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国家賠償法・第2

国家賠償法の問題(20問)

1条 公権力責任・2条 営造物責任などを、条文の原文と選択肢ごとの理由で確認できます。

この章を解く(20問)→

国家賠償法は、1条と2条で責任の入口が違う

公務員の活動や公共施設によって生じた損害を国・公共団体が賠償するしくみ、国家賠償法をあつかう章です。公権力の行使に基づく賠償責任と、道路・河川などの公の営造物の設置管理の瑕疵による責任を柱に、費用負担者の責任、加害公務員への求償、外国人に対する相互保証主義までを収録しています。過失を要する責任と営造物の瑕疵による責任の違い、民法の不法行為や工作物責任との異同が論点になり、各問の根拠は国家賠償法の条文とe-Govで照合しています。

第2章は公務員の違法な公権力行使と、公の営造物の設置管理の瑕疵を分ける章です。民法の不法行為に似ていますが、誰の活動で損害が出たか、過失が必要か、求償できるかで結論が変わります。

  • 1条は公務員の職務行為、2条は道路・河川など公の営造物で見る。
  • 求償は故意または重大な過失がある場合に限られる。
  • 外国人への適用は相互保証の有無まで確認する。

条文検索で確認されている論点

この章には、公権力の行使に基づく損害賠償責任(国家賠償法1条)・公の営造物の設置管理の瑕疵(2条)・求償や相互保証に関する問題を収録しています。条文名だけでなく、どの要件が結論を分けるかを各選択肢の根拠と一緒に確認できます。

この章で確認する論点

2章では、公権力の行使に基づく損害賠償責任・公の営造物の設置管理の瑕疵・費用負担者の責任と民法の適用・相互保証主義と公務員への求償・営造物責任における求償と特別法の優先を中心に20問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

国家賠償法を他資格と横断して確認する場合は、行政法を学べる資格と無料問題も使えます。

  • 求償できるのは公務員に『故意又は重過失』があるとき。軽過失では求償できない。
  • 2条は『無過失責任』。管理者の過失がなくても瑕疵があれば責任を負う。
  • 費用負担者にも請求できる(3条)。被害者保護のための規定。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

国家賠償法1条2条3条4条5条6条

民法715条717条

問題と解説を読む20問・答え付き

答え・解説つきで20問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年6月〜2026年7月時点の法令に準拠
1公権力の行使に基づく損害賠償責任e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法1条に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体がこれを賠償する責に任ずる。
  • 公務員に故意又は重大な過失があったときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
1条は過失責任

国家賠償法第1条「故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたとき」一次資料を確認

正しい
求償は故意・重過失のとき

国家賠償法第1条「その公務員に対して求償権を有する」一次資料を確認

ひっかけ求償できるのは公務員に『故意又は重過失』があるとき。軽過失では求償できない。

解説国家賠償法1条は、公権力の行使に当たる公務員の故意過失による違法な加害について国・公共団体の賠償責任(代位責任)を定める。加害公務員個人は被害者に直接責任を負わないのが判例。国が賠償した後、公務員に故意又は重過失があれば求償できる(1条2項)。

補足公権力の行使には、行政指導や公立学校の教育活動など非権力的作用も含むと解されている。

2公の営造物の設置管理の瑕疵e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法2条に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国家賠償法2条1項の公の営造物は、道路や河川のような不動産に限られ、その他の物は一切含まれない。
  • 公の営造物の損害について、ほかに損害の原因について責任を負うべき者があるときでも、国又は公共団体は、その者に対して求償権を有しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
条文は『その他の公の営造物』として例示にとどめている

国家賠償法第2条第1項「道路、河川その他の公の営造物」一次資料を確認

誤り
求償権を有しないとするのは誤り

国家賠償法第2条「国又は公共団体は、これに対して求償権を有する」一次資料を確認

ひっかけ2条は『無過失責任』。管理者の過失がなくても瑕疵があれば責任を負う。

解説国家賠償法2条の営造物責任は、設置管理に瑕疵(通常有すべき安全性を欠くこと)があれば足り、管理者の過失を要しない無過失責任と解される。1条(過失責任)との違いが頻出。損害の原因に他に責任者があれば、賠償した国・公共団体はその者に求償できる(2条2項)。

