問1審査請求期間
行政不服審査法上の審査請求期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.処分についての審査請求は、正当な理由がある場合を除き、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときは、することができない。
- イ.処分についての審査請求は、正当な理由がある場合を除き、処分があった日の翌日から起算して2年を経過したときは、することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 主観的期間は3か月
行政不服審査法第18条「処分があったことを知った日の翌日から起算して三月」e-Gov原文
- イ.誤り
- 「2年」は誤り(1年)
行政不服審査法第18条「があった日の翌日から起算して一年を経過したとき」e-Gov原文
ひっかけ『知った日から3か月』と『処分の日から1年』の二段構え。数字を取り違えない。
解説審査請求期間は、処分があったことを知った日の翌日から3か月(主観的期間、18条1項)、かつ処分があった日の翌日から1年(客観的期間、18条2項)。いずれも正当な理由があれば例外。再調査の請求をした場合はその決定を知った日から1か月などの特則がある。
補足取消訴訟の出訴期間(知った日から6か月・処分の日から1年)とも対比して覚える。
問2審査請求の執行不停止原則と教示
行政不服審査法上の審査請求の執行不停止の原則及び教示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
- イ.行政庁は、不服申立てをすることができる処分を書面でする場合には、処分の相手方に対し、不服申立てをすることができる旨等を書面で教示しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 原則は執行不停止
行政不服審査法第25条「処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない」e-Gov原文
ひっかけ執行停止は『例外』。原則は止まらない。教示は書面処分のときに必要。
解説審査請求には執行不停止の原則があり(25条1項)、必要があれば審査庁が申立て又は職権で執行停止できる(処分庁の上級行政庁・処分庁である審査庁の場合)。行政庁は不服申立てができる処分を書面でするとき、不服申立先・期間等を書面で教示しなければならない(82条)。
補足教示をしなかった場合の救済(不服申立書の提出等)の規定もある(83条)。
問3再調査の請求と審査請求をすべき行政庁
行政不服審査法上の再調査の請求及び審査請求をすべき行政庁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.処分につき処分庁以外の行政庁に審査請求ができる場合で、法律に再調査の請求ができる旨の定めがあるときでも、処分に不服がある者は再調査の請求をすることはできず、必ず審査請求によらなければならない。
- イ.審査請求は、法律等に特別の定めがある場合を除き、処分庁等に上級行政庁がないときは、当該処分庁等に対してする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 必ず審査請求とするのは誤り
行政不服審査法第5条「処分庁に対して再調査の請求をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ再調査の請求は『法律に定めがあるとき』に選択できる。常に審査請求一択ではない。
解説審査請求先は、原則として処分庁等の最上級行政庁、上級行政庁がなければ処分庁等自身(4条)。法律に定めがあれば、審査請求の前に処分庁へ『再調査の請求』をすることもできる(5条、簡易な再審査)。再調査の請求と審査請求は不服申立人が選択できるのが原則。
補足再審査請求は、法律に定めがある場合に裁決後さらに行える(6条)。
問4審査請求に対する裁決
行政不服審査法上の裁決に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.処分についての審査請求が法定の期間経過後にされた不適法なものである場合、審査庁は、裁決で当該審査請求を棄却する。
- イ.処分についての審査請求に理由がある場合、審査庁は、処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもないときであっても、裁決で当該処分を変更することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- イ.誤り
- 変更できるとするのは誤り
行政不服審査法第46条「当該処分を変更することはできない」e-Gov原文
ひっかけ却下=門前払い、棄却=中身で負け。変更権は審査庁の立場で制限される。
解説裁決は、不適法なら却下(45条1項)、理由がなければ棄却(同2項)、理由があれば認容して処分の取消し・変更(46条1項)。ただし第三者機関的な審査庁(上級行政庁でも処分庁でもない)は、処分を取り消せても『変更』はできない(不利益変更の禁止と並ぶ重要論点)。
補足違法・不当でも公益上取り消さない『事情裁決』もある(45条3項)。
問5審理員の指名と例外
行政不服審査法上の審理員に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査庁は、原則として、審査庁に所属する職員のうちから審理手続を行う者(審理員)を指名し、その旨を審査請求人及び処分庁等に通知しなければならない。
- イ.審査庁が第24条の規定により審査請求を却下する場合には、審理員を指名する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 審理の公正のため処分に関与しない職員を指名
行政不服審査法第9条「を行う者を指名するとともに、その旨を審査請求人及び処分庁等」e-Gov原文
- イ.正しい
- 審理を経るまでもない却下は例外
行政不服審査法第9条「第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合は、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけ審理員は『処分に関与しない』職員から指名。却下や委員会審査庁は例外。
