられない(39条2項・4項)。先に出願していても同日が複数あれば自動で決着するわけではない。

10共同出願

特許を受ける権利が共有である場合の出願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許出願をすることができない。
  • 特許を受ける権利が共有に係るときであっても、各共有者は単独で自由に特許出願をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
共同出願

特許法第38条特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許出願をすることができないe-Gov原文

誤り
単独出願不可

特許法第38条特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許出願をすることができないe-Gov原文

ひっかけイの「単独で自由に」が38条の真逆。共有なら出願は共同が原則で、一人歩きはできない。

解説特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ特許出願をすることができない(特許法38条)。一人の共有者が単独で出願することは認められない。アはこの38条をそのまま述べた肢で正しく、「単独で自由に特許出願をすることができる」とするイは同条に反して誤り。よって組み合わせは『アー正、イー誤』。共同研究の成果のように権利が複数人に帰属する場面で、出願という入口を全員一致に縛る規定である。

補足出願の場面だけでなく、共有に係る特許を受ける権利は、他の共有者の同意を得なければその持分を譲渡することもできない(33条3項)。

11実用新案権(登録要件・存続期間)

実用新案に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から20年をもって終了する。
  • 産業上利用することができる考案であって物品の形状、構造又は組合せに係るものをした者は、一定の場合を除き、実用新案登録を受けることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
10年

実用新案法第15条実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から十年をもつて終了するe-Gov原文

正しい
考案の対象

実用新案法第3条第1項産業上利用することができる考案であつて物品の形状、構造又は組合せに係るものをした者は、次に掲げる考案を除き、その考案について実用新案登録を受けることができるe-Gov原文

ひっかけアの数字を「20年」にして特許と混ぜてくる。実用新案は出願日から10年で切れる。

解説実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から10年をもって終了する(実用新案法15条)。特許権の20年とは異なり、アの「20年」は誤り。一方、産業上利用することができる考案であって物品の形状、構造又は組合せに係るものをした者は、一定の除外事由に当たらない限り実用新案登録を受けることができる(同3条1項)から、イは正しい。保護されるのは物品の形状・構造・組合せに係る考案であって、方法はそもそも対象に入らない。したがって『アー誤、イー正』。

補足対象が「物品の形状・構造・組合せ」に限られる結果、方法の考案は実用新案では保護できない(3条1項)。登録時に実体審査を経ない点も特許と分かれる。

12先使用による通常実施権

先使用による通常実施権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、特許出願の際に現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者は、一定の範囲でその特許権について通常実施権を有する。
  • 先使用による通常実施権は、特許出願の際に現にその発明の実施である事業をしている者のほか、その事業の準備をしている者にも認められる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
先使用権

特許法第79条その特許出願に係る特許権について通常実施権を有するe-Gov原文

正しい
準備も含む

特許法第79条特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者e-Gov原文

ひっかけ先使用権は、現に事業をしている者だけでなく、その準備をしている者にも認められる。

解説他人の特許出願前に、その発明の内容を知らないで独自に同じ発明をし、出願の際に現に日本国内でその発明の実施である事業をしている者、またはその事業の準備をしている者は、その特許権について通常実施権(先使用権)を有する(特許法79条)。先願主義の下でも、独自に先行投資した者が無償で実施を続けられるようにする趣旨である。アはこの要件をそのまま述べたもので正しい。イのいう『事業の準備をしている者』も条文に明記されており、現に事業を開始していなくても準備段階であれば先使用権が認められる。よってアもイも正しく、組み合わせは『アー正、イー正』。

補足ただし先使用権が及ぶのは、出願時に実施・準備していた発明および事業の目的の範囲内に限られる。製造規模の拡大は許されるが、別の事業目的への転用までは及ばない。

13出願公開

特許出願の出願公開に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許出願は、原則として、特許出願の日から1年6月を経過したときに出願公開される。
  • 特許出願の内容は、特許権の設定登録がされるまでは一切公開されることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
出願公開

