問1法の下の平等
日本国憲法が定める法の下の平等について、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
- イ.栄典の授与は、それを受けた者及びその子孫に対して、特権を伴うものとされている。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 14条1項の平等原則
日本国憲法第14条「法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により」e-Gov原文
ひっかけ栄典に特権は伴わない。世襲的特権は憲法上認められない。
解説14条1項は法の下の平等を定め、人種・信条・性別・社会的身分・門地による差別を禁止する(判例上この列挙は例示)。貴族制度は認められず(同2項)、栄典の授与はいかなる特権も伴わず一代限り(同3項)。平等は『合理的区別』を許す相対的平等と解されている。
補足14条1項後段の列挙事由は限定列挙ではなく例示と解されている。
問2表現の自由
表現の自由に関する日本国憲法の定めについて、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
- イ.検閲は、これをしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 21条1項
日本国憲法第21条「一切の表現の自由は、これを保障する」e-Gov原文
ひっかけ検閲の禁止は『絶対的』。公共の福祉による例外も認められない。
解説21条は、集会・結社・言論・出版その他一切の表現の自由を保障し(1項)、検閲の禁止・通信の秘密の保護を定める(2項)。判例上、検閲は行政権が主体となって表現物を網羅的・一般的に発表前に審査し不適当なものの発表を禁止することをいい、絶対的に禁止される。
補足表現の自由の制約には、より厳格な審査基準が用いられると解されている。
問3財産権
財産権に関する日本国憲法の定めについて、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、政令でこれを定める。
- イ.私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 「政令」とするのは誤り(法律)
日本国憲法第29条「公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める」e-Gov原文
- イ.正しい
- 正当補償の下の公用収用
日本国憲法第29条「正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」e-Gov原文
ひっかけ財産権の内容は『法律』で定める。政令への全面委任はできない。
解説29条は、財産権の不可侵(1項)、財産権の内容は公共の福祉に適合するよう『法律』で定めること(2項)、私有財産の正当な補償の下での公共のための使用(3項、損失補償)を定める。法律事項である点と、補償の要否・程度(完全補償か相当補償か)が論点。
補足損失補償の規定を欠く法律でも、29条3項を直接根拠に補償を請求しうると解されている。
問4生存権と法定手続の保障
日本国憲法が保障する権利について、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.憲法25条が保障する生存権とは、すべて国民が健康で快適な最高水準の生活を営む権利である。
- イ.何人も、法律の定める手続によらなくても、その生命若しくは自由を奪われることがある。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 「最高水準」は誤り(最低限度)
日本国憲法第25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」e-Gov原文
ひっかけ生存権は『最低限度』の生活。31条は手続の法定+適正を要求。
解説25条1項は『健康で文化的な最低限度の生活』を営む権利(生存権)を保障し、その具体化は立法裁量に委ねられる(プログラム規定説・抽象的権利説等の対立)。31条は法定手続の保障を定め、手続の法定だけでなく手続・実体の適正まで要求すると解されている(適正手続)。
補足31条は刑事手続の規定だが、行政手続にも一定の保障が及ぶと解されている。
問5国会と行政権
国会及び内閣に関する日本国憲法の定めについて、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。
- イ.行政権は、内閣総理大臣に属する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 41条
日本国憲法第41条「国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」e-Gov原文
ひっかけ行政権の主体は『内閣』(合議体)。総理大臣個人ではない。
解説41条は国会を『国権の最高機関』かつ『唯一の立法機関』とする(最高機関は政治的美称と解する説が有力)。65条は行政権を合議体である『内閣』に帰属させる。内閣総理大臣は内閣の首長として国務大臣を任免するが、行政権そのものは内閣に属する。
補足唯一の立法機関=国会中心立法の原則・国会単独立法の原則を含む。
問6司法権と裁判官の独立
司法権に関する日本国憲法の定めについて、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特別裁判所は、法律で定めれば、これを設置することができる。
- イ.すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 法律で設置可とするのは誤り
日本国憲法第76条「特別裁判所は、これを設置することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 裁判官の独立
日本国憲法第76条「その良心に従ひ独立してその職権を行ひ」e-Gov原文