解説平成26年改正で導入された審理員制度は、処分に関与しない職員を審理員に指名し、審査請求の審理の公正・中立を担保する。委員会等が審査庁の場合や審査請求を却下する場合は指名が不要(9条1項ただし書)。
補足審理員は審理終結後に審理員意見書を作成して審査庁に提出する(42条)。
問6執行不停止の原則と義務的執行停止
行政不服審査法上の執行停止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
- イ.処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときであっても、審査庁が執行停止をするか否かは、専ら審査庁の裁量に委ねられている。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 不服申立てだけでは処分は止まらない
行政不服審査法第25条「審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 要件を満たせば停止しなければならない
行政不服審査法第25条「緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ原則は執行不停止。緊急の必要があれば『しなければならない』義務に転じる。
解説行政不服審査法は執行不停止が原則(25条1項)。ただし審査請求人の申立てがあり、重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、審査庁は執行停止をしなければならない(義務的執行停止・25条4項。公共の福祉への重大な影響や本案に理由がないとみえるときは例外)。
補足上級行政庁・処分庁である審査庁は職権でも執行停止ができる(25条2項)。
問7審理員意見書と行政不服審査会への諮問
行政不服審査法上の審理員意見書及び諮問に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審理員は、審理手続を終結したときであっても、審査庁がすべき裁決に関する意見書を作成する義務を負わない。
- イ.審査庁は、一定の場合を除き、審理員意見書の提出を受けたときは、行政不服審査会等に諮問しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 審理員は意見書を必ず作成する
行政不服審査法第42条「審理員は、審理手続を終結したときは、遅滞なく、審査庁がすべき裁決に関する意見書」e-Gov原文
- イ.正しい
- 第三者機関のチェックを経て裁決する
行政不服審査法第43条「審査庁は、審理員意見書の提出を受けたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き」e-Gov原文
ひっかけ審理員意見書は『必ず作成』。審査庁は原則『審査会に諮問』。
解説審理員が審理員意見書を作成(42条)→審査庁が行政不服審査会等に諮問(43条)→答申を踏まえて裁決、という三段構えで、審査請求の客観性・公正を確保する。審理員(手続主宰)と審査会(第三者チェック)の役割分担が改正法の要点。
補足審査請求人が希望しない場合など一定の場合は諮問が不要となる(43条1項各号)。
問8不利益変更の禁止と裁決の拘束力
行政不服審査法上の不利益変更の禁止及び裁決の拘束力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査庁は、審査請求に理由がある場合には、審査請求人の不利益に当該処分を変更する裁決をすることもできる。
- イ.審査請求に対する裁決は、当該事件の審査請求人を拘束するのみで、関係行政庁を拘束する効力はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 不服申立てをした者を不利に扱えない
行政不服審査法第48条「審査請求人の不利益に当該処分を変更し」e-Gov原文
ひっかけ裁決は『不利益変更禁止』かつ『関係行政庁を拘束』。
解説審査請求人の権利救済の実効性のため、裁決には①不利益変更の禁止(48条=申立てより不利な結論にしない)と②拘束力(52条=認容裁決の趣旨に従い関係行政庁が改めて処分等をする)が定められている。取消訴訟の取消判決の拘束力(行訴法33条)と対をなす。
補足申請拒否処分が裁決で取り消されたら、処分庁は裁決の趣旨に従い改めて処分をする(52条2項)。
問9審査請求書の提出と標準審理期間
行政不服審査法上の審査請求の手続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査請求は、他の法律(条例に基づく処分については、条例)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、審査請求書を提出してしなければならない。
- イ.審査庁となるべき行政庁は、標準審理期間を定めなければならず、これを定めることは法的義務である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 口頭の定めがある場合を除き書面で行う
行政不服審査法第19条「他の法律(条例に基づく処分については、条例)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、政令で定めるところにより、審査請求書を提出してしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 定めるのは努力義務
行政不服審査法第16条「通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに」e-Gov原文
ひっかけ審査請求は『書面が原則』。標準審理期間の設定は『努力義務』。
解説審査請求は、口頭ですることができる旨の法律・条例の定めがある場合を除き、審査請求書を提出して行う(19条1項、書面主義)。一方、標準審理期間(審査請求を受けてから裁決までに通常要する期間)は定めるよう努める努力義務だが、定めたときは公にしておく義務がある(16条)。標準処理期間(行政手続法6条、申請に対する処分)との違いに注意。
