問1条例制定権と罰則
地方自治法上の条例に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体は、住民に義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。
- イ.普通地方公共団体は、条例に違反した者に対し、いかなる罰則も条例で定めることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 侵害留保=条例事項
地方自治法第14条「義務を課し、又は権利を制限するには」e-Gov原文
ひっかけ条例に罰則は『定められる』。罰則を一切定められないとするのは誤り。
解説普通地方公共団体は法令に違反しない限り条例を制定でき(14条1項)、義務賦課・権利制限は原則として条例による(同2項、侵害留保)。条例には2年以下の拘禁刑・100万円以下の罰金・5万円以下の過料等の罰則を定められる(同3項)。
補足法律の範囲内であれば、法律と同一目的でより厳しい『上乗せ条例』も判例上認められうる。
問2直接請求(条例の制定改廃請求・事務監査請求)
地方自治法上の直接請求(条例の制定改廃請求及び事務監査請求)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.選挙権を有する者は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例の制定又は改廃の請求をすることができる。
- イ.選挙権を有する者は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、監査委員に対し、事務の監査の請求をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 50分の1・請求先は長
地方自治法第74条「その総数の五十分の一以上の者の連署をもつて」e-Gov原文
ひっかけ50分の1グループ(条例・監査)と3分の1グループ(解散・解職)を取り違えない。
解説直接請求のうち、条例制定改廃請求(74条)と事務監査請求(75条)は、いずれも選挙権者の50分の1以上の連署が必要。請求先は前者が長、後者が監査委員。条例制定改廃請求では地方税の賦課徴収等に関する条例は対象外である点に注意。
補足条例制定改廃請求を受けた長は、20日以内に議会を招集し、意見を付して付議する。
問3直接請求(議会の解散・議員の解職)
地方自治法上の直接請求(議会の解散及び議員の解職)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.議会の解散の請求は、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の者の連署をもって、選挙管理委員会に対して行う。
- イ.議会の議員の解職の請求は、原則として選挙権を有する者の総数の3分の1以上の者の連署をもって、選挙管理委員会に対して行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- イ.正しい
- 3分の1・請求先は選管
地方自治法第80条「議会の議員の解職の請求をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ解散・解職は『3分の1・選管』。人事に関わる重い請求ほど要件が重い。
解説議会の解散請求(76条)・議員や長の解職請求(80条・81条)は、原則として選挙権者の3分の1以上の連署を要し(有権者が多い場合は緩和あり)、いずれも選挙管理委員会に対して行う。請求後は住民投票(解散・解職の賛否)に付され、過半数の同意で解散・失職する。
補足有権者総数が40万・80万を超える部分は必要署名数の割合が緩和される。
問4長の解職請求と住民監査請求
地方自治法上の住民による請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体の長の解職の請求は、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の者の連署をもって、長に対して行う。
- イ.住民監査請求は、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の者の連署を必要とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 50分の1・長宛とするのは誤り
地方自治法第81条「選挙管理委員会に対し、当該普通地方公共団体の長の解職の請求をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ事務『監査請求』(75条、50分の1)と『住民監査請求』(242条、1人で可)は別物。
解説直接請求(条例・監査・解散・解職)は『選挙権者の連署』が要件だが、住民監査請求(242条)は別制度で、住民であれば1人でも、選挙権の有無を問わずできる。住民監査請求は原則として当該行為のあった日等から1年以内に行う必要がある。
補足住民監査請求を経た後でなければ、住民訴訟(242条の2)は提起できない(監査請求前置)。
問5議会の議決事件
普通地方公共団体の議会の議決事件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体の議会は、条例を設け又は改廃することを議決しなければならない。
- イ.普通地方公共団体の議会は、予算を定めることを議決しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
ひっかけ予算の『提出』は長、『議決』は議会。役割分担を取り違えない。
解説議会の議決事件(96条1項)には、条例の設定改廃・予算の決定・決算の認定・一定額以上の契約締結・財産の処分などが列挙される。予算は長が調製・提出し、議会が議決する(長の予算提出権と議会の議決権の分担)。