補足『営造物』は道路・河川などの不動産に限らず、公用車などの動産も含む。

3費用負担者の責任と民法の適用e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法上の費用負担者の責任及び民法の適用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公務員の選任監督者と、その俸給等の費用を負担する者とが異なるときは、被害者は、費用を負担する者に対して損害賠償を求めることはできない。
  • 国又は公共団体の損害賠償の責任については、国家賠償法に定めるもののほか、民法の規定による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
費用負担者に請求できないとするのは誤り

国家賠償法第3条「費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる」一次資料を確認

正しい
民法が補充的に適用される

国家賠償法第4条「前三条の規定によるの外、民法の規定による」一次資料を確認

ひっかけ費用負担者にも請求できる(3条)。被害者保護のための規定。

解説選任監督者と費用負担者が異なる場合、被害者はどちらに対しても賠償を請求でき、両者は内部で求償関係に立つ(3条)。国家賠償の責任は1〜3条のほか民法が補充的に適用される(4条)。たとえば過失相殺・消滅時効などは民法による。

補足民法以外の特別法(失火責任法など)も、国家賠償に適用されうる。

4相互保証主義と公務員への求償e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法上の相互保証主義及び公務員への求償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国家賠償法は、被害者が外国人である場合には、相互の保証の有無にかかわらず、常に適用される。
  • 公権力の行使に当たる公務員が違法に他人に損害を加えた場合、加害公務員に軽過失しかないときでも、国又は公共団体はその公務員に対して求償権を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
常に適用とするのは誤り

国家賠償法第6条「相互の保証があるときに限り、これを適用する」一次資料を確認

誤り
軽過失で求償できるとするのは誤り

国家賠償法第1条「公務員に故意又は重大な過失があつたときは」一次資料を確認

ひっかけ外国人は『相互保証』、公務員への求償は『故意・重過失』。数の要件と限定要件に注意。

解説国家賠償法は外国人被害者には相互保証主義をとる(6条)。公務員個人への求償は故意又は重過失のときに限られる(1条2項)。被害者との関係では国・公共団体が責任を負い(代位責任)、加害公務員個人は原則として被害者に直接責任を負わない。

補足相互の保証とは、当該外国人の本国が日本人に同様の救済を認めていることをいう。

5営造物責任における求償と特別法の優先e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公の営造物の設置・管理の瑕疵により損害が生じた場合において、他に損害の原因について責めに任ずべき者があるときであっても、国又は公共団体は、その者に対して求償権を有しない。
  • 国又は公共団体の損害賠償の責任について、民法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
2条2項が原因者への求償権を定める

国家賠償法第2条「国又は公共団体は、これに対して求償権を有する」一次資料を確認

正しい
5条が特別法の優先を定める

国家賠償法第5条「民法以外の他の法律に別段の定があるときは、その定めるところによる」一次資料を確認

ひっかけ営造物責任は無過失。原因者がいれば求償でき、特別法が優先する。

解説公の営造物の設置・管理の瑕疵による損害は、国又は公共団体が無過失で賠償責任を負う(2条1項)。他に原因者があるときは、国・公共団体はその者に求償できる(同条2項)。また、損害賠償責任について民法以外の他の法律に別段の定めがあればその定めが優先する(5条。例として消防法・郵便法等の特別規定)。

補足国家賠償法に定めのない事項は民法による(4条)。さらに特別法に定めがあればそれが優先する(5条)。

6費用負担者間の内部求償e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法3条に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公務員の選任監督に当たる者と、その公務員の俸給等の費用を負担する者とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責任を負う。
  • 前項により損害を賠償した者は、内部関係でその損害を賠償する責任がある者に対して、求償権を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
3条1項は被害者保護のため責任主体を拡張 → 被害者はどちらにも請求できる

国家賠償法第3条第1項「費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる」一次資料を確認

正しい
対外的には複数が責任を負うが内部負担は別 → 3条2項が内部求償を定める

国家賠償法第3条第2項「内部関係でその損害を賠償する責任ある者に対して求償権を有する」一次資料を確認

ひっかけ3条は『対外的な責任の拡張(1項)』と『内部での求償(2項)』の二段構えで考える。

解説国家賠償法3条1項は、公務員の選任監督者(または営造物の設置管理者)と、その費用を負担する者とが異なる場合、費用を負担する者もまた損害賠償責任を負うと定める。被害者は資力のある方を選んで請求でき、被害者保護に資する。もっとも、対外的に複数の主体が責任を負っても、最終的に誰が損害を負担すべきかは別問題である。そこで3条2項は、現実に賠償した者が、内部関係で損害を賠償する責任がある者に対して求償権を有すると定め、内部での最終的な負担調整を図っている。