補足標準審理期間を定めたときは、事務所に備え付ける等の方法で公にしておかなければならない(16条)。
問10審査庁による職権執行停止と義務的執行停止
行政不服審査法上の執行停止の決定権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で、執行停止をとることができる。
- イ.審査請求人の申立てがあった場合において、処分等により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 上級庁等は職権でも執行停止できる
行政不服審査法第25条「処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で」e-Gov原文
- イ.正しい
- 要件を満たせば執行停止は義務
行政不服審査法第25条「重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ上級庁・処分庁の審査庁は『職権可』、要件を満たせば『義務的執行停止』。
解説審査請求には執行不停止の原則があるが(25条1項)、上級行政庁又は処分庁である審査庁は申立て又は職権で執行停止できる(同2項)。上級庁・処分庁のいずれでもない審査庁は、申立てにより処分庁の意見を聴いた上で、効力等の停止に限ってできる(同3項)。申立てがあり重大な損害を避ける緊急の必要があるときは、執行停止が義務となる(同4項、例外あり)。
補足上級庁・処分庁のいずれでもない審査庁は、職権では執行停止できない(25条3項)。
問11口頭意見陳述と処分庁等への質問
行政不服審査法上の口頭意見陳述に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査請求人又は参加人の申立てがあった場合でも、口頭で意見を述べる機会を与えるかどうかは、専ら審理員の裁量に委ねられている。
- イ.口頭意見陳述に際し、申立人は、審理員の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、処分庁等に対して質問を発することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 申立てがあれば原則与えなければならない
行政不服審査法第31条「口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 許可を得て処分庁等へ質問できる
行政不服審査法第31条「審理員の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、処分庁等に対して、質問を発することができる」e-Gov原文
ひっかけ口頭意見陳述は『申立てで原則義務』、処分庁への質問は『許可制で可』。
解説審査請求人・参加人の申立てがあれば、審理員は口頭で意見を述べる機会を与えなければならない(31条1項、原則義務。所在不明等で困難な場合は例外)。口頭意見陳述では全ての審理関係人を招集し、申立人は審理員の許可を得て処分庁等に質問できる(同5項)。書面審理が原則の中で、当事者が直接主張・質問できる重要な手続。
補足口頭意見陳述は、審理員が期日・場所を指定し、全ての審理関係人を招集して行う(31条2項)。
問12事情裁決と認容裁決における処分の変更
行政不服審査法上の処分についての審査請求の裁決に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査請求に係る処分が違法又は不当ではあるが、これを取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときであっても、審査庁は当該審査請求を棄却することはできず、必ず処分を取り消さなければならない。
- イ.処分についての審査請求に理由がある場合、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもないときであっても、審査庁は当該処分を変更することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 事情裁決として棄却できる場合がある
行政不服審査法第45条「処分を取り消し、又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 第三者的審査庁は変更権限を持たない
行政不服審査法第46条「審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、当該処分を変更することはできない」e-Gov原文
ひっかけ事情裁決は『棄却できる』。第三者的審査庁は『変更不可(取消しのみ)』。
解説事情裁決(45条3項)は、処分が違法・不当でも取消し等で公の利益に著しい障害を生じ公共の福祉に適合しないときに、審査請求を棄却できる制度で、主文で違法・不当を宣言する。認容裁決では処分の取消し・変更ができるが、審査庁が上級行政庁・処分庁のいずれでもない(第三者的審査庁の)場合は、不利益変更となりうる『変更』はできず取消しにとどまる(46条1項ただし書)。
補足事情裁決は、行政事件訴訟法の事情判決(31条)に対応する不服審査版の制度。
問13審理手続の承継と地位承継の届出
行政不服審査法上の審理手続の承継に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。
- イ.審査請求人の地位を承継した相続人その他の者は、口頭でその旨を審査庁に届け出れば足り、書面による届出は要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 権利承継者が審査請求人の地位を承継する
行政不服審査法第15条「審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 承継の届出は書面で行う
行政不服審査法第15条「書面でその旨を審査庁に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ地位は『当然承継』、届出は『書面が必要』。