補足条例で、議決事件をさらに追加することもできる(96条2項)。
問6長の再議(拒否権)
普通地方公共団体の長の再議に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体の長は、議会の議決について異議があるときは、原則として、その議決の日から10日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。
- イ.条例の制定改廃に関する議決について再議に付された場合、議会が出席議員の過半数で同じ議決をすれば、その議決は確定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 10日以内の再議が可能
地方自治法第176条「十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 「過半数」は誤り(3分の2以上)
地方自治法第176条「出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない」e-Gov原文
ひっかけ条例・予算の再可決は『出席議員の3分の2以上』。通常の過半数とは異なる。
解説長は議会の議決に異議があれば原則10日以内に再議に付せる(一般的拒否権、176条1項)。再議の結果、条例の制定改廃・予算に関するものは出席議員の3分の2以上の同意で再可決すれば確定する(同3項)。違法な議決等は再議に付さなければならない(特別的拒否権、同4項)。
補足権限超過・法令違反の議決は、長が再議に付すことが義務づけられる(176条4項)。
問7長の不信任と議会の解散
普通地方公共団体の長の不信任議決に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.議会が長の不信任の議決をした旨の通知を受けた長は、その通知を受けた日から30日以内に限り、議会を解散することができる。
- イ.長が不信任の議決の通知を受け、所定の期間内に議会を解散しないときは、長はその職を失う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 「30日以内」は誤り(10日以内)
地方自治法第178条「その通知を受けた日から十日以内に議会を解散することができる」e-Gov原文
ひっかけ不信任への対抗解散は『10日以内』。解散しなければ長が失職する。
解説議会が長の不信任を議決すると、長は通知を受けた日から10日以内に議会を解散できる(178条1項)。解散しなければ長は失職する(同2項)。不信任議決には議員数の3分の2以上の出席と、その4分の3以上(解散後の再不信任は過半数)の同意が必要(同3項)。
補足最初の不信任は『3分の2出席・4分の3同意』、解散後の再不信任は『3分の2出席・過半数同意』。
問8議会の調査権と決算認定権
普通地方公共団体の議会の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体の議会は、当該団体の事務に関する調査を行うことができるが、関係人の出頭及び証言や記録の提出を請求することはできない。
- イ.普通地方公共団体の議会は、決算を認定する権限を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 請求できないとするのは誤り
地方自治法第100条「選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ百条調査権は強力で、証言拒否等に罰則がある。決算認定も議会の権限。
解説議会は事務に関する調査権(百条調査権、100条)を持ち、関係人の出頭・証言・記録提出を請求でき、正当な理由のない拒否等には罰則もある。また決算の認定権(96条1項3号)など、長の財務執行を監視する権限を持つ。議会と長は相互に抑制・均衡する関係にある。
補足決算は監査委員の審査・意見を付して長が議会の認定に付す。
問9公の施設
地方自治法上の公の施設に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
- イ.普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 住民の利用拒否には正当な理由が必要
地方自治法第244条「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 利用について差別してはならない
地方自治法第244条「住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない」e-Gov原文
ひっかけ公の施設は『正当な理由なく拒否不可』『不当な差別禁止』。
解説公の施設(244条)は、住民の福祉を増進する目的で住民の利用に供する施設。住民の平等な利用を保障するため、①正当な理由なく利用を拒めない、②不当な差別的取扱いをしてはならない、という規律がある。指定管理者にも同様の規律が及ぶ。
補足公の施設の設置・管理は条例で定める。指定管理者制度により民間が管理することもできる。
問10長の専決処分
地方自治法上の長の専決処分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体の議会が議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。
- イ.長は、専決処分をしたときであっても、これを議会に報告する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 一定の場合に長が議会に代わり処分できる
地方自治法第179条「当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 事後の議会報告・承認が必要
