問1保有個人データに関する公表等・利用目的の通知
保有個人データに関する事業者の義務についての次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人情報取扱事業者は、保有個人データに関し、事業者の氏名・名称・住所や全ての保有個人データの利用目的等の一定事項を、本人の知り得る状態に置かなければならない。
- イ.個人情報取扱事業者は、本人から保有個人データの利用目的の通知を求められたときは、原則として、本人に対し遅滞なくこれを通知しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
保有個人データは『置いておくだけ』では足りない場面があります。
本人が自分の情報の扱いを把握できるよう、個人情報取扱事業者は、保有個人データに関し、事業者の氏名・名称・住所、全ての保有個人データの利用目的、開示等の請求に応じる手続などを本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む)に置かなければならない(個人情報保護法32条1項)。さらに、本人から利用目的の通知を求められたときは、原則として本人に対し遅滞なくこれを通知しなければならない(同32条2項)。透明性の確保が本人の権利行使の前提になる。
問2保有個人データの開示請求
保有個人データの開示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データの開示を請求することができる。
- イ.開示請求があった場合、本人または第三者の生命・身体・財産その他の権利利益を害するおそれがある場合であっても、事業者は保有個人データの全部を必ず開示しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
「請求されたら全部開示が義務」と考えると、イで誤ります。
本人は、個人情報取扱事業者に対し、自己が識別される保有個人データの開示を請求することができる(個人情報保護法33条1項)。これは本人の重要な権利である。もっとも、開示が常に義務付けられるわけではなく、(1) 本人または第三者の生命・身体・財産その他の権利利益を害するおそれがある場合、(2) 事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、(3) 他の法令に違反することとなる場合には、全部または一部を開示しないことができる(同33条2項)。請求権と不開示事由をセットで押さえる。
問3保有個人データの訂正等
保有個人データの訂正等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.本人は、保有個人データの内容が事実かどうかにかかわらず、自己の希望する内容への訂正を当然に請求でき、事業者はこれに必ず応じなければならない。
- イ.事業者は、訂正等の請求を受けた場合、原則として、利用目的の達成に必要な範囲内において遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき訂正等を行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
「希望すれば何でも訂正してもらえる」と考えると、アで誤ります。
本人は、保有個人データの内容が事実でないときは、その内容の訂正・追加・削除(訂正等)を請求できる(個人情報保護法34条1項)。請求できるのは『事実でないとき』であって、評価や主観的な希望を反映させる制度ではない。請求を受けた事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき訂正等を行わなければならない(同34条2項)。つまり事実に基づく調査を経て対応する仕組みであり、本人の希望どおりに無条件で書き換えるものではない。
問4保有個人データの利用停止等
保有個人データの利用停止等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.本人は、保有個人データが利用目的による制限等に違反して取り扱われているとき、または不正の手段により取得されたものであるときは、当該保有個人データの利用の停止または消去を請求することができる。
- イ.利用停止等の請求に理由があると判明した場合、事業者は、本人の権利利益を保護するための代替措置をとるか否かにかかわらず、多額の費用を要することのみを理由に利用停止等を一切拒否できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
「費用がかかるから拒否できる」と単純に考えると、イで誤ります。
本人は、保有個人データが利用目的による制限(18条)や不適正利用の禁止(19条)に違反して取り扱われているとき、または適正取得(20条)に違反して取得されたものであるときは、利用の停止または消去(利用停止等)を請求できる(個人情報保護法35条1項)。請求に理由があると判明したときは、事業者は違反を是正するために必要な限度で遅滞なく利用停止等を行うのが原則である(同2項本文)。利用停止等に多額の費用を要するなどの場合に対応を緩められるのは、本人の権利利益を保護するための代替措置をとるときに限られ(同項ただし書)、費用がかかることだけを理由に拒否はできない。
問5本人の権利と公表義務(総合)
保有個人データに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保有個人データが第三者提供の制限に違反して提供されている場合でも、本人はその第三者への提供の停止を請求することはできない。
- イ.個人情報取扱事業者は、保有個人データの利用目的を本人の知り得る状態に置く必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
「本人は手出しできない」「利用目的は公表不要」とどちらも思い込むと、両方で誤ります。