特許法第64条第1項特許出願の日から一年六月を経過したときはe-Gov原文

特許法第64条第1項その特許出願について出願公開をしなければならないe-Gov原文

誤り
公開の時期

特許法第64条第1項その特許出願について出願公開をしなければならないe-Gov原文

ひっかけ出願の中身は、特許になるかどうかが決まる前、出願から1年6月で公開される。

解説特許庁長官は、特許出願の日から1年6月を経過したときは、原則としてその特許出願について出願公開をしなければならない(特許法64条1項)。発明を公開して技術の進歩に役立てる代わりに独占権を与える制度の表れであり、出願公開は設定登録の前に行われる。アはこの『1年6月』をそのまま述べたもので正しい。イは『設定登録までは一切公開されない』とするが、登録の有無にかかわらず1年6月経過で公開されるため誤り。よって『アー正、イー誤』。

補足出願公開後、出願人は警告等を要件に補償金請求権を得るが(65条1項)、この請求権を実際に行使できるのは設定登録の後である(同条2項)。

14特許無効審判

特許無効審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許が一定の無効理由に該当するときは、その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。
  • 特許無効審判は、特許権が消滅した後は、一切請求することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
無効審判

特許法第123条第1項その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができるe-Gov原文

誤り
消滅後も可

特許法第123条第3項特許無効審判は、特許権の消滅後においても、請求することができるe-Gov原文

ひっかけ特許が切れた後でも、無効審判は起こせます。

解説新規性・進歩性違反、共同出願違反、冒認出願などの無効理由がある特許は、特許無効審判を請求してその特許を無効にできる(特許法123条1項)。二以上の請求項があるときは請求項ごとに請求でき、請求人は利害関係人に限られる(同2項)。アはこの123条1項の内容そのままで正しい。イの「特許権が消滅した後は一切請求できない」は誤りで、消滅後においても請求できる(同3項)。すでに切れた特許でも、過去の実施をめぐる損害賠償の場面では無効かどうかが争点として残るからである。

補足無効が確定すると、その特許権は初めから存在しなかったものとみなされる(125条本文)。

15特許無効審判の請求人

特許無効審判の請求人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許無効審判は、利害関係の有無にかかわらず、何人も請求することができる。
  • 特許無効審判は、特許権の消滅後においても請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
請求人の制限

特許法第123条第2項特許無効審判は、利害関係人e-Gov原文

正しい
消滅後も可

特許法第123条第3項特許無効審判は、特許権の消滅後においても、請求することができるe-Gov原文

ひっかけ無効審判を請求できるのは「誰でも」ではなく、利害関係人です。

解説特許無効審判を請求できるのは、原則として利害関係人に限られる(特許法123条2項。冒認出願や共同出願違反を理由とする場合は、特許を受ける権利を有する者)。アの「何人も請求できる」は誤り。一方、無効審判は特許権の消滅後においても請求でき(同3項)、イは正しい。同じ審判でも、商標の不使用取消審判は「何人も」請求できる(商標法50条1項)ので、請求人の範囲はこの2つで反対になる。

補足冒認・共同出願違反を理由とする無効審判だけは、利害関係人ではなく「特許を受ける権利を有する者」が請求人になる(123条2項括弧書)。

16専用実施権・通常実施権

特許権の実施権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者は、その特許権について専用実施権を設定することができ、専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する。
  • 特許権者は、その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
専用実施権

特許法第77条第1項特許権者は、その特許権について専用実施権を設定することができるe-Gov原文

特許法第77条第2項専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有するe-Gov原文

正しい
通常実施権

特許法第78条第1項特許権者は、その特許権について他人に通常実施権を許諾することができるe-Gov原文

ひっかけ特許も、専用実施権と通常実施権の二通りで他人に使わせられます。

解説特許権者は自ら実施するだけでなく、他人に実施させる形でも特許発明を活用できる。専用実施権を設定すると、専用実施権者は設定行為で定めた範囲内で業としてその特許発明を実施する権利を専有する(特許法77条1項・2項)。物権的・独占的なライセンスで、その範囲では特許権者自身も実施できない。これに対し通常実施権を許諾すると、通常実施権者は設定範囲内で実施できるが独占権ではない(同78条1項)。アは77条どおり、イは78条1項どおりで、ともに正しい。専用が独占、通常が非独占という違いは、商標の専用使用権・通常使用権の関係とそのまま重なる。