ひっかけ特別裁判所は『設置できない』。家庭裁判所は特別裁判所ではない。
解説76条は、司法権を最高裁判所と下級裁判所に帰属させ(1項)、特別裁判所の設置禁止・行政機関の終審裁判の禁止(2項)、裁判官の職権の独立(3項)を定める。家庭裁判所は特別裁判所ではない(通常裁判所の系列)。裁判官は身分保障により独立を支えられる。
補足行政機関は前審としてなら裁判(審判)を行えるが、終審としては行えない。
問7憲法改正の手続
憲法改正の手続に関する日本国憲法の定めについて、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.憲法の改正は、各議院の出席議員の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議する。
- イ.憲法改正について国民に提案してその承認を経るには、国民投票において有権者の3分の2以上の賛成を必要とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 「出席議員」は誤り(総議員)
日本国憲法第96条「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で」e-Gov原文
ひっかけ発議は『総議員の3分の2』、国民の承認は『過半数』。数字を取り違えない。
解説憲法改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を得て承認される(96条1項)。承認を経れば天皇が国民の名で公布する(同2項)。発議は『総議員の3分の2』、承認は『過半数』という数字の区別が頻出。
補足通常の法律議決の定足数・表決数(出席議員の過半数)とも対比して覚える。
問8個人の尊重と幸福追求権
個人の尊重に関する日本国憲法の定めについて、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.すべて国民は、個人として尊重される。
- イ.生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、国政の上で最大の尊重を必要とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 13条前段
日本国憲法第13条「すべて国民は、個人として尊重される」e-Gov原文
ひっかけ13条後段の幸福追求権は『新しい人権』の根拠規定。
解説13条は、個人の尊重(前段)と幸福追求権(後段)を定める。幸福追求権は、14条以下の個別人権を包括する一般的・補充的な権利と解され、プライバシー権・自己決定権など『新しい人権』の根拠とされる。公共の福祉による制約に服する。
補足判例はプライバシー権(肖像権を含む)を13条を根拠に認めている。
問9信教の自由と国の宗教的活動の禁止
日本国憲法上の信教の自由及び政教分離に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
- イ.国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 信教の自由は広く保障される
日本国憲法第20条「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 政教分離により国は宗教的活動をしてはならない
日本国憲法第20条「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」e-Gov原文
ひっかけ信教の自由+政教分離。国は宗教教育その他の宗教的活動が禁止。
解説信教の自由(20条)は、信仰の自由・宗教的行為の自由・宗教的結社の自由を保障する。あわせて政教分離原則を定め、宗教団体の特権付与の禁止(20条1項後段)、宗教的活動の強制の禁止(同2項)、国及びその機関の宗教的活動の禁止(同3項)を規定する。
補足政教分離の判断には、目的・効果基準等が判例上用いられる。
問10居住移転・職業選択の自由と国籍離脱の自由
日本国憲法上の居住移転・職業選択の自由等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
- イ.何人も、外国に移住する自由を有するが、日本の国籍を離脱する自由については、憲法上保障されていない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 経済的自由は公共の福祉による制約に服する
日本国憲法第22条「公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 国籍離脱の自由も22条2項で保障
日本国憲法第22条「外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」e-Gov原文
ひっかけ22条は『居住移転職業選択』+『外国移住・国籍離脱』。国籍離脱も保障。
解説22条は経済的自由を定める。1項は居住・移転・職業選択の自由を『公共の福祉に反しない限り』保障し(精神的自由より広い規制が許容される)、2項は外国移住の自由と国籍離脱の自由を保障する。なお国籍離脱の自由は無国籍になる自由までは含まない。
補足職業選択の自由には、選択した職業を遂行する営業の自由も含まれる。
問11学問の自由と違憲審査権の終審性
日本国憲法上の学問の自由及び違憲審査権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所は、最高裁判所及び高等裁判所である。
- イ.学問の自由は、これを保障する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 終審は最高裁のみ(高裁ではない)
日本国憲法第81条「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」e-Gov原文
ひっかけ違憲審査の終審は『最高裁』のみ。学問の自由は大学の自治も含む。