本人保護の仕組みは、本人による請求と、事業者の透明性義務の両面で組み立てられている。保有個人データが第三者提供の制限(27条1項)や外国提供の制限(28条)に違反して提供されているときは、本人は第三者への提供の停止を請求できる(個人情報保護法35条3項)。また事業者は、全ての保有個人データの利用目的を含む一定事項を本人の知り得る状態に置かなければならない(同32条1項)。本人が状況を把握できる(透明性)からこそ、請求権が実効的に働く、という関係にある。
問6開示等の請求に関する手数料
開示等の請求に関する手数料についての次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人情報取扱事業者は、利用目的の通知を求められたとき又は開示の請求を受けたときは、その措置の実施に関し、手数料を徴収することができる。
- イ.手数料を徴収する場合は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、その額を定めなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
手数料は取れますが、高額にはできません。
個人情報取扱事業者は、本人から利用目的の通知を求められたとき、または保有個人データの開示の請求を受けたときは、その措置の実施に関し、手数料を徴収することができる(個人情報保護法38条1項)。ただし、手数料を徴収する場合は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内でその額を定めなければならない(同38条2項)。本人の権利行使を不当に妨げる高額な手数料は許されない。なお、訂正等や利用停止等の請求については手数料の規定はない。
問7開示等の請求等に応じる手続
開示等の請求等に応じる手続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人情報取扱事業者は、開示等の請求等に応じる手続を定めるに当たり、本人に過重な負担を課しても差し支えない。
- イ.個人情報取扱事業者は、開示等の請求等を受け付ける方法を定めることができ、本人はその方法に従って請求を行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
受付ルールは作れますが、本人を困らせてはいけません。
個人情報取扱事業者は、開示等の請求等を受け付ける方法(提出書類、本人確認の方法など)を定めることができ、本人はその方法に従って請求を行う(個人情報保護法37条1項)。もっとも、その手続を定めるに当たっては、本人に過重な負担を課するものとならないよう配慮しなければならない(同37条4項)。事業者の事務処理の便宜と、本人の権利行使のしやすさのバランスを図る規定である。
問8開示等の請求に係る訴えの事前請求
開示等の請求に係る訴えに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.本人は、開示等の請求に係る訴えを提起しようとするときは、原則として、あらかじめその請求を行い、その到達した日から2週間を経過した後でなければ、その訴えを提起することができない。
- イ.本人は、開示等の請求に係る訴えを、事前の請求などの前置きを要することなく、いつでも直ちに提起することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
いきなり裁判、はできません。
本人は、開示・訂正等・利用停止等の請求に係る訴えを提起しようとするときは、原則として、あらかじめその請求を行い、その請求が到達した日から2週間を経過した後でなければ、その訴えを提起することができない(個人情報保護法39条1項)。まず事業者に任意の対応の機会を与える趣旨である。ただし、被告となるべき者がその請求を拒んだときは、この前置を経ずに提訴できる。裁判の前に事業者への請求を前置する点を押さえる。
問9理由の説明
本人の請求への対応に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.開示等の請求に対し、その措置をとらない旨を本人に通知する場合であっても、本人にその理由を説明する必要はない。
- イ.求められた措置の全部又は一部をとらない旨等を通知する場合には、本人に対し、その理由を説明するよう努めなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
断るときも、理由を説明する努力が求められます。
個人情報取扱事業者は、本人から求められ又は請求された措置(利用目的の通知、開示、訂正等、利用停止等)の全部又は一部について、その措置をとらない旨を通知する場合、又はその措置と異なる措置をとる旨を通知する場合には、本人に対し、その理由を説明するよう努めなければならない(個人情報保護法36条)。これは努力義務だが、本人が納得し、必要なら次の手段を検討できるようにするための配慮である。
問10開示請求と不開示事由
保有個人データの開示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.開示請求があった場合でも、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合は、その全部又は一部を開示しないことができる。
- イ.開示請求があった場合、個人情報取扱事業者は、いかなる場合も保有個人データの全部を開示しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
開示は原則ですが、害のおそれがあれば不開示にできます。
本人は保有個人データの開示を請求でき(個人情報保護法33条1項)、事業者は原則応じなければならない。ただし、(1) 本人又は第三者の生命・身体・財産その他の権利利益を害するおそれがある場合、(2) 事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、(3) 他の法令に違反することとなる場合は、その全部又は一部を開示しないことができる(同条2項)。開示は原則だが、不開示事由がある点を押さえる。