解説審査請求人が死亡したときは相続人等の権利承継者が、合併・分割があったときは存続法人等が、当然に審査請求人の地位を承継する(15条1項2項)。地位を承継した者は、書面で(承継を証する書面を添付して)審査庁に届け出なければならない(同3項)。なお処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得て承継できる(同6項)。
補足審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得て地位を承継できる(15条6項)。
問14第三者的審査庁の執行停止と重大な損害の判断
行政不服審査法上の執行停止の手続及び要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認める場合には、職権で執行停止をすることができる。
- イ.審査庁は、重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 申立てが必要で職権ではできない
行政不服審査法第25条「処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取した上、執行停止をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 回復困難の程度を考慮して判断する
行政不服審査法第25条「損害の回復の困難の程度を考慮するものとし」e-Gov原文
ひっかけ第三者的審査庁の執行停止は『申立て必要・職権不可』。
解説執行停止の権限は審査庁の立場で異なる。上級行政庁・処分庁である審査庁は申立て又は職権で広く執行停止できる(25条2項)が、いずれでもない審査庁は申立てにより処分庁の意見を聴いた上で効力等の停止に限ってできる(同3項、職権不可)。重大な損害の有無は、損害回復の困難の程度を考慮し、損害の性質・程度や処分の内容・性質も勘案して判断する(同5項)。
補足処分の効力の停止は、より制限的でない他の措置で目的を達せられるときはできない(25条6項、補充性)。
問15参加人と審査請求の取下げ
行政不服審査法上の審査請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.利害関係人は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる。
- イ.審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 13条1項が参加人の参加を定める
行政不服審査法第13条「審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 27条1項が審査請求の取下げを定める
行政不服審査法第27条「審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる」e-Gov原文
ひっかけ参加は『審理員の許可』。取下げは『裁決まで』いつでも・書面で。
解説審査請求に利害関係を有する者(利害関係人)は、審理員の許可を得て、又は審理員の求めに応じて、審査請求に参加できる(参加人。13条)。審査請求人は、裁決があるまではいつでも審査請求を取り下げることができ、取下げは書面による(27条)。取下げにより審理は終了する。
補足参加人の代理人による参加もできるが、参加の取下げは特別の委任を受けた場合に限られる(13条4項ただし書)。
問16審査請求の対象(処分と不作為)
行政不服審査法上の審査請求の対象に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行政庁の処分に不服がある者は、法律に定めるところにより、審査請求をすることができる。
- イ.法令に基づく申請に対して行政庁が相当の期間内に何らの処分もしない不作為については、審査請求をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 2条が処分についての審査請求を定める
行政不服審査法第2条「行政庁の処分に不服がある者は、第四条及び第五条第二項の定めるところにより、審査請求をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 3条が不作為についての審査請求を認める
行政不服審査法第3条「法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず」e-Gov原文
ひっかけ審査請求の対象は『処分』だけでなく『申請に対する不作為』も含む。
解説行政不服審査法の審査請求の対象は、行政庁の処分(2条)と、法令に基づく申請に対する不作為(3条)である。不作為についての審査請求は、申請から相当の期間が経過しても処分がされない場合に、その申請をした者ができる。処分・不作為のいずれにも不服申立ての途が開かれている。
補足不作為についての審査請求は、申請をした者だけができる(処分についての審査請求と異なる)。
問17代理人による審査請求
行政不服審査法上の代理人による審査請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査請求は、代理人によってすることができる。
- イ.代理人が審査請求の取下げをするには、特別の委任を受けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 12条1項が代理人による審査請求を認める
行政不服審査法第12条「審査請求は、代理人によってすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 12条2項ただし書が取下げに特別の委任を求める
行政不服審査法第12条「審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる」e-Gov原文
ひっかけ代理人は一切の行為ができるが、『取下げ』だけは特別の委任が必要。
解説審査請求は代理人によってすることができ(12条1項)、代理人は審査請求に関する一切の行為をすることができる(同条2項本文)。ただし、審査請求の取下げは審査請求人に不利益を及ぼし得る重大な行為なので、特別の委任を受けた場合に限ってすることができる(同項ただし書)。