解説違憲審査権(81条)は、最高裁判所を『終審』裁判所とする。下級裁判所も具体的事件で違憲審査をなしうるが(判例)、最終的な判断権は最高裁にある。学問の自由(23条)は、研究・発表・教授の自由と大学の自治を含む精神的自由。
補足違憲審査は具体的事件の解決に必要な限度で行う(付随的違憲審査制)。
問12内閣総理大臣の国務大臣任免権
日本国憲法上の内閣総理大臣の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内閣総理大臣は国務大臣を任命するが、国務大臣は、すべて国会議員の中から選ばれなければならない。
- イ.内閣総理大臣が国務大臣を罷免するには、閣議の決定を経なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 過半数が国会議員であればよい
日本国憲法第68条「その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 罷免に閣議決定は不要
日本国憲法第68条「内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる」e-Gov原文
ひっかけ国務大臣は『過半数が国会議員』。罷免は総理が『任意に』できる。
解説内閣総理大臣は国務大臣を任命するが、その過半数が国会議員であればよい(68条1項。民間人も任命可)。また、内閣総理大臣は任意に(自由に)国務大臣を罷免できる(同2項。閣議決定は不要)。これにより総理大臣の首長としての地位が強化されている。
補足国務大臣の任免は天皇が認証する(7条5号)。
問13内閣の総辞職
日本国憲法上の内閣の総辞職に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
- イ.内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 解散か総辞職かを選ぶ
日本国憲法第69条「十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 総理の不在等で内閣は総辞職する
日本国憲法第70条「内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ総辞職は『不信任で解散せず』『総理が欠ける』『総選挙後の初国会』。
解説内閣が総辞職をしなければならない場合は、①衆議院の不信任決議(信任決議の否決)後10日以内に解散しないとき(69条)、②内閣総理大臣が欠けたとき、③衆議院議員総選挙後に初めて国会の召集があったとき(70条)。総辞職後も新内閣総理大臣が任命されるまで職務を行う(71条)。
補足内閣不信任決議権は衆議院のみが有する(参議院の問責決議に法的拘束力はない)。
問14租税法律主義と地方自治の本旨
日本国憲法上の租税法律主義及び地方自治に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
- イ.地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、各地方公共団体の条例でこれを定める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 課税には法律の根拠が必要(租税法律主義)
日本国憲法第84条「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 組織運営は法律事項(条例ではない)
日本国憲法第92条「地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」e-Gov原文
ひっかけ課税は『法律』。地方公共団体の組織運営も『法律(地方自治法)』で定める。
解説租税法律主義(84条)は、課税には国民の代表である国会の定める法律の根拠が必要とする原則。地方自治の本旨(92条)は、地方公共団体の組織・運営を法律(地方自治法)で定めるとし、住民自治・団体自治の保障を要請する。地方自治法はこの92条を受けた法律。
補足地方税は、地方税法という法律の枠内で、各地方公共団体が条例で定める。
問15条例制定権と違憲審査の終審性
日本国憲法上の条例制定権及び違憲審査権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲を超えても、独自に条例を制定することができる。
- イ.最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 条例は法律の範囲内でのみ制定できる
日本国憲法第94条「法律の範囲内で条例を制定することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 最高裁は憲法の番人(終審)
日本国憲法第81条「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」e-Gov原文
ひっかけ条例は『法律の範囲内』。違憲審査の終審は『最高裁』。
解説条例制定権(94条)は、地方公共団体が『法律の範囲内で』条例を制定できるとする。法律と条例が矛盾抵触する場合の判断は、両者の趣旨・目的・内容・効果を比較して決する(判例)。違憲審査権(81条)の終審は最高裁判所。
補足法律より厳しい上乗せ条例・対象を広げる横出し条例も、一定の要件で適法とされうる。
問16宗教団体の特権と宗教的行為への参加の強制
日本国憲法上の政教分離及び信教の自由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.いかなる宗教団体も、国から特権を受けてはならないが、政治上の権力を行使することは禁止されていない。
- イ.何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されることがある。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 特権付与だけでなく政治権力の行使も禁止