補足通常実施権には、登録なしでも当然に発生する法定通常実施権(先使用権など)もある。

17共有に係る特許権

共有に係る特許権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。
  • 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得なければ、自らその特許発明を実施することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
持分処分の制限

特許法第73条第1項特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができないe-Gov原文

誤り
自己実施は自由

特許法第73条第2項各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができるe-Gov原文

ひっかけ共有特許は、自分で使うのは自由でも、外へ出す処分には同意がいります。

解説共有特許では、処分と自己実施で扱いが分かれる。各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡したり持分に質権を設定したりできず(特許法73条1項)、専用実施権の設定や他人への通常実施権の許諾にも他の共有者の同意がいる(同73条3項)。これがアで、73条1項のとおり正しい。一方、各共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得ないで自らその特許発明を実施できる(同73条2項)。イは『同意を得なければ自己実施できない』としており、原則と逆なので誤り。第三者を関わらせる処分には同意がいるが、自分で使う分には同意不要、という線引きになる。

補足持分の放棄は同意なくできる点が、譲渡・質権設定(同意必要)と分かれる。

18訂正審判

訂正審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 訂正審判は、特許権が消滅した後は、一切請求することができない。
  • 特許権者は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすることについて、訂正審判を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
消滅後も可

特許法第126条第8項訂正審判は、特許権の消滅後においても、請求することができるe-Gov原文

正しい
訂正審判

特許法第126条第1項特許権者は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすることについて訂正審判を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ特許権が消えても、訂正審判の窓は閉じません。

解説アの『消滅後は一切請求できない』が誤りで、訂正審判は特許権の消滅後においても請求することができる(特許法126条8項)。これは無効審判が消滅後も請求できるのと対をなす(同123条3項)。イは正しく、特許権者は願書に添付した明細書・特許請求の範囲・図面の訂正について訂正審判を請求できる(同126条1項)。もっとも訂正できる内容は、特許請求の範囲の減縮、誤記・誤訳の訂正、不明瞭な記載の釈明などに限られ、実質上特許請求の範囲を拡張・変更することはできない。よってアー誤、イー正。訂正審判が消滅後にも開かれているのは、過去の侵害について損害賠償が争われる場面で訂正の利益が残るためである。

補足無効審判が係属している間は訂正審判を請求できず、訂正の請求(同134条の2)で対応する。

19専用実施権・共有特許(総合)

特許権の利用と共有に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者が専用実施権を設定した場合であっても、特許権者自身は当然にその範囲内で特許発明を実施することができる。
  • 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得ることなく、自由にその持分を譲渡することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
専有の効果

特許法第77条第2項専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有するe-Gov原文

誤り
持分処分の制限

特許法第73条第1項特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができないe-Gov原文

ひっかけ専用実施権を設定すると、その範囲では特許権者も実施できなくなります。

解説アもイも誤り。アは、専用実施権を設定しても特許権者自身が当然にその範囲で実施できるとするが、専用実施権者が設定範囲内で実施を専有する以上、その範囲では特許権者も特許発明を実施できない(特許法77条2項)。実施できる余地が残る非独占的な通常実施権とは、この点が決定的に違う。イは、共有特許の持分を他の共有者の同意なく自由に譲渡できるとするが、各共有者は他の共有者の同意を得なければ持分を譲渡できない(同73条1項)。持分の譲渡先しだいで他の共有者の利益が左右されるためである。よってアー誤、イー誤。専用実施権の『専有』は権利者自身の手も縛る、という効果が両肢を貫く論点になる。

補足特許権者が自社実施を続けたい場合は、専用実施権ではなく独占的通常実施権の許諾で対応するのが通例である。

20特許権侵害における損害額の推定

特許権侵害による損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権侵害による損害賠償請求において、侵害者がその侵害行為により利益を受けているときは、その利益の額が特許権者の受けた損害の額と推定される。
  • 特許権者は、その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額(実施料相当額)に相当する額を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
損害額の推定

特許法第102条第2項その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、特許権者又は専用実施権者が受けた損害の額と推定するe-Gov原文