地方自治法第179条「次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない」e-Gov原文
ひっかけ専決処分は事後に『議会へ報告し承認を求める』。
解説長の専決処分(179条)は、①議会が成立しないとき、②招集する時間的余裕がないことが明らかなとき、③議会が議決すべき事件を議決しないとき等に、長が議会に代わって処分できる制度。専決処分後は、次の会議で議会に報告し承認を求めなければならない。
補足議会の委任による専決処分(180条)もあり、こちらは報告で足りる(承認は不要)。
問11市町村と都道府県の役割分担
地方自治法上の普通地方公共団体の役割分担に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.都道府県は、基礎的な地方公共団体として、一般的に地域における事務を処理する。
- イ.都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、広域にわたる事務や市町村に関する連絡調整に関する事務等を処理する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 基礎的自治体は都道府県でなく市町村
地方自治法第2条「市町村は、基礎的な地方公共団体として」e-Gov原文
- イ.正しい
- 都道府県は広域・連絡調整等を担う
地方自治法第2条「都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として」e-Gov原文
ひっかけ基礎的=市町村、広域=都道府県。役割を取り違えさせる出題に注意。
解説普通地方公共団体は市町村と都道府県の二層制。市町村は『基礎的な地方公共団体』として一般的に地域の事務を処理し、都道府県は『市町村を包括する広域の地方公共団体』として広域事務・連絡調整・補完的事務を処理する(2条)。両者は事務処理に当たり相互に競合しないようにする。
補足特別地方公共団体(特別区・地方公共団体の組合・財産区)は別枠。
問12地方公共団体の法人格と処理する事務
地方自治法上の地方公共団体の法人格及び事務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.都道府県及び市町村は、それぞれ独立した法人であるため、その事務を処理するに当たって、相互の競合を避ける必要はない。
- イ.普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令により処理することとされる事務のみを処理し、地域における事務を処理することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 二層制でも事務の競合は避ける
地方自治法第2条「相互に競合しないようにしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 地域における事務も処理する
地方自治法第2条「地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する」e-Gov原文
ひっかけ地方公共団体は『地域の事務』を広く処理。都道府県と市町村は競合回避。
解説地方公共団体は法人であり(2条1項)、普通地方公共団体は地域における事務(自治事務等)及び法令により処理することとされる事務を処理する(2条2項)。二層制をとるため、都道府県と市町村は事務処理に当たり相互に競合しないようにしなければならない(2条6項)。
補足事務には、自治事務と法定受託事務の区分がある(2条)。
問13住民の意義と長の規則制定権
地方自治法上の住民及び規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。
- イ.普通地方公共団体の長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 住民の基本的な権利義務
地方自治法第10条「その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 長は規則制定権を有する
地方自治法第15条「普通地方公共団体の長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができる」e-Gov原文
ひっかけ住民は『役務を受ける権利・負担分任の義務』、長は『規則制定権』。
解説市町村の区域内に住所を有する者は、その市町村及びこれを包括する都道府県の住民となり、役務の提供をひとしく受ける権利と負担を分任する義務を負う(10条)。普通地方公共団体の長は、法令に違反しない限り、その権限に属する事務に関し規則を制定できる(15条1項)。条例は議会、規則は長が制定する点を区別する。
補足条例は議会が制定し、長の規則とは制定主体が異なる(条例違反には2年以下の拘禁刑等、規則違反には5万円以下の過料を定めうる)。
問14長の統轄代表権と担任事務(議案の提出)
地方自治法上の普通地方公共団体の長の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する。
- イ.普通地方公共団体の議会の議決を経るべき事件につきその議案を提出することは、議会の議長の担任事務である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 長は団体の統轄代表機関
地方自治法第147条「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 議案提出権は長にある
地方自治法第149条「普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること」e-Gov原文
ひっかけ長は『統轄・代表』、議案の提出は『長の担任事務』。