補足総代(11条)も同様に、審査請求の取下げには特別の委任が必要とされる。
問18審査請求書の補正と却下裁決
行政不服審査法上の審査請求書の補正に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査請求書が法定の記載要件に違反する場合、審査庁は、補正を命じることなく直ちに当該審査請求を却下しなければならない。
- イ.審査請求人が定められた期間内に不備を補正しないときは、審査庁は、審理手続を経ないで裁決で当該審査請求を却下することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 23条が補正命令を義務づける
行政不服審査法第23条「審査庁は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 24条1項が補正不履行の場合の却下を定める
行政不服審査法第24条「裁決で、当該審査請求を却下することができる」e-Gov原文
ひっかけ記載不備は『まず補正命令』。補正しなければ審理を経ず却下できる。
解説審査請求書に記載不備があるときは、審査庁はまず相当の期間を定めて補正を命じなければならない(23条)。補正期間内に補正されないときや、審査請求が不適法で補正できないことが明らかなときは、審理手続を経ないで裁決で却下できる(24条)。いきなり却下するのではなく、補正の機会を与えるのが原則である。
補足審査請求が不適法で補正できないことが明らかなときは、補正を命じずに却下できる(24条2項)。
問19弁明書の提出
行政不服審査法上の弁明書の提出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審理員は、相当の期間を定めて、処分庁等に対し、弁明書の提出を求めるものとする。
- イ.処分庁等から弁明書の提出があっても、審理員はこれを審査請求人に送付する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 29条2項が弁明書の提出を求める手続を定める
行政不服審査法第29条「審理員は、相当の期間を定めて、処分庁等に対し、弁明書の提出を求めるものとする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 29条5項が弁明書の送付を義務づける
行政不服審査法第29条「審理員は、処分庁等から弁明書の提出があったときは、これを審査請求人及び参加人に送付しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ弁明書は提出されたら『審査請求人・参加人に送付』しなければならない。
解説審理員は、指名されると審査請求書の写しを処分庁等に送付し(29条1項)、相当の期間を定めて処分庁等に弁明書の提出を求める(同条2項)。処分庁等から弁明書が提出されると、審理員はこれを審査請求人及び参加人に送付しなければならない(同条5項)。当事者間で主張を交換させ、攻撃防御の機会を確保する手続である。
補足弁明書を受け取った審査請求人は、これに対する反論書を提出することができる(30条1項)。
問20反論書・意見書の提出
行政不服審査法上の反論書及び意見書の提出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査請求人は、送付された弁明書に記載された事項に対する反論書を提出することはできない。
- イ.審査請求に参加する参加人は、審査請求に係る事件に関する意見書を提出することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 30条1項が反論書の提出を認める
行政不服審査法第30条「審査請求人は、前条第五項の規定により送付された弁明書に記載された事項に対する反論を記載した書面」e-Gov原文
- イ.正しい
- 30条2項が参加人の意見書提出を認める
行政不服審査法第30条「参加人は、審査請求に係る事件に関する意見を記載した書面」e-Gov原文
ひっかけ弁明書には審査請求人が『反論書』、参加人が『意見書』で応じる。
解説弁明書の送付を受けた審査請求人は、これに対する反論書を提出することができ(30条1項)、参加人は事件に関する意見書を提出することができる(同条2項)。審理員が期間を定めたときはその期間内に提出する。提出された反論書・意見書は、審理員が相手方等に送付し、書面による攻撃防御を保障する。
補足審査請求人・参加人は、口頭で意見を述べる機会(口頭意見陳述)を申し立てることもできる(31条)。
問21再審査請求期間
行政不服審査法上の再審査請求期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.再審査請求は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して3月を経過したときは、することができない。
- イ.再審査請求は、原裁決があった日の翌日から起算して3年を経過したときは、することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 62条1項が主観的な再審査請求期間を定める
行政不服審査法第62条「再審査請求は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 62条2項が客観的な再審査請求期間を定める
行政不服審査法第62条「再審査請求は、原裁決があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない」e-Gov原文
ひっかけ再審査請求は『知った翌日から1月・原裁決の翌日から1年』(審査請求の3月とは違う)。
解説再審査請求は、法律に再審査請求ができる旨の定めがある場合に、原裁決又は当初の処分を対象としてできる。その期間は、原裁決があったことを知った日の翌日から1月(主観的期間・62条1項)、原裁決があった日の翌日から1年(客観的期間・同条2項)であり、いずれも正当な理由があれば例外が認められる。審査請求の期間(知った日の翌日から3月・処分の日の翌日から1年)と混同しないよう注意。
補足審査請求期間は、処分を知った日の翌日から3月、処分の日の翌日から1年である(18条)。