正しい
立証負担の軽減

特許法第102条第3項その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができるe-Gov原文

ひっかけアは2項(侵害者の利益額=損害額の推定)、イは3項(実施料相当額の請求)を、それぞれ条文どおりに述べた肢。どちらも引っかけのない正しい記述。

解説侵害者がその侵害行為により利益を受けているときは、その利益の額が特許権者又は専用実施権者の受けた損害の額と推定される(特許法102条2項)から、アは正しい。また特許権者は、その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額(実施料相当額)に相当する額を、自己が受けた損害の額として賠償請求できる(同条3項)から、イも正しい。いずれも、損害額そのものの立証が難しい特許権侵害で、権利者の立証負担を軽くするための規定であり、不正競争防止法5条と同じ構造に立つ。よって『アー正、イー正』。

補足102条1項はもう一つの算定方法で、侵害者が譲渡した物の数量に権利者の単位利益を乗じて損害額を出す。実施能力を超える部分は実施料相当額として上乗せできる。

21損害額の推定(総合)

特許権侵害による損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権侵害による損害賠償請求では、侵害者がその侵害行為により利益を受けていても、その利益額を特許権者の損害額と推定する規定はない。
  • 特許権者は、実施料相当額を自己が受けた損害の額として賠償請求することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
推定規定

特許法第102条第2項その利益の額は、特許権者又は専用実施権者が受けた損害の額と推定するe-Gov原文

誤り
実施料相当額

特許法第102条第3項その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができるe-Gov原文

ひっかけアは「推定規定はない」、イは「実施料相当額は請求できない」と、いずれも制度の存在自体を否定する肢。2項・3項が現にある以上、どちらも誤り。

解説侵害者がその侵害行為により利益を受けているときは、その利益の額が特許権者の受けた損害の額と推定される(特許法102条2項)。だから、利益額を損害額と推定する規定はないとするアは誤り。また特許権者は、実施料相当額を自己が受けた損害の額として賠償請求できる(同条3項)から、実施料相当額を請求できないとするイも誤り。これらに加えて譲渡数量に基づく算定(同条1項)もあり、損害額を立証しきれない場合でも一定の賠償を受けやすくする仕組みが重ねて置かれている。よって『アー誤、イー誤』。

補足三つの方法は併存していて、権利者は事案に応じて使い分けられる。1項の譲渡数量による算定では、侵害者の譲渡数量のうち権利者の実施能力を超える部分も、実施料相当額として損害に含められる。

22出願公開後の補償金請求権

出願公開の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許出願人は、出願公開後に発明の内容を記載した書面を提示して警告等をしたときは、設定登録前に業としてその発明を実施した者に対し、実施料相当額の補償金の支払を請求することができる。
  • この補償金請求権は、特許権の設定の登録があった後でなければ、行使することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
補償金請求権

特許法第65条第1項補償金の支払を請求することができるe-Gov原文

正しい
行使時期

特許法第65条第2項前項の規定による請求権は、特許権の設定の登録があつた後でなければ、行使することができないe-Gov原文

ひっかけ警告さえすれば補償金は請求できる。ただし現実に取り立てられるのは登録後。

解説特許権は設定登録で初めて発生するため、出願公開から登録までの間に第三者が発明を業として実施しても、その時点では差止めの対象にできない。この空白を埋めるのが補償金請求権で、出願人が出願公開後に発明内容を記載した書面を提示して警告した(又は相手が出願に係る発明であることを知っていた)ときは、設定登録前の実施者に実施料相当額の補償金を請求できる(特許法65条1項)。アはこの内容そのままで正しい。もっとも、補償金請求権は特許権の設定登録があった後でなければ行使できず(同条2項)、イもこの行使制限を述べていて正しい。発生の要件(公開+警告等)と、行使してよい時期(登録後)が別の項に分かれている。

補足出願が拒絶・放棄・取下げ等で特許に至らなかったときは、この補償金請求権は初めから生じなかったものとみなされる(65条6項)。

23補償金請求権(総合)

出願公開後の補償金請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 出願公開後の補償金請求権は、特許権の設定の登録前であっても、行使することができる。
  • 出願公開後に第三者が発明を業として実施しても、特許出願人は補償金を請求することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
行使時期

特許法第65条第2項前項の規定による請求権は、特許権の設定の登録があつた後でなければ、行使することができないe-Gov原文

誤り
補償金請求権

特許法第65条第1項補償金の支払を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ「請求できない」も「登録前に行使できる」も、向きが違うだけでどちらも外れ。