解説普通地方公共団体の長は、団体を統轄し代表する(147条)。長が担任する事務には、議案の提出、予算の調製・執行、地方税の賦課徴収、決算を議会の認定に付すること、会計の監督、財産の取得管理処分、公の施設の設置管理廃止等がある(149条)。議案提出権は原則として長にあり、議会も一定の議案を提出できる。
補足予算の提出権は長に専属するが、条例案は議会(議員)も提出できる。
問15副知事・副市町村長の設置と議会の検査権
地方自治法上の補助機関及び議会の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.都道府県に副知事を、市町村に副市町村長を置かなければならず、条例でこれを置かないこととすることはできない。
- イ.普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する書類及び計算書を検閲し、長その他の執行機関の報告を請求して、当該事務の管理、議決の執行及び出納を検査することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 条例で不設置とすることが可能
地方自治法第161条「都道府県に副知事を、市町村に副市町村長を置く。ただし、条例で置かないことができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 議会は執行機関を監視する検査権を持つ
地方自治法第98条「当該事務の管理、議決の執行及び出納を検査することができる」e-Gov原文
ひっかけ副知事等は『条例で不設置可』、議会は『検査権』を持つ。
解説都道府県に副知事、市町村に副市町村長を置くのが原則だが、条例で置かないことができ、定数も条例で定める(161条)。議会は、執行機関に対する監視権限として、事務に関する書類等を検閲し報告を請求して事務の管理・議決の執行・出納を検査でき(98条1項)、監査委員に監査を求めることもできる(同2項)。
補足議会は、当該団体の事務に関する調査を行うため、関係人の出頭・証言・記録の提出を請求できる(100条、百条調査権)。
問16議会の委任に基づく専決処分
地方自治法上の専決処分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体の議会の権限に属する重要な事項で、その議決により特に指定したものは、長において、これを専決処分にすることができる。
- イ.長は、議会の委任に基づく専決処分をしたときは、これを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 委任専決の対象は軽易な事項に限る
地方自治法第180条「普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは」e-Gov原文
- イ.誤り
- 委任専決は報告のみで承認は不要
地方自治法第180条「普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ委任専決(180条)は『軽易な事項・報告のみ』、法定専決(179条)は『承認が必要』。
解説専決処分には、議会が成立しないとき等に長が議会に代わって処分する法定の専決処分(179条。次の会議で議会に報告し承認を求める)と、議会の権限に属する軽易な事項を議会の議決で長に委任する専決処分(180条。報告で足り承認は不要)の2種類がある。対象と事後手続が異なる点が頻出。
補足179条の専決処分について議会の承認が得られなくても、処分の効力には影響しない(事後の措置を要する)。
問17規則違反に対する過料と長の担任事務(公の施設)
地方自治法上の規則及び長の担任事務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体の長は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、規則中に、規則に違反した者に対し5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
- イ.公の施設を設置し、管理し、及び廃止することは、議会の権限に属する事務であり、長の担任事務ではない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 規則の実効性確保のための過料
地方自治法第15条「規則に違反した者に対し、五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 公の施設の管理は長が担う
地方自治法第149条「公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること」e-Gov原文
ひっかけ規則違反は『5万円以下の過料』、公の施設の設置管理は『長の担任事務』。
解説普通地方公共団体の長は、規則中に、規則違反者に対し5万円以下の過料を科する規定を設けることができる(15条2項。条例の罰則は2年以下の拘禁刑等とは別)。公の施設の設置・管理・廃止は長の担任事務だが(149条7号)、公の施設の設置・管理・廃止に関する事項のうち条例で定めるべきものは議会の議決による(244条の2)。
補足公の施設の設置・管理に関する事項は、原則として条例で定めなければならない(244条の2第1項)。
問18副知事・副市町村長の定数と長の担任事務(地方税の賦課徴収)
地方自治法上の副知事等及び長の担任事務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.副知事及び副市町村長の定数は、法律で定める。
- イ.地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科することは、普通地方公共団体の長の担任事務である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 定数は条例で定める
地方自治法第161条「副知事及び副市町村長の定数は、条例で定める」e-Gov原文