日本国憲法第20条「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 宗教的行為への参加は強制できない
日本国憲法第20条「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない」e-Gov原文
ひっかけ宗教団体は『特権も政治権力の行使も』禁止。宗教的行為への参加は強制不可。
解説政教分離原則(20条)の具体的内容として、①宗教団体への特権付与の禁止・宗教団体による政治上の権力の行使の禁止(1項後段)、②宗教的行為への参加強制の禁止(2項)、③国及びその機関の宗教的活動の禁止(3項)がある。信教の自由を制度的に支える。
補足ここでいう『政治上の権力』とは、課税権・立法権等の統治的権力をいう。
問17国会議員の不逮捕特権と免責特権
日本国憲法上の国会議員の特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されない。
- イ.両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 会期中の逮捕には例外要件がある
日本国憲法第50条「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず」e-Gov原文
- イ.正しい
- 議員の自由な活動を保障する
日本国憲法第51条「両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」e-Gov原文
ひっかけ国会議員は『会期中の不逮捕特権』と『院内発言の免責特権』を持つ。
解説国会議員には、国会の会期中は法律の定める場合を除き逮捕されない不逮捕特権(50条。現行犯や議院の許諾がある場合は逮捕可)と、議院で行った演説・討論・表決につき院外で民事・刑事の責任を問われない免責特権(51条)がある。いずれも議員の自由な活動を保障し、国会の機能を確保するための制度である。
補足免責特権は国会議員のみに認められ、地方議会の議員には及ばない(判例)。
問18裁判官の身分保障と裁判の公開
日本国憲法上の司法権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。
- イ.裁判所が裁判官の全員一致で公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、いかなる事件であっても、対審を公開しないで行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 司法権の独立のため身分が保障される
日本国憲法第78条「公の弾劾によらなければ罷免されない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 一定の事件は常に公開が必要
日本国憲法第82条「政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ裁判官は『弾劾等でなければ罷免されない』、政治犯罪等の対審は『常に公開』。
解説裁判官の身分は、心身の故障による職務不能の決定がある場合と公の弾劾による場合を除き罷免されないことで保障される(78条。懲戒も行政機関は行えない)。裁判の対審・判決は公開法廷で行うのが原則で、全員一致で公序良俗を害するおそれありと決すれば対審を非公開にできるが、政治犯罪・出版犯罪・憲法第3章の権利が問題となる事件の対審は常に公開しなければならない(82条)。
補足判決は、いかなる場合でも常に公開しなければならない。
問19内閣の組織と国会に対する連帯責任
日本国憲法上の内閣に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内閣は、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織するが、内閣総理大臣は文民でなくてもよい。
- イ.内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 文民統制のため文民であることが必要
日本国憲法第66条「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 議院内閣制の中核となる規定
日本国憲法第66条「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ」e-Gov原文
ひっかけ内閣総理大臣も『文民』が必要、内閣は国会に『連帯して責任』を負う。
解説内閣は、首長たる内閣総理大臣とその他の国務大臣で組織され、内閣総理大臣を含め全員が文民でなければならない(66条1項2項、文民統制)。内閣は行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負い(同3項)、衆議院で不信任決議がされると総辞職か衆議院の解散をする(議院内閣制)。
補足内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名される(67条)。
問20逮捕の令状主義と自白の証拠能力
日本国憲法上の人身の自由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.何人も、現行犯として逮捕される場合であっても、権限を有する司法官憲が発する令状によらなければ、逮捕されない。
- イ.強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白であっても、これを証拠とすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 現行犯は令状なしに逮捕できる
日本国憲法第33条「現行犯として逮捕される場合を除いては」e-Gov原文
- イ.誤り
- 任意性のない自白に証拠能力はない
日本国憲法第38条「強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない」e-Gov原文