解説出願公開(特許法64条)後・設定登録前に第三者が発明を業として実施した場合、出願人は警告等を条件に実施料相当額の補償金を請求できる(同65条1項)。よってイの「補償金を請求することはできない」は誤り。もっとも、この補償金請求権は特許権が設定登録された後でなければ行使できない(同条2項)から、アの「設定登録前であっても行使できる」も誤り。請求権の存在自体(公開+警告等で発生)と、それを行使してよい時期(登録後)は別の話で、ここを取り違えると両肢とも正しく見えてしまう。

補足出願が放棄・取下げ・却下されたり拒絶が確定したときは、この補償金請求権は初めから生じなかったものとみなされる(65条6項)。

24拒絶査定不服審判

拒絶査定不服審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から3月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。
  • 拒絶査定に不服がある者は、期間の制限なく、いつでも拒絶査定不服審判を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
不服申立て

特許法第121条第1項拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができるe-Gov原文

誤り
期間制限

特許法第121条第1項その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ拒絶査定に不服でも、謄本送達から3月を過ぎれば争えなくなる。

解説拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、査定の謄本の送達があった日から3月以内に拒絶査定不服審判を請求できる(特許法121条1項)。これは特許庁内部での不服申立手続であり、3月を過ぎると査定が確定する。アはこの121条1項そのままで正しい。イは「期間の制限なくいつでも」とする点が3月の制限に反するため誤り。請求期間の起算点は査定そのものの日ではなく、謄本が送達された日である。

補足責めに帰せない理由で期間内に請求できなかったときは、その理由が消滅した日から14日(在外者は2月)以内、かつ期間経過後6月以内に限り請求できる(121条2項)。6月を過ぎると理由があっても追完できない。

25特許権等を目的とする質権

特許権等を目的とする質権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権を目的として質権を設定した場合、質権者は、契約に別段の定めがなくても、当該特許発明を実施することができる。
  • 特許権、専用実施権又は通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定めをした場合を除き、当該特許発明を実施することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
質権者の実施

特許法第95条質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該特許発明の実施をすることができないe-Gov原文

正しい
実施制限

特許法第95条質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該特許発明の実施をすることができないe-Gov原文

ひっかけ特許権を質に取った質権者は、契約で定めない限り発明を実施できない。

解説特許権・専用実施権・通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定めをした場合を除き、当該特許発明を実施することができない(特許法95条)。質権は担保のための権利であって、質権者が当然に発明を実施できるわけではない。アは「別段の定めがなくても実施できる」とする点が95条と逆で誤り。イは95条の文言どおりで正しい。質権者が自ら実施したいなら、契約に別段の定めを置く必要がある。

補足実施できないのは質権者であって、質権を設定した特許権者は引き続き自ら実施できる。質権の効力は、原則として特許権が放棄・取消・無効により消滅した場合に特許権者が受けるべき金銭等にも及ぶ(96条)。

26特許出願の分割

特許出願の分割に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許出願人は、一定の場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすることができる。
  • 分割出願をした場合、新たな特許出願は、その分割の手続をした日に出願されたものとして扱われる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
分割出願

特許法第44条第1項特許出願人は、次に掲げる場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすることができるe-Gov原文

誤り
出願日の遡及

特許法第44条第2項新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなすe-Gov原文

ひっかけ分割で生まれた新たな出願は、手続をした日ではなく、もとの出願日に出されたものとして扱われる。

解説二以上の発明を包含する特許出願の一部を、一又は二以上の新たな特許出願として切り出すのが分割出願である(特許法44条1項)。「一定の場合に限り」とは、明細書等を補正できる時期、特許査定の謄本送達から30日以内、拒絶査定の謄本送達から3月以内などの時期的制限を指し、いつでもできるわけではない。だからアは正しい。イが誤るのは出願日の扱いで、適法な分割出願はもとの特許出願の時にしたものとみなされる(同条2項)。分割の手続をした日ではない。この遡及により、新規性・進歩性の判断基準時が元の出願日に戻る。