- イ.正しい
- 歳入の賦課徴収は長が担う
地方自治法第149条「地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること」e-Gov原文
ひっかけ副知事等の定数は『条例』、地方税等の賦課徴収は『長の担任事務』。
解説副知事・副市町村長は条例で置かないことができ、その定数も条例で定める(161条)。長の担任事務には、地方税の賦課徴収、分担金・使用料・加入金・手数料の徴収、過料を科すること等の歳入確保に関する事務が含まれる(149条3号)。地方自治法では『条例で定める』事項が多く、何を条例で定めるかが問われやすい。
補足分担金・使用料・加入金・手数料に関する事項は、条例で定めなければならない(228条)。
問19議会の定例会・臨時会と会議の公開
地方自治法上の普通地方公共団体の議会に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.普通地方公共団体の議会の定例会は、毎年、条例で定める回数これを招集しなければならない。
- イ.普通地方公共団体の議会の会議は、常に公開しなければならず、秘密会を開くことは一切認められない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 102条が定例会の招集回数を条例に委ねる
地方自治法第102条「定例会は、毎年、条例で定める回数これを招集しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 115条ただし書が秘密会を認める
地方自治法第115条「議長又は議員三人以上の発議により、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる」e-Gov原文
ひっかけ会議公開が原則。ただし2/3以上の議決で秘密会も可能。
解説普通地方公共団体の議会は定例会及び臨時会とし、定例会は毎年条例で定める回数招集する(102条。平成24年改正で通年の会期を選択する制度も導入)。会議は公開が原則だが、議長又は議員3人以上の発議により出席議員の3分の2以上の多数で議決すれば秘密会を開ける(115条)。会議を開くには議員定数の半数以上の出席(定足数)を要する(113条)。
補足会議の定足数は議員定数の半数以上で、除斥等の例外がある(113条)。
問20住民訴訟の請求類型と監査請求前置
地方自治法上の住民訴訟に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.住民訴訟においては、執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求をすることができる。
- イ.住民訴訟は、住民監査請求を経ることなく、直接裁判所に提起することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 242条の2第1項1号が差止請求を認める
地方自治法第242条の2「当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求」e-Gov原文
- イ.誤り
- 242条の2第1項が住民監査請求の前置を求める
地方自治法第242条の2「前条第一項の規定による請求をした場合において」e-Gov原文
ひっかけ住民訴訟は『住民監査請求が前置』。請求は4類型。
解説住民訴訟は、住民監査請求をした住民が、監査結果・勧告・措置への不服等を理由に提起する客観訴訟(242条の2)。請求類型は、1号=差止め、2号=行政処分の取消し・無効確認、3号=怠る事実の違法確認、4号=当該職員等への損害賠償・不当利得返還請求を執行機関等に求める請求の4類型。住民監査請求を経ることが要件(監査請求前置主義)である。
補足4号請求は、地方公共団体に代わって違法行為をした職員等への賠償等を求める仕組みで、地方公共団体の財産を守る趣旨である。
問21国の関与の基本原則
地方自治法上の国又は都道府県の関与の基本原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国は、普通地方公共団体に対する関与を要することとする場合には、その関与は目的を達成するために十分な程度のものとすればよく、必要最小限度のものとする必要はない。
- イ.国は、普通地方公共団体に対する関与を要することとする場合には、普通地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 245条の3第1項が関与の必要最小限度を求める
地方自治法第245条の3「必要な最小限度のものとするとともに」e-Gov原文
- イ.正しい
- 245条の3第1項が自主性・自立性への配慮を求める
地方自治法第245条の3「普通地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ国の関与は『必要最小限度』・地方の『自主性自立性に配慮』。
解説地方分権改革により、国の関与には基本原則が定められた。①関与の法定主義(法律又はこれに基づく政令によらなければ関与を受けない。245条の2)、②関与の必要最小限度の原則と自主性・自立性への配慮(245条の3第1項)。さらに、自治事務については是正の指示・代執行等の強い関与を、法定受託事務については代執行等を、できる限り設けないようにすべきとされる(同条2項以下)。
補足関与の基本類型(助言・勧告、資料提出要求、是正の要求、同意、許可・認可・承認、指示、代執行等)は245条に列挙されている。
問22住民訴訟の提起期間
地方自治法上の住民訴訟の提起期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合の住民訴訟は、当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があった日から30日以内に提起しなければならない。