ひっかけ現行犯逮捕は『令状不要』、強制等による自白は『証拠とできない』。
解説逮捕には、権限を有する司法官憲(裁判官)が発する令状が必要だが、現行犯逮捕は例外として令状を要しない(33条、令状主義)。また、強制・拷問・脅迫による自白や不当に長い抑留・拘禁後の自白は証拠とできず、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には有罪とされない(38条、自白法則・補強法則)。
補足何人も、自己に不利益な供述を強要されない(38条1項、自己負罪拒否特権)。
問21財政民主主義と公金支出の制限
日本国憲法上の財政に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない。
- イ.公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のためであれば、これを支出することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 財政は国会の統制に服する
日本国憲法第83条「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 政教分離等のため公金支出が制限される
日本国憲法第89条「宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない」e-Gov原文
ひっかけ国の財政は『国会の議決に基づく』、宗教団体への公金支出は『禁止』。
解説国の財政を処理する権限は国会の議決に基づいて行使され、財政は国会の統制に服する(83条、財政民主主義)。公金その他の公の財産は、宗教上の組織・団体のため(政教分離)、又は公の支配に属しない慈善・教育・博愛の事業に対しては支出できない(89条)。租税の賦課には法律の根拠を要する(84条、租税法律主義)。
補足新たに租税を課し又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを要する(84条)。
問22法律案の議決と衆議院の優越
日本国憲法上の法律案の議決に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
- イ.衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- みなし否決の期間は60日
日本国憲法第59条「国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 法律案について衆議院に優越が認められる
日本国憲法第59条「衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる」e-Gov原文
ひっかけ再可決は『出席議員の3分の2』、みなし否決は『60日』。
解説法律案は両議院で可決したとき法律となるのが原則(59条1項)。衆議院で可決し参議院で異なる議決をした法律案は、衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば法律となる(同2項、衆議院の優越)。参議院が受領後60日以内(休会中を除く)に議決しないときは、衆議院は否決とみなすことができる(同4項)。
補足予算・条約・内閣総理大臣の指名における衆議院の優越は、法律案の場合より強い(両院協議会・自然成立)。
問23衆議院の解散と参議院の緊急集会
日本国憲法上の衆議院の解散と参議院の緊急集会に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない。
- イ.衆議院が解散されたときは参議院は同時に閉会となるが、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 54条1項が解散後の手続を定める
日本国憲法第54条「解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 54条2項が緊急集会を定める
日本国憲法第54条「内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる」e-Gov原文
ひっかけ解散後は『40日以内総選挙・30日以内召集』。緊急集会を求めるのは『内閣』。
解説衆議院の解散後は、40日以内に総選挙、その選挙の日から30日以内に国会(特別会)を召集しなければならない(54条1項)。衆議院の解散中は参議院も同時に閉会となるが、国に緊急の必要があるときは内閣が参議院の緊急集会を求めることができる(同条2項)。緊急集会で採られた措置は臨時のもので、次の国会開会後10日以内に衆議院の同意がないと効力を失う(同条3項)。
補足緊急集会の措置は、次の国会開会後10日以内に衆議院の同意がなければ効力を失う(54条3項)。
問24予算の衆議院先議と衆議院の優越
日本国憲法上の予算の議決に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
- イ.予算について参議院が衆議院と異なった議決をした場合、両院協議会を開いても意見が一致しないときは、参議院の議決が国会の議決となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 60条1項が予算の衆議院先議を定める
日本国憲法第60条「予算は、さきに衆議院に提出しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 60条2項が予算における衆議院の優越を定める
ひっかけ予算は『衆議院先議』、議決でも『衆議院の優越』(参議院30日で自然成立)。
解説予算については、衆議院に先議権があり(60条1項)、参議院が衆議院と異なる議決をして両院協議会でも一致しないとき、又は参議院が衆議院の可決した予算を受け取った後30日以内に議決しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる(同条2項=衆議院の優越)。法律案の場合の3分の2再可決(59条)よりも衆議院の優越が強い。