補足誰が『内部関係で損害を賠償する責任がある者』かは、事務の帰属・費用負担の実質などから個別に判断される。

7公権力の行使に基づく責任の過失要件e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法1条1項の成立要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて他人に損害を加えた場合、国又は公共団体が国家賠償法1条1項の責任を負うのは、公務員に故意又は重大な過失があったときに限られ、軽過失にとどまるときは責任を負わない。
  • 国又は公共団体が加害公務員に故意又は重大な過失がないとき、すなわち軽過失にとどまるときであっても、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
過失の程度は問わない

国家賠償法第1条第1項「故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたとき」一次資料を確認

誤り
軽過失では求償できない

国家賠償法第1条第2項「公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する」一次資料を確認

ひっかけ『故意又は過失(1項の成立要件)』と『故意又は重過失(2項の求償要件)』を取り違えさせるのが定番。

解説国家賠償法1条1項は、公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときに、国又は公共団体が賠償責任を負うと定める。主観的要件は『故意又は過失』であり、過失の程度は問わないから軽過失でも責任は成立する。これに対し、1条2項が定める国・公共団体から加害公務員への求償は、公務員に『故意又は重大な過失』があるときに限られる。両者の要件は異なり、責任の成立段階で重過失を要求するのは誤りである。

補足1条の責任は過失責任であり、過失(注意義務違反)を要する点で、無過失責任とされる2条の営造物責任と区別される。

8営造物責任と民法上の工作物責任の異同e-Gov等の一次資料で確認済み

公の営造物の設置管理の瑕疵に基づく責任と民法上の工作物責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公の営造物の設置又は管理の瑕疵により損害が生じた場合、管理者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたことを証明すれば、国又は公共団体は賠償責任を免れる。
  • 民法717条1項では、土地の工作物の占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文に免責の定めなし → 注意立証で免れるとするのは誤り

国家賠償法第2条第1項「設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたとき」一次資料を確認

正しい
民法717条は占有者の免責を認める → ただし所有者へ責任が移る

民法第717条第1項「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ国賠2条には『注意をしたら免責』という但書がない。民法717条の占有者免責と混同させるのが狙い。

解説国家賠償法2条1項は、公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために損害が生じたときに国・公共団体の賠償責任を認める。条文に管理者の過失や注意による免責の定めはなく、瑕疵(通常有すべき安全性を欠くこと)があれば責任が成立する無過失責任と解される。これに対し、民法717条1項の工作物責任では、まず占有者が責任を負うが、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは免責され、代わりに所有者が賠償しなければならない。営造物責任には占有者免責のような仕組みがない点が異なる。

補足国家賠償法4条により、営造物責任にも民法の規定(過失相殺・消滅時効など)が補充的に適用される。

9国家賠償法1条と民法上の使用者責任の比較e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法1条の責任と民法715条の使用者責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 民法715条1項では、使用者が被用者の選任及び事業の監督について相当の注意をしたときであっても、使用者は損害賠償責任を免れることはできない。
  • 国又は公共団体の損害賠償の責任については、国家賠償法に定めるもののほかは、民法の規定が適用される余地はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
715条1項但書が免責を認める → 免れることはできないとするのは誤り

民法第715条第1項「被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき」一次資料を確認

誤り
4条が民法の適用を明文で定める → 適用される余地なしは誤り

国家賠償法第4条「前三条の規定によるの外、民法の規定による」一次資料を確認

ひっかけ民法715条には選任監督の注意による免責(但書)がある一方、国賠1条にはそれがない。さらに4条で民法が補充適用される。

解説民法715条の使用者責任は、被用者の不法行為について使用者に責任を負わせるが、1項ただし書により、使用者が選任監督について相当の注意をしたとき等は免責される。これに対し、国家賠償法1条1項には選任監督の注意による免責規定がなく、公務員の違法な加害があれば国・公共団体が責任を負う(代位責任と解される)。もっとも、国家賠償法に定めのない事項は4条により民法が補充的に適用され、過失相殺・消滅時効などは民法による。『民法の適用余地がない』とするのは誤りである。