- イ.住民訴訟の提起期間は、不変期間である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 242条の2第2項1号が出訴期間を30日とする
地方自治法第242条の2「当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があつた日から三十日以内」e-Gov原文
- イ.正しい
- 242条の2第3項が出訴期間を不変期間とする
地方自治法第242条の2「前項の期間は、不変期間とする」e-Gov原文
ひっかけ住民訴訟の出訴期間は『30日以内』・『不変期間』。
解説住民訴訟の提起期間は、①監査結果・勧告に不服=通知から30日以内、②措置に不服=通知から30日以内、③監査委員が60日以内に監査等をしない=60日経過の日から30日以内、④措置が講じられない=勧告期間経過の日から30日以内、と区分される(242条の2第2項)。この期間は不変期間である(同条3項)。
補足住民訴訟が係属しているときは、当該地方公共団体の他の住民は別訴で同一の請求をすることができない(242条の2第4項)。
問23監査委員の定数
地方自治法上の監査委員の定数に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.監査委員の定数は、都道府県及び政令で定める市にあっては2人とし、その他の市及び町村にあっては4人とする。
- イ.監査委員の定数は法定されており、条例によってこれを増加することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 195条が監査委員の定数を定める
地方自治法第195条「都道府県及び政令で定める市にあつては四人とし、その他の市及び町村にあつては二人とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 195条ただし書が条例による増員を認める
地方自治法第195条「条例でその定数を増加することができる」e-Gov原文
ひっかけ監査委員は『都道府県・政令市4人/その他2人』。条例で増員可。
解説普通地方公共団体には監査委員を置く(195条1項)。定数は、都道府県及び政令で定める市は4人、その他の市及び町村は2人で、条例で増加することができる(同条2項)。監査委員は、識見を有する者及び議員のうちから、長が議会の同意を得て選任する(196条)。
補足監査委員は独任制の機関で、原則として各委員が独立して職権を行使する(ただし監査結果の報告等の決定は合議による)。
問24監査委員の職務権限
地方自治法上の監査委員の職務権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.監査委員は、普通地方公共団体の財務に関する事務の執行及び普通地方公共団体の経営に係る事業の管理を監査する。
- イ.監査委員は、財務に関する事務の監査を行うが、必要があると認めるときであっても、その他の事務の執行について監査をすることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 199条1項が監査委員の財務監査を定める
地方自治法第199条「普通地方公共団体の財務に関する事務の執行及び普通地方公共団体の経営に係る事業の管理を監査する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 199条2項が行政監査を認める
地方自治法第199条「の執行について監査をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ監査委員は財務監査だけでなく『行政監査』もできる。
解説監査委員の監査には、①財務監査(財務に関する事務の執行・経営に係る事業の管理。199条1項。毎会計年度1回以上の定期監査が必要)と、②行政監査(必要があると認めるときの、その他の事務の執行の監査。同条2項)がある。ほかに、長の要求による監査、住民監査請求に基づく監査、財政的援助団体等への監査(同条7項)などがある。
補足財務監査は毎会計年度少なくとも1回以上、期日を定めて行わなければならない(199条4項、定期監査)。
問25住民訴訟の専属管轄と仮処分の禁止
地方自治法上の住民訴訟に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.住民訴訟は、被告となる職員の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
- イ.住民訴訟の対象となる違法な行為又は怠る事実については、民事保全法に規定する仮処分をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 242条の2第5項が専属管轄を定める
地方自治法第242条の2「当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 242条の2第10項が仮処分を禁止する
地方自治法第242条の2「に規定する仮処分をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ住民訴訟は『地方公共団体の事務所所在地の地裁』に専属・『仮処分不可』。
解説住民訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄に属する(242条の2第5項)。その対象となる違法行為・怠る事実については民事保全法上の仮処分ができない(同条10項)。1号請求の差止めは、行為の差止めにより人の生命・身体への重大な危害の発生防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときはできない(同条6項)。
補足原告(住民)が勝訴したときは、弁護士報酬の相当額を当該普通地方公共団体に請求できる(242条の2第12項)。