補足条約の承認(61条)・内閣総理大臣の指名(67条)にも、予算と同様の衆議院の優越がある。
問25条約の承認と内閣の条約締結
日本国憲法上の条約の承認及び締結に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.条約の締結に必要な国会の承認については、参議院の議決が優先される。
- イ.内閣は、条約を締結する事務を行うが、条約の締結には、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 61条が60条2項(衆議院の優越)を準用する
日本国憲法第61条「条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 73条3号が条約締結と国会の承認を定める
日本国憲法第73条「事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする」e-Gov原文
ひっかけ条約は『内閣が締結』『国会が承認』。承認には衆議院の優越。
解説条約を締結する事務は内閣が行うが、その締結には、事前(やむを得ない場合は事後)に国会の承認を経ることが必要である(73条3号)。条約の承認における議決の優越は、予算の場合(60条2項)が準用され、衆議院の議決が優先する(61条)。条約の締結(内閣)と承認(国会)の役割分担を押さえる。
補足条約の国会承認は、事前承認が原則だが、時宜によっては事後承認も認められる(73条3号但書)。
問26議院の国政調査権
日本国憲法上の議院の国政調査権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国政に関する調査を行い、証人の出頭を要求することができるのは、衆議院のみである。
- イ.議院の国政調査権に基づいて、証人の出頭及び証言を要求することはできるが、記録の提出を要求することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 62条が両議院の国政調査権を定める
日本国憲法第62条「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ」e-Gov原文
- イ.誤り
- 62条が記録の提出要求も認める
日本国憲法第62条「証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」e-Gov原文
ひっかけ国政調査権は『両議院』。証人の出頭・証言・記録の提出を要求できる。
解説国政調査権は、衆議院・参議院の各議院に認められる(62条)。各議院は、国政に関する調査を行い、これに関して証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。国政調査権は、立法・予算審議・行政監督等の議院の権能を実効的に行使するための補助的権能と解されている。
補足国政調査権は議院の権能を行使するための補助的権能であり、司法権の独立を侵す調査などは許されないと解されている。
問27内閣総理大臣の指名と衆議院の優越
日本国憲法上の内閣総理大臣の指名に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。
- イ.内閣総理大臣の指名について、衆議院と参議院とが異なった議決をした場合、両院協議会を開いても意見が一致しないときは、参議院の議決が国会の議決となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 67条1項が内閣総理大臣の指名を定める
日本国憲法第67条「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 67条2項が指名における衆議院の優越を定める
ひっかけ総理は『国会議員の中から』指名。衆参不一致なら衆議院の優越(10日)。
解説内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名され、この指名は他のすべての案件に先立って行われる(67条1項)。衆参が異なる指名の議決をして両院協議会でも一致しないとき、又は衆議院の議決後10日以内に参議院が指名の議決をしないときは、衆議院の議決が国会の議決となる(同条2項=衆議院の優越)。
補足予算(60条)・条約承認(61条)・総理指名(67条)には衆議院の優越があるが、参議院が議決しない場合の期間(30日・10日)は異なる。
問28予算の作成と決算の検査
日本国憲法上の予算及び決算に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.毎会計年度の予算を作成して国会に提出するのは、各議院の役割である。
- イ.国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 86条が予算の作成提出を内閣の権能とする
日本国憲法第86条「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して」e-Gov原文
- イ.正しい
- 90条1項が決算の検査と提出を定める
日本国憲法第90条「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し」e-Gov原文
ひっかけ予算は『内閣が作成』。決算は『会計検査院が検査』して内閣が国会へ。
解説予算は内閣が作成して国会に提出し、その審議・議決を経る(86条)。国の収入支出の決算は、毎年会計検査院が検査し、内閣が次の年度に検査報告とともに国会に提出する(90条1項)。予算(事前)は内閣作成・国会議決、決算(事後)は会計検査院検査・国会提出という財政の流れを押さえる。
補足予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づき予備費を設けることができる(87条)。