補足民法715条3項は、使用者から被用者への求償権の行使を妨げないと定める。国賠1条2項の公務員への求償(故意・重過失要件)と対比される。

10国家賠償における求償権(1条2項と2条2項)の比較e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法上の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公権力の行使に当たる公務員の違法な加害について国又は公共団体が賠償したときは、公務員に故意又は重大な過失があった場合に限り、国又は公共団体はその公務員に対して求償権を有する。
  • 公の営造物の損害について他に損害の原因について責めに任ずべき者があるとき、国又は公共団体がその者に求償できるのは、その者に故意又は重大な過失がある場合に限られる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文が『故意又は重大な過失』と限定 → 軽過失では求償不可

国家賠償法第1条第2項「公務員に故意又は重大な過失があつたとき」一次資料を確認

誤り
2条2項は原因者があれば求償可 → 重過失要件を付すのは誤り

国家賠償法第2条第2項「他に損害の原因について責に任ずべき者があるとき」一次資料を確認

ひっかけ同じ『求償』でも、1条2項(公務員への求償)は故意・重過失が要件、2条2項(原因者への求償)は要件としていない。

解説国家賠償法には二種類の求償が規定されている。1条2項は、国・公共団体が公権力の行使に基づく損害を賠償した後、加害公務員に対して求償する場面で、求償できるのは公務員に故意又は重大な過失があったときに限られる(公務員の萎縮防止のため)。一方、2条2項は、営造物責任を負って賠償した国・公共団体が、損害の原因について他に責めを負うべき者がいるときにその者へ求償する場面で、こちらは故意又は重大な過失を要件としていない。両者の求償の要件を混同しないことが重要である。

補足3条2項の内部求償と合わせ、国家賠償法には複数の求償規定がある点に注意する。

11職務執行要件と私的行為の区別e-Gov等の一次資料で確認済み

職務執行要件と私的行為の区別に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国家賠償法1条1項の責任が成立するためには、公務員が「その職務を行うについて」損害を加えたことは要件とされておらず、単に公務員がした行為であれば足りる。
  • 公務員が勤務時間外に全く私的な行為で他人に損害を加えた場合には、「その職務を行うについて」の要件を満たさないため、国家賠償法1条1項の責任は成立しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
職務を行うについて、という条文要件がある

国家賠償法第1条第1項「その職務を行うについて」一次資料を確認

正しい
職務執行関連性を欠く行為は1条責任の対象外

国家賠償法第1条第1項「その職務を行うについて」一次資料を確認

ひっかけ国家賠償法1条は『公務員がやったこと』ではなく『職務を行うについて』の加害を問題にする。

解説国家賠償法1条1項は、公務員が公権力の行使に当たる者であることに加え、『その職務を行うについて』違法に損害を加えたことを要件とする。したがって、単に加害者が公務員であるという身分だけで国家賠償責任が当然に成立するわけではない。職務執行と関連する行為か、全くの私的行為かを切り分ける必要がある。

補足職務執行要件は、使用者責任の『事業の執行について』との対比でも狙われやすい。

12公の営造物の対象と瑕疵要件e-Gov等の一次資料で確認済み

公の営造物の対象と瑕疵要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国家賠償法2条1項の公の営造物は、河川に限られ、道路は含まれない。
  • 公の営造物による損害について国家賠償法2条1項の責任が成立するには、設置又は管理の瑕疵ではなく、管理者の故意又は過失が必要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
条文は道路・河川双方を例示している

国家賠償法第2条第1項「道路、河川その他の公の営造物」一次資料を確認

誤り
故意・過失ではなく設置管理の瑕疵が要件

国家賠償法第2条第1項「設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたとき」一次資料を確認

ひっかけ1条は公務員の故意・過失、2条は営造物の設置管理の瑕疵。

解説国家賠償法2条1項は、道路、河川その他の公の営造物について、設置又は管理に瑕疵があったために損害が生じたときの責任を定める。1条責任が公務員の故意又は過失を要件とするのに対し、2条責任は営造物の通常有すべき安全性を欠くという瑕疵を中心に判断される。ここを取り違えると失点しやすい。

補足道路・河川という条文例示から、2条は公物・公的施設の安全性の問題だと押さえる。

13営造物の設置管理者と費用負担者e-Gov等の一次資料で確認済み

営造物の設置管理者と費用負担者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公の営造物の設置又は管理に当たる者と、その費用を負担する者とが異なる場合、費用負担者も損害賠償責任を負うことがある。
  • 国家賠償法3条1項の費用負担者責任は、公務員の選任監督者と費用負担者が異なる1条の場合に限られ、公の営造物に関する2条の場合には適用されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
3条は前二条を受けるため2条にも及ぶ