問11利用停止等の請求事由
保有個人データの利用停止等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.本人は、保有個人データが利用目的による制限や不適正利用の禁止に違反して取り扱われているときは、当該保有個人データの利用の停止又は消去を請求することができる。
- イ.本人は、保有個人データが適正な取得の規定に違反して取得されたものであるときも、当該保有個人データの利用の停止又は消去を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
違法な取扱い・取得には利用停止等を請求できます。
本人は、保有個人データが、(1) 利用目的による制限(18条)若しくは不適正利用の禁止(19条)に違反して取り扱われているとき、又は (2) 適正取得(20条)に違反して取得されたものであるときは、利用の停止又は消去を請求できる(個人情報保護法35条1項)。さらに、第三者提供の制限違反では提供停止を請求でき(同条3項)、利用する必要がなくなった場合や権利利益侵害のおそれがある場合などにも利用停止等を請求できる(同条5項)。請求事由が拡充されている点を押さえる。
問12訂正等の請求と事業者の調査
保有個人データの訂正等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.訂正等の請求を受けた事業者は、調査をすることなく、直ちに本人の請求どおりに訂正等を行わなければならない。
- イ.訂正等の請求を受けた事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき訂正等を行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
訂正は『調査の結果に基づく』のであって、言いなりではありません。
本人は保有個人データの内容が事実でないときに訂正・追加・削除を請求でき(個人情報保護法34条1項)、請求を受けた事業者は、他の法令に特別の手続がある場合を除き、利用目的の達成に必要な範囲内で遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき訂正等を行わなければならない(同条2項)。本人の請求どおりに無条件で訂正するのではなく、事実関係を調査した上で対応する仕組みである。
問13開示の方法
保有個人データの開示の方法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人情報取扱事業者は、開示請求を受けたときは、原則として本人が請求した方法により、遅滞なく保有個人データを開示しなければならない。
- イ.保有個人データの開示は、常に書面の交付によらなければならず、電磁的記録の提供による開示を請求することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
開示は『本人が選んだ方法』で行うのが原則です。
本人は、保有個人データについて、電磁的記録の提供による方法その他の規則で定める方法による開示を請求できる(個人情報保護法33条1項)。事業者は、本人が請求した方法(その方法による開示が困難な場合は書面の交付)により、遅滞なく開示しなければならない(同条2項)。従来は書面交付が原則だったが、改正によりデータでの開示も選べるようになった点が重要である。
問14利用停止等の請求事由の拡充
保有個人データの利用停止等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.本人は、保有個人データを事業者が利用する必要がなくなった場合等、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがあるときは、利用停止等又は第三者提供の停止を請求することができる。
- イ.利用停止等の請求は、事業者が個人情報保護法に違反した場合に限られ、それ以外の場合には一切認められない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
利用停止は『違反したとき』だけではありません。
従来、利用停止等の請求は事業者の法違反(目的外利用・不適正利用・不正取得・違法な第三者提供)がある場合に限られていた(個人情報保護法35条1項・3項)。2022年改正により、本人が識別される保有個人データを事業者が利用する必要がなくなった場合、重大な漏えい等が生じた場合、その他本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合にも、利用停止等又は第三者提供の停止を請求できるようになった(同条5項)。請求事由が拡充された点を押さえる。
問15利用停止等と事業承継(総合)
個人情報の取扱いに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.本人は、保有個人データを事業者が利用する必要がなくなった場合には、利用停止等を請求することは一切できない。
- イ.事業承継により取得した個人情報は、承継前の利用目的に拘束されず、承継後は自由に利用することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
「請求できない」「自由に使える」はどちらも誤りです。
本人保護の観点から、利用停止等の請求事由は拡充され、利用する必要がなくなった場合や権利利益が害されるおそれがある場合等にも請求できる(個人情報保護法35条5項)。一方、事業承継により取得した個人情報は、承継前の利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱ってはならない(同18条2項)。本人の請求権の拡充と、取得経緯に応じた利用制限という、本人保護の二つの側面をあわせて押さえる。