補足ただし設定登録後は出願が特許庁に係属しなくなるため、特許査定謄本送達から30日以内であっても分割はできない。

27特許出願等に基づく優先権(国内優先権)

国内優先権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国内優先権の主張は、先の出願の日から3年以内にされた特許出願について認められる。
  • 特許を受けようとする者は、一定の場合を除き、自己の先の出願に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
1年の期間

特許法第41条第1項その特許出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合e-Gov原文

正しい
優先権

特許法第41条第1項に記載された発明に基づいて優先権を主張することができるe-Gov原文

ひっかけ国内優先権で押さえる数字は「3年」ではなく、先の出願から「1年」。

解説アの「3年以内」が誤り。国内優先権の主張は、原則として先の出願の日から1年以内にされた特許出願について認められる(特許法41条1項1号は、先の出願の日から1年以内にされたものでない場合を主張不可と定める)。イは制度の本体で、自己の先の特許出願又は実用新案登録出願に記載された発明に基づいて優先権を主張でき、正しい(同項)。改良発明等を後からまとめて一つの出願にし、先の出願の時を基準に新規性等の判断を受けられる制度である。

補足優先権の基礎とされた先の出願は、原則として出願日から1年4月を経過した時に取り下げたものとみなされる。

28分割出願・国内優先権(総合)

特許出願に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 分割出願をした新たな特許出願は、分割の手続をした日に出願されたものとみなされる。
  • 国内優先権の主張は、原則として先の出願の日から1年以内にされた特許出願について認められる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
出願日の遡及

特許法第44条第2項新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなすe-Gov原文

正しい
1年の期間

特許法第41条第1項その特許出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合e-Gov原文

ひっかけ分割は元の出願日が生き、国内優先は先の出願から1年以内。問われているのは日と期間の二点。

解説アは「分割の手続をした日に出願された」とする点が誤り。適法な分割出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなされる(特許法44条2項。出願日の遡及)。イは正しく、国内優先権の主張は原則として先の出願の日から1年以内にされた特許出願について認められる(同41条1項1号)。分割は『元の出願日が維持される』、国内優先は『1年以内に主張する』という、出願日の扱いと期間の論点を一つずつ問う組み合わせで、誤・正となる。

補足分割の遡及は新規性等の判断基準時に効き、国内優先の基礎とした先の出願は原則1年4月経過時に取下げ擬制される。

29パリ条約による優先権

パリ条約による優先権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • パリ条約による優先権を主張しようとする者は、その旨や最初の出願をした同盟国の国名・出願年月日を記載した書面を、所定の期間内に特許庁長官に提出しなければならない。
  • パリ条約による優先権の主張には、何らの手続も必要なく、当然に優先権が認められる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
優先権の手続

特許法第43条第1項国名及び出願の年月日を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならないe-Gov原文

誤り
手続の必要

特許法第43条第1項国名及び出願の年月日を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならないe-Gov原文

ひっかけ外国の第一国出願を基礎にする優先権でも、主張には書面の提出がいる。

解説パリ条約による優先権を主張する者は、その旨と、最初の出願をした同盟国の国名・出願年月日を記載した書面を、経済産業省令で定める期間内に特許庁長官へ提出しなければならない(特許法43条1項)。これがアの内容で、正しい。書面の提出を欠けば優先権の効果は受けられないから、何の手続も要らず当然に認められるとするイは誤り。優先権そのものの実体は、同盟国でした第一国出願に基づき原則1年以内に他の同盟国へ出願すれば、新規性・進歩性等の判断を第一国出願時を基準に受けられるという仕組みである。

補足1項の書面とは別に、43条2項で最初の出願の年月日を記載した認証ある書面や明細書等の謄本(優先権証明書)の提出も必要で、その期限は最初の出願日から1年4月以内。

30特許権の存続期間

特許権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権の存続期間は、原則として特許出願の日から20年をもって終了する。
  • 特許権の存続期間は、設定の登録の日から20年をもって終了する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
特許法67条1項が定める原則をそのまま述べている。特許権の存続期間は、権利が設定登録された日ではなく、特許出願の日を起点として20年を数える。