国家賠償法第3条第1項「前二条の規定によつて国又は公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合」一次資料を確認

国家賠償法第3条第1項「費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる」一次資料を確認

誤り
前二条という文言から2条も含まれる

国家賠償法第3条第1項「前二条の規定によつて」一次資料を確認

ひっかけ3条のキーワードは『前二条』。1条だけでなく2条にもかかる。

解説国家賠償法3条1項は『前二条』の規定によって国又は公共団体が賠償責任を負う場合を対象にする。したがって、公務員の選任監督者と費用負担者が異なる1条型だけでなく、公の営造物の設置管理者と費用負担者が異なる2条型にも及ぶ。条文の『前二条』を見落とすと、3条を1条専用の規定と誤解しやすい。

補足対外的には被害者保護のため責任主体を広げ、内部では3条2項で求償調整する。

14民法の補充適用と特別法の優先e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の補充適用と特別法の優先に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国又は公共団体の損害賠償責任について、国家賠償法1条から3条に定めがない事項は、民法の規定による。
  • 国又は公共団体の損害賠償責任について、民法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
4条が民法の補充適用を定める

国家賠償法第4条「前三条の規定によるの外、民法の規定による」一次資料を確認

正しい
5条が特別法の優先適用を定める

国家賠償法第5条「民法以外の他の法律に別段の定があるときは、その定めるところによる」一次資料を確認

ひっかけ4条は民法の補充適用、5条は特別法の優先。似た条文を逆にしない。

解説国家賠償法4条は、1条から3条に定めるもののほかは民法の規定によるとし、民法の補充適用を認めている。一方で5条は、民法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その特別法の定めによるとする。つまり、国賠法だけで完結するのではなく、国賠法、民法、特別法の関係を順に整理する必要がある。

補足過失相殺や時効などは民法、別段の特別法があればその法律、という順で見る。

15外国人被害者への適用e-Gov等の一次資料で確認済み

外国人被害者への適用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国家賠償法は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り適用される。
  • 国又は公共団体が1条又は2条の規定によって損害を賠償する場合において、公務員の選任監督に当たる者や公の営造物の設置管理に当たる者と、その費用を負担する者とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
6条が相互保証主義を定める

国家賠償法第6条「外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り、これを適用する」一次資料を確認

正しい
3条1項が費用負担者責任を定める

国家賠償法第3条第1項「費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる」一次資料を確認

ひっかけ外国人被害者は『相互の保証』が要件。費用負担者も1条・2条の責任主体に加わり得る点を見落とさない。

解説国家賠償法6条は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り国家賠償法を適用すると定める。また、1条・2条の責任について、公務員の選任監督や営造物の設置管理に当たる者と、その費用を負担する者とが異なるときは、費用を負担する者もまた損害を賠償する責任を負う(3条1項)。国家賠償法は、外国人保護の限定と、費用負担者への責任拡張という異なる場面の規定を横断的に押さえる必要がある。

補足3条1項の費用負担者責任は、1条(公務員型)・2条(営造物型)のいずれにも及ぶ(『前二条の規定によって』という文言)。

161条責任の責任主体と違法加害要件e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法1条1項の責任主体と成立要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国家賠償法1条1項は、公務員本人ではなく、国又は公共団体が賠償責任を負うことを定めている。
  • 国家賠償法1条1項の責任は、公務員の行為が適法であっても、結果として損害が発生すれば当然に成立する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文上、賠償責任を負う主体は国又は公共団体とされている

国家賠償法第1条第1項「国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」一次資料を確認

誤り
損害発生だけでなく違法性が条文要件になっている

国家賠償法第1条第1項「故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたとき」一次資料を確認

ひっかけ1条は『国又は公共団体が払う』だけでなく、『違法に』損害を加えたことまで必要。

解説国家賠償法1条1項は、対外的には国又は公共団体が賠償責任を負う構造をとる。ただし、責任成立には、公務員が公権力の行使に当たり、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に損害を加えたことが必要である。単なる損害発生や適法行為による不利益を、直ちに1条責任としない点を押さえる。

補足求償の話は1条2項、被害者に対する賠償責任の話は1条1項で分けて読む。

172条責任の損害発生原因と責任主体e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法2条1項の営造物責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 道路や河川その他の公の営造物について、設置又は管理の瑕疵があったために他人に損害が生じたときは、国又は公共団体が賠償責任を負う。
  • 公の営造物の設置又は管理の瑕疵により損害が生じた場合において、他に損害の原因について責めに任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
損害発生原因が『設置又は管理の瑕疵』に限定される