特許法第67条第1項特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する。e-Gov原文

誤り
20年という期間だけは合っているが、起算点を設定登録日としている点が誤りである。特許法67条1項では特許出願の日から数える。

特許法第67条第1項特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する。e-Gov原文

ひっかけ特許は『出願から20年』。商標の『登録から10年』と起算点が違う。

解説特許権の存続期間は、原則として特許出願の日から20年で終了する(特許法67条1項)。起算点が『出願日』である点が重要で、これを『登録日』と取り違えるのが典型的なひっかけ。登録日起算なのは商標権(10年、更新可)である。だからアは正しく、イは誤り。結論はアー正、イー誤。

補足医薬品など、許認可で実施できなかった期間がある場合は、最大5年の延長が認められることがある(67条の延長制度)。

31新規性

特許の要件である新規性に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許出願前に外国でのみ公然知られていた発明は、日本国内で知られていなければ、新規性は失われない。
  • 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明は、原則として特許を受けることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
29条1項:内外無差別

特許法第29条第1項第1号特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明e-Gov原文

正しい
29条1項:新規性の喪失

特許法第29条第1項第1号産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明e-Gov原文

ひっかけ新規性は『世界基準』。外国で公知でも失われる。

解説新規性は、出願前に日本国内又は外国において公然知られた・公然実施された・刊行物等に記載された発明には認められない(特許法29条1項)。判断は内外を問わないので、外国だけで公知になっていても新規性は失われる。だから『日本で知られていなければ失われない』とするアは誤り。公知発明は原則特許を受けられないとするイは正しい。結論はアー誤、イー正。

補足自ら発表してしまった等の場合でも、一定要件・期間内なら新規性喪失の例外(30条)で救済される余地がある。

32職務発明

職務発明に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 従業者がした職務発明について、契約や勤務規則であらかじめ使用者に特許を受ける権利を取得させることを定めておくことができる。
  • 職務発明について使用者に特許を受ける権利を取得させた従業者は、相当の金銭その他の経済上の利益(相当の利益)を受ける権利を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
職務発明でも、特許を受ける権利を使用者等に取得させることを契約や勤務規則等であらかじめ定められる。特許法35条3項は、その事前の定めがある場合の帰属を認めている。

特許法第35条第3項従業者等がした職務発明については、契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その特許を受ける権利は、その発生した時から当該使用者等に帰属する。e-Gov原文

正しい
事前の定めによって使用者等に特許を受ける権利を取得させる一方、従業者等の利益を失わせないため、特許法35条4項は相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を認めている。

特許法第35条第4項従業者等は…相当の金銭その他の経済上の利益(…「相当の利益」…)を受ける権利を有する。e-Gov原文

ひっかけ職務発明は会社が取り込めるが、従業者には『相当の利益』が保障される。

解説職務発明制度は、使用者と従業者の利益を調整する。使用者は、契約や勤務規則であらかじめ職務発明の特許を受ける権利を取得する定め(予約承継)を置ける(35条3項)。だからアは正しい。一方、権利を取得させた従業者には、相当の金銭その他の経済上の利益(相当の利益)を受ける権利が保障される(35条4項)。だからイも正しい。結論はアー正、イー正。

補足相当の利益は金銭に限らず経済上の利益でよい。その内容の決定が不合理でないかは、協議・開示・意見聴取などの手続で判断される(35条5項)。

33出願審査の請求(請求人・みなし取下げ)

特許出願の審査を求める出願審査の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 出願審査の請求は、その特許出願の出願人でなくても、何人もすることができる。
  • 特許出願の日から3年以内に出願審査の請求がなかったときであっても、その特許出願が取り下げられたものとみなされることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
請求人は限定されない

特許法第48条の3第1項何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができるe-Gov原文

誤り
みなし取下げになる

特許法第48条の3第4項出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなすe-Gov原文

ひっかけ審査は自動では始まらない。請求しないまま3年が過ぎると出願が消える。

解説日本の特許は審査請求主義をとり、出願しただけでは審査されない。出願審査の請求は、出願人に限らず何人でも、特許出願の日から3年以内にすることができる(特許法48条の3第1項)。競合他社が他人の出願の審査を促すこともできる仕組みである。この3年の期間内に誰からも出願審査の請求がなかったときは、その特許出願は取り下げたものとみなされる(同条4項)。だからアは正しく、『みなし取下げにならない』とするイは誤り。出願をしても、請求を忘れて3年を過ぎれば権利化の道は閉ざされる点が要注意である。