国家賠償法第2条第1項「設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたとき」一次資料を確認

正しい
求償権に故意・重過失の限定はない

国家賠償法第2条第2項「国又は公共団体は、これに対して求償権を有する」一次資料を確認

ひっかけ2条は1項の対外責任(瑕疵責任)と2項の対内求償(原因者への求償)の二段構成。

解説国家賠償法2条1項は、道路、河川その他の公の営造物について、設置又は管理の瑕疵によって損害が生じたときの国又は公共団体の責任を定める。さらに2条2項は、損害の原因について他に責任を負うべき者があるときは、賠償した国又は公共団体がその者に対して求償できると定めており、営造物責任の中で被害者救済と責任者への負担転嫁の両方を実現している。

補足2条2項の求償には、1条2項と異なり『故意又は重大な過失』という限定はなく、損害の原因について責めに任ずべき者であれば足りる。

182条2項の原因者への求償e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法2条2項の求償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公の営造物の設置管理の瑕疵による損害について、他に損害の原因について責任を負うべき者があるときは、国又は公共団体はその者に対して求償できる。
  • 国家賠償法2条2項の求償は、国又は公共団体が被害者に賠償した後であっても一切認められない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
2条2項が原因者への求償を認めている

国家賠償法第2条第2項「他に損害の原因について責に任ずべき者があるとき」一次資料を確認

誤り
条文が求償権を明示している

国家賠償法第2条第2項「国又は公共団体は、これに対して求償権を有する」一次資料を確認

ひっかけ2条にも求償がある。相手は『損害の原因について責に任ずべき者』。

解説国家賠償法2条は、被害者保護のため国又は公共団体の対外的責任を定める一方、2項で損害原因について責任を負うべき者への求償を認めている。1条2項の公務員への求償と混同せず、2条2項は『他に損害の原因について責に任ずべき者』に対する求償であると整理する。

補足1条2項は故意・重過失の公務員、2条2項は損害原因責任者への求償。

193条1項の選任監督者と費用負担者e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法3条1項の費用負担者責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国家賠償法3条1項は、公務員の選任若しくは監督に当たる者と、その公務員の給与等の費用を負担する者とが異なる場合には、費用負担者に損害賠償責任を負わせない趣旨である。
  • 国家賠償法3条1項によって費用負担者が損害を賠償したときは、内部関係でその損害を賠償する責任がある者に対して求償権を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
『もまた』という文言で賠償責任を認めている

国家賠償法第3条第1項「費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる」一次資料を確認

正しい
3条2項が内部求償を定める

国家賠償法第3条第2項「損害を賠償した者は、内部関係でその損害を賠償する責任ある者に対して求償権を有する」一次資料を確認

ひっかけ3条は費用負担者を対外責任から外す規定ではなく、責任主体に加える規定。

解説国家賠償法3条1項は、1条・2条の責任について、選任監督・設置管理に当たる者と費用負担者が異なる場合にも被害者救済を確保する規定である。公務員型では、公務員の俸給・給与その他の費用を負担する者も賠償責任を負うことがある。『費用を出しているだけなら無関係』と考えない。

補足対外責任の拡張は3条1項、内部調整は3条2項で整理する。

203条2項の内部求償による責任調整e-Gov等の一次資料で確認済み

国家賠償法3条2項の内部求償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国家賠償法3条1項によって損害を賠償した者は、内部関係でその損害を賠償する責任がある者に対して求償できる。
  • 国家賠償法3条2項は、被害者に対する責任主体を限定するため、3条1項の費用負担者責任を否定している。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
対外責任を負った者と内部責任者を調整する規定である

国家賠償法第3条第2項「内部関係でその損害を賠償する責任ある者に対して求償権を有する」一次資料を確認

誤り
『前項の場合』を前提に、賠償後の内部求償を定める

国家賠償法第3条第2項「前項の場合において、損害を賠償した者は」一次資料を確認

ひっかけ3条2項は『責任を消す』規定ではなく、賠償後の内部求償の規定。

解説国家賠償法3条は、1項で費用負担者にも対外的な賠償責任を負わせ、2項で賠償した者から内部責任者への求償を認める構造である。被害者との関係では責任主体を広く捉え、内部関係では最終的な負担者を調整する。1項と2項の役割を混同しない。

補足3条は被害者保護と内部負担調整の二段構造で押さえる。

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