補足分割・変更・実用新案登録に基づく特許出願は、3年経過後でもその出願日から30日以内に限り請求できる(48条の3第2項)。また、いったんした請求は取り下げられない(同条3項)。

34出願審査の請求(審査請求主義・取下げの可否)

出願審査の請求と特許出願の審査に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • いったんした出願審査の請求は、いつでも取り下げることができる。
  • 特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまって行われる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
請求の取下げは不可

特許法第48条の3第3項出願審査の請求は、取り下げることができないe-Gov原文

正しい
請求を待って審査する

特許法第48条の2特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なうe-Gov原文

ひっかけ請求は「してから撤回」ができない。審査を止めたくても請求は残る。

解説特許出願の審査は、出願審査の請求をまって行われる(特許法48条の2)。すべての出願を一律に審査するのではなく、請求があったものだけを審査する審査請求主義である。だからイは正しい。一方、いったんした出願審査の請求は取り下げることができない(同法48条の3第3項)。審査を求めた以上、その請求だけを引っ込めることはできない仕組みで、アの『いつでも取り下げられる』は誤り。審査を受けたくなくなった場合に手放せるのは特許出願そのものであって、出願審査の請求ではない、という区別が問われる。

補足審査請求後に出願自体を取り下げれば審査は行われなくなるが、それは『出願の取下げ』であり『請求の取下げ』ではない。手数料の一部返還が受けられる場合がある点も、請求の取下げとは別の話。

35特許権の存続期間と延長登録(安全性確保の処分)

特許権の存続期間及びその延長に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了する。
  • 医薬品の製造販売の承認など、安全性の確保等を目的とする処分を受けるために特許発明を実施することができない期間があったときは、5年を限度として、延長登録の出願により存続期間を延長することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
起算は出願日

特許法第67条第1項特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了するe-Gov原文

正しい
医薬品等は延長できる

特許法第67条第4項その特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分e-Gov原文

特許法第67条第4項五年を限度として、延長登録の出願により延長することができるe-Gov原文

ひっかけ起算は「出願の日」。設定登録の日ではない。

解説特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了する(特許法67条1項)。起算日は設定登録の日ではなく出願の日である点がまず基本になる。そのうえで、医薬品や農薬のように、実施のために安全性の確保等を目的とする処分(承認など)を受ける必要があり、その間は特許発明を実施できないことがある。この場合には、失われた期間を回復するため、5年を限度として、延長登録の出願により存続期間を延長することができる(同条4項)。アもイも条文どおりで正しい。延長は自動ではなく『延長登録の出願』によって行う点も押さえておきたい。

補足延長登録には、この安全性確保の処分による延長(67条4項)のほかに、設定登録が基準日以後になった場合の期間補償の延長(67条2項)もある。3級では医薬品等の処分による延長がよく問われる。

36特許料の納付期限

特許料の納付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 第1年から第3年までの各年分の特許料は、特許権の設定の登録がされた後であれば、いつ納付してもよい。
  • 第4年以後の各年分の特許料は、その年が経過した後に納付しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
30日以内・一時納付が必要

特許法第108条第1項特許をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に一時に納付しなければならないe-Gov原文

誤り
前納が原則(後払いでない)

特許法第108条第2項第四年以後の各年分の特許料は、前年以前に納付しなければならないe-Gov原文

ひっかけ特許料は「後払い」ではない。使った分をあとで払う制度ではない。

解説特許料の納付時期は、最初の3年分とそれ以後で分かれる。第1年から第3年までの各年分は、特許をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があった日から30日以内に、一時にまとめて納付しなければならない(特許法108条1項)。設定登録後にいつでもよいわけではないので、アは誤り。第4年以後の各年分は、前年以前に前もって納付する(同条2項)。使った年の分を後から払うのではなく前納する仕組みで、『その年の経過後に納付する』とするイも誤り。特許料は後払いではない、という点が両方の分岐になっている。

補足第4年以後の特許料を前年以前に納めないと特許権は消滅しうるが、追納の制度(所定期間内に割増特許料とともに納付)で救済される場合がある。

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